宝石の国Any%RTA フォス生存&月人消滅チャート   作:あじまる

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#2 フォスとの遭遇~会敵まで

 いつの間にか美文字トレーニングと化していたRTA、はーじまーるよー。

 

 前回はキャラクリを経て、金剛先生の初等教育を受け、その後20年レベリングに勤しんだ所まで進みました。硬度・靱性ともに優秀なダイヤ属を引けた所までは良かったですが、特性:不活性インクルージョンによって言語発達に著しい遅れが出てしまいました。こんなんじゃ絆上げこわれちゃ^ーう(白目)。

 

 ゲーム画面に移る前に、前回判明したこちらの特性についてお話したいと思います。ゲーム内の説明ではかなり分かりにくい為、攻略Wikiより抜粋した内部データを右枠に表示しておきます。

 

 特性:不活性インクルージョン

 1.言語、運動、知能、情動のうち1つ以上に制限を付与する。

 言語:イベント判定

 運動:戦闘判定

 知能:能力成長判定

 情動:ストレス耐性判定

 

 2.インクルージョンに負荷が掛かった際、ランダムな特性を発現する。この能力で付与された特性は、インクルージョンの負荷が一定値以下に低下すると消滅する。

 

 1番については金剛先生の発言から言語発達の制限、能力成長の遅さから知能発達の制限を引いている事が分かりますね。4つ全てに制限がある場合と比較すれば、安い代償なのでうまあじです。そもそもこんな特性ない方が安定攻略できる事には目をつぶってください。もうステ厳選やりたくないんや(走者の屑)。

 

 

 で、2番の効果ですが、負荷すなわちストレス値が一定を超えた場合に、ゲーム内に存在する特性の中からランダムでひとつを適用する、といった効果となります。

 

 一体ホモくんが何にストレスを感じたのか不明ですが、前回の授業中にストレス値が一定を超えた事で特性が起動したということでしょう。

 走者の金剛先生へのヘイトが乗り移りでもしたのでしょうか?

 でも全編通して仕事ほっぽり出して教え子とイチャコラする事しか考えてないハゲが悪いので、私は何も悪くありません(暴論)。

 

 適用される特性についてですが、ゲーム内に存在する全ての特性の中からランダムで適用され、ストレス値が低下すると消滅します。

 全てのということで、イエローダイヤモンドの「電煌の黄」やフォスフォフィライトの「玉石混淆」、レアなものではシンシャの「司銀」「賢者の石」やアレキサンドライトの「色相転位」「恐煌の紅」なども付与されることがあります。

 

 ただし、全ての特性が正常に機能するわけではありません。例えば「電煌の黄」は、硬度に応じて発揮される速力にプラスで速度をバフする、といった物なので普通に活用することができます。

 しかし、水銀の操作を可能にする「司銀」は、水銀を作り出す「賢者の石」とセットでなければ、付与されたとしても周りに水銀がないと持ち腐れとなります。同様に「色相転位」も「恐煌の紅」を持たないホモくんでは機能せずスカとなってしまいます。

 

 体感的にはそのような汎用性の無い特性が選ばれることはほぼ無いので(無いとは言ってない)、戦闘中に引いて何も出来ずに粉になるということは無いでしょう(希望的観測)。祈祷力を高めるのだ、ポッター。

 

 

 こんな感じでランダム性の塊な上、付与された特性は永続では無いので、ハズレ特性もいいところですが、実はある特性を引いた上で特定の手順を踏むことで、なんと特性を後天的に、しかも永続状態で獲得が可能になるのです!

 

 運が良ければ、複数の特性で月人を挽き潰す某ヒーローアカデミアの魔王のようなマネも可能になりますが、狙ってその特性を引く事は出来ず、条件を整えることも難しく、更には宝石達との好感度が冬の仕事並に激冷えになるので、今回のRTAで意図的に使うことは無いでしょう。期待していた方はゲームを買って自分で再現して、どうぞ。

 まあ事故で発生した場合はその限りでは無いですがね(暗黒微笑)。

 

 ということで、特性の永続獲得という、この特性による最大のメリットは使えず、デメリットだけが仕事をしない金剛のように鎮座していますが、そこはホモくんのフィジカルで踏み倒して何とかしたいと思います。走者としての腕が試される所さんですね。

 

 

 

 

 長々とした前置きはここまでとし、ゲーム画面に戻りましょう。

 現在は、授業を抜け出して目を閉じて寝転ぶフォスを発見し覗き込んでいたところですね。ちょうど目を覚ましたフォスが流氷並の絶叫を上げていますが、ちょっとビビりすぎでは無いでしょうか?

