浅野学秀の双子の妹がエンドのE組に入った話 作:あるふぁせんとーり
「おはよう、志御」
「おはよ、神崎」
8月某日、朝の駅前、時計台の下で志御は神崎と待ち合わせしていた。つば広の麦わら帽子に白いワンピース、そして厚底サンダルにトランクケースを携えたいかにも夏らしいファッションに身を包んだ神崎と、その華やかな金髪をサイドテールにまとめ、白のブラウスにベレー帽、ショートパンツとサスペンダーでキャリーケースを転がす志御。「ビッチ先生に貸してたのも見て思ってたけど、やっぱり志御ってそういうファッションだよね」と笑う彼女に志御は「ほっとけ」と少し顔を赤らめながら言った。
「おはようございます、神崎さん!」
「律もおはよう。新しいゲーム持ってきたんだ、船酔いが大丈夫だったら一緒にやらない?」
「はい!ぜひご一緒したいです!」
志御と神崎、律は普段から通話を繋いでFPSなどに勤しむようなゲーム仲間。流石に律が参加してしまうと色々とアレなので律はプレイ中に攻略情報なんかを引っ張ってくるナビゲート役で、主にプレイしているのは志御と神崎。そして時々対人じゃない面白そうなシミュレーションゲームなんかを見つけると三人で遊ぶという感じ。携帯機とはいえ二人は今回の暗殺夏期講習にもきっちりと持参していた。
そしてしばらく集合場所の港の方へ向かっていると、スマホの中の律が「あっ!私の本体と接続しました!」と明るく志御に声を掛けた。
「ってことは……」
「あ、いたよ。志御」
そう言って神崎が指差した先。そこには暗殺夏期講習の舞台となるここから6時間の沖縄の離島、そこまでの脚となる客船が停泊している桟橋の上で腕時計を見ている烏間と律の本体があった。志御が「おはざーす」と、烏間は彼女達の方へ振り向いた。
「おお、志御さんと神崎さんが一番乗りだな」
「訂正を求めます。「生徒」という括りなら私が一番です」
「それもそうか。すまない、律さん」
「っていうかよく本体持ってこれたな?烏間先生。言ってくれたら手伝ったけど」
「ああ。あの件以降ノルウェー政府と交渉を重ねていたんだが、これを機に暗殺完了まで管理が
「はい!ご期待には応えてみせます!」
そう言って敬礼する画面の中の律は志御と同じような品のある夏コーデ。まあ、肝心のデータを入力したのが志御だから当然なのだが。「頼もしいな」と頷いた烏間はいくつかの荷物の中からジュラルミンケースを手に取り、志御に手渡した。
「お、これ……」
「ああ。注文の品だ」
志御がそれを開くと、中に入っていたのは一丁の
「志御、これってミニガン?」
「ああ。多分な」
それは防衛省からの一学期を終えた生徒達へのご褒美のようなものだった。端的に言えば、装備品の「
「お……結構重いね……」
「まあな。けどこれくらいじゃ私は支障きたさないぜ?」
「志御鍛えてるもんね。でも私も何か頼もうかな」
「……そうだな、今からだったら二学期までには届けられると思うが」
「そうなんですね。だったら私はM16でお願いします」
「M16……米軍のか?」
「はい。今のものよりもう少し弾速と連射が欲しいので」
少しだけ語る神崎。暗殺の役に立つのではないかと始めたFPSによって彼女は本職の烏間には遠く及ばずとも少しだけ銃火器に詳しくなっていた。そんな中に「おやおや、楽しそうな話をしてますねぇ」と割り込んできたのは殺せんせー。ヌルフフフ、と笑いながらも修学旅行の時みたいに馬鹿の量の荷物を背負っている。「全部使えんの?」と志御が尋ねると、殺せんせーは「出来る男は夏を全力で楽しむのです」とニヤリと笑った。
「ところで志御さん、そのカッコいいガトリング砲先生にも少し触らせてもらえたり……?」
「良いぜ、後でな」
「あ、志御さんと神崎さんもう来てる〜!」
「結局律もアレで来んのな」
続々と集まってくる生徒達。気づけば出航時間まであと30分を切っている。彼女達の出発まで、間もなくだった。
高評価とか感想よろしくお願いします