横島っ!   作:緋踏そら

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なんか予告した少し前に投稿してしまう。


弐話―前半

横島とコダマの試合は……コダマの棄権という形で幕を閉じた。試合の後の入学式はなんとも言えない雰囲気のまま終わり……横島は学園長たる実に呼び出された。

 

「こっちは試合で疲れてるってのに…呼び出されるなんて…ほんと今日はとことんついてないな」

 

愚痴を吐きながら学園長の実がいる校長室の前までやって来た横島。

 

「…呼ばれて来ました…横島です。入りますよ」

 

扉をノックし、扉を開ける。

中には自分を呼んだ実と三人の少女達が居た。三人の少女の中には横島がよく知る人物も居た。

 

「あれ? ハルコちゃん何でいるの? それにさっきの子まで…」

 

春恋の他にさっきまで自分と試合をしてたコダマが居たことに疑問と若干の驚きをみせる横島。

 

「あぁ、それは私が呼んだんだ…そんな所に突っ立てないでこっちに来い」

 

実は横島を手招きする。

手招きされた横島は素直に従い春恋達の横に立つ。

 

「実よ。早よう了見をもうせ…」

 

「(俺も早くしてほしい…疲れてるから帰って寝たいんだが)」

 

口には出さないが隣のコダマに賛成する横島。

 

「そう。急かすなっての…お前たち四人を呼んだのはちゃんと訳があるって」

 

そう言いながら一同を見る実は楽しそうな表情をしながら口を開く。

 

「お前たち…四人には一緒の部屋に住んでもらう!」

 

勢いよく指を指しながらとんでもない事を言う。

 

「なっ! 学園長何を言ってるんです!? 」

 

頬を染めながら実に抗議する春恋に対して…

 

「なんか他にあったっけ?」

 

頭をかきながら返す。そんな態度に頭にきた春恋は怒鳴り散らす。

 

「何って! ふ、不純異姓交遊です! それはっ!!」

 

「そっか…春恋は嫌か…けどアイツは喜んでるぞ…ほらっ」

 

「え?」

 

実の指した指の先には…

 

「美女三人と一つ屋根の下で三年間過ごす!! うおぉぉーっ!! 学園生活初日から不幸だと思ってたのにパラダイスな展開がぁっ!」

 

涙を流しながら、もの凄く喜んでる横島の姿があった。

その姿を見た春恋は昭和の芸人みたいにずっこけた。

 

「そうだった…忠夫はこう言う人だったわ……だったら、姫神さんはどうなの男の人と住むの!?」

 

怒る気力もなく、コダマの意見を聞く。

 

「…ワシは別に気にしないが…」

 

考える素振りをするが、すぐに返事を返し……予想外の返事に唖然とする春恋。

 

「(一緒におれば…こやつの正体がわかるじゃろう…)」

 

コダマの本当の目的は誰には分からなかった。

 

「じ、じゃあ、そこの貴女はどうなの!? 男の人と同室なんて嫌でしょ!?」

 

全く話に入ってこなかった少女にすがり付く思いで聞き、返事を待つ春恋の心は焦りまくってる。

このままでは、自分の大好きな人が他の女の子と一緒に暮らしちゃうと言う羨ましくもあり、悲しくもあるそんな状態であった。

 

「私は……私は忠夫様と一緒で全然良いですっ!」

 

その返事とともに…嬉しそうに横島に抱きつく少女。いきなりの出来事に抱きつかれた横島は驚き、春恋は体からエレメントとは違う黒い何かが溢れ出てた。その謎のオーラを見てた実とコダマは驚愕したが……横島には結構に見に覚えのある物だった。

 

「(ッ! あれは、おキヌちゃんと同じ黒いオーラッ!? や、ヤバい! ……けど、この柔らかい感触と良い匂いに負けちゃう)」

 

今、春恋が出してる黒いオーラの正体は……嫉妬である。

この嫉妬のオーラはおキヌも出していた物と同じで、横島が自分以外の女性と仲良くしてると嫉妬のあまり出てしまうと言うとっても厄介な物だった。

その危険性を身をもって知ってる横島は脂汗を大量にかきながら、この状態を打破しようとするが抱きついてる少女の非常に大きい胸の柔らかさと香水とは違う実にいい匂いが横島の思考を鈍らせる。

 

「(あぁ、もうどうでもいい……いやいや、駄目だッ! この子誰だ!? 俺の事知ってるようだが…)」

 

欲望に飲まれそうになったが、なんとか踏ん張り理性を保つ横島は自分を知ってる少女のことを見る。

 

「な、なぁ…俺のこと知ってるようだけど……君は誰なんだ?」

 

相手は自分を知ってるが…自分は相手を知らない。この少女とは過去に会った筈だと思う横島は必至に記憶を探る。

 

「ッ……申し遅れました。私は櫛八イナホです」

 

名前をたずねた瞬間、少女の表情が一瞬暗くなったが……すぐに笑顔になり自己紹介を始める。

 