 ハゲ坊主のテクニック(意味深)によって、ホモくんの顔面偏差値は宝石たちの中で平均レベルのハズですが。化け物でも見たような叫び方ですね。

 

 ひとしきり叫んで落ち着いたのか、こちらを質問攻めにしていますが、ホモくんは喋れないので身振り手振りで何とかコミュニケーションを図りましょう。

 

「……???」

「おまえ、もしかして話せないの?」

 

 DEXが低く不思議な踊りになってしまいましたが、何とか意図は伝わった様です。インコの如く頷いておきましょう。

 

「てか、ダメだろ。金剛先生から授業が終わるまでは外に出ないようにって言われてるんでしょー?君と一緒にいると僕が先生に怒られるんだから、着いてこないでよね!」

 

 何やら教室に戻るように促していますが、POW値が低い現状では無理に戻っても再びフォスを探して外に出るでしょう。

 ここでホモくんの興味をある程度解消しないと残りの10年の育成に支障が出そうなので、走り去るフォスにピッタリくっついて、会話を誘発します。そんな鈍足で撒けるわけねぇだろオラァン!ホモ君は特性により会話コマンドを選択できないので、ケツワープの如くフォスに体を擦り付け注意を引きましょう。

 

「なんでついてくんだよ!てか足はやっ!?

 …うぎゃぁぁぁぁああああ体擦り付けんな!割れる!割れるってばぁ!!」

 

 焦りすぎで草。もし割れても修復イベントで好感度はトントンになるので問題ありません。なおDEXの低いホモくんが修復を行うと確率で失敗します。余談ですがこのゲーム失敗時の演出がかなり凝っており、通常プレイ時にイシツブテやメタグロスを作り出してしまった時は腹を抱えて笑いました。

 

 

「ハァ…ハァ…おまえ、ちょっと、しつこい……。ッハァーッ…。…それで?この超絶プリチーなフォスフォフィライトさまになんの用なのさ?」

 

 おっ、コミュニケーションを取るつもりになったみたいですね。と言っても、ホモくんがどういうつもりで追いかけ出したのかは私にも分かりません。オートモードにして様子を観察してみましょう。

 

 何事か土に書いていますね。どれどれ…。

 

 

 "あ そ ん で"

 

「あ…そん…で。…きみ、僕よりも字が汚いとは、中々やるね。でも、今は授業中だろ?先生は…寝てたけどさ。戻った方がいーんじゃない?先生怒るとすっっっごい怖いんだよ?」

 

 

 いや字ぃきったね。DEXはそこそこあるので、言語の制限が書字にも反映されているということですね。これからの会話パートを思うと頭が痛いですね。(他人事)

 

 

 

 "べんきょ う おぼ えた そとがきになる"

 

「覚えたって、またまた…。てか、遊んで欲しいならユークかレッドベリルあたりに頼みなよ。僕も一緒に怒られるのはゴメンだから…」

 

 "せんぱい が やさしそうだったから せんぱいにおねがい したい だめかな"

 

「………きみさぁ」

 

 

 

 

 

 

 

「見る目あるね!よし、この大先輩に任せなさーい!」

 

 

 フォスフォフィライト

 友好度2/10

 

 

 こいつチョロいわァ!!(歓喜)

 こちらで操作するまでもありませんでしたね。ホモくんのたどたどしいコミュニケーションにフォスはメロメロのご様子。

 快く校内を案内してくれるようです。

 

 

 ちなみにこの友好度、上げるとキャラ別に戦闘スキルや製造スキルを習得することが出来ます。

 

 通常プレイであればゴーストの「気配遮断」や、アメジストの「剣術の極意」、絆上げのためにダイヤから「魅惑の微笑み」

 ユークレースから「交渉術」を回収していくのがテンプレになりますね。

 

 

 あ、ただしダイヤの戦闘スキル「リフレクト」や、ラピスヘッドから獲得出来る「慧眼」などは取得する際に注意が必要です。

 

