「あっ来た!! アルちゃん皆きたよ!!」
「み、皆さん、準備できてます!! こちらへ!!」
「アル様、皆すまねぇ……手間をかけさせたな」
「いいのよ、皆無事で良かった……連絡もらった時は驚いたけど、仕事で外周自治区にいたから丁度よかったわ。でも大丈夫? これで本当にいくの?」
「問題ない、それに祭りに間に合わせるにはこれしかねぇ……助かったよ」
「便利屋68、ご依頼あればなんでも解決してみせるわ」(ホ、ホントに大丈夫なのかしら)
「アル社長、皆。諸元設定完了、いつでも」
「カヨさん、恩に着る……ルミさん、レイジョー世話になった」
「頑張ってね……お腹へったらまたおいで」「次は玄関からにして」
「陸八魔アル……」
「な、何かしら」(そ、空崎ヒナぁ……)
「今度、風紀委員の事務室に来なさい。口座凍結の解除手続きをするわ」
「え!? え!?」
「またねアル社長ー、いくぞぉぉぉ!! 12使徒withヒナちゃん出撃だぁぁ!!」
天を隠した爆煙の大雲が消えた先には、青空。
曇天を押しのけたかのような歓声が天地を震わせ、今現れた澄み切った青空が全ての生徒を迎えていた。あちこちで天に向かって放たれる銃声が歓声と共に響く、それは祝福の音色。危機にあった1人の天使が救われたことを祝う、まさに喝采。
突如始まったエデン条約会場へのテロは、多くの人々が想像だにしない結末を迎えようとしていた。会場崩落、そして続くミサイルと亡霊軍団の攻撃、トリニティとゲヘナの首脳、もっといえばトリニティの壊滅までもが危ぶまれたこの事件は今、終息しつつある。
トリニティとゲヘナ、両学園旗が誇らしげに車体に掲げられ、はためかせた重戦車、ゲヘナ戦車隊総隊長車「虎丸」の砲塔上へと、人々に押し上げられた桐藤ナギサは、危機から助かった安堵よりも……困惑と胃痛の中にあった。何故なら……今、まさに。
キヴォトス爆発のカウントダウンが、始まろうとしている!!
「キキキ!! 実に良い気分だ!! 今頃マダムとやらも……さぞ愉快な面をしているだろうさ。言うべきはまさに、今どんな気持ち? だな!! キキキ!!」
「………ぁぁ…なんてこと」
上機嫌なマコトに対してナギサは、正直気絶してしまいそうである。しかし大学園の総領主として、キヴォトスの頂点に近しい権力を持つ生徒として……今そんな姿は絶対に見せられない。生徒会長たる者のスキル「どんな時でも平常心」で、辛うじて耐えた。
「どうした桐藤ナギサ、手でも振ってやれ。せっかくこれだけ生徒が集まったのだぞ? 総領主の務めだろう、キキキ!! いや、実に気分がいいな!! そうは思わないか?」
「そ、そうですね……」
ナギサの肩に手を置いたマコトに促され、限界のナギサは何とか周りに向かって手を振った……瞬間再び、大地を震わせる声量の歓声が大気に満ちる。
「ナギサ様ー!!」「バンザーイ!!」「いよっマコトちゃんかっこいいぞー!!」「暴れたりねぇぇ!! 殴れる奴は他にいないのかよ!!」「わぁぁぁぁ!!」「ナギサ様ぁー!!」「このまま全土制圧しようぜ!!」「ご無事でよかった!!」「ナギサ様ばんざーい!!」「トリニティばんざーい!!」「ゲヘナやるじゃねぇか!! すげぇよやっぱ!!」「2学園が組めばもう怖いもんねぇぜ!!」
それはナギサの無事を喜ぶ声、そしてマコトを称える声も。
ついでに不穏な文言も結構あった……これが拙すぎる。何かのタイミングでタガが外れたら、一瞬でこの大軍勢が……「このままナギサ様にキヴォトスをプレゼントしようぜ!!」とか言って大暴走を始めてしまう。
ナギサは全周を囲む生徒達に努めて笑顔で手を振り、引きつった内面を全く見せずに、生徒会長たる者のスキル「タフな指導者は何時でも笑顔」を駆使して時間を稼ぎ、この場を収拾する方法を超速で模索していた。
( 何か……何か方法は……!! )
決死の足掻き、優美に見える白鳥は水面下で必死のバタ足をしているという、まさにそんな勢いの桐藤ナギサはかなりギリギリだった。極まったトリニティ仕草でも限界はある……しかし負けるわけにはいかない。ここで諦めたら全てが終わる、終わってしまうのだ。
今この場には数多の生徒会長達がいる、小身だろうと主権を持つ連邦構成学園の長は、キヴォトスの政治に対しての発言権があるのだ。数が集まってしまえば、その影響力は連邦生徒会もけして無視などできない。
何よりも……この生徒会長連中が「気づいて」しまったら終わる。今この場で「この武力があれば、連邦生徒会倒せるんじゃね?」そんな事に気づかれてしまったら……!
