「つまり、ジンクス!で す の で !!!」inキヴォトス 作:RBT E10
ということで前回の続きです。
>ジェンティルが伝説の存在みたく〜
そりゃもちろん伝説の存在ですから
>アースはワイルドハントにいそう
そうですね、確かにワイルドハントにいまし「た」
>先に捕えないといけない奴がそこら辺にいない?
ヴァルキューレ「「「1捕まえたら2〜3増えるのマジでどうにかしてくれ」」」
side:ゲヘナ
ゲヘナ学園。そこはキヴォトスに数ある学園の中で最も治安の悪い無法地帯。日々どこかで爆発と銃撃戦が勃発するこの場所では学級崩壊など当たり前。もはや「学園」として機能しているのかすら怪しい。
まさに「学園と書いて世紀末と呼ぶ」だが、治安維持組織も一応存在している。
それが風紀委員会。かつて「黄金の正義」と呼ばれたとある生徒の遺志を継ぐ、ゲヘナ学園の治安維持組織である。
その現委員長であり、ゲヘナのあらゆる不良や犯罪者にとっての恐怖の象徴たる空崎ヒナは、ゲヘナの政治を担う万魔殿に所属するある人物と一対一で話し合っていた。
「…それで、私に何のようかしら。里野クラウンさん。」
「你好嗎、そう警戒しなくていいわ。」
「ただ、お願いがあるの。」
「お願い…?」
ヒナは眉をひそめた。当然だ、なにせ万魔殿と風紀委員会はよく対立している。*1
確かにクラウンは風紀委員会に協力的だが、所属は万魔殿。風紀委員会と対立している組織に所属しているものが風紀委員会のトップに「お願い」をしようとしている。
怪しく思うのも無理はない。
「そう。お願い。聞いてくれるかしら?」
「内容によるわよ。」
「心配しなくていいわ。簡単よ。」
「カイザーの計画について知っていることを教えてもらえるかしら?」
「…それだけ?」
「係啊。それで十分。」
ヒナは自分の眉がさらに寄ったことがはっきりと分かった。カイザーの情報ならば、マコト議長にでも頼み込めばすぐにでももらえるはずである。
と、思っていたのだが
「実は、マコト議長が、イブキちゃん関連で使い物にならなくなってて…」
「あぁ…そういう…」
やっぱあの議長はアホである。何故にこんな時に使い物にならなくなるのか。
ヒナはクラウンに同情した。「ああ、この人も苦労人なんだな」と察したからである*2。
「話がそれちゃったわね。とりあえず、お願いを聞いてもらうんだからそれなりの報酬が必要なのはわかっているわ。」
「報酬…休暇とかかしら?」
「…休暇ではないわね。ごめんなさい。」
「…………………………………………………………」
「別に問題ないわ。」
「…今度はリゾート券をプレゼントするわ」
「本当?助かるわ…。……で、その報酬っていったい何?」
それを聞いたクラウンはスッと顔を引き締めて言った。
「『正義の制帽』の居場所をつかんだわ。」
「んなっ…?!」
それは驚愕するに値する情報である。
なにせ、今まで所在不明だったゲヘナの風紀委員会の偉物がようやく見つかったということなのだから。
偉物とは、基本的にとてつもない力を秘めている。その力ゆえに学園や組織の象徴として扱われることも多い。
言うなれば「国宝に近い扱いを受ける最終兵器」。これが偉物である。
しかし、ゲヘナの風紀委員会はおよそ先々代の頃から偉物『正義の制帽』を紛失しており現在も必死に捜索中であった。なぜ紛失したのかは今もはっきりしてはいないが、紛失したのは確かだ。
その偉物の場所が、わかったのだ。ならば、あとはさっさと取り戻しに行くだけ、とヒナは息を巻いた。
「場所は?場所はどこにあるのかわかるの?」
「…カイザー」
「は?」
「カイザー、本社」
「は?」
「はあああぁぁぁぁ?!?!??!」
まぁ、うん。ですよね。という表情を浮かべるクラウン。
当然である。「国宝級の逸品が紛失した」これだけでも大問題なのに、まさかのそれが「一企業に渡ってました」である。前代未聞どころかあってたまるか……いや、普通、絶対にあってはならないという話だ。
「理由まではわからなかったけれど、カイザーのもとにあるのは確かよ。マコト議長にも裏付けは取ってあるわ。裏付けをとった後に使い物にならなくなって計画について聞けなくなったけど。」
「…ああ、そう。なるほどね。」
「どうかしら?ちゃんと釣り合ってると思うのだけれど。」
「釣り合うどころかもらいすぎな気もするけれど…いいわ。」
「カイザーの計画について今わかっている範囲で教えるわね。」
「"アビドスの秘宝"の噂は、知っているかしら」
「アビドスの、秘宝?」
片眉を上げ、はて?と怪訝な顔するクラウン。偉物ならわかるが、秘宝?
