彼女は英雄。彼女は伝説。それでも彼女は普通になりたい 作:wakawaka
ついに私、高橋玲奈の小学校生活が始まった。
私は当初の予定通り「バカな子」としての生活を始めた。
最初はどうすれば「バカな子」になれるか四苦八苦したが子供相手に政治のような駆け引きなど必要なく意外と簡単だった。子供最高。
だが3年生頃から女子の様子が変わり始めたのだ。何というか前世で見た宮殿の派閥争いに似た何かが始まったのだ。これはまずい。元男の私はどうしても感性が男側に男側に近いのだ。
そこで私は友達を巻き込んで一つクラブを作った。「何でも相談解決クラブ」。通称「探偵クラブ」。まあ生徒間の問題を生徒が解決するクラブだ。
「被害者になるなら解決する側にいればいいんだ。」という考えから生まれたクラブ。メンバーは友達を巻き込み先生を巻き込みと、私はいじめられライフ回避のため前世の知識をフル活用して暴れた。
意外と好評だった。
こうしてバカなクラブ長率いる探偵クラブは始まりいくつかの問題解決に繋げたのだが、それはまた別のお話だ。
そして私はあっという間に小学5年生になった。
私は友達ともはや日常となった勉強会をしていた。勉強会と言う名の私が一方的に教えてもらうだけなのだが。
「友達万歳だ。」
「何?玲奈何か言った?」
私は隣に座って勉強を教えてくれている少女、佐藤双葉を見た。彼女はバカな私が必死に頼み込んで勉強を教えてくれている同級生であり、探偵クラブの副クラブ長だ。
「いや、双葉はいいなあって」
「何が?」
「双葉は勉強が得意で」
「玲奈は容姿が綺麗だからそっちの方がうらやましいよ。勉強も運動も愚図だけど。」
「双葉ひっどーい。」
「事実だもん。」
この通り彼女は言葉を飾らない。平気でダイレクトに言いたいことを言う。彼女とは1年生からの付き合いであり最初はもっと可愛くもっと優しく「玲奈ちゃんすこーい!」とか言っていたというのにこの5年で随分変わってしまった。悲しい。
「玲奈、そこ違う。何度言えば分るの?」
「ごめん」
私は
私はこの5年間、徹底して人前では前世の知識を使わない事を意識した。結果私は私の居場所を手に入れられたと思う。
キーンコーンカーン
予鈴の音が図書館に響く。
「今日はここまでね。」
「うん!ありがとう!」
うん、今日もダメな子ができた。次は5時間目でそれが終われば帰るだけなのだ。もうダメな子ムーブは5年も続けただけあって板がついてきた。女性の体になったことから口調を変えたり接し方を変えたりと努力をし続けてきたが報われたと思う。もうダメな子ムーブは5年も続けただけあって板がついてきた。女性の体になったことから口調を変えたり接し方を変えたりと努力をし続けてきたことが実ったように感じる。これからも頑張ろう。私はそうして教室へと走るのだ。
どうか「今」がいつまでも続きますように。
<side 佐藤双葉>
私は佐藤双葉普通の小学生!私の取り柄は真面目なことくらい。宿題の提出も忘れたことは数える程しかない。
そんな私には友達が少ない。なんというか私は周りと合わなかった。大人びていると言われるけれどそれも多分違う。私は決めた道しか行けないのだ。
私は1年生の時、親友、高橋玲奈に出会った。その時から彼女の整った容姿は頭一つ抜けていた。最初はおっかなびっくり話かけていたけど、彼女は天真爛漫でとても明るい人間性を持っておりすぐ仲良くなれた。意外にも彼女は勉強もスポーツもてんで出来なかった。
それはもう悲しいほどに。
ある日彼女は新しいクラブを作りたいと言ってきた。何でも学校中の問題を解決したいらしい。私は二つ返事で了承した。だってそんなの楽しそうじゃないか!
彼女の呼びかけでそれなりの人数が集まり先生にお願いしてどうにかクラブを認めてもらう事が出来た。彼女の行動力がやっぱりすごい。クラブが始まり彼女は色々な問題に首を突っ込んだ。彼女はやっぱりバカでやらかすことが多く失敗も多かったが彼女によって不登校の生徒が帰ってきたり、乱暴な男の子が優しくなったりと確かに成果を私達は上げることが出来た。
私はいつの間にか彼女の隣にいるのが自慢に思えてきたのだ。加えて、先生が手を焼く問題を解決する彼女の姿はとてもかっこいいのだ。決して口にはしないが。
けど最近、彼女のことを不気味に思う女子が増えている。ただの嫉妬な部分もあるように思うけれど。
私が守らなければ。
彼女の明るさを守らなければ。
元々私は友達が少ない。けれど彼女を失いたくはない。
卒業式、私はもう彼女の隣にいられなかった。
後悔してももう遅い。私は間違えた。失敗した失敗した失敗した。
あぁ、神様どうか私を
別に彼女が悪かった訳はない。これは彼いや彼女の宿命であり呪いだ。
どれだけ凡庸になりたいと願おうとと彼女は英雄を辞められない。
バスケは次からです