>>>>> !! 来るぜ!! ナギサ様の時代がよォ!! <<<<<
チェンジ!連邦生徒会長!キヴォトス最後の日RTAの始まりだ。
待ち受ける未来……それは、破滅!その地獄を避けるために、桐藤ナギサは今、この場の全てをコントロールする必要があるのだ、アドリブで!
責苦にも限度がある、ここまでされる謂れはない……ない、無い筈なのだが。恐鳥を拾い上げ、その力で人々の安寧のために奔走(勝手に走っている)してきた……全てを踏み潰し(勝手に殴っている)てきたナギサは、他人から見ればこれは「お前の始めた物語だろ」なのだ。辛すぎる、こんな現実があるのか!
ナギサは思わず天を仰いだ。曇天は消え失せ、青空が眩しい。
麗しい天使の君が、見目のよい凛々しい悪魔の長と共に青空の下で光り輝いている。
まるで物語だ。その姿が、観衆を引き付ける。これほどの事態でも彼女は切り抜けてみせたのだ、並ぶゲヘナの総領主もまた見事、両学園が力を合わせ、ついに……悪の大人の野望を粉砕しつつある。
粉砕だ、敵は倒れ、勝利の時は近い。
あれほど居たユスティナ聖徒なる亡霊の軍隊はもう……この地上に既にないのだから。
圧倒的な、ただ圧倒的な力。そして常軌を逸した数の暴力にすり潰され……教義の神秘で無限復活である筈のミメシスは限界を超え、地上から駆逐されてしまったのだ。
殲滅戦の様相を呈した終末期には、あろうことかユスティナ・ミメシスが狼狽え、後ずさる姿さえあった。教義に縛られる筈の複製すら狼狽するほどの暴虐が、振るわれに振るわれた。
そう……力と数、パワーの真理が全ての絵図を覆す。
圧倒的な数で振るわれる常軌を逸した暴力をもって、エデンの誓いは果たされた。今この時が、真なる楽園へ至る道、その導を印す誓いの場。多くの観衆がそれを祝福している。
ナギサの眼前に広がるのは、月面より酷い有り様になった光景……ではない。人の、生徒達に埋め尽くされた大地だ。マジで地面見えてない。そんな蛮族さながらに拳と銃を突き上げて雄叫びを上げる、暴力フェスティバルの参加者達、若き血潮のうねりがナギサの鼓膜どころか全身を叩く。
今、この場にはキヴォトス各地から生徒が数多く集結していた……。
( ぁ、集まり過ぎでは!? 何が、何が起きてるんです!? )
なんとその数…… 3 万 人。
まだ祭りの会場に辿り着けていない生徒も数多くいるので、これは増えることはあっても減ることはない。異様を通り越した状況にナギサは、今すぐにでも慣れ親しんだ仮眠室のベッドに横になりたい気分であった。
この現実から逃れたい、しかしそれは総領主生徒会長たる者には許されない、受け止めるしかない……この、あまりにもあまりな現実を。
「……ぅぅ……」「感動しているのか? 無理もないな!! キキキ!!」
お前この有り様見てなんで何時ものテンションのままなの? ゲヘナやっぱりおかしいよ……どうかしてる、こんなのありえない……。
マコトに対してこの方のメンタルどうなってるのと思ったナギサは、ガチで限界だった。先生の抱擁と温もりが、癒やしが今すぐ欲しい、けれどナギサをこの戦車の上に押し上げた一人は先生その人なので、現実は無情である。
二人の総領主が戦車の上で並ぶ姿は、一つの時代の到来を感じさせる象徴的な光景だった。まるで映画のワンシーン、まさに新しい時代の到来、次のステージを感じさせる場にいることに、多くの生徒が興奮している。
キヴォトスの歴史に燦然と輝くだろう、伝説として残る一幕。後日確実に絵画にでもなって、各学園に飾られること確定の、栄光の日だ。それを成したのは、生徒……自分達の力、皆で力を合わせて成し遂げたという全能感、一体感。
高揚のあまり、トリニティとゲヘナの生徒が抱き合い。ヴァルキューレの生徒がヘルメット団と肩を組み、アビドスの生徒がミレニアムの生徒と共に膝立ちのアバンギャルド君に登って、こちらに手を振っている。
今この場で、大勢の生徒達が互いの立場・所属を気にすること無く勝利を分かち合っていた。そこには連邦生徒会の役員もスケバンもない、連邦生徒会の制服を着た生徒が、大柄なスケバンと手を取り合い、何かを通じ合ったのか抱擁しあってい……ちょっとまて、あれ不知火さんでは? というか、あのスケバンの方はたしか7囚人……。
そんな光景が至るところで見られた。トリニティとゲヘナだけではない、このキヴォトスに住まう多くが立場を超えて、手を取り合う光景がそこにあった。
普段は仲の悪い学園同士でさえ団結できることを世に示し、今その象徴たる2学園の総領主が手を取り合っている。そう、生徒達は「自分達の力」によって悪意を退け、この光景を作ったという……最大の成功体験をここに示した。
「キキキ、トリニティの連中もやるじゃないか。お高く止まって性根を偽ってばかりと思っていたがな、中々どうして。気持ちいい暴れぶりだったぞ!! これからはもっと暴をアピールしていけ!!」
「暴をアピールしたら学園が世紀末になってしまいますっ」
「かまわんではないか、大体ストレス溜め込むから性格捻れて気性が悪いとか言われるのだぞ? 適度な暴力は健康に良い!! ヒナの奴も何事も暴力で解決するのが一番だ、とか言ってるしな!!」
「空崎委員長……嘘ですよね……」
敵対学園の生徒会長二人の談笑。それは夢でも見ているかのような、理想の結実。
