「つまり、ジンクス!で す の で !!!」inキヴォトス   作:RBT E10

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お久しぶりです。
ようやく続きが書けました…ウマ娘も、ブルアカも新しい情報が大量に出てきましたね。
この小説のプロットが完全に崩壊する前になんとか進めなければ…!


今回から原作崩壊タグが本格的に仕事を始めます。


いきなりの襲撃

自己紹介も終わったところで、さっそく頼まれていたものを渡すことにした。

 

”これがまず、各種弾薬ね。”

 

「まぁ~すごいですね。こんなにたくさん。」

 

「ん、どれも要望通り。これで弾薬の不安はなくなった。」

 

”あと、これが一応持ってきた、備蓄食料と…水だね"

 

「わぁ、ありがとうございます。助かります。」

 

「助かる…これでまだまだ戦える。」

 

シャーレに届いた手紙には、弾薬等の補給のお願いの旨の言葉も書かれていた。そのためクラフトチェンバーで生成し、こうして届けたのだ。食料と水に関しては補給ルートを確保しているため大丈夫だとあったが、心配であった。なので一応持ってきたが、喜んでもらっているようで何よりだ。

 

「うんうん、大丈夫そうだね~。これで当分は問題なしかな~。」

 

いやーありがとうね~と緩く目を細めながら感謝を伝えるホシノに、こちらも”どういたしまして”と返す。

 

「あ、そうだわ。先生、ちょっといいかしら?」

 

”うん?何かあったの?”

 

「あの、カイザーって」

 

声をかけたセリカに返事をして、セリカが言葉を続けようとしたその瞬間であった。

 

                 ドッカーーーン!!!

 

「ッ?!これは。」

 

「また、来たのか。」

 

「うへ~このタイミングで来るか~…やっぱり、怪しいな

 

”みんな、これは一体?”

 

『先生、校庭内に多数の反応アリです。恐らく…』

 

「ん、カタカタヘルメット団。もう何度も何度も戦ってる。」

 

「あーもう!せっかく大事な話しようと思ったのに!すみません、先生。」

 

「んもー懲りない人たちですねー。」

 

彼女たちの言葉を鑑みるに、どうやら、手紙に書かれていたカタカタヘルメット団のようだ。

そして、拡声器を使用しているのだろう、大きな声が響いた。

 

「アビドス高校!お前たちの備蓄が最早残りわずかなのはわかっているぞ!大人しく校舎を明け渡しなぁ!」

 

「バカにしているな…!」

 

「ん、そんな要求通るわけない!」

 

「普段ならかなりまずい状況ですが、今は…」

 

「補給バッチシ!」「装填完了です♪」「うへへ、これは想定外だったみたいだね~」

 

その声に呼応するかのように素早く迎撃準備を完了させるアビドスの面々。

 

”それじゃあ、私が指揮を執るよ。”

 

「ええっ?!先生が、ですか?!何かあったら…」

 

「う~ん、大丈夫じゃない?先生の指揮能力はすごいらしいしさ。」

 

「それに、今は猫の手も借りたい状況でしょ?渡りに船ってやつじゃないかな?」

 

「悩んでる暇はないぞ、アイツらは待つつもりなどなさそうだ。」

 

ホシノ達の言葉を聞いたアヤネは「う~ん」と悩みながらも

 

「わかりました。先生、指揮をお願いできますか?」

 

と言ってきた。答えはもちろん

 

”うん、任せて。”

 

「スゥ…では、これよりアビドス対策委員会、先生の指揮下に入ります!」

 

”それじゃあ、戦闘開始!”

 

 

 

戦闘自体はあっけなく終わった。というか一方的なものだった。

 

そもそも「アビドス対策委員会」が圧倒的に強かった。指揮を行ったのは私だが、練度が高く、なんというか・・・私抜きでもなんとかなったのではないかと思うぐらいには強かった。

 

特に、ホシノは圧倒的だった。何せ彼女自身の背丈ほどもあるほどの盾と散弾銃をそれぞれ片手に持ちながらも、高い機動力を維持しつつ、前線でタンクの役割をこなしていたのだから。

そんな彼女が前線で暴れてヘイトを引き付ける。その隙にシロコやセリカらが遊撃として奇襲を仕掛け、下手に動いた相手はノノミのミニガンと銅鑼メンテ…ドゥラのスナイパーライフルによって戦闘不能状態に持っていく。

その動きはとにかく洗練されており、重ねて言うが「私の指揮、いらなかったのかも」と思ってしまうぐらいだ。

 

……当の彼女らは「先生の指揮のおかげで戦いやすかった」と言ってくれるが、正直彼女ら自身が"強かった"ことがとても大きいと思う。

 

 

そんなこんなでヘルメット団の襲撃を切り抜けた私達は、再び教室内で集まって一息ついた。

 

……そうだ

 

"そういえば、セリカは何か話があるんだよね、さっきはヘルメット団の襲撃で聞きそびれたから、聞かせてもらえるかな。"

 

そう、セリカがなにやら大事な話をしようとしていた。

ちょうどいいから今聞いておこう。

 

「え、あぁ。そうね、少し先生に確認したいことがあるの。」

 

"確認したいこと?"