 前者は硬度が足りなければ跳ね返す力が足りず、靱性が足りなければ受け止めた時の衝撃判定で腕が割れます(n敗)。魅せプでも無ければ、アンタークから取得できる「新雪の足取り」などを併用して衝撃対策をしましょう。

 

 後者は閲覧可能な情報を増やす事ができますが、戦闘中だろうがお構い無しにポップアップが飛びまくって画面が見えなくなるという弊害があるので、脳ミソがスパコンで出来ているニキネキのみ使用してください。

 

 なお「慧眼」はフォスで使用した場合、性格「飽き性」と競合することで表示される情報数が少なくなり操作しやすくなります。バカと天才で綱引きしてて草なんだわ。

 

 ここまで友好度のいい面のみ話してきましたが、当然悪い面もあります。そう、ストレスダメージです。

 

 例えば友好度が高い状態のフォスが欠損or連れ去られた場合、フォスと友好度の高いキャラクターは極度のストレスダメージを受ける事になります。

 原作ルートだと、アンターク喪失後のフォスや、比較的軽めなものとしてウンコ王にフォスが食われた際のジェードなどが当てはまりますね。

 

 無計画に全員の友好度を上げていると、ちょっとした欠損やケンカなどでストレスダメージを受ける頻度が爆発的に増加しPOWカンストでも無ければ即自壊します。スキル目当てでPOWを無視した友好度上げをするのは通常プレイでも厳禁です。みんなは、辞めようね!(n敗)

 

 

 

 さて、ゲーム画面ではフォスによる案内が続いています。どうやら先生と鉢合わせることを警戒しているようで、学校外縁部を回っているようですね。

 時折巡回組と出会いますが、第一印象は大切です。微笑んで手を振っておきましょう。おや、曲がり角から緑色の髪を後ろで纏めた宝石が現れましたね。

 

「フォス!今日はオブシディアンの仕事の見習いだった筈だろう?こんなところで何をしているんだ!」

 

「げっ、ジェード議長…。い、いや違うんだよこれは…」

 

「げっとはなんだげっとは!…ん?お前の後ろのその子、新入りか?おいおい、初等教育が済んでいない子との接触は禁止のはずだろう。一緒に先生の所に…」

 

「あああ!待って待って!ほ、ほらぁ!今先生お昼寝中だから、起こすのは悪いってば、それに授業も進んでないから教室にいても仕方ないじゃん?ね?」

 

「それとお前が工房から抜け出していることとは別問題だろうが…。まあいい、初めましてだな。私の名前はジェード。普段は皆のまとめ役や先生の補佐などをやっている。よろしく頼む」

 

 

 

 ということで、防御力野郎ことジェードくんです。見ろよこいつすっげぇカチカチだぜ?右枠にステータスを乗せておきます。

─────────────────────

 name:ジェード

 

 硬度:7/10

 靱性:8/10

 INT:6/10

 POW:4/10

 DEX:7/10

 

 特性:堅牢堅固

─────────────────────

 はい。目を引くのは靱性、ダイヤモンド属を超える8ですね。数値的には0.5の差ですが、実際にはダイヤだと衝撃を殺し切れない「リフレクト」を対策無しで使用可能になるなど上昇幅はかなり大きいです。またジェードには劈開も無いため、戦闘においてクリティカルを受けることがありません。さらには「特性:堅牢堅固」によって靱性を使用する耐久判定にボーナスが掛かっています。宝石たちの中で金剛のハゲ頭を複数発殴る事が出来るのは彼だけでしょう。

 

 

 某呪いは廻る漫画のバカ目隠しも言っていましたが、圧倒的な基礎能力でゴリ押ししてくるジェードはかなりの強敵となります。出来れば敵対状態にはなりたくないですね。

 

 しかしメンタル面はPOW4とホモ君より低く、ストレスダメージへの耐性は並以下となっています。フィジカル強くてナイーブとかゴリラかな?(名推理)

 

 ジェードとの友好度を向上させることで得られる戦闘スキル「格闘術」は、ある程度の防御力がある宝石であればインファイト時の手数を増やす手段として有用です。

 早めに出会えたのはラッキーと言えますね。愛想良くしておきましょう。

 

「…?どうした?急に踊り出して」

 

「あーホワイトは話せないみたいなんだ。なにか伝えようとしてるのかも」

 

