トビーと紗枝の勧誘が済み、続いてやって来たのは『
通信で済ませても良かったんだが、せっかくの機会なんで向こうの
魔法陣を使った転送はあれで盗聴やら盗難が起きる可能性もあるんよね。向こうのセキュリティは心配ないんで、必然的にやらかすとしたらこっちになるし。ダンまち世界なら間違いなく干渉できる存在がいなくて安全安心な手段だろうに、魔法が発達してるのも良し悪しだわぁ。
「どうにもうちは魔法使い関連の伝手が弱いもンですから、メフィスト様のお力を拝借したく」
「『
『別に顔が広いわけでもねぇが』
『そもそも人間相手じゃ得るものがないしね☆』
『すぐ死ぬ! ゴミカス!』
さておき、ゲオルクを筆頭にヴァーリやマルバス姉妹、アーシアやアジ・ダカーハを紹介しつつメフィストにオズの魔法使いについて尋ねてみた。
アジ・ダカーハが超絶弱体化してるのは前も言ったが、アーシアの龍たらしっぷりが直撃したんでこれでも割と毒は抜けてたりする。言うまでもなく虎視眈々と力を取り戻す機会は狙ってるだろうが。
つーか邪龍に限らず殺しても復活する強い龍達なら自分限定で魂に干渉する能力を持っても良さそうなもんだが。呼吸を止めたり激しくしたりはできても取り込む酸素量を調節できるかって話に近いのかもな。知らんけど。
「まぁ、バールド君の聞きたがっている『オズの魔法使い』に関しては何やら怪しい動きをしているようだというのを把握してるよ。実を言うと、身内に被害も出てるんだ」
「と、言いますと?」
マジか。同じ魔法使いの組織って事で知ってる相手だからこそ厄介さを考慮し先制した系? にしてはメフィスト本人ピンピンしてたら報復が怖くないんだろうか。
そんな考えを読み取ったらしく、メフィストは苦笑しながら補足説明をする。
「『
「ソレをしたら戦争では?」
ルキフグスの民に危害が加わらなくても、その身内に害が及んだら普通に調査して結果次第じゃ潰しに行くんだが。基本的に総力挙げて。戦闘狂を合法的にストレス発散させられるチャンスだし。
「それがねぇ……あぁ、説明は本人に許可をもらってからでもいいかな?」
「えぇ、問題ありません」
そうして呼び出されたのは金髪美人。今更ながらにお宝センサーが反応してますわ。隠蔽されてた系かね。
「ラヴィニア・レーニと言うのです。よろしくお願いするのです」
「彼女は
ぺこりと頭を下げる魔女っ娘の挨拶に合わせて、メフィストが
能力が能力なんで育成には慎重に慎重を重ねるべきだと思い、レオナルドには
ちな、
しかしそうなると残る
まぁどこかしらへ所属してるなら縁は遠いか。ネメアの獅子は存在を秘匿されてるし。
教会のは……ストラーダ卿の気分次第な感じがあるか。
紫炎は生ハムの話じゃそれこそオズの魔法使いの二代目東の魔女で敵……場合によっちゃ回収の機会ありそうだな。なんか自分の意志で動けるような話もあるし、鳩やイエスの許可が得られるなら破壊も視野に入れといた方が良いだろうか。しかし十字架ってイエスが背負って坂を上ったアレよな。つめり擬人化した場合ご年配枠や子供枠な可能性もあって、しかも二千年近く前から存在してるわけで……イッセーが反応するかもしれん。面白系人工
あと忘れられがちだけどこの世界の姫島朱乃ってイエスが被せられた茨の冠が元ネタな
「……驚かされました。
「うん。普段はこちらが驚かされる側だからね。ようやく一矢報いた気分だよ」
にこにこ顔のメフィストだが、そんなこっちから驚かせるような事あったかね。ゲオルクとかヴァーリとかは十分なインパクトあるか。あとイニーとか他神話体系とか和平とか。
つーか結局オズの魔法使いとの関連について聞けてねぇぞ。
「それで、その、身内をオズの魔法使いに襲撃されたというのが?」
「そう、彼女だ。ラヴィニア、彼に聞かせても構わないかい?」
「はいなのです。私に魔法を教えてくれたのは『オズの魔法使い』であり南の善き魔女、グリンダなのです」
「……同じ『オズの魔法使い』で争った?」
つーか身内って思いっきり所属としては『オズの魔法使い』なんか。いやまぁ善悪の魔女で対立してても不思議はないのかもしれんが。元の話はよく知らんのよな。まぁ悪魔よりは仲良しなんでねーの?
