ノーゲーム・アーカイブ 〜ゲーマー兄妹が透き通る世界に迷い込んだようです〜   作:旅する野良猫

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永らくお待たせいたしました。
ノゲアカ2話です。
新年が始まってしまっているので実質、初投稿です。


開幕(ゲームスタート)

 

話は戦車を破壊したところまで戻る。

 

ミレニアムサイエンススクールに所属し、生徒会的組織『セミナー』の会計である生徒〝早瀬ユウカ〟は、ピヨピヨ泣いている連邦生徒会から強引に連れてきた雛鳥二羽(空と白)を前に頭を抱えていた。

「なにが『一掃してください』よ……!? できるならとうにしてるわよ、連邦生徒会は本当に何考えてるのよ……!?」

「ま、まぁ、サンクトゥムタワーの制御権を取り戻すためには、あの部室の奪還が必要ですから……」

ゲヘナから派遣された生真面目そうな眼鏡の少女、火宮チナツの言葉に、状況を理解してはいても連邦生徒会からのあんまりな扱いに怒りで反発しそうになる気持ちを留めようと早瀬ユウカは目頭を押さえて深々とため息をつく。

 

ちらりと先生(疑惑)から保護対象にユウカの中で格下げされた二人に目をやればスマートフォンのバイブレーション機能も漸くやといった震えで現状への恐怖を訴えていた。

その二人は『I♡人類』と書かれたシャツに身を包み、晒す急所を極力少なくした適切な防御態勢をとりながら震えはなおも止まらない。

――適切な防御態勢。

すなわち、カリスマガード(体育座りして頭を抱えた体勢)で死を覚悟しつつ、兄妹仲良く手を繋いで震えているのである――。

 

女子学生らがばら撒く鉛玉が何かの拍子に己が片割れに来ないようお祈りしてる情けないサマを晒しているのが、突如キヴォトスに現れ、連邦生徒会首席行政官から紹介されたフィクサー。

『先生』ことかつての世界にて〝『  (くうはく)』〟と呼ばれたプロゲーマーの哀れな姿を見ればとても頼るべき相手ではないことが一目瞭然であった。

 

そして、そんな二人(空と白)元居た世界(日本国・東京)のオフィス街と似通った公道のど真ん中で喚き、騒ぎ立てれば当然、起こるべきこととしてそれは起きる。

暴動を起こした学生らが撃ったいくつもの弾丸がユウカの上半身。

――そして頭部に直撃し。

 

 

 

爆ぜた。

 

 

 

そう、主に弾丸が。

 

「いっ、痛っ!? あいつら違法JHP(ホロ―ポイント)弾使ってるじゃない!?」

 

「伏せてくださいユウカ。……後、ホロ―ポイント弾は違法指定はされていません」

「うちの学校はこれから違法になるの! 傷跡が残るでしょ!!」

「それよりも今は先生が一緒なんです。その点に気を付けましょう。先生を守るのが最優先、建物の奪還は二の次です」

黒い羽根を広げ、空達に被弾しない様にかばいつつ脇道に逸れた路地へと連れて行く。

 

 

「このまま先生を連れたままというのも難しいですし一度退却も視野に入れた方が良いかもしれませんね……」

 

「……その、ところで先生方は何をしているのでしょうか?」

銀髪のクール寄りな少女、守月スズミがおずおずと質問をする……が。

「「ゲーム」」

その一言に周囲が肩を落とす。

「にぃ、次は?」

「んじゃ、キングを過去時空移動」

「いや先生!? 今はゲームどころじゃなくてですね!?」

口頭で単語を言い合いながら恐らくチェスであろうゲームを淡々と進行していく兄妹にユウカが噛みつく。

「餅は餅屋、戦闘は戦闘経験のあるヤツで。俺らゲーマーが戦場に連れてかれて出来ることなんてあると思うか……? 無駄死にを避ける為にも、隠れて遊んでた方が互いの為だろ……」