クロノスを通じて見ている全土の生徒達にも、強く大きな感情を芽生えさせる光景。それは、まさに「動」の時代の幕開け。困難は力で退けられるという希望を見た各地の自治区生徒達にも、変革へのハードルを超えるための意識を……極めて高める効果があった。
希望の火、変革……それは革命とも言えるお祭りのカウントダウン。
祭りだ、夢でも見ているかのような高揚の中で、キヴォトス各地で燻っていた全てに……火をつける時がやってきたのだ。それは奇跡の日…今日この時より、新しい時代の幕が開ける。
自身が今、空に掲げた手……それを見た全ての生徒達の、心の中にあった「諦めていた願い、希望」という、燃え残った全てに火を灯してしまった事を、まだナギサは知らなかった。
桐藤ナギサにはわからない。画面の向こう、カメラを通してこの場を見ている生徒達が、今……どんな感情であるのかを。
というか理解したら瞬間気絶している、未来が見えないナギサにとって、どうにかするべきは今。それどころじゃないんだよ、この大破壊の後始末をしなくてはいけないのは、他ならぬ自分とトリニティ……ティーパーティーなのだから。
ゲヘナ? いやだって……ここはトリニティの領地だから条約関係なくティーパーティーの仕事だし……そんな大惨事なトリニティの土地、ここは今……キヴォトスの歴史上、かつてない大破壊の跡があった。
生徒達がフェスさながらにナギサ達に群がっているので、この場からは見えないだけで、大地はマジで軌道爆撃でもされたような様相である。これが善意で齎されたって正気か? 限度ってものがあるんだよ、比喩じゃない火の海ってどういうことなんだよ!! この星を壊すつもりなのかい!? 頭おかしいんか!! ナギサの心の中でイマジナリーセイアが叫んでいた。
一方リアルセイアはというと……草臥れたピカチュウみたいな顔になって寝床に潜り込んだ直後から、大分夢見が悪いようで痙攣し始めたので速攻救護されていて、あんまりにもあんまりなので心配になって見に来た別のセクシーFOX(白)とこの世の不条理について語り合っていたが、今は関係ない。
現状……此処はほぼ月面、それは間違いではない。
全周見渡す限り……クレーターだらけの荒野。あってはならない大量破壊兵器みたいなビーム砲が、飛行戦艦と2機のロボットから連射されまくって、もう瓦礫すらまともに形を残してない……他学の領地でやっていい行為じゃねぇだろミレニアム。
行使された兵器も頭がおかしくなりそうなレベルだった上、皆して様子がおかしかった。もう人間の暴力じゃないような「力」が行使されすぎていた。
正実委員長のツルギは掴んだ端から人体を「雑巾」みたいに絞っていたし。アビドスの生徒会長とかは、掴んだユスティナ聖徒を地面をおろし金にして「削りながら」引きずり回していたし。C&Cの長はユスティナの髪を掴む端から「振り回し」人間ヌンチャクみたいにしていた。怖すぎる……もう女の子の戦い方じゃない……のに、これでまだ済んでない。
具体的には戦車の大海嘯と人間津波で押し込まれた挙げ句、最高強度の暴力を振るう集団に全周から全力で殴られ、ボッコボコの上で大穴に蹴り込まれる文字通りの死体蹴りをされた挙げ句。トドメに空に舞い上がったミカの手で「投擲」された14本の鉄槌……いや鉄骨が、大地とセットでミメシスをその概念丸ごと埋葬した結果……余波でトリニティ旧区画は大体「消滅」した。
崩落の大穴だったものは、超絶大穴に進化して今や奈落の穴。
いや、鉄骨振るったら神秘的なソニックブームで亡霊集団ごと建物全壊とか意味わからんし。投げたら投げたで進路上全部「木っ端微塵」。もうビーム砲より様子がおかしい大破壊だ……ナギサはその夢でも見ているかのような暴虐が吹き荒れている間、先生を吸ってなければ気絶していた。
天から投擲された聖鉄骨が円状に幾本も突き刺さり、重力崩壊の跡地か? のような、すり鉢状に「凹んだ」終末的な光景の大地が広がっている……。
クレーターだらけのトリニティ旧地区は既に文明の痕跡が「何もなかった」……というか消えてなくなった。臨時仮設駅から古聖堂(跡地)周辺の大地は、月面or石器時代かポストアポカリプスの光景だ。
( ぅぅ……こんなのもう、どうすれば……。 )
おかしいよ……だって、朝までここには荘厳な古い時代の建物が沢山……古い町並みがあったでしょ、宇宙戦争でもあったんかこれ? 聖鉄骨投擲したら軌道爆撃みたいなことになるって聞いてない。
これもう隕石の落ちた跡だよ。いやそれよりも酷い……なんで12使徒も、空崎ヒナもいないのに、ここまでのことになるの? こんなことある? ない、ないよぉ……もう此処には何も残ってないよぉ……。
そんな世界の終わりを垣間見せた、パワフルに過ぎる愛しいナギサの幼馴染は、全開暴力行使でスッキリしたのか、わりと苦手ぎみだった筈のゲヘナの生徒、丹花イブキを先生の横で両手で胸に抱いて振り回していたので、ナギサは若干精神が幼くなって胃が強めに痛んだ……。
愛くるしいだけのゲヘナのお姫様に対して、トリニティのプリンセスはパワータイプが過ぎたのだ。助走付きの渾身の拳(イブキちゃん命名・ミカちゃんパンチ)が直撃したミメシスは、アニメでしか見たことがないような吹っ飛び方をした上、高速スピンの途中で捻れて「弾けた」。いくら幽霊でも人体弾けるのは不味いですよ!!
