そうして始まりの会長に会いに行くと快い歓迎を受けた。
始まりの会長「久方ぶりだな。皆のおかげで助かった。代表して礼を言う。魔道具技師ヒュウルミ殿、転送陣をよろしく頼む。」
ヒュウルミ「あぁ。」
始まりの会長「皆聞いてくれ、この階層にとどまるのは得策ではない。人名を優先して清流の湖階層に退避しようと思う。転送陣が復旧するまで守り抜く。乗り越えていこう!」
住人「うおぉおお!会長!会長!」
正義「宝塚の俳優みたいなだけあって熱狂的なカリスマですね・・・」
ハッコン(とくに男性陣の人望が厚いからな・・・)
そうして翌日になると集落の北東にある監獄に逃げ遅れはいないかを捜索隊を送ることになりラミリスとハッコン、シュイ、ミシェル、正義が参加することになった・・・
ラミリス「どんな悪人に収容されてるの?」
始まりの会長「普通の囚人はハンター協会の地下牢に放り込むのだが・・・あそこにはどうしようもないクズや多重殺人犯や快楽殺人犯・・・あとあの超変質者はどうしている?」
職員「奇行を抑えることないので閉じ込めたままです・・・」
正義「殺人者たちの中に変質者って・・・その中に放り込まれるってどんだけの人なんですか・・・」
始まりの会長「変態だ。かなり特殊で男女問わず苦情が殺到してな。犯罪者ではないが本人の希望であの監獄にな。」
ラミリス「本人の希望で!?」
始まりの会長「とにかくあのガクベルのような変態がそう簡単に死ぬとは思えんが・・・」
ハッコン(ガクベルってこの世界のゴキブリだっけ?)
始まりの会長「とにかく・・・行かないわけにはいかん。」
顔をしかめながらも会長が監獄のとある檻へと向かおうとするが・・・
会長「囚人たちがいない・・・?」
シュイ「檻が全部開いてるっすね・・・」
ミシェル「どういうことでしょう?」
「おや?だれかいらっしゃいましたか?」
声を辿るとそこにいたのは黒髪で長髪の聖職者の格好をした男だった・・・
始まりの会長「生きていたか・・・煩悩聖職者!へブイ!」
へブイ「煩悩ではありません、本能で忠実に生きてるだけです。」
正義「なるほど、靴を愛でるのが本能と・・・いや大分特殊は変態ですね!?」
へブイ「特殊ではありませんよ。男女問わず使い古された靴が好きなだけです。履いている人には全く興味がありません。」
始まりの会長「貴様・・・牢屋にいたのになぜそんな大量の靴を・・・」
へブイ「最近めっきり寒くなってきてたので毛布替わりに。あぁ魔物が騒がしかったので牢屋のカギを開けて囚人も解放してあげましたよ。」
始まりの会長「バカな・・・!あの囚人たちがどれほどの悪人か!」
へブイ「勿論承知してます。だから魔物を引き寄せる魔法と幻覚を施して解放しました。」
正義「なるほど・・・囮として利用したと。中々の実力者のようですね。」
シュイ「そうなんすよ・・・なにせうちのメンバーっすからね・・・!」
ラミリス「えぇぇぇ!?」
なんとこの男も愚者の奇行団の一員だった。
へブイ「そうそう、シュイとは心の友で・・・」
シュイ「そこまで行ってないっすよ!最近見かけないと思ったらこんなとこにいたっすね!治癒担当で精神に干渉するのが得意の変態!」
へブイ「誤解ですよ、靴とは人生を映し出す鏡。靴を見れば歴史や性格もわかります。私はそれを楽しみたいんですよ。」
その変態っぷりに全員唖然とする・・・
へブイ「だから使い古された靴がいいんですよ。」
ラミリス「でも盗みはよくないよ・・・」
へブイ「盗みは人として最低の行いの一つです。そのような過ちを犯すわけがありません。」
正義「そこは聖職者のプライドがあるんですね・・・」
始まりの会長「ここがこいつの厄介なところでな。好みの靴の人物にしつこく交渉して買い取るのだ。」
少しのまともさが超絶的に嫌な人だった・・・
シュイ「愚者の奇行団のよくない噂の8割はこいつのせいっす。」
正義「だからまわりからどよめかれたりしてるんですね・・・」
始まりの会長「戦おうとはしなかったのか?」
へブイ「見殺しにはしてませんよ。魔法を解きますね。幻覚と気配を薄める魔法を併用していましてね・・・」
そこには檻には住人たちがいた・・・
ミシェル「なんと・・・いっさい気配を感じなかった。」
正義「心強いことは確かですね・・・」
そうして生存者とへブイと一緒に拠点に戻ることにした皆なのであった・・・