 クソッ、低DEXのマニュアル操作ではジェスチャーがおぼつきません。諦めて筆談(きったねぇ字)に切り替えましょう。

 

 "はじめま して ジ ュ ー ドせ んぱい。ホ ワイトです。よろし く"

 

「…これだとジュードだな。小さいエは上の棒を伸ばしておけ」

 

 

 言われた通り線を少し伸ばしておきます。ジェードは面倒見の良い性格なので、抜けた性格を演じれば向こうから絡んできてくれやすくなります。決して私のリアル書字能力がクソザコナメクジな訳ではありません。いいね?(アルカイックスマイル)

 

「それで?何故教室を抜け出してこんなところにいるんだ。まさかフォス、お前が連れ出したんじゃあ…」

 

「しないしないそんなおっかない事。この子が追っかけてきたんだよ。外が気になるから案内して欲しいって」

 

「何故そこで止めない…。お前もこの子の先輩になるんだから、年長としての振る舞いを身につけるようにしろ」

 

「へいへーい。どうせ仕事も貰えない僕は万年末っ子ですよぉ」

 

「減らず口を叩くな!…まあいい、案内するということなら最後まで責任を持つようにな。特に昨日は月人が現れていない。巡回が通る道から極力離れないようにしろよ」

 

「へーい。わかりま…し……え?」

 

「どうした?」

 

 

 ん?妙な反応ですね、土に「ジェード」と書き続けるのは一旦やめて2人の視線の先を見て見ましょう。月人はだいたい3日おきに襲撃来ますので、出現は明日のはず。

 

「二人とも下がれ!!月人だ!!」

 

 あれ〜おかしいね黒点があるね(大ガバ)

 

 これはまずい、非常にまずいです。まだひとつも戦闘スキルを獲得しておらず、帯刀もしていないホモくんが取れる選択肢はクソザコパンチと撤退しかありません。しかし、現在のパーティメンバーは徒手空拳のジェードと戦力外のフォス。ここで真っ先に逃げた場合、ジェードでは手数が足りずフォスを守りきる事はできないでしょう。故に、ここで取れる選択肢はひとつ。

 

 スキル無しマニュアル操作の目押しで矢を捌き、増援を待ちます。

 

 ……出来るわけ無いだろ!いい加減にしろ!(憤慨)

 ある程度矢を捌いたらフォスを抱えてトンズラこきます!(ダイヤ属のクズ)

 

 というわけで戦闘開始です。

 

 月人との戦闘の流れは、雑と呼ばれるザコ敵を全滅させるか、中央に配置された大型の月人を霧散させることで終了になります。基本的には雑が放つ矢や矛を払い、あるいは受け止め、接近した後に中央の大型を叩く、という流れになります。

 

 しかし、スキル「剣術基礎」を獲得しておらず、帯刀もしていない現状、見切りや矢受けは使えません。

 

「ホワイト!?」

 

「バカ!何してる!逃げろ!!」

 

 フォスと月人の間の射線上に位置取り、カバーします。

 

 フォスの欠損を防ぎ撤退の隙を伺うには、ホモくん自身の身体を盾にするしかありません。華麗な目押しパリィなんて私には出来ません。このタイミングで戦闘なんて想定してないので練習してませんでした(走者のクズ)。

 しゃあ!こいやオラァン!?(震え声)

 劈開に喰らわないよう祈りながら全身で矢を受けます。

 

 割れるな割れるな割れるな割れるな…

 

 許されたァ〜!カスが効かねぇんだよ!(手のひらドリル)

 これで第一射はしのぎました!ここでフォスが撤退してくれれば、一緒に逃げた後に時間加速で戦闘処理をスキップ、ガバをリカバリーできます。

 

 

「フォス、ホワイト!無事なら先生を呼びにいけ!」

「ご、ごめん。腰抜けた…。」

 

 

 なんだお前根性無しだな(真顔)

 あかんこれじゃ第二射が来るゥ!(絶望)

 

 ガチッ

 パキィィィィィィッ!!

 あっ……(察し)

 

「……ッ!!」

「うぁっ…!!」

 

「ホワイト!!フォス!!」

 

 これはまずい。二射目の投げ槍を劈開に食らってしまいました。弱い所(意味深)を正確に狙ってくるとか、こいつ絶対Sだぜ?

