横島っ!   作:緋踏そら

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壱話―後半

春恋とうるちは横島をボロボロになるまでお仕置きした後、慌てて何処かに行ってしまい…その場には、ピクリとも動かない横島だけがいた。

 

それから、数分の刻が過ぎ…ある変化が見られた。

 

「…行ったな……それにしても自業自得と言え、ひどい目にあった」

 

さっきまでボロボロに倒れてた筈の横島が何事もなく、スッと立ち上がり体の汚れを払い落としてた。

 

「……水屋は気付いてなかったがハルコちゃんは……あれゃあ、気付いてたな…」

 

横島は気絶したフリをしながら、春恋が去り際に言った、「入学おめでとう忠夫」の台詞をばっちり聞こえていた。

 

その事を思い出すと、嬉しくもあり照れくさくもあった。同時に申し訳ない気持ちがうまれた。

 

「ふざけないで…ちゃんと言ってやれば良かったな………」

 

冗談で胸のことなんかを言わずに……素直に「キレイになった」と言えば良かったのだが、改めて言おうとしたが照れてしまい胸を触ってしまった。

 

「ま……過ぎたことをいくら言ってもしょうがねぇ……俺も入学式に行くとするか…な」

 

チラッと、目に写った時計を見るとあれから結構経っており入学式が始まるまで時間がそう長くないと悟ると入学式の会場…体育館に向かって走り出す。

 

 

 

×××

「ん? 男……?」

 

「今年から男子生徒を入れるって言ってただろ?」

 

「聞いても、ムダだからのぉ―」

 

木の枝にぶら下がってる少女と…炎のように荒々しく動く髪を持つ小人らしき男の男女が会話していた。他の人から分かりづらい所にいるといえ…下着丸出しでぶら下がってる少女は行き交う学生や教師を観察していた。

 

「しかし……学園長もよくこれだけアホ面を……ん?」

 

言葉の途中に二人の見知った少女達に目が行った。

 

「アハハ…またやっとるのか、あの二人は」

 

「………人のケンカ楽しむなんて趣味悪いぜ………」

 

“人の不幸は蜜の味”と言うのか…… 少女達のケンカを見て、面白いのか愉快そうに笑い、横でそれを見ていた小人の男は少女に注意する……が

 

「そうは言ってものぉ、原因を知っとるとあやつ等のイザコザは面白うてかなわん」

 

仕方なしと全く反省の色を見せない。

 

「お嬢。イザコザってか一方的に絡んでるだけに見えるが…」

 

小人の男の言う通り、少女が一方的に絡んで、もう一方の少女は嫌そうにしている。

 

「確かに」

 

小人の男の言葉を聞き、更に可笑しそうに笑いながら同意する。

 

「おい~!!」

 

予想だにしない、大声にびっくりし体をビクッとさせた少女は声の主の方向を見る。

 

「……」

 

「…あっ」

 

そこには、まの抜けた声を出す横島が何故かいた。

少女は横島をじ~と見ると自分の状態を思いだし慌てて降りようとするが大きくバランスを崩し逆さまのまま横島の真上に落下した。

 

「お嬢!?」

 

「きゃあ!!!」

 

「ほぐッ!?」

 

可愛らしい悲鳴と衝突音がした。

 

「んっ……!!? くっ!!!」

 

横島の上に落ちた少女は、横島に覆い被さり…神様のイタズラなのか偶然にも横島とキスをしていた。

 

「あっ……あっ……」

 

すぐに離れた少女はキスをしていたと言う事実に戸惑ってた。

しかし、横島はキスをしていたことを分からないが……

 

「……純潔の……白レース…」

 

スカートから見える少女の下着をガン見してた。しかも、口に出しながら。

勿論、少女の耳にも横島の言葉は聞こえてた。

 

「っ! 」

 

「……はっ。ちがうんだ、ちがうんだ、ちがうんだーっ!! ドキドキ…じゃない……見てない! 見てないゾ! 白のレースなんてっ!」

 

