スタンダール事件が終わり正義は今後のことを話そうと灰廻の家に立ち寄った。
正義「航一、ちょっといいですか・・・って誰ですか?そのイケてる女性は。」
灰廻「ま、正義!この人は大学の先輩で・・・」
真「塚内真(まこと)、イケてるなんて嬉しいねぇ。君は?」
正義(塚内ってまさか・・・塚内刑事の身内とかでしょうか・・・)
正義は知り合いの刑事を考えながらも挨拶をする。
正義「私は善井正義、航一とは趣味で意気投合した友人です。」
灰廻「そうそう!実は大学の試験勉強手伝ってもらってて今日は・・・」
正義「ヒーロー社会学ですか・・・興味あります。邪魔しないので続けてください。」
真「よっしゃ!お姉さんに任せなさい!じゃあテスト範囲のウィジランティズムとヒーロー公認制度の相克・・・ちょうどいいわね。」
正義・灰廻「?」
真「まずウィジランティズムっていうのはアカデミックに言えば社会の混乱期に自然発生する治安システムなのね。」
正義「ヤクザや海外マフィアも初期はここに当てはまりますね。」
真「そう、その多くは過渡期的存在であり社会の安定化とともに公的システムに吸収されるかもしくは排除されるのね。超常黎明期においてもしかり、ヒーローの誕生って高校の近代史でもやったでしょ?」
正義(確か雄英高校でもやってましたね・・・)
灰廻「はい、聞いたことがあるような・・・」
真「個性っていう人類が初めて手にしたパワーによって引き起こされた混乱・・・その状況に対して一般市民の中から個性をもちいて治安維持を行うウィジランテが現れた。その後個性使用の法整備がなされ、ウィジランテたちは正式なヒーローとなった。」
正義「でも大学の勉強ですからもう一歩踏み込んだ話しもありそうですね。」
真「正義君鋭い!さてここでクイズ!世界で最初にヒーロー公認制度が制定されたのは?」
灰廻「確かアメリカだったような・・・」
真「そう、ロードアイランド州。当時いわゆるロードアイランド州法の対象となったウィジランテは189名・・・その中でヒーローと認められたのは何人だったでしょうか?」
灰廻「えっと・・・全員ってことはないでしょうね。中にはヒーローらしからぬ人もいたわけだし・・・えっと半分くらい?」
真「ちっちっち・・・答えはわずか7名。ほとんどのウィジランテは個性犯罪者としてウィランに分類されたの。志のあるウィジランテたちが公に認められてヒーローになったというのも嘘じゃないんだけど実のところ公認制度の狙いはヒーローの認可ではなく敵の定義にあったとも言われてるわ。恣意的に個性を用いるものをヒーローと敵に振り分けて後者の活動を制限する。社会的な管理システムの一環というわけ。この管理は市民の武装権や自己決定権を犯すものとして今でも議論になってるわ。」
正義「誰が見張りを見張るのかってことですか・・・」
灰廻「なるほど・・・」
真「つまりウィジランティズム、私的正義は法的正義であるヒーロー制度の祖であり相互監視的な対立者でもあるというのが結論だね。付箋張ったとこ、見といてね。」
灰廻「助かります!」
真「ほっとしたところでクイズ!新法制定の時にヒーローと敵を分けた決定的な要素ってなんだと思う?」
灰廻「法律守るとか正義の心?」
正義「強さとか社会への有益性でしょうか・・・」
真「その答えは秘密~・・・じゃなくて自主研究のテーマ!協力してくれるなら答えは教えてあげる。近頃噂の鳴羽田のウィジランテ、彼らについてのフィールドワークをね!」
正義・灰廻「ぶー!!」
まさかの自分達の研究についてのことだった・・・