「ナギちゃーん!!」「ミカさん……」
幼馴染のあまりの暴、しかしそれは自身を助けるための決意の証……努めて「普通」の生徒であろうとしてきたミカに、あれほどの事をさせてしまったことにナギサは心が痛んだ……胃も強めに痛んだ。
しかしこの場で腹部を押さえて蹲ることは出来ない、絶対にできない……もしそんな光景を見られてしまったら、このどうかしてる人数の暴力が、いよいよ制御不能になって周囲に解き放たれてしまう。
その先陣を切るのは確実に鉄骨を掴んだミカだ、もう皆殺しじゃんねぇぇぇ!! とか言い出しても全然不思議ではない。滅びる……滅びてしまう、キヴォトスが。
この場の数万人(推定)の暴徒達が「とりあえず何か殴ろうぜ!!」で全周に散ってしまうことは確実、無人の旧区画ならまだしも、周辺には人口数万人の都市が複数……お、終わる、終わってしまう。そんなの連鎖爆発させたら今度こそ、キヴォトスが物理的にも政治的にも爆発してしまう!!
( この場を……収拾しなくては……!! )
キヴォトスが壊れるか否かが今、まさにナギサの一挙手一投足に重く伸し掛かっていた。覚悟を決め、生徒会長総領主の最強スキル「どんな時でもポジティブハート」を発動して意を決したナギサは、主導権を握るためにマコトへと自ら手を差し出し、マコトもそれを掴む。
全周を生徒に囲まれた戦車の上で並ぶ二人の生徒会長の握手、それを報道しているクロノスのカメラが全土に放送する。それをもって、エデン条約が事実上結ばれたことを知らしめ、事件の終結を……。
「キキキ!! よくやったお前たち!! だが……これで終わりではないよなぁ!!」
万魔殿のマントを揺らし、天を指で突いて万民へ語りかけるゲヘナの総領主が、祭りの続きを促す。羽沼マコトは修羅の国ゲヘナの頂点生徒、こんなお祭り……楽しまないわけがない。そう、乗るしかない!! このビッグウェーブに!!
「ミ゛ッ゛」
ナギサは鳴いた、心の中では泣いた。
最近不思議なぐらい協調性があったので、桐藤ナギサは忘れていた……。
ゲヘナが、トリニティの思い通りに動くわけがねぇんだわ。
「この騒動を画策した黒幕はまだ倒れていない、そうだろう? さあ、何をするべきか、わかるよなぁ!! お前たち!! どうするんだ!! 言ってみろ!!」
「「「「「「「潰せ!! 潰せ!! 潰せ!!」」」」」」」」
「そうだ!! そして今頃は恐怖で椅子から転げ落ちているだろう黒幕を、更に蹴り倒し!! 吊るす!! どうだ!! 楽しみではないか? 命乞いの悲鳴が聞きたくて、その瞬間が待ち遠しくはないか? お前たちも!!」
「サイコーだよマコトちゃん!! よっ!! それでこそ我らがゲヘナの総領!!」「私も命乞いが聞きたくてたまらねぇです!!」「やってやりましょうよ総領主!!」「ゲヘナたまらねぇぜ!! 今日から盟友だろ!!」「ナギサ様にこんなことしやがったんだ!! ぶっ殺してやるぜ!!」「私、爪とか剥がしてやりたいです!!」
テンション上がりすぎて扇動されたトリニティ生徒が殆どゲヘナみたいなことを言い出していて、ナギサは気絶しそうだった。12使徒だけでも大概なのに皆して駝鳥みたいになってしまっている、お嬢様学園のモラルがゲヘナに毒されて今、崩壊しつつあった。
そう、ナギサは見誤ったのだ。混沌の王である羽沼マコトの真なる力……それは扇動。望む望まざるに関係ない、場に合わせて踊り、語り、相手の望みを「叶えられるぞ」と背を押す、悪魔の囁き。
最初から、羽沼マコトは自分が好き放題するために策謀し、計算し、緻密に……大体その場のノリでやっている。今のテンションだと特に何も考えてないです。
アドリブはナギサの専売特許ではない、同格総領主なのだから、似たようなスキルはマコトも全部使える。そして生徒会長最強スキル「どんな時でもポジティブハート」のレベルはマコトの方が高いのだ。
乗るしかねぇ、最高の波がきたらよ……だから祭りの時間が始まる。そんでもって後始末は事務能力に優れたトリニティ・ティーパーティーにお任せだ、なあに、人員はゲヘナからも出してやるとも……主に風紀委員から、つまり私以外をなぁ!! 最高だろエデン条約!!
