ゼインの世界渡り   作:ikkun

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不良少女の依頼

その日の正義は事務作業に集中していたのだが・・・

 

ときめ「ねぇ・・・あの二人どうしたの?」

 

事務所に入ってきたときめにそう言われて顔を上げると翔太郎とフィリップふたりがにらみ合っていた・・・

 

正義「やれやれ・・・ときめとフィリップの次はこの二人ですか。」

 

亜樹子「平気平気。定期的にくる仲良しコンビのガス抜きみたいなもんだから!」

 

翔太郎「いんや!悪いのはフィリップだ!聞いてくれよときめ!正義!こいつ俺のロストドライバーをどっかに隠しやがったんだ!」

 

ロストドライバーとはメモリ一本、つまり一人でも仮面ライダーに変身できるベルトである。

 

ときめ「スカルが使ってたっていう・・・まだあったの?」

 

正義「それを使って翔太郎はフィリップがいなかった間探偵活動を行ってたんですよね。」

 

フィリップ「あぁ、それをメンテナンスしていた。」

 

翔太郎「ここんとこピンチも続いたしいざってときに持っといた方がいいと思って聞いたら・・・」

 

フィリップ「メンテナンスは完了したが僕が先日隠した。翔太朗には絶対に見つけられない場所にね。」

 

翔太郎「な、ひでぇだろ?なんでんなことを・・・」

 

正義「そんなの持たせたらあなたの無鉄砲が加速するからでしょ?」

 

愚痴る翔太郎に正義は冷淡に返す。

 

フィリップ「その通りだ。ロストドライバーを持たせたら一人でときめを助けたいときに無茶をするのは目に見えている。僕が止めなければ誰が感情的になった君を止めるんだ。」

 

亜樹子「あーらフィリップ君、ときめちゃんにジェラシー感じちゃってるわけ?」

 

フィリップ「それもあるがそれだけではない。」

 

亜樹子・正義(否定しないんだ・・・)

 

フィリップ「ときめはもう我々全員の仲間だというのが僕の認識だ。したがって彼女の問題は僕たち全員で解決するべきだと考える。違うかい?」

 

しかし翔太郎はまだしぶる・・・

 

翔太郎「お前がそう考えてくれてんのは嬉しいけどさぁ・・・」

 

フィリップ「ほらそれだ。自分がときめの保護者気取りなのがまず気に入らないね。僕にいつも保護されている立場のくせに。」

 

翔太郎「んだとぉ!お前の保護者ずらの方が気に入らないぜ!年下のくせに!」

 

そうしてまたにらみ合いになってしまう・・・

 

そんな中でも照井はクールにコーヒーを飲んでいる・・・

 

翔太郎「照井!お前もなんとか言ってくれよ!俺とフィリップの言い分どっちが正しいと思う?」

 

正義(そうやって他人に意見を求めるのはどっちも保護者が必要なんじゃ・・・)

 

正義は苦笑いしていると・・・

 

ガンっ!

 

照井「俺に質問をするな。」

 

照井は殺気を出しながらコーヒーカップを激しく置く。

 

亜樹子「竜くん~殺気が駄々洩れだよ。」

 

照井「・・・あぁ、すまん。昨夜の仕事を引きづっていた・・・どちらの言い分も理解できる。二人で決めろ。」

 

照井は落ち着いたようでまたコーヒーを飲み始める・・・

 

翔太朗「久々にあらぶってるなぁ・・・」

 

正義「確か夜に突入した組織に逃げられた上に末端だったんですよね。」

 

フィリップ「ORIGIN・・・とかいう奴らだね。ミュージアムが残したガイアメモリを密売している組織の中では最大の勢力と言われている。」

 

亜樹子「部下を捕まえても黒幕につながらないらしいのよねー・・・そいつらが町から探し出したメモリを買い取って売買しているボスがいるって話なんだけど謎に包まれたまま・・・ここんとこ竜くんいらついてんのよ。」

 

フィリップ「そんなときに翔太郎がつまらない質問をするから・・・そもそも答えは聞くまでもない。」

 

翔太郎「そりゃどういう意味かなぁ!?」

 

亜樹子「あーも!子供かあんたら!」

 

正義「やっぱり保護者は私か亜樹子さんじゃないとだめですね・・・」

 

そんな風にドタバタしていると照井の電話に着信がかかってきた。

 

照井「・・・何?わかったすぐに向かう。事件だ、現場に向かう。」

 

そう言って照井がドアに手を掛ける前に扉が開かれた・・・

そこにいたのはスカジャンにロングスカートのセーラー服という昔ながらのスケバンファッションの女子だった・・・

 

ときめ「依頼人・・・?」

 

女子「あんだよ、何じろじろ見てやがる。」

 

照井「あまり感心しない風体だな。」

 

正義「ストレートですね・・・」

 

女子「こっちの勝手だろ!てめえが探偵か?」

 

照井「・・・探偵はあっちだ。」

 

そう言って去っていく照井に舌打ちしながらも女子は依頼について話す。

 

正義「逢瀬奈々さん、辰巻高校に通う女子高生で行方不明になった親友・沖田舞さんの捜索依頼ですね。」

 

逢瀬「あぁ、これが写真だ。」

 

そこに映っていたのは奈々とメガネをかけた真面目そうな子だった・・・

 

翔太郎「こういっちゃなんだが君とは結構タイプが違う友達だよね。」

 

逢瀬「マイマイ・・・この子の仇名なんだけど・・・優等生でお金持ちでなんでアタシなんかと仲良くしてくれてるのかこっちが不思議になる子だった・・・でも幼稚園からの仲だから私がグレた後もずっと変わらず接してくれて・・・」

 

亜樹子「その舞ちゃんっといつから連絡が取れなくなったの?」

 

逢瀬「一週間前・・・学校にも来てない。マイマイがいなくなって初めて知ったんだ・・・あの子の両親もう別れる寸前で・・・家庭環境もメチャクチャで家にもいったけど両親どっちも本気で相手にしてくんなかった・・・アタシなんかと違ってエリートだと思ってたけど・・・」

 

フィリップ「彼女は彼女で現実から逃げたかった。ということかな?」

 

正義「気が合ったのも彼女も自由なあなたに憧れてたからっていうのもあるんでしょうね。」

 

逢瀬「そうだと思う・・・お願い!早くあの子を見つけてやってよ!」

 

翔太郎「わかった・・・その依頼を受けよう。」

 

逢瀬「ホントに!?良かった!急いでくれよな!」

 

そうして依頼人を返した翔太朗だったが難しい顔をしていた・・・

 

ときめ「なにか引っかかった?」

 

翔太朗「あぁ、ちょっとな・・・親友が失踪・・・心配・・・そこまではわかる。だが妙に焦っている感じがしたんだよな・・・ただの仲良しが消えたそれ以上の感じが・・・」

 

この翔太朗の予感は現実のものとなることをまだ誰も知らなかった・・・

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