「つまり、ジンクス!で す の で !!!」inキヴォトス 作:RBT E10
いやー嬉しいですね!ええ、本当に!
完結まで頑張ります。
映画版のRTTT見に行きました。いやーとてもよかったですね~。色紙ももらえましたし、俄然24日が楽しみになってきました。
ところで、あのレベルのアニメが無料公開されてたっていう事実がだいぶとんでもないことじゃないかと思うんですけど。皆さんどう思います?
前置きが長くなりましたね。
それでは本編です。
トリニティ総合学園…略してトリニティには公認、非公認関係なく様々な委員会や部活がある。有名なものは正義実現委員会やシスターフッドなどがあげられるだろう。
それ以外にも純文学部や、紅茶部といったものもあるのだ。
そして、トリニティ自警団も非公認ながら活動している部活の一つである。…部員という概念が曖昧であるため、どれだけの人が部員なのか把握できてはいないが…。
さて、このトリニティ自警団を語る上では欠かせない存在が三人ほどいる。
一人目が「宇沢レイサ」。行動力と正義感にあふれており、その熱量たるやある人物からは「熱血バカ」と称されるほどのもの。
二人目が「守月スズミ」。こちらもまた正義感の強い人物で、キヴォトスの治安の改善や平和を強く願っている。閃光爆弾を愛用している優しい少女だ。
…そして、三人目が、そのあまりの暴走機関車っぷりと、ティーパーティですら持て余すほどの実力を持っているとさえ言われている存在。
名を「里野ダイヤモンド」…通称『クレイジーダイヤモンド』。
「ダイヤモンド」という特徴的な名前をしているが、彼女の親曰く、
「何故か真っ先に『サトノダイヤモンド』という名が浮かんで、これ以外考えられなくなった。」
とのこと。*1
しかし、だがしかしだ。彼女は(一応)自警団所属の身。当然いつでもジンクスを破るために暴走機関車してるわけではない。しっかりとその務めを果たしてはいるのだ。
実際に成果もしっかり出しており、例えば
・他校の不良生徒の鎮圧およびその捕縛、引き渡し(今日の運勢が東に行けば吉だったので西に行った)
・虐めの主犯格の生徒を取り締まる(取り締まる際の様子があまりも「アレ」*2だったため誤解した剣先ツルギとにらみ合いが発生。*3)
・温泉開発部の破壊活動阻止(どっかの部長が「この爆弾はもう止められないねぇ!」などと発言した結果、爆弾の起爆装置を握り潰し爆発を阻止。その後、部員をほぼすべて一人で蹴散らす。*4) …etc
と、このようにしっかりと治安維持活動に努めているのだ。
…そんな彼女のことが守月スズミは少し苦手だった。いや、話せばまともだし、優しく、根は善良な人物であるのはわかる。わかるのだが…あのジンクスをぶち破るときに見せるあの「暴走機関車」っぷり、もはや「狂気」と言い換えてもいいかもしれない程の「ジンクスを破る」ことに対する執着。そこだけはどうにも慣れなかった。………もっとも、レイサは親しくしてくれるのもあってか受け入れてはいる。
ちなみにこの前「時々眼がヤバくなる。」と言っていた。
(この子実は元ゲヘナだったりしないかしら?)もう何度この思考が頭を過ぎったことだろうか。
…そもそもだ、彼女が自警団に入る経緯もだいぶおかしかった。
ある日、ティーパーティの一員である桐藤ナギサが急にこちらを訪ねたと思えばいきなり「彼女を自警団に入れる。」(意訳)と言ったのだ。「何故?」と理由を問うてもナギサは「こちらのほうが彼女に合っている」と答えるばかり。今でもなぜここに入ったかは分からないままだ。いくら相性が良かったとしても…なぜあの人は彼女をこちらに連れてきたのだろうか。
ふと…ある考えが頭に浮かんだ。あまりにも荒唐無稽な憶測。
それは、『桐藤ナギサは「ストッパー」が欲しかった』というもの。
ジンクスを破ることに対するあの姿勢を見る限り、そのまま放っておくと、ここの治安がとんでもないことになるのは明らかだ。しかし、シスターフッドや救護騎士団に努められるかといえば(性格的におそらく)論外だ。入れそうである正義実現委員会ではおそらく満足にジンクスを破れない可能性もあって彼女にストレスが溜まってしまう。溜まったストレスが爆発しない内はいいが、もし爆発した場合は…最悪、正義実現委員会との全面衝突もあり得るかもしれない。