( 早く帰ってこいヒナ、我が部下になる12使徒を連れてな!! キキキ!! )
「もう暫くすれば、空崎ヒナと12使徒も戻るだろう……だが待つ必要はないな!! 始めようじゃないか……!! 祭りの続きを!! キキキ!! キキキキ!!」
「「「「「「「 ワァァァァァァァ!! 」」」」」」」」
完璧だ、マコト的には完璧な流れだった。栄光の瞬間がずっと続いている羽沼マコトの超サイコーのテンションはMAXどころではなかったので特に何も考えず、ノリでナギサを姫君のように横抱きにして抱え、虎丸から降りる。
それは黄色い声が上がるほど、耽美な画であった。
クロノスを通してその輝くイケメンぶりが全国放送だったので、後々結構大変なことになった。何せマコトの顔が大変に良すぎるので、麗しい天使を抱えた様は非常に絵面がよかったのだ。具体的にはレッドウィンターあたりが震源地になってドえらい騒動になるのだが、それを知るものは今の段階では居ない。
「始めろ!!」
マコトがナギサを下ろし、闘争の宣言を告げた瞬間、全てが動き始めた……ナギサが止める間もなく、始まってしまった。
絶望したナギサは飛び込んできたミカに力いっぱい抱きしめられ、全身バキバキいわされながらスゥっと意識が飛んだ。ナギサ様はお疲れだったみたいだ、無理もない……後方でお休みしてもらおう。何、心配はいらない……この場には総領主がまだ他にいるのだからな。
よいよい、桐藤ナギサ。実際お前は限界であろう……ETOの指揮は私に任せフートンで寝ておれ。暴力執行の手本を見せてやる、このマコト様がな……!!
ということでナギサはミカに抱えられ、イブキと共に装甲車に仕舞われることになった。ナギサの良心と常識という最終安全装置がぶっ壊れたキヴォトス最大の戦力が今、発動する!!
「全隊!! 統制を回復しろ!! 戦闘用意!!」「弾薬の再分配を!!」
「稼働装甲車両は即時集結!! 各戦車長集まれ!! 両校全隊で陣形を組む。装甲の厚いゲヘナ隊が前衛だ、異論は? ないな? よし、いくぞ!!」「棗隊長、トリニティの戦車を一時お預けします、よろしくお願いしますね」「責任重大ですねぇ……」
「ハイランダーズ!! 降車した車掌は鉄道警備隊と共に集合!! 仮設だろうが駅は駅!! 我らが学園領地、駅舎を襲いに来るようなカス共をぶっ殺せ!!」「地獄行きの特急券を発券してやるぜ!!」「レールの錆にしてやるからな……」「あの世への臨時列車が出発進行!! 警笛鳴らせ!! 生前葬だ!!」
「スケバン・ヘルメット連合再結成だな!! 姐様の元に集まれ!!」
「今度は裏切ったりはするんじゃねぇぞヘルメット共」「ぬかせ!!」
「ワカモ、アンタ引退したんじゃ……」「先生がおられたのですよ……ここまでされて、黙っていろと?」「へっそれもそうか、ちょいと複雑だが、アンタの強さは頼もしいよ」
「カズ……なんで来た」「来ちゃいけないってことは、ないでしょ」「お前はもう特殊戦じゃねぇ……違うか?」「……」「で、でもよウチ……あたし嬉しいよ、また皆で悪党をボコせるんだ……嬉しいよ」「ツツ、お前なぁ……」「わかってとは、言わない。けど……」「……今日だけだかんな!! Dチーム集合!! フォーメーションいつもの!! カズ、鈍ってたら承知しねぇぞ!!」「誰にもの言ってんの? いくよ!!」「カズぅぅ!! ウッチーぃぃぃ!! 嬉しいよぉ!!」
普段なら整列さえ覚束ないような連帯感しか持たない筈のキヴォトスの生徒達は、なんとなく周囲の中心的な人物の元に集まっては集団を形成しつつあった。
( あれ? なんか思ったより統制利いてるな? )
マコト的には、大いなる混沌のハチャメチャな人間津波になるかな? 的な感じでいたので、思ったより集団で纏まって指揮系統が構築されていってるのが誤算だった。
というのも、黒幕のマダム某を轢いたついでに、勢いのままキヴォトス全土もローラー作戦、連邦生徒会も転がしてキヴォトスの支配者にGO!! なつもりだったので、冷静になられると困る……感じだったけどまぁいいか。
よく考えたら後始末が面倒そうだし、今はいいや。焦る必要はないしな!!
