これが今度の訓練体かね?
はい、記録によれば元ゲーム開発部だとか
なるほどの例のミレニアムの……。
やらかしは相当なものだったようですよ。
夢、敗れたりか……だが、この訓練で生まれ変わるさ。
正気でいれば、ですが。
まっそういうことだな。
では始めよう。
「よお……お前だろ、あいつらに戦い方仕込んだの」
ミレニアムの夜。僅かな照明と眠らないビル群の明かりがタワービルの廊下を照らす中、廊下にまるで行く手を遮るかのように立つ「気配がしない」人影に向かって、美甘ネルは声をかけた。
「……や」
少しだけ左手を上げた人影の答えは一言、そして余人が見れば驚くほど気さくに。引き連れたC&Cナンバーズを手を払って下げさせた……ミレニアム最強、ダブルオーと呼ばれたメイド姿の生徒に向かって、今はミレニアムの制服を着た羽根付きの生徒が言葉を返す。
ネルの記憶にある「連中」の姿形は全員共通、しかし自身と既知の仲でこの挨拶の返し方は該当3名。僅かに照明の光に煌めく、前髪の奥から覗く目の色は青。薄桃色をしている「スミカ」は除外。残るは2名。よく覗き込めば……それは澄んだ蒼、なら「ヤマネ」ではない。
「おう、キリコか。お前ぇ~やってくれたなァ。ウタハの奴らのアシスト込みとはいえ、うちの連中を出し抜いた上に結局ブン殴って押し通るたぁな……もうゲーム部じゃねぇだろ、あれ」
「筋が良い」
「良すぎなんだよ、ナンバーズが昨日今日仕込まれただけの1年相手にあのザマじゃ、C&Cの名が泣くわ。うちに入れたくなってきたぜ」
ゲーム開発部がC&Cとユウカを出し抜いて目的を達した先の一連の挙動。事が終わった後にそれらを確認したネルは……指導者の存在を確信していた。天性の素質というにはあまりにも洗練された動き、何より双子姉妹のそれは明らかに……特殊戦のやり口なのだ。
カメラの記録を追っていけば、それは異様の一言。フロアを進む二人の銃を構えた、腰が僅かに落とされた油断ない姿に音を殺す独特の歩き方。ツーマンセルの鉄則を徹底し、射角に注意を払い、お互いの死角を潰すように動いている。何処で覚えたのかハンドサインも使っているが、それは素人がする見真似ではなく「本物」が使うものだった。
コーナーの確認もそう、後方に回った一人がフロントマンを常に援護できる立ち位置を崩していない。監視カメラも十字路「のみ」潰している。進行方向を誤認させ、監視者の思考リソースを分散・消費させる特殊戦のテクニックだ。素人ならやみくもに全部潰すか、カメラを見逃す。監視は最初から、或いは既に捕捉されていると見ての突入方法、立ち回り。
挙げ句にカリンの狙撃に初動から対応している、狙撃位置こそ見逃したが。明らかに「外」を意識したポジショニング。狙撃される可能性を前提にスナイパーの存在と射角を制限する動きをしていた。だからこそ初撃を避けられたし、その後も動揺を最小限に……白石ウタハの援護を待って狙撃エリアを突破している。たとえ狙われていても無理押しはしない、この判断ができる学兵がどれだけいるか。
アスナに対しての連携も見事だった。遮蔽物の少ないフロアでの逃げ場の無い戦闘。技能・経験・機動力と全てで負けている中、大胆にも姉が大きく前に出て、妹に支援射撃を徹底させている。数の有利という唯一の勝機、最も理にかなった戦いを一瞬の判断で組み立て、実行する……格上相手にこれだ。
しかもアスナに弾を当てている、そもそもナンバーズのエージェントに直撃させること自体が尋常ではない。しかもうち何発かは戦闘力の低下に直結する危うい位置に近く、回避挙動の有無の差……つまりアスナが「お遊び」などしていないことを示している。無言に近かった道中とは一転し、あれこれと不利を嘆いてか騒いでいたが……身体は冷徹に戦いを有利にするために動き、勝利を目指していた。
前衛の姉の作った射撃機会位置に後衛の妹が常にポジショニングし、照準を冷徹にマークする。最初から妹に仕留めさせるための動き、タンデムショット。これで昨日今日訓練されたばかりの1年生だなどと!!