そこを加味すれば、なるほど、トリニティ自警団は彼女と相性がいいだろう。なにせ規則らしい規則はなく、集まりらしいものもない。それでいて自警団という形でストッパーをつけられる。
憶測だ、これは。ただの悪い憶測にすぎない。もしかしてら本当に彼女が「自警団ががいい」と望んでいた可能性だってある。だが、もし、この憶測が限りなく事実と近いのであったのなら…
なんて、なんてひどい話だ。あの様子では彼女はそのことを知らずにここに入ってきたのだ。
……だが、こうでもしなければ、彼女は不良になっていただろう。それもまた事実だ。
それでも、どんな理由であっても、今彼女は私たち「トリニティ自警団」の一員なのだ。ならば、私たちだけでも彼女の味方でいよう。一体、それを行うのに何を迷うことがあるのだろうか。
そう決意を固くしていると
「あ、こんにちは。スズミさん。あれ、どうかしたんですか?顔が固いようですが…?」
件の人物がやってきた
「いえ、何でも…ただ、今後も活動を頑張らないといけないなって思ってたところだから…。」
「時々、迷うことがあるの。本当に平和が訪れるのかって。本当に今の活動で治安が良くなっているのかって。」
「特に、トリニティとゲヘナは昔から仲が悪い。エデン条約なんてものも進んでいると聞くけど、和解の兆しは今もないわ…。」
らしくない弱音だ。信頼できる人ならともかく、後輩に弱音を吐くなんて。
「…ごめん。こんなこと言って。……今のは、忘れていいかr」
「大丈夫ですよ!」
彼女は続ける
「治安はきっとよくなります!平和はきっとやってきます!!トリニティとゲヘナだって、きっと和解できますよ!!!」
まるで250万カラットのような光をその瞳に宿して
「『トリニティ総合学園とゲヘナ学園は、真の意味で和解できない。』昔から信じられている、疑われもしなかったこと。
…つまり、ジンクス!ですので!!!」
確固たる信念と覚悟をもって「ジンクスブレイカー」とも呼ばれる彼女は言う
「必ず、必ず、何があっても、ジンクスならば破れないなんてことはありえません!!!」
だから平和は来るのだと、キヴォトスの治安はきっとよくなると彼女は「サトノダイヤモンド」は言い切った。
………そうだ、そうじゃないか。平和を願うものが、その願いを疑ってどうするのだ。疑ってはできることもできなくなるもの。今はまだこの学園内だけどきっと、きっと平和は来るとそう信じるのだ。
「ありがとう、ダイヤさん。スッキリしたわ。そうよね、来るわよね。平和は、きっと。」
「ふふっ、よかったです。今の顔のほうがさっきよりもいいと思います!」
「そうかしら?変わってないと思うのだけれど?」
「本当ですよぉ!」
きっと平和はやって来る。遠い先でもいつかきっと。今はまだ程遠いけど、それでもきっと成しえるはずだ。…自警団で平和を願う人は私だけじゃない。「レイサ」もそうだし、きっと他にも沢山いて。そして、
「
「あれ?今何か言いましたか?」
「…何でもないわ。」
いつか来る希望を疑うことはもうしない。きっとくる
さあ、パトロールの時間だ。
足音が冷たい廊下に響く。ただ一人の音だ。耳鳴りすら聞こえそうなほど静かな道を彼女はある部屋を目指して歩いていた。
やがて扉にたどり着く。3回ノックし返事を待つ。
「大丈夫よ。入ってきなさい。」
「はい。失礼します。」
扉を開け、一礼。洗練された一連の所作には隠し切れない育ちの良さがあふれていた。
「初めまして、里野ダイヤモンド。こうして会うのは初めてね。」
「こちらこそ初めまして、連邦生徒会長。今日はお時間を作っていただきありがとうございます。」
促されて、椅子に座る。
「それで、相談とは何かしら?こちらの時間をとってまで、私に相談したいこととは何ですか?」
目の前の気配は異質。強い、弱いとはまた別のもの。…だが、相対する彼女は涼し気なままだ。まるで想定内と言わんばかりにその微笑みを崩さずに、言った。
「はい、今日は
その瞳に何を宿すのか。それは本人以外は誰にもわからなかった。