「それは、そうかも……ですが。せ、先生だってプライドとかありますよね!?」

「ある訳無いだろ、生き死にが掛かってる場だそ? ゲームならコンテニュー出来たとしても、リアルじゃ連コもセーブ&ロードも出来ない」

一発でも当たったら死んでしまうキヴォトスの外から来た、それも外の一般的な人よりも遥かに劣った兄妹に何が出来るというのか。チート主人公が暴れ散らかす異世界じゃあるまいし。二人の目はそう言っていた。

 

「な、なら戦闘指揮とかはどうです!? げ、ゲームお好きなんですよね!?」

咄嗟に出ただけであろうユウカの発言は何をどう取り繕ったところで、号泣しながらの発言が全て棄却する筈であった。

「さっきも言っただろ、ゲームやってるからってそれで……「で、でもそれって怖くて動けないっていうのが主でしたよね? それなら、た、手段があれば戦えたりするんじゃ……」

ユウカはその先の言葉を続けられなかった。

否、続けさせてもらえなかったと言うべきだろう。

「あー、えっと早瀬だっけ。マジで言ってるなら辞めとけ」

一瞬ユウカの眼の前に写った人が全くの別人にすら見えた。

泣き喚いて戦場の道化でしかなかったこの男は、自らの化けの皮を敢えて剥がし、ユウカの意見を圧し折るつもりであるのを理解する。

「お前の前にいるのは世界に生きるおおよその水準を大きく下回るゲーム廃人、まして俺も白も一定以上離れられないどーしようもない社会不適合者だ」

そんな、身分すらマトモにない者に自身を預けると言うのか?

そんな人間の指示を信じるのか、と問いかけた。

 

「私は――今混乱してしまっているこのキヴォトスで」

 

「連邦生徒会長が居なくなったここで、代わりとして来た先生にその術があるなら」

 

「私は先生を信じます」

「ははっ……」

マジである。

本気でこの少女、早瀬ユウカは空の目を見つめる。可能であると本気で今この場で信じているのだ。

「……ユウカ……この世界、キヴォトスは好き……?」

 

あたりまえじゃないですか!

――そう即答したユウカに。

『  』(二人)は微笑む。

「……いい、な……」

「――あぁ、ホントにな。そう言い切れるのは羨ましいよ」

1年前に脅されるように動画に出されてから始まり、広がっていった世界。

生徒会長だったステフと出会い、不法侵入して現れる電波女のジブリールらと進み始め、やっとクソゲーが楽しみだせるスタートを切った『  』(俺ら)よりも先に楽しみ方を知っている少女へと羨望を向けつつも。

「俺たちが状況を覆せるんじゃないのか。だったな」

 

しかし、だが故に――兄、空は静かに。問答無用で告げる。

目の前にいる早瀬ユウカの、()()()()()()()()

()()()()()()()()

「なっ……!!」

「更に、悪いが――――」

絶句するユウカにすかさず、追撃を入れる。

 

「このままなら――俺たちは全滅する。()()()()()()()()()()()()()()()

 

そんな、全く想定していなかった言葉に。

ユウカは、困惑より、ヒステリーに近い声で反論する。

「ど、どうしてですかっ! 仮に全滅するにしても連邦生徒会が崩壊なんて――」

苦笑気味に肩をすくめる空とあきれた様子でTシャツの内側からゲームミングタブレットを取り出す白。

二人はユウカを見上げて、一つため息をついて腰を上げる。

かつて見ていた灰色の世界でも無ければ、自分たちの城()から見上げる原色のインクがこぼれたかのような青い天上でもない。

どこまでも透き通るように、この世界を包む生徒たちが主役となる世界(青春)の色をした天輪(ヘイロー)の見える天上。

 

――――お役に立てない分、せめて出来ることで埋め合わせするのは当然のことですわよ

 

――――()()()()()()()()()()()()()()――――仮想空間(ネット上)()()()()()

 

 

異世界に投げ出された主人公達が何故必死に元の世界に戻ろうとしたのか。その理由がよく分かる。

 

世界は思ったよりも単純で、積み重ねたモノは世界を変えることが出来る。

それを彼らは知っていたからだ。

 