 

「うん。先生は、カイザーっていう企業について…何か話とか聞いたこと、ある?」

 

"カイザー…?それって、あの大企業カイザー?"

 

「ええ、そのカイザーで間違いないわ。」

 

"カイザーについて、か…"

 

セリカの言った「カイザー」は、このキヴォトス有数の大企業であり、多くの事業を展開しているというあのカイザー*1であることは間違いなさそうだ。…しかし、カイザーについてはこれといった話を聞いたことはなかった。

 

"うーん、特にこれといった話を聞いたことはないかな。"

 

「れ、連邦生徒会がなにか、行動している…っていうのも…?」

 

”そう、だね。リンちゃんからはそういう話は特に聞いていないかな。”

 

「何…それ…ッッッ……………!」

 

「っセリカ、待て。」

 

「ちょ、ちょっとセリカちゃん?もうちょっと話

 

ガララッピシャン!

 

を…」

 

私が、特に話を聞いていないと言ったその瞬間、セリカの顔がぎゅっと歪んだ。そしてそのままふるふると震え始めて俯いた彼女はそのまま体を反転させて、ドゥラやノノミが止めるのも聞かずに教室から出ていってしまった。

 

「その…すみません、先生。」

 

"いや、謝ることはないよ。"

 

"ただ…なんだか辛そうだったのが、気がかりで".

 

「…一応質問しますね、先生。本当に、カイザーについて何も聞いていないんですね?」

 

まるで念押しするかのように聞いてきたアヤネに対して、少し戸惑いつつも"うん”と肯定すると、全員が顔に疑念を浮かべた。

そして、端の方に集まって小声で何か会話をし始めた。

 

「どういうことでしょうか…」「ん、ちょっとおかしい。」「カンナさんは連邦生徒会に報告している筈だが…?」「シャーレは、一応連邦生徒会の管轄のはずですよ~?」「うへ、もうちょっと聞いた方がいいんじゃないかな」

 

”えっと、カイザーとなにか、あったの?”

 

その言葉を聞いた生徒全員がこちらに顔をぐりんと向けた。しかし、再び顔を見合わせ少し気まずいような表情を浮かべる。

そして、アヤネが口火を切った。

 

「その、現在アビドスは、カイザー…カイザーコーポレーションに借金を負っているのです。」

 

”借金?”

 

「はい…その、9億強ほど。」

 

”きゅ、9億?!”

 

その言葉は確かに私を驚かすのには十分、いや十二分なものだった。しかし、その後に続いた言葉で、驚きは別の感情に切り替わった。

 

「ただ、そのカイザーが実は、私たちの返済したお金を犯罪組織に横流ししている上に、このアビドスで何かを企んでいるらしいんです。」

 

”なんだって?”

 

思わず眉をひそめた私に、今度はホシノが声をかけた。

 

「とはいえ、あくまでも疑惑、憶測の域を出ないものだけどね~。」

 

「まぁ、それでもその可能性は結構高いかもってカンナさんは言ってたけど。」

 

”ん?カンナさん?それって、ヴァルキューレの尾刃カンナのこと?"

 

その言葉に彼女たちは頷き、そして、カンナとアビドス対策委員会との関係について話し始めた。

 

 

一通り話を聞いたところ、どうやらカンナ率いる捜索隊がアビドスの自治区内で遭難しかけたことが始まりらしい。

 

どうやら脱獄したゴールドシップを探してアビドスに来たはいいものの、突発的な砂嵐に謎の巨大な蛇のようなナニかとの戦闘、そしてそれから逃れるために物資と体力を大幅に減らしてしまっていたという。

そこにサイクリングをしていたシロコがたまたま通りがかりアビドスまで案内した…と言うのが馴れ初めのようだ。

 

そして、カンナにこの借金と現状について相談したところ、

「借金そのものは合法であるため何も言うことはないが、利子がここまで高いのは気がかりだ。それにヘルメット団がこの土地でここまで精力的に活動できているのも何かきな臭いな。個人的に気になる点もある、調べてみよう。」

「何かわかったことがあれば、そちらに連絡する。ものによっては連邦生徒会にも報告しよう。」

 