今すぐにでも、エージェントとしてやっていける実力だった。
最後の仕上げ担当と思われる、大砲を抱えた髪の長い生徒のフィジカルは大概の一言だったが……そもそもこの姉妹二人の時点で異常すぎる。
C&Cはメイド部のごっこ遊びなどではない。秘密任務だけでなく、ミレニアム守備隊ではどうにもならない戦力、場合によってはゲヘナの風紀委員や、トリニティの正義実現委員の選抜部隊と戦わなくてはならない立場。その中でもトップエリートのナンバーズは最悪……あの空崎ヒナと12使徒を相手取らなければならない。
普通の生徒ならば死刑宣告に等しいその現実に耐えなければならないナンバーズ・エージェントの練度は、物が違うという自覚と誇りがあった。仮想敵のあまりの強大さを前にして、それでも勝利を目指して鍛え抜いてきたのだ……それがこうも。
自校の生徒だから油断した?
身内相手の気の乗らない任務?
何を馬鹿な。
仕込まれた技能の節々に、見覚えのある仮想敵の影がある、それは紛れもなく……あの特殊戦研究会の研いだ成果の結晶。
特殊戦研究会……今のその名は12使徒。
そう……眼の前にいるこの羽付きこそが、12の1。
「無理強いは、しないでほしい」
「わぁーってるよ」
12使徒、コードC4……九字キリコ。
知らない仲ではない。シャーレのゲームセンターで度々対戦している遊び仲間。12使徒の中では親しいと言える関係の3人、うちライトではあるがゲーマーの1人。だが個性を殺したその出で立ちからは、想像もつかない化け物であることをネルは……C&Cは知っている。
こいつがSRTの元トップチーム、CROW小隊を倒したCチームの1人。
あの空崎ヒナと、お互いを掴みながら真っ向勝負で殴り合った12使徒のフロントマン、その1人。
常軌を逸している。空崎ヒナに本気で殴られるということ、それはビルが折れることと同じ意味を持つ。それを一体何発食らった? それも掴まれた状態で殴られている、首が飛んでいないのが不思議なぐらいだ、人間が耐えられる限界をとうに超えている……ヘイローが砕けていてもおかしくはなかった筈だ。
だが、その有様で……平然と殴り返していた恐鳥は一羽で済んでいないのだ。これが12人、12人もいる。12人もいてしまう。
12使徒が完全同期連携を崩し、ポジション戦闘を初めて見せた聖夜の戦い。近接最強を自負する美甘ネルにとって、来るかもしれないその日が訪れた時……超えねばならない壁の一つだ。フロントマンと化したキリコともう一人を沈めることができなければ……事実上12使徒を倒すことなど不可能。それは他ならぬ空崎ヒナが証明している。
あの大怪獣ですら砕けなかった、トリニティの盾。
それがミレニアムの制服を着てゲーム部にいる事情は知らない。しかし、この場に現れた理由は……。
「キリコ、お前が相手してくれんのかよ?」
「望むなら」
「あたしは連中との落とし前をつけにきたんだが……あの二人、それに髪長のチビ、興味がある……けどな。欲しいのはこっちだ、やっぱりお前だよ、キリコ」
「……」
「恐鳥とやり合うのは初めてだ、いいね……こっちのほうがずっといい」
「リーダー、12使徒との戦闘は……」
「あ? 12使徒? どこにいんだよそんなやつ。こいつはミレニアムの制服着てんだぞ? ならミレニアムの生徒だろ、ぶっ飛ばそうが文句言うやつはいねぇよ」
「……」
キリコは無言で首から下げていた、モモイが手作りした学生証をアカネに向かって掲げた。そこにはあからさまな手書きで「ミレニアムサイエンススクール1年、ゲーム開発部、九字キリコ」とある。
「キリコちゃんミレニアムに入学してたの!?」
「アスナ先輩……」
「偽造にしても、もう少し出来というものがありますでしょうに……」
「いいねぇ、殊勝な心がけじゃねぇか1年坊。3年のこの美甘ネル様が直々にヤキいれてやるからよ。何時もはダチ11匹とつるんでるみたいだが、ソロでどこまでやれるのか見てやるぜ……おい、手は出すな。タイマンだ」