「……ユウカ、今回言われてんのはビルへの潜入だよな」

まだ納得のいく回答を貰っていないことに不満げに、しかし答えるユウカ。

「――はい、その通りです」

僅かに視線を大通りで騒ぎを起こす生徒たちに移して、目に見えた飛び交う弾幕を眺めて。

「ですが、シャーレビルまでの道中では騒動が起きてるのでその一掃をお願いされてる状況です……それがどうかしたんですか?」

――パタンと音を立ててタブレットのカバーを開く妹。

大きく伸びをして、頬を叩く兄。

「――うっし! なぁ、妹よ」

「……ん」

「兄ちゃんに着いてきてくれるか?」

「うん」

「即答だなぁ。こっちは結構覚悟固めんのに――」

「……嘘」

「ん?」

「……にぃ、楽し……そう」

いつものように無表情に。

だが、兄にだけ分かる程度の笑みを浮かべていう妹に。

「――ははっ、やっぱ分かる?」

言うや二人は踵を返し、大通りへと向かって歩き出す。

「ちょ、え、何処行くんですか!?」

「「シャーレ」」

「――へ?」

即答した『  (二人)』の発言の意図を汲みかねて、ユウカが間の抜けた声を上げる。

だが、空はそんなのお構いなしに、言葉を続ける。

 

「お前の好きなキヴォトスを取り返しに行くぞ」

 

「――――え、せ、先生それって……」

慌ててついてくる生徒たちの気配を背後から感じながら。

「異世界漂流初日から、いきなり住む場所無くなっても、困るからな」

「……こくこく」

スマホのタスクスケジューラーに書かれた様々な目標に達成という意味を込めた一本の取り消し線が引かれたそこに、新しく入力した内容を確認する空。

 

――――『目標』――()()()()()()()()()()()()

 

 

「遊ぶぞ、白」

コクンと白が頷き手持ちのタブレットから画像を開く。

 

「それじゃ、“ゲームをはじめよう”」

 

 

 

 

 

 

 

 

「凄い……」

恐ろしい程に戦闘がしやすい。

羽川ハスミはそう捉えるしかなかった。

本業は凄腕の戦術オペレーターか何かではないかと思うレベルである。

無線で指示されたポイントに指示されたルートを通って動けばそこには死角を晒した的がいる。

攻撃のタイミング、方向どれをとっても瓦解してしまうであろう一連の指示はパズルのピースが正しく埋まっていくようにあの二人が描いた絵図になっていく。

『ハッハッハッハーー!! 暴動(デモ)を起こした仲間なんぞ所詮烏合の衆!! 死角から撃ってちょっと細工してやれば内乱勃発いっちょ上がりィ!!』

『憎み合えぇ……!! 殺し合えぇぇ……!!』 

ずぶ濡れになりながら同士討ち(フレンドリーファイア)をし始めたデモ隊を見て高らかに嘲笑う兄妹(先生)の声がハスミに手渡された無線から聞こえてくる。

どうしてだろうか。正義はこちら側にある筈なのに、悪党の所業のような気がしてならない。

『あ、ハスミ。一度戻って来てくれ』

 

空に言われ、ひっそりと戻ってくれば未だ仲間同士での撃ち合いは続いており、その同士討ちは本当に最後の一人になるまで終わらなそうな気配すらあった。

そして先程まで自分に指示を出していたはずの二人(兄妹)は未だに通信を続けており、チャンネルを切り替えて他生徒に指示をする都度、どこかから悲鳴が聞こえてくる。

「……これがシャーレの『先生』」

キヴォトスの住人よりも圧倒的に脆く、力も劣る外から来た大人。

それなのにこれ程までの戦力差を覆す能力。

『こちらの先生方は連邦生徒会長が推薦した――――』

首席行政官(七神リン)のボスである連邦生徒会長が推薦する。

あの超人とまで言われた人物が、推薦する。

その意味を。

 

――――その恐ろしさをハスミは改めて知った。

 

 