羽沼マコトは基本、その場のノリで生きている生徒なのだ。
ふと指揮系統を構築している中心集団の中に、マコトの目を引く制服を着た生徒がいた。裏地が星図の白制服は連邦生徒会でも上位役員しか着ることは許されない、しかも星付きでその数は2つ。
「各隊集合!! 点呼!!」「機動隊、装備点検!!」
「ヴァルキューレの皆さん、連邦生徒会防衛室の権限にて……なんてもう、無粋もいいところですね。私に続きなさい、各位、義務を果たすように」
「はっ、拝命します。連邦防衛室長!! 不知火長官に敬礼!! 続けぇ!!」「けいれーい!!」
「カンナさん、各隊の指揮を。ユキノさん、戦うのは私、残念ながら自信がないので、よろしくお願いしますね」
「はっ、ヴァルキューレをお預かりします。コノカ、続け」「了解!!」
「FOX小隊以下、SRT全隊、防衛室長の指揮権に服します。期待には背きません、お任せください」
拳銃をたった一丁握りしめ、ヴァルキューレとSRTの先頭を駆けようとするその姿は……なんと連邦生徒会の防衛室長その人である。ファウストの放送の後、FOX小隊の後を自ら追ってきたのだ。
「不知火カヤ、まさか連邦生徒会が動くとはな、どうした? 連中、急に勤労に目覚めたか?」
「……羽沼議長、ナギサ様がご無事で本当になによりでした。ええ、連邦生徒会も動いております。七神連邦生徒会長代行より、緊急事態宣言発令による特別防衛出動が許可されました。これよりSRT特殊学園の元生徒を緊急招集し、事態打開に邁進いたします」
「キキキ!! まあそういう話ならば末席に加えてやろう。何、気にすることはないぞ、お前もかなり肝を嘗めただろう、ストレスの発散はこの手に限る、なぁ?」
「そのような意図はありませんが……落とし前はつけますよ」
「いいぞ、連邦の役員にしておくにはもったいない。連邦生徒会に飽きたらゲヘナに来るがいい、歓迎しよう。万魔殿に議席を「用意」してもいいぞ」
「ありがたい申し出ですが、それならばトリニティと決めておりますので」
「そうかそうか!!」
不知火カヤがこの場にいる理由は単純。それが必要で、七神リンもそれを肯定したからだ。もちろん全ギレの感情面もかなりあったが、この場に連邦生徒会の白制服を着た者がいなければならないという冷静な判断もあった。
実際、先の突撃に参加し、皆と共に必死に走る彼女の姿を見た生徒達からのカヤへの心象はすこぶる良い。元々ちゃんと仕事しているように見える勢(遊んでる子なんていないよ……)なので、スケバンに銃弾から庇ってもらえるほどの好感度だった。白制服を汚すこともいとわず、エリートもいいところのお嬢さんが拳銃一丁で殴り込む気概が気に入られたのである。
そしてこの制服は目立つ、連邦生徒会の最上位エリートが同じ立場で駆けているというのは「いけすかない連中だと思っていたけど、やるじゃん」という反転心理になり。仲間意識の芽生えと共に、今この時……集団形成に役に立った。信頼を失ったとはいえ、連邦生徒会はキヴォトスの首班。どうすればいいか迷った生徒達がその動きに倣う。
心に身を任せた本気で渾身の疾走ではあったが、カヤは狙ってやった。
連邦生徒会の転覆を狙う、羽沼マコトの野望に気づいている不知火カヤとしては……現状は上首尾である。ヴァルキューレを率いて先頭に立つ意味、規律と統制が整った大集団が1つでもあれば、周りもそれに合わせるのだ。
数万人の生徒群がマコトの予想よりも遥かに冷静だったのは、まさにこれがため。間一髪、不知火カヤは桐藤ナギサの望まぬ破局を防いだといえる。
不知火カヤが連邦生徒会長に迎え、主と仰ぎたいのは羽沼マコトではない、桐藤ナギサだ。お呼びじゃないんだよ悪魔、引っ込んでいろ。トリニティ生徒ではないのにトリニティ仕草をキメていくカヤに、マコトは悔しがるどころか楽しみが増えた程度の感覚だ、この程度で総領主のポジティブハートはびくともしない。
< お話し中失礼するわ、羽沼議長。貴女は黒幕の居場所を知っているのね? 何処なの? 今すぐ向かうわ、情報の共有が必要よ >
圧力さえ感じる二人に割って入ったのは、空気が今回は良い意味で読めない調月リオ。空中戦艦ミレニアム号の艦橋からこの場を見下ろしている彼女は、この場のもう一人の総領主でもある。
「そう焦るな調月リオ、居場所はわかっている……私が導いてやるとも、このマコト様がな!! ただし条件があるぞ!! この場の盟主は無論私と……」
< どうでもいいわ、さっさと教えて >
しかし彼女は群衆の指揮などする気はない、マコトは知らなかった。リオは、そんなことよりも「光の剣ブチこんでやろうぜ!! もう待ちきれねぇよ!!」という全ギレの怒り2000%で温まったままなのだ。