 脇腹を貫通した槍が、後ろにいたフォスの脚を砕いて地面に突き刺さっていますね。このまま動けば貫通した槍を起点に胴体が壊れちゃ^ーう(絶望)。

 

 撤退不能になった私たちを庇うためにジェードが射線上に入りましたが、攻撃に転じた瞬間私たちが砕かれるためにここから動けなくなりました。敵は既に弓を引き終わりまさに今第三射が放たれようとしています。終わったな(諦め)

 

 まあ序盤も序盤なんで、再走一択ですね。もう一度高硬度を引けるまでリセマラしましょう。次の宝石は上手くやってくれるでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 うそだよ(唐突)

 ガバあるところにリカバリーあり。

 私の神引きをご覧に入れましょう(豪運)

 

 

 

 

 

 

 発動

 

 特性:不活性インクルージョン

 

 

 対象:ゴースト・クォーツ

 

 特性:憑牢(ホロウ)

 

 

 ───────

 

 ユークとの簡単な会議の後、資料を仕舞いに戻った私は、曲がり角で本来オブシディアンの見習いをしているはずのフォスと出会った。

 

「フォス!今日はオブシディアンの仕事の見習いだった筈だろう?こんなところで何をしているんだ!」

 

「げっ、ジェード議長…。い、いや違うんだよこれは…」

 

「げっとはなんだげっとは!」

 

 一体何が違うというのだろうか。というかその反応はなんだ。普通に傷つくぞ。

 

 なぜこんな所をほっつき歩いているのか問いただそうとして前に出た私の目に、見慣れない宝石が映る。

 

 やや青みがかった乳白色のショートカット。鼻辺りまで伸びた前髪からチラリと覗く瞳は、凪いだ水面のように静かで、反応に乏しい彼の態度と合わせて、冷たい冬の空のような印象を抱かせる。

 そういえば、今は初等教育を受けている宝石が1名居たのだったか。先生より教育が済むまでは接触を禁じられているから、今まで顔を見た事がなかったな。

 まて、なぜ教育中の彼がここに居るんだ?

 

「お前の後ろのその子、新入りか?おいおい、初等教育が済んでいない子との接触は禁止のはずだろう。一緒に先生の所に…」

 

「あああ!待って待って!ほ、ほらぁ!今先生お昼寝中だから、起こすのは悪いってば、それに授業も進んでないから教室にいても仕方ないじゃん?ね?」

 

 

 何も仕方ない要素は無いが。先生が寝…瞑想されているならば、自習などをして時間を潰すべきだろう。

 というか、さっきからフォスのヤツはやたらと口が回るな。

 

 

「それとお前が工房から抜け出していることとは別問題だろうが…。まあいい、初めましてだな。私の名前はジェード。普段は皆のまとめ役や先生の補佐などをやっている。よろしく頼む」

 

 怖がらせないよう、気持ち柔らかいトーンでゆっくりと声をかける。若いうちは刺激に敏感だと先生も仰っておられたしな。

 

 

 

 口を開いた彼を見て、返答しやすいよう静かに待つ。何度か口を開け閉めした後、彼は急に手足をバタバタと振り回し始めた。

 さながら強風の中外に吊るされ今にも吹き飛ばされそうになっている洗濯物の様相である。私はそのあまりにも激しく素早い動きに圧倒されていた。

 

 

「…?どうした?急に踊り出して」

 

 何とか一言絞り出す。私が出会い頭にフォスを怒ったばっかりに、混乱させてしまったのだろうか?

 

「あーホワイトは話せないみたいなんだ。なにか伝えようとしてるのかも」

 

 そうあっけらかんと言い放つフォス。まて、話せないだと?

 

 訝しんだ私の前で、彼は動きを止めて、指で地面に何事かを描き出した。

 

 

 "はじめま して ジ ュ ー ドせ んぱい。ホ ワイトです。よろし く"

 

 

 かなり崩れているが何とか読める。と同時に、彼が友好的な対応をとってくれたことに安堵する。正直、さっきの動きはかなり怖かった。しばらく夢に出てくるかもしれない。

 

 

「…これだとジュードだな。小さいエは上の棒を伸ばしておけ」

 

 指摘した箇所を書き直す彼を見て、私は未来に思いを馳せた。彼は字も拙く、声を出すことが出来ない。簡単に助けを求めることが出来ない以上、外回りは危険を伴う。かと言って、内勤の仕事は繊細さが要求される。恐らく、不器用から仕事をダメにしたのであろうフォスをみて、どうしても彼を重ねずには居られない。