「秘宝?偉物じゃなくて?」
「ええ…どうやらアビドスには、偉物とは別に秘宝があるという噂があるの…」
「まさか、カイザーは」
「ええ、そのまさかよ。その秘宝を探し出そうとしているのよ」
「唔信…たかが噂に、どうして」
「でも、それにしてはかなり大規模に行っているわ。何より、アビドス高等学校からアビドスを追い出そうとしているなんて、はっきり言ってただの噂を信じているにしてはやり過ぎよ」
「………確定ね、あいつらどこからかその秘宝に関する情報を掴んだに違いないわ。」
面倒なことになったと顔をしかめるクラウン。そしてそのままうんうん唸りだした。
なお、ヒナはヒナで冷静に見えるが頭に血管が浮かんでいるし、目が笑ってない。対岸の火事に近いものかと静観しようと思っていたら介入せざるを得なくなった上、相手が面倒くさいことこの上ないから当然だが。
「クラウンさん、秘宝の件は任せたわ。私は、偉物の方で動くから。」
「…助かるわ。こっちはその秘宝について探ってみる。」
「それじゃあ、これでお開きかしら?」
「そうね。…今度はリゾートを貸切ってあげるわ。」
「…楽しみにしておく。」
「再見。また今度」
クラウンが部屋から出て、ふぅ…と息を吐くヒナ。そのまま背中を伸ばして、バキボキと骨を鳴らして仕事を再開した。アコの動向や普段の風紀委員会としての業務に、偉物の件。
増えた仕事に頭を悩ませつつ、アビドスに向けて思考を巡らせ始めた。
数か月後、本当に島丸ごと貸切ったクラウンに休暇に誘われることも知らずに。
side:???
やぁ、諸君。初めまして。
私は………………おっと、まだ言えないようだ。すまない。
いやしかし、まさか、私がこんな状態になるとは。青天霹靂。
”先生”には、感謝せねばなるまい。
おかげで、「外」の様子がよく見える。どうやら私がいたころより、様々なものが大きく発展しているようだな。日進月歩、技術の進歩とはかくも目覚ましいものだ。
しかし…やはり、この状態は不便だな。目の前で美味しそうにラーメンを啜られても、それを味わうことすらできないとは「!今ラーメンって言いましモガモガ…」…ありがとう くん。さすがに二人以上だと”先生”の体がもたない。
にしても、「小鳥遊ホシノ」に「砂狼シロコ」…か。奴らが連れて来た者達と
ん?新しく誰か入って来たな…む、1人…いや、外に3人いるな。
社長?ほう。会社を経営しているのか!……なるほど、おおかた経営に苦心しているのだろう。勤倹力行、若人の身でよくやるものだな。
私たちがいたころならともかく、なぜ今のアビドスに来たのかは気にはなるが。今は、詮索はよすとしよう。
しかし、店主やセリカは優しいな。普通盛りと言いつつ、オグリ盛りを出すとは。
そして"先生"たちはお会計か。この流れは…やはり全員分奢ることになったな。
育ち盛りの生徒が6人、うち一人は我々と同じウマ娘ときた。これは、残高が心配に……む?これは、神秘?
んなっ先生!?なんだそのカードは!普通のカードではないな?!
まさか、神秘を引き出すのか?何を…っ。
………これは、とんでもない代物だぞ。最悪、先生を巡ってキヴォトス中で争いが起きる。
それにこのカードの力を使えば、我々も……
やはり、こちらから干渉することが難しいのは、余りにも不便だな。きな臭いアビドスの現状に、ホシノの精神状態、活動しているであろうビナー、おまけにこのカード。
頼んだぞ、動ける者たちよ。今は、君たちが頼りだ。
とはいえ、我々もやれることはやらねばなるまい…さて、これから忙しく、うん?
「ここは、一体…?」
ここは狭間だ。今は、間借りしてるだけだがね。
「ッ誰だ!」
初めまして。百合園セイア君。君のことは……『貴婦人』や『四葉のお姫様』から聞いているよ。
確か……予知夢を見ることができるのだったか。なるほど、君のその神秘が、ここに君を誘ったのだろう。
「貴婦人と四葉のお姫様だと!?あの2人は名前だけとはいえ、教科書に載るような人物だぞ、何年前の人だと……」
教科書に載る…か。もうそんなに時が経っていたとは。光陰如箭とはこのことか…。そして、名前だけ、か。恐らく、我々につけられた異名だけが後世に伝わり、載っているのだろうが…
「…異名?異名?!では、あなたは、あの人たちの本当の名前を知っているということか!?」
あぁ、もちろん。知っているし…なんなら今ここに呼ぶこともできる。
「は………なっ………っ!?」
大丈夫かい?…あぁ、ずっと立たせてしまってたな。すまない。君は体が弱いんだったね。そこの椅子に座るといい。
「椅子なんてどこにも………………ある。」
さて、私も座るとしよう。
………君にとっては複雑怪奇な状況なのは理解できるが、そう警戒する必要はない。私に…いや、我々に君を害そうなどという意思はない。だから、遠慮なく座っても構わないぞ?───さて、私も座ろうか。
「………あなたは、何者なんだ?いったい…何を知っている?」
ん?……あぁ、そうか。我々の見た目はもう後世には残ってないのだったな。ううむ、改めて自覚するとなんとも時雨心地な気持ちになるな…。
あぁ、そうだ。まだ自己紹介をしていなかったね。
改めて、私は 。
かつて『皇帝』と呼ばれた、
……ん?セイア君?…しまった、フリーズしてしまった。
む、そろそろ時間か…私は、彼女をコーヒーでこう、ひーとさせてからまた色々と話すとしよう。
では、諸君。また会おう。
願わくば、今度はちゃんと「名前」を言えるようになって────
ヒナ:カイザーが余計なことをしたので本格介入が決定。このあと不良をシバキに行く。風紀委員は辛いよ…
クラウン:万魔殿の情報機関のトップ。アビドスの秘宝について調べ始める。このあと例のデカいシロヘビの存在を知って混乱した
『皇帝』:先生を通してキヴォトスを見ている。なぜか名前を明かさない…いや、明かせない。その目は何を見据えるのか
セイア:謎の場所に飛ばされて車酔いに近い状態の時に、超が3つつくほどの伝説的人物出会ってキャパオーバー。帰り際にサインもらった