言い訳を言うが、殆んど私は見ましたと言ってるようなものだ。その証拠に少女は横島の胸元を掴み、首に手刀を当ててる。

 

「ひ…ひえぇッ! す、すみません! わざとじゃあ……」

 

謝罪の言葉を無視し、手に力を入れる少女は…ふっと横島の胸元のアザがうつる。

アザを見た瞬間、目の色が変わり直ぐに元に戻った。

しかし、横島はそれに気付いてた。

 

「……わしに何か用があったのではないか?」

 

「へ? あっそだ。た、体育館。体育館の場所を……」

 

この男は、元気よく走り出したと思えば体育館は何処だと思い人に聞こうと

木にぶら下がってた少女に教えて貰おうと声を掛けたのだ。因みに、その事に気付いたのは走り出してから数分後のことだった。

 

「そこを出て、道沿いに行けば辿り着く」

 

「な…なるほどっ。あんがと」

 

お礼を言い、教えられた道を行く横島の跡をじっと見る少女と小人の男。

 

「なんだ、アリャ? ……大丈夫か? お嬢…?」

 

落ちたことを心配してるのだろう。小人の男は心配そうに聞くのだが、少女の耳には届いてなかった。

 

「………見つけた。見つけたぞ我が仇敵……」

 

その呟きは隣にいた、小人の男にも聞こえなかった。

 

 

 

 

×××

『あ~~テステス。ここの学園長、六条実です』

 

場所は体育館。壇上には赤いスーツを着た女性……学園長が自己紹介をしていた。

 

『え~皆さん。ご入学おめでとう。本日は新入生を迎えるにあたり、当学園について話をしたいと思います』

 

新入生…一年生に向かって、祝いの言葉を送る学園長…実は話を続ける。

実の話を黙って聞く、一年生と上級生達……そんな中で一人―横島は違う事を考えてた。

 

「(朝からヒドイ目にあったが…良いこともおきたな……やっぱ共学選んで良かった!これからの学園生活が楽しみだ…ゲヘヘ)」

 

ゲスい笑みを浮かべ、ヨダレを垂らす横島に周囲の人間は引いていた。

 

「(けど……)」

 

『っと。正直かたっ苦しい話って苦手だから、短くチャッチャッとまとめると――我が学園のモットーは……』

 

気持ちが高ぶってるのか、実はマイクを豪快に持ち…

 

『心・美・体!!』

 

『心も体も強く美しくあれってことね…この考えは共学化した今でも変わる事はありません!! 男女共、この信念のもと己を磨きあい校則を守りつつ“恋”なり“決闘”なり自由にやっちゃって!!』

 

「(…これさぇ、なかったら…な)」

 

“決闘”という言葉を聞き、決闘の意味を知る横島は心底嫌そうな表情をする。

 

『んで、気になってる人も多いだろう。“ヒメガクラ”だけど』

 

ヒメガクラ―この言葉は、詳しくは知らないが父親にある程度聞いている横島は更に嫌そうにする。

 

『これは天日の学園祭…であると同時に八つの“マケン”の所有者を決める大会でもあります…魔力・霊力…』

 

魔力、霊力と随分懐かしい言葉を聞いた横島は、生前生きてた世界を思い出す。

 

「(美神さんやおキヌちゃんは一体どうしてるだろう…? 最後にケンカしてたことしか覚えてないんだが…)」

 

段々と不安になる気持ちに、こりゃ、いかんと思い頭を振り忘れようとする。

 

『…様々な力があるけど我々はこういった力を総括して“エレメント”って呼んでます』

 

エレメント―この世界に来てから新しく覚えた物の一つ。

生前から霊力を操る横島は直ぐにエレメントの力に目覚め才能ありと言われた横島は幼少期から両親に嫌々ながら鍛えられた。

 