 

 

 いや、これは良くない考えだな。

 仕事についてはそれぞれに合った物を先生が必ず考えて下さる。私が今の彼らを見てあれこれ邪推するべき物では無い。

 

 今は危なっかしい若手二人だが、いずれ成長し皆を助ける仕事に就くだろう。

 その時が来るまで、私も彼等を護れるように精進するべきだな。

 

 

 おっと、感傷に浸りすぎた。私の悪い癖だ。

 

 

「それで?何故教室を抜け出してこんなところにいるんだ。まさかフォス、お前が連れ出したんじゃあ…」

 

「しないしないそんなおっかない事。この子が追っかけてきたんだよ。外が気になるから案内して欲しいって」

 

 

「何故そこで止めない…。お前もこの子の先輩になるんだから、年長としての振る舞いを身につけるようにしろ」

 

「へいへーい。どうせ仕事も貰えない僕は万年末っ子ですよぉ」

 

「減らず口を叩くな!…まあいい、案内するということなら最後まで責任を持つようにな。特に昨日は月人が現れていない。学校からは極力離れないようにしろよ」

 

 それだけ言って場を離れる

 後ろからフォスの生返事が聞こえてくる。

 

「へーい。わかりま…し……え?」

 

「どうした?」

 

 振り返った私の視線の先には、今まさに暗幕が開かれんとする黒点があった。

 

 ばかな!?こんな学校の近くに出るなんて!

 

 

「二人とも下がれ!!月人だ!!」

 

 言ったあとで気づく。フォスは碌に戦える身体ではなく、ホワイトは初等教育中。

 

 場馴れしていない。

 

 私の声に反応しこちらに振り返った、振り返って「しまった」フォスは今まさに黒点から放たれんとする矢に気づいていない。

 

 避けられない、砕かれる、私のせいで!

 

 迫る矢は、私の失策を嘲笑うかの如くゆっくりと、逃げられない獲物へと吸い込まれていき、

 

 

 

 射線上に飛び込んできた白い閃光とぶつかり合った。

 先ほどまで地面に何事かを描き続けていたホワイトが、フォスを庇うために矢の前に割り込んだのだと、そこまで理解が及んだ時、引き伸ばされた時間が急速に元に戻る感覚を感じる。

 

 止まるな!彼の作ったこの好機を無駄にするな!!

 

 自分を叱咤し2人を守るために地面を蹴り、叫ぶ。

 

 

「フォス、ホワイト!無事なら先生を呼びにいけ!」

「ご、ごめん。腰抜けた…」

 フォスは動けない。ホワイトに引き摺って連れていくよう指示を…いや、恐らく恐慌状態の彼に上手く伝わるか!?

 敵が弓を番える隙に、私がフォスを担いで…

 

 刹那、私の目の前を黒い影が通りすぎる。

 それが何か知覚するよりも早く、甲高い音ともに後輩達の悲鳴が聞こえる。

 

「……ッ!!」

「うぁっ…!!」

 

「ホワイト!!フォス!!」

 

 早すぎる!弓を引く前に槍を投げたのか!!もう次の矢が飛んでくる!

 

 ようやく2人の前に辿り着いた私は、技術も何も無くただ大きく両手を広げ少しでも多くの矢を受け止める体勢をとる。どこか冷静な頭は、こんな事をしてもジリ貧だと訴えている。

 

 頼む、誰か…!

 

 ───────

 

 甲高い音が響く。

 

 砕けた脚、そこから伸びる槍が後輩のお腹を突き破っているのを見ても僕はまだ動けずにいた。

 

 僕のせいだ、僕が彼をつれだしてしまったから…

 

 僕の後悔などお構い無しに、弦を引き絞る音が聞こえる。

 

 ジェードが何かを叫んでいる。

 

 

 そんな場合では無いのに、僕を守ってくれたホワイトの背中から目が離せない。

 

 その時、ホワイトが肩越しにこちらを見る。

 

 前髪から見えた目に冷たい光が宿ると同時に、傷口が大きく割れる。

 

 

 

 今にも崩れ落ちそうな彼の身体から、朝日のような輝きを放つ液体が溢れ出した。

「えっ、なにが…」

 

