トリニティの12使徒   作:椎名丸

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時刻・AM11:00
アビドス自治区境界線。
砂狼シロコと呼ばれた少女が、お気に入りだった丘。

お前は私、だからきっと、そこにいる。



42・ウェルカム・ザ・ニューワールド

 それは壮絶な戦いの結果。

 

 かつて栄えたアビドスの中心地から離れた、領土の境界にある丘と草原は激しい戦いを物語るように荒れ地となっていた。

 

 その場所に今、3つの人影。

 

 1人は巨躯。色彩の嚮導者と語られるその名は、プレナパテス。

 

 2人目は黒いドレスを纏う灰色の娘。その名を知る者達が知らない、成長した姿の⋯⋯かつて砂狼シロコと呼ばれた、死の神アヌビスに至りし者、シロコ*テラー。

 

 そして3人目。闘争の結果として大地に伏した⋯⋯。

 

 

 

 

「ん゛ん゛ん゛!! 推定姉!! なんで私達が戦う必要が!? やっぱり記憶が!?」

 

 

 

 

 まだ元気いっぱいの、砂狼シロコ。

 

「ハァ⋯⋯ッ⋯⋯ハァ⋯⋯ッ⋯⋯ゼヒュ⋯⋯ゼヒュ⋯⋯私は⋯⋯姉じゃ⋯⋯な⋯⋯ッ」

 

「ん゛ん゛ん゛!! そんなことない、間違いなく推定姉!! ⋯⋯!? そう、わかった、私は記憶喪失!! 貴女も記憶喪失!! そこに何の違いもありゃしない!! これは間違いなく生き別れた⋯⋯姉!!」

 

「ゼェッ⋯⋯ゼェッ⋯⋯ゴホッ、話⋯⋯つうじ⋯⋯な、んなの⋯⋯」

 

 シロコ*テラーは息も絶え絶えだった、なんなら膝をつきそうな寸前だった。

 

 シロコ*テラーこと、アヌビスシロコ。まだ何も知らないかつての自分自身に憐憫と、その力不足を責める気持ちを込めて強めの一撃で気絶させ、回収する予定だったのであるが⋯⋯。

 

 お出しされたのは、激烈で猛烈な暴力!

 

 肩で息をするシロコ*テラーは色彩テラー化パワーで保護されている筈の全身を普通にボコボコにされていた。それは戦いが熾烈そのもので、余裕などまるでなかったとわかる。自動修復される謎の色彩ドレスも結構ズタズタだ。

 

 しかし、この場の勝者はシロコ*テラーである。

 

 勝った⋯⋯なんとか⋯⋯。

 

 けれどマジで考えられない強さだった⋯⋯おかしい、この頃の自分はこんなに強くなんてないはず⋯⋯だってこんなにも強かったなら、あんなことに⋯⋯どうして? 何故、何故? というか私は姉じゃない⋯⋯と、困惑と混乱の極みにあるシロコ*テラーだった。

 

 言葉無く、そんなシロコ*テラーの様子を心配そうに見ながら狼狽えるプレナパテス、2人揃って驚愕の現実が今眼前に横たわる。

 

「ん゛!! ん゛!! ん゛!!」

 

 プレナパテスから咄嗟に借りた赤ファーで簀巻きにされた、バタバタと暴れ倒すシロコ(高校2年生の姿)、なんとかギリギリ倒して縛り上げたものの、今シバき倒されたとは思えないほど元気いっぱいに暴れまわる砂狼シロコは⋯⋯明らかに平気そうだった。

 

「確定姉、私達が殴り合う必要なんて、無い!!」

 

 ついに推定姉を確定姉にした砂狼シロコ、ボコされ縛られ転がされたシロコサクサク状態でも余裕の姿勢。生きの良い赤海老天と化している。

 

 今の会話のどこに確定させる要素あったんだよ、シロコ*テラーは困惑で頭が一杯だし、信じられないダメージで思考がまとまらず、突っ込む余裕が全然ない。

 

「ハァ⋯⋯ハァ⋯⋯お前、は⋯⋯わた⋯⋯」

 

「ん゛!! そう、私の姉!! 私達は⋯⋯記憶喪失ですれ違う、姉妹だった!!」

 

「そんな⋯⋯わけ⋯⋯ない⋯⋯」

 

「姉!! 思い出して!!」

 

 字面だけ見れば悲しそうな物語である、だが現実は死ぬほどボコした未確定姉に語りかける、海老天状態な未確定妹の妄言……。

 

 お前も記憶とか何も思い出してはないだろ、存在もしてないわ。

 けれど存在しない記憶は溢れるほどあります⋯⋯私達は⋯⋯姉妹だった!! 間違いない!!