『八“マケン”の所有者になれるくらい“エレメント”が扱えれば、輝かしい未来が約束されるでしょう…しかし、本物ではありませんが全生徒には個々に合った“マケン”の模造品が渡されます』

 

「(マケン…な。自惚れてる訳じゃ、ないけども…別にマケンなくっても強いし……よな俺?)」

 

自分の強さに自信がないのか弱気な考えを持つがその考えはけして間違いではなかった。

霊力やエレメントを使った身体強化だけでも、そこいらのマケン使いに苦もなく勝ってるだろう横島に……マケンを持たしたら一体どれだけ強くなるのか…想像も出来ない。

 

『それを使って三年間“エレメント”の扱い方を学んで下さいっと…ま、コレを聞くより見て貰った方が早いから……』

 

『余興も兼ねて実演すんね。呼ばれた在校生三名と新入生一名は武台にあがってねー!』

 

言葉を合図に二つの武台らしき物が浮上する。実は横に待機してた女生徒から幾つかの玉を貰い受け、そこに書いてある文字を読み上げる。

 

『二ーB六番…絹亜ガレットと同じく―二ーB七番志那都アズキ。両者、私から奥の武台に―』

 

まず、二人の上級生が呼ばれ武台に上がっていく…

 

『続いて…二ーA二十番…姫神コダマ……最後に新入生…横島忠夫! 手前の武台へ!!』

 

姫神コダマと呼ばれた少女はさっきほど…横島とキスをし、自分の下着を見られた少女であった。

一方…名前を呼ばれた横島は、「へぇ~、横島って奴入学初日から運が悪いな~それにしても俺とおんなじ名前かぁ~」と他人事のように言うが、直ぐに自分だと分かると他人の目を気にせず大声で「いやぁー! 入学初日から決闘なんてイヤじゃあーッ!」とわめき散らしてた。

 

その様子を見てた春恋は呆れかえってなんとも言えない表情だった。

 

『あ、ちなみに試合時間は三分…デモンストレーションみたいなもんだから。医療班も控えてるし、気楽にね~』

 

試合をする横島を含め、上級生三人に対して……なんとも気の抜けた応援をする実。

 

「ウフフ…ようやく捕まえましたわアズキさん。こんな形で再戦なんて……何か縁を感じますわね?」

 

「まったくだ。一刻も早く絶ち切りたいぜ」

 

お嬢様口調でポーズを決め剣を携えたガレットと準備運動をする男勝りなアズキ。

 

「ウフフ…しかし、これはもう“決闘”以外の何ものでもないと思いません?」

 

回りくどい言い方をするガレットにアズキは内心苛立ってた。

 

「つまり何が言いたいかと申しますと…私が勝ったら彼を返して頂きますわっ!!」

 

“彼”と聞き、横島は頭の中一つの思考に至った……

「彼は私のよ!」

「は、コイツはあたしの物だ!」

「だったら、力づくで…!」

………何を思ったのか、二人の少女が一人の男を奪い合う姿を想像していた何故か男の方は美形だ…実に横島らしい思考だった。

 

「うおぉー! ちくしょー!! 何だかとてもちくしょー!! ………ぐはっ!」

 

藁人形に釘を打ち、会ったこともない相手に呪いをかけていた……が呪いは横島に帰ってきた。周りは、何だコイツ?と気味悪がっている。

 

「こじつけやがってコンニャロ。こっちが勝ったらその事で金輪際絡んでくんなよ」

 

「了解しました“決闘”成立ですわね…」

 

『じゃあ、在校生の方から始めようか……始め!!!』

 

両者の準備が整い、開始の合図を出した。

開始とともに、ガレットは剣の鞘を抜き捨てた。

 

「出番ですわ…魔剣“サイズ”!!!」

 

そう言い。剣を振るうとアズキに向かって斬撃が飛んだ。

アズキは受けるのは危険と判断し、横にずれ攻撃を避けた。

 

「きゃっ!!」

 