「少なくとも私はそのように聞いているのです。グリンダがオズから来た魔法使いに襲撃を受けた、と。実際に現場を確認しに行った私が見たのは、焼け落ちてしまったグリンダの家。以降、グリンダの行方も不明なままなのです」
あー、そういや生ハムが言ってたか。そのグリンダは『オズの魔法使い』に協力してるっぽいが、真意は不明。生ハムの予想じゃラヴィニアの疎んでる自身の
「事情はわかりましたが、『
「そうだねぇ。基本的に組織としては不干渉だけど、個人の行動に制限を設けるつもりはないかな」
「なるほど」
「向こうも同じ所属内で争うって事は国として動いているか不明だからねぇ」
つまり物語の予想として挙げてた少数精鋭の一人だったわけだ。ヴァーリの姉役をやってた縁はここからか。で、今回もこっちに預けるのかね。
「個人で動くには限界があるのです。ご迷惑でなければ協力して事に当たりたいのですが……」
「一応、現時点のうちからすると何かしら問題を起こしそうだという疑いの段階なので調査メインになって大きくは動けそうにないですよ?」
「それで構わないのです。私も『次元の狭間』に国を持つ『オズの魔法使い』の調査は余り進んでないので」
「なるほど……うン?」
今、次元の狭間って言った?
「どうしたのですか?」
「あー、近い内に『オズの魔法使い』が住む領域は消滅するかもしれないな、と」
「「消滅」なのです!?」
おー、声が揃った。
いや、ホラ、グレートレッドって原作じゃおっぱいドラゴンに反応する愉快な面もあるからさ。この世界のイッセーはおっぱい信者じゃないが、互換の年上讃歌的なものを作って好感度を上げられないかと試す予定がだな。
でもって当代の二天龍が打倒グレートレッド掲げてやる気満々なんで、戦闘訓練の相手してもらえんかなーと。ドラゴンのプライドはグレートレッドも変わらんっぽいから、ひよっこが立ち上がろうとか飛ぼうとかしてるのを見ると応援したくなるというか、鍛えるのはやぶさかではなさそうなんよね。なお加減の上手い下手。
ま、運次第では肉体消滅させた詫びに龍神ぼでーを提供してくれる可能性も高いしどう転んでも一定の成果は得られるはずだ。
まぁ、そんな事したら余波で次元の狭間に影響が出るだろう。オズって国が次元の狭間にある以上、例えば魔法で位相をずらす的な干渉できなくなる措置を取っててグレートレッド対策は取ってるだろう。だが、普段の遊泳と違って戦闘態勢とまではいかんでも揉んでやるかくらいのやる気を見せてる夢幻の一撃に対応できるかって話がね。むしろそこで耐えたら何かあるって障害物として認識されてやる気の上がった夢幻の一撃どころか連撃が待っててもおかしくない。
「そんなわけでグレートレッドにちょっかい出すんで次元の狭間にお住まいな『オズの魔法使い』には残念なお知らせがですね」
「何しようとしてるの君」
「二天龍が組んでグレートレッドに挑むのです……?」
「正確には三つ巴スタートですが、当代はお互いに因縁よりも宿主の成長に関心が寄せられています。強大な敵の前では迷わず協力できるでしょう」
まーいうてイッセーはオーフィスを得るために手柄を独占したいだろうし、ヴァーリも一人で勝ってこそ『
が、それはせめて戦闘と呼べるラインに達してからの話だ。今のオーフィスに
しかしながら、二人はこれから思春期を迎える。心身は飛躍的に成長するだろうし、想いに応える