 

 砂狼シロコはテンションが上がりすぎていて話を聞かない。

 

 まあ実際記憶喪失なのはお互い本当だし、サバンナシロコの身からすれば、自分に似た成長した姿の大人っぽい同じ顔とか、どう考えても生き別れた姉である。

 

 これは姉だ、間違いない。ならアビドスに入学させる、これからはずっと一緒。

 

 シロコの中で存在しない姉妹の記憶が溢れ⋯⋯そういうことになった。

 

 アビドスは家族だ、必ず温かく姉(確信)も受け入れてもらえる。

 

 あの時は私1人だった、きっと事情があった⋯⋯いや、お互い記憶を失い、どこかではぐれてしまったのだ⋯⋯シロコはそう思いこんだ。本来ならここから涙ながらの悲しいすれ違いバトルになる、ドラマなら貴女とは戦えないとか言い出す感じのお涙パートの開始⋯⋯が、普通の流れ、だったが。

 

 この地は、弱肉強食の大地⋯⋯サバンナ・キヴォトス。

 

 自分と共にアビドスに迎えられるべきだった姉(確定)が、記憶喪失のままにすれ違い、なんかわからんけど戦うことになっている⋯⋯ならば、殴って勝てば良い。

 

 拳で語り合うのも姉妹の嗜み、これはキヴォトスの常識である。

 

 この世は力こそが正義なのだ、どこの姉妹でも喧嘩は拳で白黒つけていると聞く。だったら我が砂狼家もそのようにする、シロコに迷いはなかった。

 

 サバンナでは弱者に人権はない⋯⋯弱者は跪きひれ伏して、それは生き別れの姉であっても例外はないのだから。ボコしてアビドスに連れて帰る、そう心に決め、活力の高まったシロコは⋯⋯それはもう全力で反撃した。

 

 躊躇いなど微塵もない。姉妹の初交流だが、とりま先ずは拳で決める上下関係の構築だ。群れは格付けが大事。

 

 勝てば私が強い、弱い貴女はお姉ちゃんで確定!! 強い私が決めたのだから従って!! 負けたら姉に相応しい力で誇らしい、お姉ちゃん確定!! 今日から家族だ!!

 

 話が通じない!シリアスに染まったアヌビスシロコは、この異常な論理の飛躍についていけない!

 

 シロコのテンションは失われた記憶の手がかりと同時に、明らかな血縁者が現れたことに最高潮であり、高まりに高まった⋯⋯数多の賞金首を無茶苦茶にしてきた、筋力も漲る!!

 

 容赦?姉妹の間にそんな気を使う関係はないよね。

 

 サバンナイズドされた砂狼シロコの拳が、シロコ*テラーを襲う!!

 

 の、結果⋯⋯。

 

「コホッ⋯⋯ッ⋯⋯」

 

「姉の弱点発見、やや打たれ弱いみたい」

 

「お、前⋯⋯ね⋯⋯」

 

「セリカのほうがまだ頑丈、頑張って」

 

「!?」

 

 激しい痛みと乱された呼吸で全然立ち直れないシロコ*テラー⋯⋯痛ましい姿である。まあいきなり姉判定してきた過去の自分らしき存在が、とんでもない超暴力を振るってくるとか、想像もできないよね。

 

 それは、つよシロコと超つよシロコの戦いであった。

 勝つには勝った、しかし代償は大きかった⋯⋯。

 

 豊かに成長した彼女の胸の下に、えぐりこむように突き刺さっていたのはシロコの右ショートアッパーとリバーブローのコンボ、それも実に3発⋯⋯彼女の肋骨にド派手なヒビを入れている。

 

 踏み込んだインレンジの縦軸中段から放つ肋骨粉砕打撃は、砂狼シロコの得意技だ。

 

 アビドス生徒は賞金首を狩る際に、トドメは近接でする習性があった。

 

 肋骨あたりに強めのヒビ入れとけば、大体まあまあ大人しくなるやで、というイカれた鳥のアドバイスのせいである。銃弾で仕留めるなんてスマートな行為はしなくなって久しい。

 

 マンハントは骨折級の打撃が常に乱舞する修羅の世界だ、無力化はしっかり行う、ハンターの嗜みです。

 

 キヴォトスの賞金稼ぎ稼業は甘くない。だって賞金首連中だって狩られるばかりじゃないんですよ? この地獄みたいな世界で有力指名手配犯なのだということが忘れられがちですよね、皆して修羅だよ。

 

 アヌビスシロコの最も重大なダメージは肋骨だが、他にも全身打撃を食らってないところがない。なんなら一度腕を決められかけ、尺骨を折られる寸前までいった。いかにサバンナ・キヴォトス民でも人体で一番強めの骨である尺骨を折られると、一週間は接骨院通いの住人である。

 

 ちなみに尺骨は折れると死ぬほど痛い骨の一つだ、これが推定姉にすることかよ。しかしサバンナシロコにとってこれは姉妹の記念すべき初コミュニケーション。

 

 サバンナの洗礼である、これが姉妹の絆だオラッ!!