目標に当たらなかった斬撃は観戦してた生徒達の真上を通り、紅白の布を真っ二つに切り裂いた。

その光景を見てた横島は……

 

「(剣から斬撃…か。マケンって奴は知ってたけど、実物はなんとも物騒な道具だな)」

 

ガレットのマケンを凝視してた。

その視線に、近くにいたコダマは気付きガレットの持つマケンを説明し始めた。

 

「魔剣“サイズ”は“宿主”の意思に応じて…刀身から“かまいたち”に似た真空の高速衝撃波を繰り出す事ができる……」

 

「ほへぇ~…やっぱ、マケンってスゴい物なんだな~」

 

本当に分かってるのかと横島の態度に疑問を持つコダマだが、今は試合の方が大事であるため試合に目を向ける。

 

「……“暴れ鷹”相手では、その速さも意味を成さんか…」

 

「なっ! ……上っ!?」

 

ガレットの攻撃を避けたアズキは武台の上空にいた。

白鳥のように鮮やかに翔び、鷹の様に荒々しく獲物を見る目は狩人のようだ……

 

「ちょ…ちょっと意表を突かれましたけど………私相手に上空に逃げても唯の的になるだけですわ!!」

 

ガレットは上空に剣を構え…

 

「遊びが過ぎましたわね!!」

 

勢いよく振りかぶる。

ガレットの攻撃は誰もが当たると思ったが…

 

「翔べ。魔腱“ホーク”……エア・ステップ!!!」

 

寸前になり、自身のマケンを発動させたアズキは地面を蹴るみたい空中を蹴り攻撃を回避しガレットの背後に降り立った。

ガレットもいちテンポ遅れ背後を振り向くが、顔の傍にはアズキの脚があった。

 

『フッ…両者そこまで!! 勝者!! 志那都アズキ』

 

勝負あり。と判断した実は試合を止め勝者の名を口に出した。

 

「ま、また負けるなんて………」

 

負けたガレットはこの世の終わりと思わせる暗い表情に……

そんなガレットにアズキは敗因を教える。

 

「…………彼はもう私のもとには戻ってこないのですね……」

 

表情だけではなく声色も悲哀が満ちてた。

 

「まっ…そういうこった。潔く諦めな」

 

「……そう。かわいそうな私のテディベア。クーちゃん…これからも毎晩アズキさんにギュッキュッされながら涙で枕を濡らすのですわ!」

 

……どうやら、彼とは人ではなくぬいぐるみの人形の事だったらしく。それを知った周囲はアズキの事を意外そうに見てた。

二人の可憐な少女が取り合ってたのがぬいぐるみだと分かった横島は何故呪いが帰ってきたのか漸く分かった。

 

「(それりゃあ…相手も居ないのに呪い掛けたら……掛けた本人の…俺に帰ってくるわな……それよりも!)」

 

「カメラ持ってくるんだったッ! あぁッ!パンチラがぁ、あんなに見えてたのに勿体なーいッ!!」

 

「神聖な決闘で何を撮ろうとしとるか、お主はーッ!!」

 

「ぐはぁっ!」

 

決闘中にパンチラを撮ろうなどと言う決闘を汚す様な考えに思わず拳で突っ込んでしまったコダマに女子生徒全員がよくやった!と心のなかで拍手を送り…男子生徒は心の中で横島に賛同してた。

 

「な、なんでの俺の考えが…もしかしてエスパーかッ!?」

 

「エスパーなんて居るわけないわ…お主が声に出してただけじゃ」

 

「え、知り合いに居たけどエスパー…」

 

「……」

 

本当におるのか…と少し驚愕してるコダマ。

 

『それじゃあ、最後の試合だ。二人とも手前の武台にあがって…』

 

そう言われ、武台に昇るコダマと嫌々ながらも大人しく昇る横島。

しかし、横島は試合前からいきなりダメージを負ってる横島を心配する者が……春恋だ。

 