「……わかりました」
「……」
その瞬間まで無だった恐鳥の気配が爆発的に高まる、キリコのM14の安全装置は最初から解除されていた。こいつは始めからそのつもりで来ていたのだ……それを感じると美甘ネルは堪らなくなった、誰にも邪魔はされたくない、待ち望んでいた戦いだ。
「楽しい夜になりそうだぜ、なぁ?」
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「あっキリコ!! どこいってたの!? 昨日大変だったんだよ!!」
長い夜が明け、ゲーム開発部の部室へと戻ったキリコの袖を掴んで引っ張るモモイ、部屋の中にはミドリとユズ、そしてアリスが揃っていた。
「?」
「タワービルの一つが昨日吹き飛んだんだよ!! 一晩中すんごい轟音で皆飛び起きちゃったの、どこかの部活が実験にでも失敗したのかもね」
そういや倒壊したな。
キリコはネルに掴まれて、45階から1階までフロアを自身の身体でブチ抜かれたことを思い出した。流石に手強い相手だったし、文字通り骨が折れたが……もう繋がっているようなのでどうでもいいかと、思考の隅に昨日の出来事を追いやった。
「そう」
「というか、キリコなんか妙に煤けてるというか、制服ボロってない?」
「気のせい」
天使族の少ないミレニアムには羽根が出せる専用の汎用制服が無かったので、借り物なのに羽根を出すところを思い切りハサミで切ったのはモモイなのだが、完全にそれを棚に上げていた。気にするところはそこじゃないだろとキリコは思ったが、いつものことながら言葉には出てこない。
「あっキリコです、キリコに炎の匂いが染み付いてます!!」
「炎に匂いなんてあるのかな……それ煤けてるだけだよ」
「というかもうミレニアムプライスが始まるよ!! テレビつけて!!」
「そうだ、キリコちゃん真ん中きて、それでね、羽根も出してほしいな」
「あっミドリずるいです!! キリコの羽根ソファー独り占めする気です!!」
「なぁにぃー!! そうはいくかぁー!!」
「……わぁ」
「ユ、ユズがもう片方占拠してます!! 速いです!!」
「こうなったら!! キリコもっと羽根伸ばして!! ぐっと!! ぐーっと!! 4人掛けだよ!! 空飛べるならこれもいける!!」
「ええ……」
仕方なく普段は折り込んで格納している大翼を最大まで伸ばす、その大きさは部屋の中で広げれば4人全員を包みこんで余りあった。
このサイズになれば滑空は勿論、ブーストカバンの推力を借りれば実際空も飛べる。同じことができるのは羽川ハスミもであるが、体格が非常に良い分ハスミは自力だけで離陸はできず、機動性も良くはない。そもそも空中で姿勢制御できるように人体は出来てはいないのだ、12使徒が異常なのである。正実が似たような特徴の生徒を集め、同じ装備を試さないのには相応の理由があった。
12使徒は全員このサイズの翼を持っていて、全員で翼を広げたその姿は恐鳥の威嚇そのものと酷く恐れられてきたが。まさかここにきてソファー代わりに使われるなど予想外なのだが……親しまれているというならば、あまり悪い気はしないキリコだった。
「やっぱいけるじゃん!! んふー……このフカフカ癖になる」
「羽毛の間から潰れた銃弾が出てきたんだけど……ほんとに羽根を盾にしてるんだ……」
「キリコシールドは全ての攻撃をダメージ0にします!!」
「戦車砲ぐらいまでは」
「戦車砲!?」
「ミレニアムプライス、見ようよ……」
ゲーム部の運命が決まる発表というには、あまりに緊張感のない空気のまま、運命のその時を迎えることになった……。
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「パイセン」
「やあキリコ、プライス特別賞おめでとう」
ゲーム部存続の喜びに染まった一夜、抜け出したキリコが向かったエンジニア部の工房では、白石ウタハが待っていた……話があると言う。
