ゼインの世界渡り   作:ikkun

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話し合いの場

正義たちは個室に座ってマナたちからの質問に対応することにした。

 

ヒロミチ「それじゃ始めようか。言いたいことがあれば遠慮なくどうぞ。」

 

するとありすは深呼吸したあと話し始める。

 

ありす「私には、はじめお兄さまの考えていることがわかりませんでした。しかしあのドローンを目にしたときには手に取るようにわかってしまいました。」

 

マナたちがあっけに取られているとありすは語り始める。

 

ありす「ジコチューは危険なものだからドローンで駆除するしかない。そういうイメージを植え付けてしまえば、あの武骨なロボットが徘徊しても違和感がなくなる。駆除するジコチューは幹部の方たちが無限に生み出せるわけですからまさにマッチポンプというわけですね。そしてドローンのデータ収集はかなりはかどるというものです。」

 

ありすの最後の言葉に倉田は驚く。

 

正義(流石は令嬢、なかなかの切れですね。)

 

ありす「最終的には軍事転用が目標でしょう。人工知能を搭載したドローンを運用するためには、膨大なデータの蓄積が必要になります。本物の市街地が使えれば宣伝にもなって一石二鳥ですわね。そして正義さんは先ほどの技術からみて異世界の住人・・・これまでの発言や性格から考えてお兄様と手を組んでいるのは経済の不安定や人口爆発の問題を解決するため、戦争による人口の間引き・・・ではありませんか?」

 

ありすは正義の目的まで推理する。

 

正義「さぁ、それは教えられませんね。」

 

正義は白を切る。

 

ありす「四葉財閥の人間は誰かの幸せのために働くこと。それすなわち社会に対する奉仕の精神。日々常に襟を正して誠実に生きること。お父様が伝えてくれた言葉ですわ・・・お兄様はそれに背こうとしています。今ならばまだ間に合います。ジコチューや正義さんとは手を切ってください。お願いします。」

 

それに対してヒロミチは反撃する。

 

ヒロミチ「トランプ王国は何故滅んだと思う?」

 

真琴「それは・・・キングジコチューがよみがえったからです!」

 

真琴がそれに答える。

 

マーモ「あら?どうして蘇ったか言わないつもり?」

 

真琴「トランプ王国の王様が王女を救うために、エターナルゴールデンクラウンを使ったせいよ!それが何?王様は退位して罪を償ったし国民も納得したうえでジョナサンをリーダーに選んだんだから!」

 

ルスト「果たしてそうかな?こうして平和が戻ったのに、アンジュ王女が戻らない。お前はそれで本当に納得しているのか?」

 

すると真琴はプシュケーを黒くされたのか苦しみはじめる。

 

六花「まこぴー、しっかりして!」

 

真琴「大丈夫・・・私はもう王女様のことは乗り越えてるんだから・・・」

 

正義「そういう割には汗が凄いですし今日はこのへんにしておきますか?」

 

正義は白々しく会話をやめようとする。

 

亜久里「貴方たちは卑怯です!封印されたジャネジーがアン王女の体を蝕んでいなければお父様がエターナルゴールデンクラウンを使うことはなかったんです!」

 

正義「そうですね・・・王女様が国王をミラクルドラゴングレイブで封印でなく仕留めてれば事態があそこまで酷くなることはなかったですし国王ばかり悪者にするのも善意に反しますね。」

 

亜久里「うっ・・・・」

 

今度は亜久里が胸を押さえ始める。

 

レジーナ「アンタたちってバカね・・・トランプ王国が滅んだのはジコチューのせいだし!それを知りながら手を組んでるヒロミチ、あんたも同罪で決定よ!」

 

レジーナは自信満々に言い放つが・・・

 

ヒロミチ「本当にそうかな??インカ帝国が滅んだのだって実際はヨーロッパから持ち込まれた疫病で滅んだとされている。トランプ王国も同じさ。最大の原因は国民の心の弱さにある。」

 

真琴「なにを言ってるの!」

 

真琴は自分達を馬鹿にされたと思い激怒する。

 

正義「まぁまぁ、証拠はありますよ。歴史書を紐解くと王国の初代国王は闇の勢力を討伐して国を作り上げました。その一族も優秀で優れた治世によって1万年近く太平の世を築きましたがその結果、トランプ国民は欲望や憎悪、悪意にたいしての免疫を失ったんです。」

 