 呆けている僕の前で、床一面に広がった液体は一瞬で幕のように広がり、前に立つジェードごと僕たちを覆った。

 

「なんだ!?これは、金属か…?」

 

 

 

 無数の矢の当たる音が聞こえ金の幕が歪むが、突き抜けては来ない。

 

 驚く僕の目の前で、金の幕がしぼむように形を変え、傷口から流れ続けていた金と合わさって四つの腕のような形に変化した。

 

 金の腕はゆっくりと動き、背中に刺さった槍を握り潰し、霧散させる。

 

 開いた背中か見える光は、目まぐるしくその色を変え、さながら沢山の宝石が彼の内側に詰まっているように見えた。

 

 

 

「…ッぁあああ!!」

 

 

 

 僕たちが声をかける間もなく、自由になったホワイトは叫び声を上げ月人の乗る雲へ飛び移っていった。




☆コメント返しのコーナー

○フォスより一段階バカになると白痴に首突っ込むのか笑
すっごい面白い発想なんで完走期待してます

倍速で見えずらかったですが、初等教育中もDEX上げの為にペン回し(二秒に1回は吹っ飛んでいく)や、INT上げの為に教科書の高速周回(金剛目線では話も聞かずに教科書でパラパラ漫画をしているように見える)をしていたので、金剛のストレス限界を超えて暴言を吐いてしまったようですね。
ホモくんの知能はINTと同程度はあるので、白痴呼ばわりは私の操作のせいですね。だが私は謝らない。(カラスマチョチョン)


○> フォスフォフィライトを純度100%
難易度ルナティックすぎる……

実は、原作7話での居眠りしている金剛がうっかり祈りを暴発させかけたあのタイミング。
本ゲームではランダムイベントとして、そのまま祈りが暴発して全員消滅するドリフルートがあります。草。フォスも消滅する瞬間は純度100%(貝殻)ですので縛りにも抵触しませんね。(暗黒微笑)
なので最速チャートは原作7話地点まで進め、暴発を引くまでリセマラです。動画的に面白くないので今回はこのチャートは使用しません。




○こんな世界でもRTAを走ろうとするなんて、やはり人間の心を清浄なる新世界に持ち込むなど決してあってはならないですね。
でもドモンは、人間の意思や行いもまた自然の摂理に過ぎないのだから、それを消し去ろうとするなど言語道断って言ってたし次回も楽しみにしてます。

人間は消えるべきって発想がそもそも人間的すぎるってそれ1番言われてるから。
石くんみたいに悪人だろうが善人だろうが許容するガバガバマインドこそ真の悟りだよなぁ。
所詮クレイジーママも人間なんやなって。



☆現在のステータス紹介

name:ホワイト・ダイヤモンド

硬度:10/10
靱性:7.5/10
INT:4/10
POW:5/10
DEX:4/10

特性:不活性インクルージョン
付与特性:憑牢、七宝 金・銀





特性:憑牢
特性元:ゴースト・クォーツ
伽藍堂の躰は檻となり、捕らえたものの魂を縛りつけて離さない。

1.接触しているインクルージョンを支配状態にする。
インクルージョンに意識がある場合、POW対抗を行って勝利すれば支配状態を付与する。

2.支配状態を付与されたインクルージョンと接触している時、そのインクルージョンのもつ「スキル」「特性」の操作権限は使用者に移行される。






特性:七宝 金・銀
特性元:合金
脅威的な展性・延性により、個体にも関わらず液体であるかの如く振る舞う。
古代生物の間で、「七宝」なるものの一つに数えられていたようだ。


1.戦闘スキル「合金増殖」「合金操作」「金継ぎ」を獲得する。

合金増殖:合金の総量を増やす。上限は硬度に依存する。総量が増える事に「合金操作」のPOW対抗の難易度が増加する。

合金操作:発動時にPOW判定を行い、判定に成功すれば攻撃、防御、移動に合金を使用可能になる。基礎戦闘スキルと併用可能。

金継ぎ:合金を亀裂に流し込み固定する。「合金操作」のPOW判定に失敗した時にこのスキルを使用していた場合、使用者はダメージを受ける。


2.この特性は、属性「七宝」をもつ。









次回はVS月人です。
果たしてホモ君の運命や如何に。
ご期待ください。
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