「私では、なくない?」
「その制服を着ているなら私達ミレニアムの後輩だよ、ゲーム開発部のキリコなのさ……いっそ本当にミレニアムにくるかい?」
「辞退」
「残念だね」
白石ウタハにとっては、そうであったらいいのにな、という願望の一つでもあった。
もうかれこれ3年の付き合いになる12人、そのうちの1人。試作装備のテスターにと、心身頑丈な生徒をと探していたら募集に現れた中学生達。
当時は特殊戦研究会と名乗っていた、既にキヴォトスに名の通った荒くれ達の集団だったが。どんな不良かと思えば……力が漲り過ぎているだけの、なんとも純朴で可愛い娘達。
様々な開発成果を託して、楽しい大騒ぎの中過ぎていったこの三年間。今や代名詞となったその装備と共に、白石ウタハの名は、ミレニアム・エンジニア部の名声と共に、彼女達の支援者として世に刻まれている。
良き出会いだった、望むならミレニアムに来て欲しかったが……信念を貫く場を求めてトリニティにたどり着いたのも、今を見ればやはり運命。
彼女達がいなければ、一体どうなっていたかわからないような事件がこのキヴォトスには多すぎた。それを見抜いてか……12人を説得して麾下に迎えた桐藤ナギサは慧眼だったと言える。
そんな愛おしくも頼もしい後輩達に、心苦しい話をしなければならないことをウタハは残念に思った。
「パイセン、話?」
「少し気になることがね……アバンギャルド君のことは? テストにも参加してくれていたから、知っていると思うけど」
「あのクソダサが、何?」
「そんなこと言ったらリオ会長が泣くよ、あれでも自信作みたいだからね」
ウタハ自身、制作に協力したのでデザインに思うところはあるのだが。
アバンギャルド君、今やこのミレニアムの守護神とも言って良いミッド級自律戦闘ロボット。現行最新モデル「スーパーアバンギャルド君ターボカスタム」はエンジニア部が制作してきた12使徒向けの装備、その運用データが制作にあたり使用され、比類ない戦闘力を得たフラッグシップモデル。ミレニアム生徒会長、セミナー首座……調月リオの傑作にしてエンジニア部の研究成果の結晶。
まさかリオ自身から協力依頼がくるとは思っていなかったので、当時は中々驚いた記憶がある。しかしやってみれば面白く、二足歩行型に改修するにあたってのバランサーやローラーダッシュの制御機構を開発したのはエンジニア部であった。
これが先の火の七日間でミレニアムをほぼ無傷で守り抜いたことで、調月リオの生徒会長としての名声は高まりに高まった。被害と言えば破壊されたアバンギャルド君7機の他には僅かな建物の被害、ハイランダー管轄のミレニアム中央正門前駅校舎が大破した程度……駅校舎はハイランダーの自治区でミレニアムに関係ないので、実質この程度。
冷徹にして強権的な生徒会長の強行、制作時の予算と工数に関しては相当な紛糾があり、それを押しての量産であったから……その分の手のひら返しも入っている。
量産型のモーターアバンギャルド君が販売不振な事以外は、彼女の作り上げた先進技術がミレニアムに齎す巨利は、彼女にミレニアムの君主としての資格があると誰もが認める領域にあった。
まさに飛ぶ鳥を落とす勢いの権勢。トリニティの名君、慈愛の君こと桐藤ナギサは別格としても。ゲヘナの羽沼マコトに並んでも威風は負けはすまい。そんな今や誰もが敬愛するミレニアムの主に……今少しの疑問がウタハの中にあった。
「というのもねキリコ、アバンギャルド君の「数が合わない」んだ」
「?」
「現行モデルのターボカスタムは、12機製造されて7機喪失した、ということになっているんだけれどね……予備パーツ含めたら、100機は作れるだけの分量があったんだよ」
「100……」