「櫛…八……イナホ……ッ! イナホちゃん!?」

 

その名前に聞き、漸く少女の事を思い出した横島は小さい頃に何度か遊んだ女の子が同じ高校に入り美少女に成長してたことに驚愕してた。

 

「なっ……覚えていてくれたのですか? 私のこと……」

 

頬を染め、嬉しそうにするイナホ。

 

「ま、名前聞くまで忘れてたけどな…それにしても久しぶりだな。元気だった?」

 

「はいっ! イナホは元気でした! 忠夫様もお元気そうでっ! 」

 

「おう!」

 

二人だけの世界に入り込んだ横島とイナホは春恋達三人をすっかり忘れていた。

 

「あぁ~…おぉい、そこの二人そろそろ話に戻りたいから良いか?」

 

いつまでもこうしてる訳にはいかない為、呼び掛ける実の声に気付き実の方を向く横島とイナホ。

 

「よし……そっちの櫛屋と姫神は横島と同室で良いんだな? 良いなら今日の」

 

「ちょっ! りょ、寮長としてそんな話、認める訳にはいきません!!」

 

横島が二人の美少女と同室になることを認めない春恋は必至の言い訳をする……が

 

「学園長!! ……勝った!」

 

権力の前にはなんの意味もない。

実は先輩たるコダマに横島とイナホの二人の面倒をみるように頼み…コダマは快く了承した。

 

「ダメ……私だって………私だって忠夫と一緒になりたいのに!!」

 

目元に涙を溜めた春恋は心のうちを盛大に暴露し、それに気付き顔を真っ赤に染め恥ずかしそうにしている。

 

春恋の暴露を聞いた横島は春恋の手を取る。

 

「部屋どころかッ!墓の中までッ! 」

 

瞬時にその言葉の意味を理解した春恋は体を震わせて…

 

「もうっ! 忠夫のバカ! 」

 

「ぐべっ!」

 

平手をくらわし、横島をぶっ飛ばした。

勿論、この行為が照れ隠しだと理解した実達三人は面白そうに笑っていた。

 

「副会長も良いって事だから……四人ともこの住所に荷物持って今日から暮らしてくれ!」

 

そう。締めくくり四人は解散した。

残った実は……

 

「いやー! 面倒な奴等を一緒に出来て良かったわ~! これで仕事も減るし、お酒を飲める! ほんと秋は良いこと思い付くなっ!」

 

教師とは思えない発言をお酒を飲みながらぶっちゃけてた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

×××

「んっ………」

 

雲一つない快晴の日。

日の光はガラスを越え、横島の顔を照らす。

 

「んんっ、んっ?……えっ?」

 

目を覚まし、違和感に襲われる。

顔になんとも言えない柔らかさの物が密着している。それが何なのかを確かめようとするが…誰かが頭を押さえ込み確かめられなかった……しかし、横島はすぐさまそれが何なのか理解した。

 

 

胸だ。

 

そう。目の前には爆乳と言える大きさの胸があることを知った横島の心情は……

 

「(コ、コレはどういう―いや、分かる! 分かるぞ! …この状況はっ!)」

 

「(この状況を楽しめってことだな! そうでしょ神様!)」

 

全然違うぞ~と謎の声が頭の中に聞こえたが知らんぷりする。

 

「(あぁっ! なんて柔らかいんだ! て、天国じゃ~! 神様ありがとう! )」

 

感謝されても困るわぁ~とまたもや謎の声が聞こえたが知らんぷりし、爆乳に顔を埋める横島の顔は実に幸せそうだ。

 

「んぅ……なんだろ。胸がムズムズす……るっ!?」

 

「うおぉー! まるでマシュマロみたいな柔らかさと固くもなく柔らかすぎない弾力…最高の乳だぁ!」

 

この男は胸の持ち主が起きたことも気付かず声に出しながら胸の感想を述べていた。

 

「柔らかいな! ……う? ………あっ」

 

頭を押さえ付けていた力が無くなったと思い顔をあげると鬼のような形相をし拳を握る春恋がいた。

額は大量に汗が吹き出し、鉄のように固まってしまった横島は小さく口を動かした。

 

「……や、優しくしてね」

 

気でも狂ったのか大変気色悪い女口調で春恋に言う。

 

「ああぁぁぁ!!!」

 

無情にもその拳は降り下ろされた。

 

こうして横島忠夫の学園生活二日目が始まった。と言うより入学初日と同じ始まり方だった。

 

 




キャラの口調が難しい。
主人公と春恋達の同室ルートをここで入れました。
ま、場所が医務室から校長室に変わっただけですが…

あと、主人公がイナホの事を忘れてなく、覚えているという事にしました。
この小説は大山武じゃなく、横島忠夫が主人公なので美少女の事は覚えている
だろうと思いこうしました。

あと同室ルートは壱話だろと言うかも知れませんがそれを含め弐話という事になりますので……

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