劣等生の兄は人気者   作:猫林13世

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婚約者で年越しできそうだな……


IF甘婚約者ルート ほのか編

 ほのかには一つの希望があった。それは少しでも達也に「女性」として意識してもらう事である。異性としては認識してもらってはいるが、それはあくまでも「女子」としてであり、ほのかの目指すものではない。具体的に言うのであれば、女性として達也に抱いてもらいたいのである。

 昨今の風潮として、婚前行為はあまり見られないが、皆無ではない。そして自分と達也は婚約者なのだから、そういったこともしてみたいと思ってしまうのも仕方ないのかもしれない。

 

「た、達也さん、今夜ウチに来てくれませんか!」

 

 

 家の都合で深雪と水波がいない生徒会室で、ほのかは覚悟を決めて達也を部屋に誘う。ほのかにしてみればかなりの勇気を振り絞ったお誘いなのだが、達也はいつも通りの雰囲気で応えた。

 

「別に構わないが、何かしてほしい事でもあるのか?」

 

「し、してほしい事!? な、なくはないですけど……」

 

 

 さすがに泉美もいる前で「抱いてほしい」とは言えないほのかは、たどたどしい雰囲気になってしまったが、達也は特に気にせずにほのかの誘いを受ける事にした。

 

「今日は深雪も水波もいないから、どうしようかと思ってたことだし、せっかくだからお邪魔させてもらおう」

 

「はい! それじゃあ急いで生徒会の仕事を終わらせちゃいましょう!」

 

 

 さっきまでのたどたどしさは何処へやら、ほのかは勢いよく自分の席に座り、いつも以上の早さで仕事を片付けていく。

 

「光井先輩、どうかなさったのでしょうか?」

 

「やる気を出してくれたのは良い事だと考えるべきだろう」

 

「司波先輩、深雪先輩は何故お休みなのですか?」

 

「さっきも話しただろ。四葉家の女性だけの集まりがあるらしく、深雪はそれに参加するために実家に行っているんだ。水波はその付き添い」

 

「次期当主である司波先輩は参加なさらないのですか?」

 

「女性だけだといったはずだが」

 

 

 さすがに次期当主だからといって、女性だけの集まりに参加出来るほどの権限はないし、達也としても参加したいとは思わない。泉美としては深雪ではなく達也が休めばいいのにと思っているのだが、他家の行事にこれ以上文句をつけて、家同士の関係が更に悪化するのを避けるために大人しく引き下がった。

 

「それにしても、深雪先輩がいなくとも生徒会に仕事は来るのですね」

 

「春休みの内に終わらせなければならない案件は多いからな。深雪がいなくとも仕事はあるだろう」

 

 

 達也も自分の分は終わらせているが、今日は深雪と水波の分も担当しなければならないので、何時までもお喋りに興じてる訳にはいかない。ほのかが頑張ってる横で自分たちがお喋りをしてたら申し訳ないと思ったのか、泉美もそれ以上何も言わずに黙々と作業を続けたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一度達也と別れて先に部屋の掃除をしていたほのかは、達也の為にといつも以上に張り切って料理をしていた。

 

「達也さん、喜んでくれるかな」

 

 

 本音を言えば料理だけで済ませたくないのだが、達也に薬の類は効かないと知っているので購入は断念したものがある。そんな薬に頼らなくても、ほのかは十分魅力的なのだが、それはあくまでも一般の男子高校生相手であり、達也にはあまり意味がない。長年側にいた深雪が基準になっていると勝手に思い込んでいるため、ほのかはどうしても自信が持てないのだ。

 

「深雪ですらキスしてないんだから、私なんかがお願いしても意味ないよね……」

 

 

 そう呟いたタイミングで、来客を告げるチャイムが鳴り響く。ほのかは何かに弾かれたように玄関へ向かい、達也を迎え入れた。

 

「達也さん、いらっしゃい」

 

「お邪魔します」

 

 

 ほのかに迎え入れられた達也は、丁寧に頭を下げて部屋の中へと入っていく。

 

「自分の家だと思って寛いでください」

 

「そう言われてもな。あまり寛ぐという時間がないから」

 

「達也さん、忙しそうですものね」

 

 

 それ以外にも、深雪の事を常に気に掛けていたので、寛ぐという感覚は達也には無かった。だからほのかに言われても寛ぐことは出来ないのである。

 

「もう出来ますので、とりあえずゆっくりとしててください」

 

 

 そう言ってほのかはキッチンで料理の仕上げをし、達也の待つリビングへ料理を運んだ。

 

「お口にあえばいいのですが」

 

「十分美味しそうだと思うが」

 

「ですけど、深雪には敵いませんから……」

 

「深雪と比べる事はしなくて良いんじゃないか? 長年一緒にいたアドバンテージはあるが、ほのかはほのかの良さがあるんだから」

 

 

 もちろん達也は料理の事を言っている。だがほのかはその言葉を自分自身の事だと受け取り、我慢していたものがあふれ出てしまった。

 

「達也さん、私と深雪、どっちがいいですか?」

 

「さっきも言ったが、比べる事ではないだろ。深雪には深雪の、ほのかにはほのかの良さがあるんだから」

 

「だったら、深雪と比べてないって証拠を見せてください」

 

 

 達也に抱き着き、下から見上げるように達也の視界に入り込むほのか。図らずとも上目遣いになり、更に涙目は威力倍増である。

 

「ほのかは何をしてほしいんだ」

 

「まず、キスがしたいです。婚約してからそう言う事をしてもらってないので」

 

「他の人とも基本的にはしてないんだがな」

 

「だから、してほしいんです。ダメですか?」

 

「いや、いいよ」

 

 

 ゆっくりとほのかに顔を近づけ、しっかりと唇を重ねる。それだけでほのかは天にも昇る気分になっていた。

 

「これで満足かい?」

 

「あの……出来れば達也さんとしてみたいです……エッチな子だと思われるかもしれませんが、この気持ちを抑え込むのはもう限界なんです」

 

 

 抱きしめる力を強め、断れないよう仕向けるほのかであったが、達也は最初から断るつもりは無く、優しく抱きしめ返すのだった。

 

「ほのかが望むのなら、俺はそれに応えよう」

 

「っ、はい!」

 

「その前に、ほのかが作ってくれた料理を食べよう」

 

 

 夕飯を済ませた後、ほのかは我がままついでに一緒にお風呂に入ってもらい、その後本当に天にも昇る気分になったのだった。




数人キャラがイマイチ分かりませんし、口調も難しいんですけどね……
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