「しっかし、随分と御大層に……戦車まで持ち出してのデモ行為ってどういうことだよこの世界。学生運動の規模こえてるだろ、ちょっとした内戦になってんじゃねーか……」

「でも砲撃、ラグ多……すぎ、機、動性もビミョー……」

「銃弾当たって痛いで済むような連中相手ならまー、ちょっとしたオモチャなんだろうよ」

現に水鉄砲感覚で弾薬を消費しているのを見るに空たちとの肉体スペック差は明らかである。

そも日本国に住まう常人は銃弾など避けられないし、避けれてたまるかという話だ。

「にぃ、P3-E4」

「あいよ、『ユウカ、そのまま継戦しつつ後方エンジェル24までゆっくり後退。』『スズミ、7時方向に後退しながらT字路到達後標識付近にフラッシュバン』」

「ハスミ、53m先の消、火栓左のチェーン……撃って」

「りょ、了解しました、撃ちます!!」

合流したもののインカムで指示を飛ばし続ける空に話しかけられずまごついていたハスミに白が指示を出す。

 

「んぉ、ナイスヒット。これで合流する為の動線切れたな」

消火栓から噴き出た消火水や、味方からの誤射による不満。

度重なる撤退戦闘の繰り返しで優位であるはずの暴動を起こしている側が戦意を喪失しつつあった。

 

集合の連絡を取り、全員と合流して目標を再確認する。

「後はあの骨董品(クルセイダー)か」

「巡航戦車Mk.VI クルセイダーMk.1……」

目的地の前にキレイに配置されている戦車の周囲では、烏合の衆と化した生徒たちの仲たがいによってろくに警護もされていない。いつでも狙ってくださいとその正面装甲に書かれているかのようだった。

 

「豆砲弾で開発元じゃ徹甲弾しかロクに使わせて貰えねぇネタ戦車使うとかウケるー!!」

キュラキュラと輪帯を動かし、女子学生が操っているとは思えない程にはスムーズに動く戦車を指差し空は言う。

「うっし、ユウカたんよ!! ちょっと行ってぶっ壊してこい!!

ぱんつぁー、ふぉー……!

先生ってバカなんですか!?戦車をそんなおつかい感覚で行って壊せるならx-7(対戦車用ミサイル)なんて世に生まれてませんよ!!

簡単そうに前線に行って死んでこいと言う二人にユウカがブチギレる。

「誰が生身で行けなんて言ったよ、ホレ」

そう言ってユウカに小包を投げる。

「なんですかこれ?」

「IED……さっき、作った……」

「そこら辺に騒動で人のいないコンビニから色々拝借してな」

火事場泥棒じゃないですか!?

「火事場泥棒と違って火元消すんだ、爆薬ぐらい安いもんだろ」

「それって消してるんじゃなくて被害増やしてますよね!?」

「ってなワケで♡」

「ごー……!!」

「あーもうっ!! どうなっても知りませんからねっ!?」

 

 

そうして送り出して聞こえなさそうな距離に行ったタイミングで空は言う。

「よし、ハスミ。今ユウカがお手玉持ってってるから狙撃用意。取り付けて離れ始めたら合図で撃て」

「せ、先生、起爆スイッチとかタイマー式とかでは無いのですか……?」

「「ない」」

容赦無く言い切った兄妹はまさしく悪魔であった。

 

 

「発……破、警戒よ~し……」

「よし、撃て」

直後銃声が轟く。

 

「ドッカーン♪」

「た~まや~……♪」

ハスミが放った弾丸は見事にIEDを貫き、戦車の装甲をも穿ち、エンジンオイルへと引火し、派手さを増した爆発が生じた。

 

「「へっ! きたねえ花火だぜ……」」

 

 

――そして、綺麗に爆発を背景に決め台詞を吐く『  (二人)』の元へと、背後で起きた爆発の衝撃で帰路の一部を転がって戻って来ることになった少女が一人。

その性格を表すかのようにまっすぐ転がりつつ……

コンクリートの上を顔面で滑らせて倒れ込んだユウカはスカートがめくれ下着が丸出しで。

 

_○/|_……と。

 