と約束してくれたのだそうだ。

 

そして、そこからしばらくたった後に先ほどアヤネが言った「アビドスが返済したお金を犯罪組織に横流ししている上に、このアビドスで何かを企んでいる可能性が高い。」という連絡と「何を企んでいるかはわからないが、およそ碌でもないものだろう。連邦生徒会にも掛け合ってみる。」という連絡が同時に来たのだという。

 

しかし、その後の連絡はなく、シャーレの私には連邦生徒会から何も聞かされていないと来たものだから彼女たちは混乱しているのだ。

 

「あの人は、ヴァルキューレの公安局長です。そんな人が、私たちにうそをついていると思えません。」

 

「だが、現在連邦生徒会からは何のアクションもない…。」

 

「それに連邦生徒会とも近しいはずで、超法規的機関であるシャーレのトップの先生がなにも知らないですし…。」

 

”これは…アロナ、どう思う?

 

『…明らかにおかしいです。昨今の治安の悪化に乗じて悪だくみを働いているのかわからないならば、キヴォトスの安全のために詳しい調査を行う必要があります。ですから、本当に尾刃カンナさんが連邦生徒会に掛け合ったのだとしたら、確実に何かしらの調査は行われるはずです。』

 

『それに、超法規的機関であるシャーレに連絡がいかない理由がありません。』

 

『なにせシャーレは”連邦生徒会長によって付与された権限のもとに、あらゆる規約や法律による規制や罰則を免れる超法規的機関”です。もし、そのカイザー某が法律や規則等を盾にしたとしてもシャーレひいてはその代表者である先生はそれらを完全に無視して強制的に調査、及び摘発をすることが可能です。』

 

『ですので、シャーレに連絡や協力要請が来る可能性はほぼ100%とみていいと思います。…しかし、来ていないとなると』

 

”何か理由があるんだね?”

 

『はい、考えられる理由としては”カンナが連絡を入れなかった”もしくは』

 

”もしくは?”

 

『どこかで情報の伝達が止められている…伝達ミスか、なにか…そうでなければ、その、最悪の想像をするならば』

 

『連邦生徒会の中にカイザー側の生徒がいて、その生徒が情報を握りつぶした可能性も…あります』

 

”生徒が………”

 

どうやらアロナもおかしいと言っているようだ。しかも最悪の場合、連邦生徒会の生徒が大きく関わっているという。…ただ、どうやら情報が足りなすぎるのか、正確な判断は現在下せそうにない。

 

「ん~先生?どうしたの?ひとりでぶつぶつぶつぶつ…なにか考え事?」

 

”えっ、ああ、うんそうなんだ。なんだか変だなーって思ってね。うん、ちょっと考え事してたんだよ。”

 

「ふーん…。」

 

「まぁ、今はどうでもいいか。…はいはいみんな落ち着いて落ち着いて。今は情報もたりない、状況もよくわかってないで真相がどうなのかは現時点で分かりっこないんだから。」

 

「今は、お疲れさまってことで。いったん解散しよ?先生もそれでいいでしょ?」

 

ホシノが言ったその言葉にうなずく…前に一度みんな(セリカ以外)の様子を見ると全員落ち着いた様子でホシノの発言に従うようなそぶりを見せている。

 

やはりこの様子を見るに、この中ではホシノが一番の年長者であると同時にまとめ役でもあるのだろう。

ことばの端からも、彼女が持ちうるまとめる能力や責任感も感じ取れる。

 

”ホシノは、しっかりしてるね。”

 

「うへ?急にどうしたのさ先生。おだててもおじさんからはなぁんにも出てこないよ~?」

 

「もしかして、おじさんのこと狙ってる~?」

 

にやにや笑いながらそう冗談めかして言う彼女に、思わず”人聞きが悪いなぁ?!”と返すと周りのみんなも緊張感が抜けたようで、表情が明るくなっていた。

同時にこちらに少し目配せをしてくるホシノ。どうやら、さっきの言動はリラックスさせるためのものだったらしい。

率先してあのようなやり取りを持ちかけてきたり、彼女の言葉にみんながある程度従うそぶりを見せているあたり、周りのこともよく見ることができているしっかりとしたリーダーのように思える。

 

 

 

 

 

 

 

 

だからこそ

 

なぜ両手にはめた手袋…そのうちの右手袋の下がまるで『ホシノはそれだけではない』『ホシノをもっと気にかけるべきだ』と、まるで警鐘を鳴らすかのように、ジリジリと熱を発しているのか。

 

その理由は、今の私にはわかりそうにもなかった。

*1
リンちゃんから教えてもらった




おや?先生の様子が…?

次回は、いろいろ動いている者たちの視点です
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