今にもトリガーを引きそうよ、とか言い出すリオにマコトはドン引きだった。この場で最大火力をもっているのは当然ミレニアム・リオである、あんだけ無法な大破壊しといて全く収まってないし全ギレのままなので、焦らすとマジで撃ってくる予感しかない。
「地下だ、大穴はカタコンベを爆破して出来た崩落だがな、どうもその先に入口があるらしい。自分の領地の入口を砕いて足止めも兼ねていたわけだ」(完全に目がキマってやがる、こわ……)
< そう、地下なのね? そして大穴の向こう……なら都合がいいわ >
「は?」
マコト達の頭上を通過しようとしている巨大なミレニアム号の「爆弾庫」らしきものが開放される様が見えた。そして、そこに収まっている……なんかデカすぎるものも。
< 見て、聞いているんでしょう? 黒幕の誰か……この期に及んでも降伏しないのなら、どうなるか見せてあげる……命乞いしやすいようにしてあげるわ >
「お、おいちょっとまて!? それ何!?」
< この「スーパーグランドスラム君」でね >
スーパーグランドスラム君……それはリオが無名の司祭が地下に隠れている時のために開発した…… 2 0 ト ン 地中貫通爆弾。
勿論生き埋めにするためではない「お前たちが出てくる意思を見せなければ、私はこの場を破壊し尽くすだけだぁ」という、命乞いをさせるための、ミレニアムが誇る「対地の」最終兵器……ミレニアム号に搭載可能な弾数、なんと4発。
「ちょ!? 調月生徒会長!? さっきから連邦法なんだと思ってるんだって兵器ばっかりお出しされてますけど!? どういうことなんです!?」
< これは兵器ではないわ、工事用よ。20トンあるけれど >
「20トンの爆弾出てきて!! んなもん通るわけねぇでしょうがー!!」
カヤちゃんも叫んだ、そら叫ぶだろこんなもんお出しされたら。
よくよく考えたら大量破壊兵器防止法ぶっちぎってるようなものばかり次々出してきている最近のミレニアムは本当にどうかしている。
法規制前のビーム砲はまだしも、20トン爆弾はねぇだろ!! キヴォトスをどうする気なんだよ!! ミレニアムおかしいよイカれてるだろ!! 周り誰も止めねぇのかよ!! こんなもの投下された日には大地震確定だし、先に命乞いしはじめるのはこの場の生徒だわ!! マコトとカヤは仲良くドン引きした、相手が悪すぎる。
確かにマコトは相手を上手く操ることができる……できるが、それは会話が成立すればの話。ミレニアムに話など通じるわけがないし、聞くわけもない。この場で本当に最もヤバかったのは天使でも悪魔でもない……科学の徒!!
゛まってリオ!! 地下には助けを待ってる生徒もいるの!! ゛
「「先生!!」」
連邦生徒会の面子と法の秩序とセットで、迫真顔でポジティブハートを貫通されそうになっていたマコトとカヤを救ったのは……生徒達を引き連れた、先生だった。
゛マコト、助けたい子がいるんだ。力を貸してもらえないかな。゛
「いいだろう先生!!」
先生にそう請われては、羽沼マコトも素直に応えるしかない……というか拒めるような空気でもない。なんたって先生が引き連れてるメンツが……。
美甘ネル、剣先ツルギ、小鳥遊ホシノ(臨戦)、聖園ミカ(鉄骨) である。
流石に怖すぎる、こんな連中集められるの無法がすぎるだろ。そして冗談も許されなさそうな空気を放っている小鳥遊ホシノが一番怖い。お調子発言キメたらノータイムでインタビューしてきそうな雰囲気を放っていて1人だけシリアスだ。
見事にフロントしかいないが、特に問題はない……そう、目と目が合った瞬間に全部すり潰せばね。ということで、イカれたメンバーが揃った。
「キキキ、盗んだアバンギャルドを搬入していたゲートの位置を掴んでいる。カタコンベを経由していないから直通だ、ETO設立と同時にそこから全軍進む予定だったからな」
そういった機材や、ミサイルといった大型の武器の搬入口がカタコンベであるわけがない。4桁の人間の生活物資を運ぶにはトラックで乗り入れねばならないのだ、絶対に新設されている筈……ということをマコトは抜かり無く掴んでいた。トリニティよりも先に。
羽沼マコトはノリで生きてるのに優秀に過ぎた、というのも……イカれた鳥達の羽ばたきで大きな変化があったのはゲヘナもである。
常にゲヘナ自身のリソースを削り、混乱に混沌を重ねて内部から意図した内乱状態の中で自身の立場を作っていた、どこかの世界の万魔殿とは立場も地位も全く異なる。
