霊夢はいつもと違ってかなり怒っていた。許せなかったのだ。先程まで全く知らなかったとはいえ、倒れる程の大怪我をさせた煙羅燻を。
「……っ!何処にいるって言うのよ!」
紫の置いていったあの名簿には煙羅燻の名前がある。
能力は『煙を操る程度の能力』
この能力の特徴は自分すら煙に出来るらしい。ただし、十分のみだが。人間友好度極低、危険度高だ。
紫はその隣に「かなり嫌な奴で戦闘狂なので冷静に対処すること」と書いてある。
飛んでいると、下の方から争っている声がする。片方は聞き覚えがある。鬼の四天王、伊吹萃香の声だ。
「にゃははは!いやー楽しいね!久々に本気で暴れられるよ!」
「鬼の四天王様が本気とは嬉しいね!」
二人は互いに弾幕を張る。しかし、それらは全て消し飛んだ。何故ならば、霊夢が全て吹き飛ばしたからだ。
「霊夢〜邪魔するなよ〜ってなんでそんな格好?」
「ごめん、萃香。今回だけは譲って貰えるかしら。この格好はいつもの服がダメになったから。」
「んあ?なんだいあんたは。私はあんたみたいな雑魚に用は無いんだよ!どっか行きな!」
今の言葉がさらに霊夢を刺激する。彼女の怒りは更にヒートアップして行く。拳は強く握られ、小刻みに震えている。完全に霊夢は臨戦態勢だ。煙羅は更に挑発する。
「聞こえなかったのかい?どっかに行けって言ったんだ!人間風情がぁ!」
「……鐙口」
「は?」
「鐙口戦をやったのはあんたか?」
「あぁ。あの雑魚か、私の暇つぶしにもならなかったよ!分かったらさっさとどきな!私は鬼の四天王と戦いたいんだ!」
霊夢は完全にキレた。スペルカードも、弾幕も使わず殴った。吹っ飛ばされた煙羅は地面に落ちていく際に、煙になって何事もなく立っていた。その場で一番驚いていたのは萃香だった。
「れ……霊夢あんた」
「何?殴ったのがそんなに不思議?」
「い……いや。何でもない。」
萃香は霊夢の顔に怯んだ。かなり怖い顔をして居るのだろう。後、霊夢が殴った事に驚いているという事だ。
煙羅はニヤニヤしながら額に青筋を立てている。霊夢の拳は全く効いていないようだ。
「霊夢、私も戦うよ。元々戦っていたのは私だしね。」
「分かった。やるわよ萃香!」
「ふふふ……よくも殴ったな。人間風情がぁ!貴様をブチ殺して薫製にしてやる!」
「勝負方式は?」
「弾幕ごっこだ。残機は2、スペルカードも2だ。いいな!」
こうして、2対1の勝負は始まった。その勝負を眺めている妖怪が一人。八雲紫だ。スキマを使い、覗き見して居る。
「ふふふ……ちゃんとやってるわね。間に合うといいのだけれど。
紫は静かにスキマを閉じた。