そうして山ン本は妖のイメージを固めていく。
山ン本(こいつらを殲滅できる妖を!できる!着想はある、最凶にして最悪のどんな奴が来ても動じぬ無双!怪談・黒田坊のような・・・)
山ン本「できた・・・もともと今日は禁断の怪談百万遍でとっておきの凄い妖を作って江戸中を驚かそうとしていたのじゃ・・・これを・・・」
しかし山ン本の中に一つ疑念が生まれる。
山ン本「待てよ・・・そういえば黒田坊はもともと百物語で産んだ妖ではない・・・茶の力で操って連れてきたんだ・・・大量に複製は作ったがあまり強くないし・・・ワシがかんがえただけでは不完全!?このまま生み出していいものか・・・?」
鯉伴「そこまでだ。」
ゼイン「何人も裁きからは逃れられない・・・」
そこに鯉伴とゼインがやってくる。黒田坊の足止めを青田坊に任せてここに来たのだ。
山ン本「ヒッ、ヒェェェ!!」
がっ!
逃げようとするもバランスを崩してそのまま屋根から落ちてしまい巨体が仇となって首や腕などの骨が折れた・・・
山ン本「が・・・ぐ・・・」(ワシ・・・死ぬのか・・・?)
鯉伴「欲望をため込んだその肉がこんなことで自分を殺すか。哀れだな。」
ゼイン「これまで殺してきた人たちの骸ともいえますね。その怨念が今ここであなたの足に絡みついたんですよ。」
鯉伴「残念だったな、てめぇの野望はここまでだ。」
しかし鯉伴は山ン本が持っている紙に気づく。
鯉伴(なんだあの紙は・・・)
山ン本「こ・・・んなことで嫌じゃ・・・ワシの野望・・・そうじゃこうすれば・・」
次の瞬間・・・
ズバッ!!
山ン本「ごはっ・・・」
ゼイン「往生際が悪いですよ。そのまま地獄まで引っ張られなさい。」
カイザブレイガンを一閃させたゼインがいた・・・
しかしその時には紙に自分の名前を書き終えた後だった・・・
ー百物語・その百ー
あるところに大商人がおりました。金も女も自由自在・・・欲しいものがなくなった男は全ての畏を手に入れて仏様や神様のような存在になりたいと思っていました。しかし残念なことにその野望は畏をすすって生きる妖怪どもに潰されてしまいました・・・恨みを持って死んだ男は自ら怪談となり奴良組を滅ぼすまでけして滅びぬ妖怪となったのです。その妖の名は山ン本五郎座衛門・・・
そうして現れたのは腐った肉をその身に宿し、頭は骸骨の怪物だった。
ゼイン「やれやれ・・・生き汚さの具現化のような妖ですね。」
鯉伴「言ってる場合か!あの飛び出した肉からドンドン妖が生まれてるぞ!」
そう、そこら中に散らばった肉片が妖となって招待客や組員を襲い始めたのだ。
ゼイン「あんなのが町に降りたら善意のあるものまで巻き込まれてしまう・・・」
ウィザード!執行!ジャスティスオーダー!
バインド!グラヴィティ!サイコー!
鎖で拘束した後に重力の魔法で本体の動きは止めるが飛び出した手下たちの動きを止めるには至らず町に行ってしまう・・・
鯉伴「やべぇ!」
子どもたちに向かっていく妖を鯉伴は助けようとするが
ずばばば!!
その前に黒田坊があらわれて子供たちは助かった。
ゼイン「どうやら目が覚めたようですね。」
鯉伴「すまねぇな子供たちを守ってくれたみたいで。」
黒田坊「拙僧はもともと子供たちから生まれた妖・・・気にすることはない。拙者はあの茶の力で操られていたかと思うと我慢ならん!」
ゼイン「そうですね・・・しかし生前よりもデカくなった巨体・・・一気にずたずたにしないと新しい妖が生まれそうですね。」
鯉伴「だったら燃やし尽くすか!」
ゼイン「ならこちらも。」
ごぉぉぉ!!
鯉伴は明鏡止水・桜で炎を起こし、ゼインはフレイムドラゴンの力で炎を大きくしていく。
山ン本「ぐ・・・おぉぉぉ・・・」
焼け焦げはするが流石の生命力で中々倒れない。
ゼイン「生き汚さも進化してるとはゴキブリといい勝負できそうですね。」
すると重力下で動きにくいながらも山ン本は胸に手を突っ込んで心臓を取り出した。
ゼイン「刀になった・・・」
鯉伴「ちっ!」
すると山ン本はその刀・・・魔王の小槌を振り下ろし恐れをドンドン吸収していく・・・
ゼイン「やれやれ・・・人の恐れですらこうなのに妖だったら一発で致命傷になりそうですね・・・」
味方の妖を助け惨状を見ながらゼインは言う。
すると黒田坊があらわれて倒れていた鯉伴を助け出す。
鯉伴「すまねぇな・・・子供たちはどうした?」
黒田坊「お前のところの女妖怪に託した。ドンドン進化している・・・今のうちに止める手を考えねば・・・」
鯉伴「アンタが戦ってくれるなら正義と一緒で心強いな。」
黒田坊「妖のお前が何故そうまでして人も守ろうとするんだ・・・正義、お前も何故妖のために戦っている。それが拙僧には解せぬ。」
ゼイン「善意あるものに種族は関係ありません。粛清するべきと判断したら粛清しこの世をぐるぐると回る善意の輪を完全なものにする。それが私の責務です。まぁ、裁きの場合がほとんどですがこの世界は奴良組がいれば問題なさそうです。」
鯉伴「それは光栄だね・・・俺はな・・・半分人間でな。幼いころからこの町で育ったんだ、母親が人間だから人間の友達も多かった。それで父親が闇の支配者だ。小さい妖、弱い神と共に暮らし世話になってきた。今度は二代目継いだ俺が守る番なんだ・・・人の半分、妖も人も伴うのが俺だ。それを背負って生きるのが俺の
そして鯉伴は黒田坊に言う。
鯉伴「俺の百鬼に加われよ黒田坊。俺と盃酌み交わそうぜ。そして俺はお前を鬼纏うぜ。」
そういうと鯉伴の体に黒田坊の畏が絡みつき黒田坊と鯉伴が一体化し背中に武器が大量に背負われる形となった。
ゼイン「それがあなたの奥の手でしたか。」
鯉伴「あぁ、アイツが強くなっていくなら超えていくだけだ!」