反面、ヴァーリは原作比で環境が安定してる分だけ承認欲求は満たされ強さへの飢えが減ってる。代わりに守りたいものが増えてるからか半減との相性がめっちゃ良くなってて防御が非常に固くなってる。現時点でも
「えーとね、さすがに一部が暗躍してるらしいだけで勢力そのものに責任を取らせる段階にはないから、いきなり潰されると民が不憫というか」
「二天龍と『
「うーん、否定できない」
「メフィスト理事!?」
果たしてこれも箇条書きマジックになるんだろうか。メフィストが閉口する時点で効果は抜群よな。
実際問題、次元の狭間で二天龍が激突した余波でオズが滅びましたとか情報が回ったとしても過去からの積み重ねからハイハイ二天龍二天龍で終わる話なんだよ。仮にその段階では無事でも縄張りで暴れてる馬鹿を察知したグレートレッドが介入して二天龍を追い回した余波でオズ壊滅とか情報回ってもハイハイ夢幻夢幻で終わる。
便利すぎんかドラゴンの圧倒的自然災害属性。
まー二天龍の現状を知ってたら途端にアタシの画策したテロ疑惑に早変わりしちまうんだがな、コレが!
「ひとまず次元の狭間で二天龍がぶつかる情報はオズに流してもらっても構わないでしょうか? そこへ罠を仕掛けて二天龍ゲットを企む連中がいたら
「あー、うん。構わないよ。二天龍の因縁を持ち出されたら下手に介入しても被害が大きくなる一方だし、時間的な猶予を与えて避難するならよし、撃退策を取っても背後に君がいるなら食い破って終わりかな。場所も地上や冥界に直接の被害を出さない次元の狭間なら配慮にすら思えるし。まぁ、次元の狭間に影響が起きたらそれはそれで大変だから懸念材料なんだけどねぇ」
うむ、そもそも『オズの魔法使い』とか知らんまま立てた計画だし、生ハムの説明がなかったら若き二天龍がグレートレッドに挑戦し秒で
なんだかんだ各神話体系は新しいもの好きだし、若輩を導くのが好きなところあるんよね。あるいは自分色に染めたい欲なんかもしれんが、残念ながらルキフグス色は油汚れより頑固なんだ。上書きしても内側から滲み出てくるし。
あと中継ついでにゴグマゴグとか次元の狭間に漂ってるお宝を探し回りたいとも思ってたんよね。生ハムの持ってる次元安定石があれば次元の狭間内部を安全に探索できるの一種のチートだわ。なおグレートレッド等の脅威。だから二天龍をぶつけて気を引いてもらう必要があったわけですね。
「そういえば二代目東の魔女アウグスタは『
と、そこへラヴィニアから
「それはそれは。有益な情報の提供、感謝するよレーニ嬢」
「ラヴィニアで結構ですよルキフグス様」
「ならバールドでいい。様も不要だし態度は崩して構わない」
まぁ、ラヴィニアとしてはこっちが派手に動いて陽動になれば自分の側が動きやすいとかあるかもしれんし、下策ってわけではない。生ハム情報で事前に知ってたとはいえ、誠意は受け取ったから好感度上がったし。どっちかってーとラヴィニアの目的も打ち解けるためだったりするか?
「えーと、重ねて言うけど、程々にね?」
「心得ておりますとも」
「ですが、グリンダの無事を確認して救出するまでは気持ち慎重に動いてほしいのです」
あらやだこの子ったら腹黒い。メフィストがスンッとなってるんだが。もしかして身内に危害を加えられて闇堕ちというか覚醒しちゃった系なんだろうか。ルキフグス領の子供達に会わせたら浄化されるかしらん?