倉田「そう、免疫です!トランプ国民のプシュケーは非情に脆く目の前に恐怖や絶望があるだけで勝手に怪物になってしまうんですよ。」

 

マーモ「そう、こんなことしなくてもね。」

 

マーモがそう言ってジコチューを作るように指をならす。

 

真琴「嘘よ!この目で見たんだから…あなた達ジコチューがみんなのプシュケーを黒く染めるのを・・・」

 

ゴーマ「ぎゃはは!いいことを教えてやるよ!」

 

ゴーマが笑い声をあげて返す。

 

ゴーマ「キングジコチューが復活した時点で王国の連中は震えあがっていた。完全に浮足立っていたのさ!そんなプシュケーを闇に落とすのは簡単だ、一度指をならせばドミノ倒しみたいに恐怖が感染していく!」

 

ヒロミチ「その後、君たちがキングジコチューを浄化したおかげで負の感情の感染は収まり、王国は蘇った。けれど問題はそこで終わらなかったんだ。」

 

六花「えっ?」

 

ありす「どういうことですか?」

 

六人が不思議がる中正義たちは続ける。

 

倉田「ミラクルドラゴングレイブによって次元の壁を破壊したでしょう?世界がツナかったおかげで人の流れが生まれて人間界にも負の感情がウイルスのように蔓延り始めてるんですよ。」

 

レジーナ「私のせいだっていうの?」

 

倉田「普通のウイルスだったらワクチンで押さえられますがジコチューになりにくくする薬は開発が難しい。プシュケーが闇に染まる原理はまだ分かってないですからね。」

 

正義「ということで多少強引でしたがロイヤルクリスタルの応用技術でジコチューを即時駆除できるようにしたというわけです。」

 

ヒロミチ「そのためにゴーマとルストにも力を借りてね。」

 

六花「でも変よ。ジコチューからしてみればこっちの世界で感染が拡大するのはいいことでしょ?ジコチュー殲滅ドローンの開発に手を貸したりするかしら?」

 

しかしゴーマたちは笑って返す。

 

ルスト「俺たちは一方的な勝利は望んでいない。」

 

マーモ「キングジコチューさまももういないんだし、あくせく働くのもバカみたいじゃない?」

 

ゴーマ「だったら人間どもがのたうちまわる姿を見ているほうが面白いってことで手を組んだってわけ!」

 

マナ「・・・こんなやり方しかないんですか?」

 

マナはヒロミチにそう語りかける。

 

マナ「ジコチューってなりたくてなってるわけじゃないですよ。姿形は怪物でも心のどこかで助けを求めてて・・・だから愛の力で救っていたつもりです。だけど、あのドローンは害虫でも退治するみたいに・・・あれって本当に浄化出来てましたか?ジコチューなんてなる方が悪いんだって・・・自己責任だからって駆除してないですよね?」

 

あれだけ酷い裏切りにあったにも関わらずマナは信じて語り掛けるが・・・

 

ヒロミチ「君たちは運命に導かれるようにプリキュアとなり2つの世界を平和にした・・・しかし何故その後もプリキュアを続けている。何のために?」

 

マナ「それは・・・困っている人を助けたいから・・・」

 

正義「ならばこの効率化を喜ぶできですよあなたは。」

 

マナ「え?」

 

ヒロミチ「世界では今でも気候変動や戦争で困っている人たちがいる。知らないなんて言わせないよ。僕はこの目で見てきたわけだしね。」

 

マナ「・・・・」

 

マナが苦しみはじめる・・・

 

六花「無茶言わないでください!いくらプリキュアだからって世界中の人たちを救えるわけがないじゃないですか!」

 

正義「だからこそプリキュアに余裕を持たせて今も救いの手を本当に求めている人たちのためにその力を使う・・・それがこれからの世界に必要なことです。」

 

ヒロミチ「彼らは見てしまったんだ。どんなに苦しくてもいつか助けてくれると君たちを待ち続けているんだ。それなのに大いなる力を手に入れた君は何をしているんだ?」

 

その時にはマナは倒れこんでしまっていた・・・

 

マナ「ミチさん・・・正義さん・・・絶対にあきらめない。この世界を救って見せる!」

 

それでもマナは宣言してみせた・・・

 

ヒロミチ「君はいつも辛い道を選ぶんだな・・・その言葉に偽りはないか見せてもらうよ・・・」

 

そう言ってヒロミチたちは会議室を出るのだった・・・

 

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