「(……大丈夫かな?いきなり怪我してるけど。それに相手はあの姫神さんだけど……)」

 

コダマの実力をよく知る春恋は横島が怪我を負わないか心配だった。

 

「(う~心配だぁ)」

 

「決闘とかよく分からんが…三分間試合してたら言い訳だろ…ま、大丈夫だろ」

 

軽い口調でそんな事を言う横島にコダマは全然別の事を考えてた。

 

「(あの胸の紋……見間違うはずもない…となるとヤツは――)」

 

「(わしの―倒すべき敵じゃ――)」

 

その表情は横島を敵として認識し、その他の感情を捨てた覚悟した顔付きだった……の筈だが…

 

「(お気に入りを見られた上に唇まで奪われたしのぉ……)」

 

結構私情を挟んでるようだ。

 

「何、企んでんだ? お嬢」

 

「心配か? カクヅチ安心せい。今は殺らぬ……今はな……」

 

何時もと雰囲気が違うコダマを心配する小人の男…カクヅチ。

 

「イカヅチ!」

 

カクヅチの横に雷みたいな髪形をしたイカヅチという名前の小人が出現した。

 

「今から時限式の雷玉をあやつの心臓に埋め込む。見た所、奴には“エレメント”耐性が皆無……守る術を知らん今なら……後日に心臓ショックを与え殺す事が可能じゃ」

 

横島にエレメント耐性がないと思い込むコダマだが、横島はエレメントを一般人と同じ位に抑えてるだけでエレメント耐性はきちんと備わっているのだ。

この事に気付いてるのは実と極僅な人だけだった。

 

「お嬢。ここで目を付けられちゃ意味ないぜ。それによアイツ自身に恨みは……」

 

「わかっておる! わかっておるのじゃ……だがな…騒ぐのじゃ―血がな――」

 

困った風に自分の心臓に手を置くコダマを見てカクヅチはそれ以上何も言わなかった。

 

 

 

『んじゃ新入生気張ってな……それでは…始め!!!』

 

「(相手は女なんだよな…あんま、傷付けたくないし…ひたすら防御に徹するか…)」

 

そう。決めた横島は自身の使う武術の構えをとる。両腕を前に突きだし……

 

「“前羽構え”!!」

 

「ーッ!」

 

横島は空手の構え……絶対防御の前羽の構えをとる。相手の攻撃がきたら、十全に守れる前羽の構えは相手と自身を傷付けることのない構えである。その前羽の構えをとった横島の姿は素人なんと呼べぬ洗礼された正真正銘の達人の姿にコダマを含め多数の生徒、教師が驚愕した。

先までの藁人形に釘を打ってたり、パンチラ、パンチラと言ってた人物がいきなり達人級の構えを見せたのだから更に驚愕した。

 

「(なんという隙のない構え―先程の童とは思えん!)」

 

攻撃しようにも、隙がない。もし、突撃でもしようものなら気付かぬうちに倒されると悟るコダマ。だが、横島に空手を教えた者が見れば…まだまだ隙だらけ! と激怒するだろう。

 

「(あ、あれ… 掛かってこないぞ? こりゃ…どうすれば良いんだ?)」

 

困った横島はチラッと審判の実の方を見る。視線に気付いた実自身もこの事態に困り果ていた。

クジと言え、適当に選んだ新入生が自分並みの達人だとは予想だにしなかった故、どうすれば良いのか考えてた。

 

「(このままじゃ、試合に成らないな……仕方ない。引き分…ん?)」

 

考え抜いた結果……仕方なく引き分けにしようとマイクを取ろうとする手が止まった。実の視線の先には横島に突撃するコダマの姿があった。

 

「(おいおいッ! 私でも攻撃するのは躊躇するってのに…いきなり突っ込むなんてどうするつもりだ!?)」

 