ヒナと、そして風紀委員達の反乱を完全に気にしなくて良い立場にある、今の完全体万魔殿の政治・軍事・諜報リソースは……桁が違うのだ。ゲヘナが「運営されている」という異常事態に人々は気づくべきだった。
そう、内憂無く全力発揮可能にある学園は、トリニティだけでは……。
キヴォトス最大の学園が、本来の歴史のグダグダ状態でさえ頭一つ抜けていた存在が「デバフ無し」で存在しているという事実を……ゲヘナの様子のおかしさに隠されたそれを認識している者は、ゲヘナ学園総領主生徒会長……羽沼マコト以外にいなかった。
゛皆で入れる入口があるんだね? なら……そちらはリオ、マコト、それにカヤちゃん、皆でお願いできないかな。私達は別の入口から進むね。゛
< わかりました、ですが別の入口が? > 「アリウスの生徒が協力してくれるのですか?」
「ああ、なるほどな。お前か、キキキ……殊勝な心がけじゃないか」
先生の背後にいた、帽子を目深にした姿にマコトは全てを察する。
「道案内は……私がする」
゛ありがとうサオリ、皆で守るからね。゛ 「……ありがとう、先生」
少数精鋭をもって、サオリの「今日」使った隠された通路を使い、アリウス本拠へと突入する……そして救い出すのだ、残された生徒、秤アツコを。
< けれど先生、たった5人では心配だわ。せめてC&Cを >
「先生、SRTを1隊でも良いので付けさせてください、何かあったら……」
リオとカヤの心配にマコトは「いや……こいつらいたら他の誰も要らんだろ……」と思った。まあそう、12使徒いわく、ダチョウパワー換算でいうと。
美甘ネル、4.8から5.0ダチョウパワー。(音速で走って分身もするのに光学迷彩)
剣先ツルギ、5.5ダチョウパワー。(無限リジェネな上でスーパーアーマー)
小鳥遊ホシノ(臨戦)、素手の段階で9.0ダチョウパワーなのに今フルアーマー。
聖園ミカ(鉄骨)、4.0ダチョウパワー→ 聖 鉄 骨 1 本 ご と に 3 倍。
尚、ミカちゃんは愛銃を忘れてきたので両手に鉄骨です。
勝てる奴いるんか? キヴォトスなくなっちまうよ。
上澄みアリウスだったサオリを、戦力外にしてしまう恐怖の布陣であった。だから先生はサオリを戦わせる気はない、それに……4人で済ませるとは言ってない。
゛大丈夫、そろそろ時間だから。゛
時間? 全員のその疑問と同時に、周囲にざわめきが広がる。
今まさに、この場に向かって飛んでくる、4つの物体があった。
「マコト様!! あれを!! ミサイルが!!」
今更? それに巡航ミサイルは空崎ヒナと12使徒が潰した筈……そう思って生徒達が頭上を通過していくミサイルを見た瞬間、その暴虐を体感したことのある、一部の生徒達は恐怖に凍りついた。そこにはあまりにも様子のおかしい光景が……。
「じゅ、12使徒です!! 空崎ヒナもいます!!」
「ミ、ミサイルに掴まって、移動を!?」
何してんの? 君ら。
いや、流石にそれは……あれ防空用のパトリオット……片手でミサイル掴んでぶら下がって移動? まあでも生身で飛ぶよりは……いや、だめだろ、何Gかかると思ってんだよ。せめて跨がれよ……人として。
゛これで揃ったね……じゃあ、いこうか。゛
舞い降りる13の翼を迎えて先生は、マダム・ベアトリーチェへのインタビュー(物理)へと出発した。先生が号令した瞬間……この17人が襲いかかるのだ。そして今日ばかりは先生も加減の必要はないかな? という感じだった。
だってもう大概更地だし……ナギサも「整地」するとか言ってたしね。今はお休みしてるから……先生が皆と代わりにやっておくからねナギサ。
先生は穏やかな表情のままだが、結構キレていた。
SMS Kaiser Franz Ⅱ/Ⅰさんから、なんと飛行戦艦ミレニアム号のイラストを頂きました、感謝……ミレニアムヤバすぎますね、こんなものお出しされたらユウカも痙攣して床でのたうち回りながらフトモモも萎んでいくと思います。
https://www.pixiv.net/artworks/122893488
補習授業部編から合わせれば、ここまで21話(補習11+エデン10)という長いエデン条約の物語にお付き合い頂きありがとうございました。次の掲示板回をもって、奇跡のカーニバル終幕です。章終わりのリザルト回もありますが、閉幕が近づいてきました。ここまでダチョウの疾走が続いたのは皆様の沢山の感想のおかげです、全て読んでおります、ただただ感謝を。ありがとうございます。
今回のサブタイ「宇宙へ……」の予定じゃなかった? まあ打ち上げ準備はカウント遅延することもありますし。でも、おまちかねの時です、お待たせいたしましたね。
次回、「輝きと空の向こうに」 対戦よろしくお願いします。