尋常な製造数ではなかった。ミッド級自律戦闘ロボはそれほど安価とは言えないジャンルの兵器だ、しかも先進技術の塊であるアバンギャルド君のコストは、カイザーインダストリの傑作機ゴリアテのおよそ4倍近い。量産効果のコストダウンを狙うにしてもかなり厳しい調達数だと言える。
「先日の騒ぎには確かに全機分は間に合わなかった、これは正しい。実際組み立てとテスト、調整が必要だからね。私達も頑張って組み立てたさ。それで出撃できたのが12機……だからこそおかしいとわかる」
あの時、少なくとも手元のパーツであと7機は追加できた。喪失した7機分の補充は容易だった筈なのだ……だが。
「キリコ、アバンギャルド君の構造はアッセンブリ式でパーツ単位で交換ができる。各地の工場で一部分だけ作って、集めて組み立てることができるんだ」
「メタルモデルみたい」
「カイザーホビーのDXかい? 良く出来てるよねあれは」
「そう、丁度そんな感じさ。そうして作られたアバンギャルド君のパーツ、それが今……行方知れずなんだ。88機分……全部ね」
「ぜ、全部……」
流石のキリコも驚く異常事態だ、スーパーアバンギャルド君ターボカスタムの戦闘力を考えれば、88機もあれば中規模な自治区だろうと一晩もかからず壊滅させることができる。
しかもあれは自律型で、命令を入力したら自動で戦闘を続けるし、解除コマンドがなければ弾薬が尽きようとアームパンチのみでも戦闘を継続してしまう。破壊の規模は相当なものになる……更に不味いことに、あれには12使徒の戦闘データが入っているのだ。
仮称ゼンメツアクションモード……作動条件はオーダー99、敵味方識別に反応しない物の全てを粉砕するようになる。それこそオリジナルの12使徒さながらの、凄まじいカタストロフとなりかねない。
「おかしいと思わないかいキリコ、あとの88機分の部品は一体何処に行ってしまったんだろうか」
「盗難?」
キリコがチョップでヘルメットを割る動作をする。物資の盗難といえば定番の犯人だろう。企業間のそういう仕事を請け負うのは大抵はヘルメット団かスケバン連合だ。珍しいことではない、そういう手荒なことをする「市場」がこのキヴォトスには存在し、それで生計を立てている渡り鳥達が無数にいる。それがこの学園都市国家の一つの在り方。
けれどウタハには、彼女達とは違うのではないかと予感のようなものがあった。機材盗難に手慣れたヘルメット団でも、流石にミッド級自律戦闘ロボット88機分ものパーツをここまで綺麗に隠せる筈もない。
それにこの問題に関して、何故かC&Cが動いた様子がないのだ。
ウタハのリオへの疑義もここにある、だが。
気になることはまだ、ある。
「それならまだいいんだよ、犯人を探して取り返せば良いんだ……けどねキリコ、そのうち半数の44機分の発注は……トリニティからの依頼となっているんだよ。そして最後の記録はトリニティへの輸送中となっていた……君たちの主は、何か知らないかなと思ってね」
・モモミド
キリコめ……強化しすぎたか。
いくらなんでも限度というものがある、お手軽に強化人間を作り上げやがって。ヒナちゃんとダチョウ12という地獄みたいな脅威に晒されてきたCCナンバーズは、もう真面目な話、素人でどうにかなるような生易しい連中じゃないんだよ。なのにお前らは一体なんなんだよ。これじゃ怪盗()とかいう白い猫がタコ殴りにあってしまうだろ、お遊び気分でガチ目のブラックオプス要員を錬成しやがって、教えはどうなってんだ教えは。
・スーパーアバンギャルド君ターボカスタム✕100
も、燃える……燃えてしまう……キヴォトスの未来が……私達の平穏が……ふ、ふざけるんじゃあないぞミレニアム!! 君たちは一体何がしたいんだ!! ええ!? なんでこんなもの100体も作る必要がどこにあるんだ!? 大体ゼンメツアクションモード!? 12使徒のデータ!? 何を考えてるんだ!! やめてくれ……どうしてこんな未来ばかり私に見せるんだ……様子がおかしすぎる、考えられない事態ばかり引き起こしやがって、なんなんだよこれは!!