確かに、今の横島に攻撃できる者は数少ないだろう。実も攻撃できる一人だ。実の主な攻撃は近接戦闘が得意だが、そう易々と攻撃を繰り出す事は出来ず、仮に攻撃が通ったとしても避けてしまうだろう。遠・中距離戦闘を得意とするコダマの格闘が横島の防御を突破出来ると思えない実もコダマ自身も分かっていた。

それでは…何故コダマは態々突撃しに行ったのか…

 

「(確かに…ワシの攻撃は届かない…それでも…)」

 

「エレメントが通らぬ道理はないじゃ……ろッ!!!」

 

確かに…攻撃が通らなくてもエレメント耐性のない者にはエレメント攻撃は通る……が、それは横島がエレメントが使えてなかったらの場合である。

 

コダマの指先には高密度のエレメント…雷玉が光ってる。

「ゲッ! エレメントで攻撃しようとしてやがる!」

 

「今さら遅いわ!」

 

「ならッ! ……はっ!」

 

前羽の構えを解き、素早く手をコダマに向け突きだし手の平に霊力を集め、瞬く間に形作ってく。

 

「サイキック・ソーサーッ!!」

 

その掛け声と共に手の平に霊力の盾が現れ、コダマの攻撃を防ぐ。

 

「な、防いだっ!? 」

 

前羽の構えを解いたと思ったら、目に見える程の高密度の盾が自分の渾身の一撃を易々と防いでみせた。

防いだ事にも驚いたが…一般人レベルのエレメントしか無いと思っていたのが突如、目に見える程のエレメントを集めた事が驚きだった。

 

「(…あの盾、あれはエレメントとはどこか違う……それに)お主…」

 

「あ~ぶねぇ。もうちょっとで攻撃当たってたぞ………え? 」

 

「お主は……エレメント数を自在に変化できるじゃろ…?」

 

その言葉に周りはざわつき始める。

エレメント数を自在に操る事が出来るのは高ランクのマケン使いにしか出来る所業が今日入学した新入生に出来るなど………

 

「へ? 出来るけど…あれ、なんかアカンのか?」

 

「……いや」

 

さも同然と答える横島に何も言わなくなったコダマ。

するとコダマは、おもむろに手を挙げ……

 

「この勝負…我の降参でよい…」

 

自ら…負けを宣言したコダマは武台から降り、何処かに行ってしまった。

残された横島は困り果ててた。

降参したコダマと困り果てる横島を見、仕方なしと勝敗を言い渡す実。

 

『姫神コダマの棄権により、勝者横島忠夫!!!』

 

こうして靄のようにモヤモヤとした気持ちを抱きながら横島は無事試合に勝利し……この日は終わった。

 

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

「はぁー! 疲れたぁ…」

 

「だらしないわよ。実」

 

「良いじゃんか~…今日は驚きぱなっしで疲れたんだよ~」

 

「…あぁ、入学式に決闘した男子生徒の事ね」

 

「そっ。最初はバカでスケベで面白い奴って思ったけど…いざ、始めたら…」

 

「……別人の様だった?」

 

「………達人級の構えにタイムラグのないエレメントによる防御…」

 

「そうね。あれは私も驚いちゃったわ…それに、あの盾……エレメントじゃ無かったわね」

 

「…………はぁ~! 今年はなんでこんなに面倒な奴が多いの~!」

 

「仮にも学園長なんだから生徒を面倒って言っちゃ駄目じゃない。」

 

「だってえー。調査とか…コイツらの部屋割りとか…」

 

「もう……そうね、だったら皆一緒にしちゃったらどうかしら? ……ふふ、冗」

 

「それだっ! 」

 

「ちょ、実っ! 冗談のつもりで私言ったんだけど…」

 

「ルンルンルン♪ 終わったら飲むぞー!」

 

 




何回も同じ話を投稿すると怒る人もいるかもしれませんが
目次にそう言った、直した後が表示されるのが嫌なので
脱字・誤字なんかの指摘がありましたら直し再度投稿しますのでご理解がありますように…

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