正義たちはガレージで推測をする。
フィリップ「知って通り、裏風都に出入りしていた五条一葉の情報は、地球の本棚でもほぼ得られない。何か手掛かりになりそうなことを彼女は言ってなかったかい?」
ときめ「・・・そういえばなんか呟いてた。たしかヨークとか・・・」
翔太朗「ヨーク?」
正義「スペルはYOKEですかね?衣服のパーツや名前ですね。それ以外だと牛の首を繋ぐくびきですよね。」
フィリップ「転じて支配や圧迫、奴隷などの束縛を意味として用いられるね。」
翔太朗「メモリがらみで使われているとすると・・・良くない意味合いだよな・・・」
フィリップは一旦検索してみるが・・・
フィリップ「だめだ、一般的な言語の意味以外は見つからなかった・・・やはり裏風都に関する隠語になるね。」
フィリップがそうして検索を終了すると翔太朗が裏風都の人間関係を描いたホワイトボードを見つめていた・・・
正義「なに思い詰めてるんですか?」
フィリップ「当ててあげよう、ときめが打ち明けた話の中で一番気になったのは彼女が昔、万灯をユキと呼んでいたという情報だ。」
翔太朗「うっ!もともとあの野郎癪に障る言い方ばかりしてやがったから・・・」
どうやらビンゴのようだ。
正義「まぁ、関係は深いといっても色々ありますよ。元カレだけど記憶がなくなる直前で別れたとか。」
フィリップ「他にも親友や親族という可能性だって残されているだろう。」
翔太朗「いや、お前たち励ましてるつもりなの?真顔で言われると不安になってくるんだけど!」
そんな天然ボケな空気を出していると外で調査していたときめが入ってきた。
ときめ「所長さんが手がかりを持ってきた!」
事務所に戻るとそこには資料を持った亜樹子がいた・・・
翔太朗「なんだこの資料。」
亜樹子「実は竜くんのところ行ってきて資料を持ってきたの!YOKEの事も聞いたら思い出してくれたの。梟の塾長の事件のときに押収したものの中にヒントがあるかもって。」
正義「そういえば先生とか言って関係性深そうでしたよね・・・あの鳥羽とかいう男と。」
それはオウルドーパントの鳥羽の資料だった・・・
亜樹子「それでこんな写真も見つけたの!」
その写真には割れてはいるが薬の瓶でラベルにはYが抜けているがOKEのスペルがあった。
ときめ「そうか・・・この前にYが!」
亜樹子「そしてこれがG研が調べた成分分析表!」
フィリップ「そうか・・・これを入力すれば!」
フィリップは早速本棚で成分について詳しく打ち込む。
フィリップ「わかった、YOKEは薬だ。注射器に装着して使う特殊なアンプルの一部だ。そして普通の人間には影響がないがメモリ使用者にはその毒素に反応して後遺症の痛みを失くす効果があるんだ。」
翔太朗「一葉はそれを手に入れに・・・この町のどこかにある後遺症の治療薬が売られているところに向かったのか!」
正義「うーん・・・あの井坂もどきがそんな高尚なものを作ってたんでしょうか?」
フィリップ「・・・残念だが正義の予想通りだ。治療薬ではなく戦場で使われる麻薬と同じで肉体の痛みはなくなるが治りはしないんだ。一度使ったら投与し続けなければ肉体が保てなくなる。」
正義「つまり近世や近代のアヘンのように専用の窟があってそこで撃てるようになっていると・・・」
ときめ「そんな・・・」
フィリップ「だからくびき・・・YOKEなのだろう。一度繋がれたら離れられないという意味で。」
亜樹子「心底最低なやっちゃな!」
その効果に一同は怒りを隠せない。
フィリップ「鳥羽音吉は未だに意識不明だ。彼から聞き出すこともできないとなると・・・追跡はかなり厳しい・・・」
翔太朗「いや、この情報はデカいぜ。亜樹子のお手柄だ。」
そう言って翔太朗は立ち上がる。
翔太朗「人の足取りは心の道だからな。」
フィリップ「鳴海壮吉の言葉かい?」
翔太朗「あぁ、何をしたいと思って動いたかを考えて追う。それが足取りを掴むこつなんだ。俺たちはYOKEの使い道を知った。それは必ず突破口になる!」
ときめ「うん!そんなところに行く前に、彼女を見つけ出そう!」
そうして一葉を救おうと考えるときめだったがそれとは反対な男がここにいた・・・
正義(苦痛から逃れて快楽に溺れますか・・・ますます救えないですね。貴方に安らかな廃人なんて似合いません・・・残酷に、慈悲もない、痛みに満ちた死によって
被害者やその家族の涙は報われる・・・YOKEなんて使わせませんよ・・・!)
同じくYOKEを使わせないことは同じでも対局な思想を正義は内にはらんでいた・・・