アスキーアートで表現できてしまうようなポーズで戻ってきたのだ。

ある種、神業である。

「黒っていざ見てみると反応に困るな」

「ユウカ……割と、淫乱……?」

「誰が原因で晒すことになったと思ってるんですか……ッ!?」

起き上がり、ワナワナと拳を震わせるユウカを尻目に、スマホのカメラ越しに逃げていく暴徒を眺め口角を上げる空が言葉を漏らす。 

「まぁ死角からライフル喰らうわ、オモチャ(戦車)はお釈迦になるわで、戦況優勢でそんな目に遭えば当然逃げたしたくなるよな」

「ズブの素人……」

「いいや妹よ、女子学生が銃火器持ってドンパチしてるリアルロスサントス・カスタムな世界で、むしろまともな戦闘指揮とれる方が逆におかしいだろ」

大体そんな状況だったらそもそも仲良くお陀仏になっていたはずである。

最も今の環境が自分達に最適解かどうかは別であるが。

 

 

そして話は再び、軽口を叩きながらも妖しげに瞳を輝かせた兄妹(『  』)の続きへと戻る。

 

 

「さて、これで占領区域はひとまず取り返せた訳だ。これでまぁ~残るは内部だけになるが!!」

 

「一応居ないとは言われてるが!! だが、ま~~~、もし万が一侵入した奴が居たら不味いですし? 俺ら抵抗能力皆無なわけだし? 一人肉壁もとい、護衛としてきてくれ」

いとも容易く発されるえげつない言葉に周りがドン引きしながらも、ユウカが眉をヒクつかせながら言う。

「侵入した形跡なんて無いんですからここから先は先生方が行ってください!! 他に侵入する人がいないように出入り口は守っときますからッ!!」

 

ユウカの怒号で半ば強制的に建物内へと送り込まれ、仕方なくリンに言われていたサンクトゥムタワーの権限をどうにかする方法があると言われた地下へ向け酷く重たい足を進める。

そして階段を降り少し進んだ先。

 

「――――これでは破壊しようにも」

独り言のような少女の声がふいに聞こえた。

 

「にぃ、誰が――」

白が口を開くとほぼ同時に先の部屋を確認しようとした空の身体に何かがぶつかり、尻餅をつく。

「痛ったたた……狐の面?」

「……あら?」

見上げれば、空がぶつかった先に立っていたのは、狐の面を付けた着物のような改造制服を纏ったケモミミ少女であった。

場面を切り取れば、黒髪女子高生(恐らく美少女)と偶然、謎の施設の地下で出会ったのだ。

作品ジャンルやレーベルが違えば、あるいは一歩間違えていればノベルゲー的展開になったのかもしれない。

しかし、ここはキヴォトス(ロア〇プラ)である。

「え~と、とりあえずこんにちは?」

空の脳裏にチラつくのは美少女との恋愛フラグではなく死神の鎌が首にあてられるイメージだった。

 

 

「あら……あららら……?」

どうしよう。

普通にいるじゃん、侵入者

 

二コッ……とどこか困惑した様子で頭をかいて、笑う空。

「あ~、俺たちちょっと暴動からにげt……」

「し、し……」

「……し?」

し、失礼致しました〜〜〜〜!!!!!!

 

そう言うや、即座に狐面を着けた黒髪の少女は走り去ってしまう。

侵入した形跡は無いと言っていたユウカから嘘を感じなかった。であればあの少女は相応の技術を有している。そして、先程まで起こしていた暴動の扇動者が気掛かりだったが、それも今の少女だろう。

「な、なんだったんだ、あれ……」

空は立ち上がりながら少女が出て行った方向を見る。

どう考えても危険な少女が出て行った。しかし、通りすがりのプロゲーマー(経験値にならないザコ)にはご興味がなかったのか、はたまた興が削がれたのか。

どちらにせよ生き残った。その事実が空の全身に走った緊張を解く。

そして、空から感じられる緊張や力の入った肩が弛緩したのを感じ取り白も同じように気を緩める。

「にぃ、ソシャゲ主人公……?」

「白、サラッと兄ちゃんにクソボケ属性追加するのやめような?」

じ……と、異世界に来てまだ1日すら立っていないというのに異性に囲まれ過ぎている兄に、何もわかってねぇという視線を向けながら。

 

 

 




今後もゆっくりではありますが書いていければと思います。

いつも誤字脱字報告、感想、評価ありがとうございます!!
作者は乞食なのでいつもガソリンになってます!


後、「最新話待ってる」等の感想くれた方々、ありがとうございます!!
励みになります。
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