 

 アヌビスシロコ、これには悶絶。

 

 シロコ*テラーの右フックがクロスカウンターしてシロコの脳を揺らし無事一回休みにできたものの、秒で起き上がってくるし、全然ダメージが蓄積した様子がない。どう考えても様子のおかしい推定過去の自分?を前に真顔になった彼女は、それから同じ行為を3回繰り返し⋯⋯どうにか縛り上げて行動の自由を奪えたのだ。

 

 ⋯⋯シロコテラーの勝利は薄氷のそれだった。

 

 代償に差し出したのは左の肋骨一列全部である、狙う部位を集中させるガチさ加減。また、右拳に意識を向けさせ時折差し込む左リバーブローによって明らかに肝臓を狙われており、シロコの容赦のなさを物語る。

 

 いかに超常の力で強化されていても簡単には治らないし、苦痛は避けられない重傷。

 

 テラー化してなかったら悶絶では済んでない打撃である。高確率で姉な存在に躊躇無くこんなの3連発ブチこんでくるシロコは完全にサバンナの住人だった。

 

 なんなら「流石は自分の姉(確信)、沈まないどころか反撃で落としてくる、アガる!!」とか思っていて、最高のテンション。

 

 シロコ*テラーもプレナパテスも、そんな負けた感全然ない、生きの良い海老天、シロコサクサクになってるシロコに困惑しかない。

 

「⋯⋯ガハッ⋯⋯ゴホッ⋯⋯」

 

「⋯⋯⋯」(滅茶苦茶心配して背中を擦るプレナパテス)

 

「でも姉、流石に強敵だった⋯⋯」

 

「姉じゃ⋯⋯ない⋯⋯!!」

 

「ん゛!! 貴女の勝ち、強かった……だから姉、認める」

 

「認め、ないで!!」

 

 ギリでもシロコに勝てたという事実は大きい、厳しい野生の世界ではこれで上下が決まる。アビドスの生徒に相応しい、いや、自身の姉に相応しい実力と言えるのだ⋯⋯シロコは姉の力に満足だった。それに負けはしたが、格付けはまだ決まったわけではない。

 

 最強傭兵学園アビドスの洗礼はこれからなのだから。

 

「一体⋯⋯何⋯⋯何なの⋯⋯これは⋯⋯」

 

 一方ずっと混乱しているシロコ*テラー⋯⋯。

 

 拳をブチ込まれた箇所が全部痛すぎる⋯⋯これ絶対折れてる⋯⋯そう直感で理解したアヌビスシロコ。一方、銃弾も拳も直撃しまくったのにまだ全然平気そうなサバンナシロコ。

 

 おかしい、いくらなんでも様子がおかしすぎる。

 

 実はチーム色彩2人、この場に来るまでに『来訪』してからそう時が経っておらず、キヴォトスの様子をまだ殆ど観測していなかったのだ。しかし、おや?と思うような様子はいくつもあった、自分達の知っているキヴォトスとは⋯⋯こう⋯⋯なんか空気感が違うのである。

 

 そう、何処かその⋯⋯活気があるというか⋯⋯。

 

 そこにつけてこれであった、過去の自分が考えられない強さの時点で、シロコ*テラーの中で強い違和感が顕になる。

 

 そんな筈はない、こんな筈はない⋯⋯だって、私がこんなに強いなら、あんなことには⋯⋯なっていない、させなかった、きっと。

 

 なら⋯⋯お前は、誰? 

 

 シロコ*テラーは朧気ながら理解しつつあった。

 ここは自分の知っているキヴォトスではないのではないか、と。

 

 ⋯⋯ようやくご理解いただけたようですね。

 

 あまりにも恐ろしい現実である。

 

 ここは野生の王国サバンナ、彼女達の知るキヴォトスではなかった。

 

 色彩と接触し、苦しみと悲しみを背負いテラー化したアヌビスシロコに襲いかかる、重すぎる事実がここにある。

 

 砂狼シロコは神話級生徒ではない、伝説級生徒であり、その戦闘力は2ダチョウパワーにすぎないのだ。

 

 もしこの場に居たのが小鳥遊ホシノ(デバフ解除の完全体、12ダチョウパワー)だったならば、秒で普通にボコされて、どう見てもシロコの縁者なので喜び勇んでアビドスに持って帰られ、彼女の旅路は終了だったのである。

 

 あまりにも⋯⋯あまりにも彼女の知る世界とは、全てにおいて力の差がありすぎた。

 

 そらマダムも使ってみて「色彩なんぞカスだろ」とか言い出しますわね。

 

「確定姉はアビドス7人目の生徒になる、生徒数大幅アップ!!」

 

「⋯⋯7、にん⋯⋯め?」

 

 まるで知らない6人目がいるかのような口ぶりに、アヌビスシロコの困惑が一層深まる。

 

「そう、聞いて姉。私のいるアビドスは生徒が少ない、ちょっと前まで5人だった⋯⋯けど1人増えた、親友のエイカ。普段はトリニティにいるけど、もうアビドスに学籍入れたからこっちのもの、そのうち奪う」

 

「?????」

 

 アヌビスシロコの完全に知らない名前が出てきて混乱が加速する。誰? 誰なの!?

 

 < 二重学籍は犯罪です!! だめなんですー!! > (連邦生徒会学籍管理課)

 

 < しらねぇなぁ⋯⋯自治区の中じゃ私が法なんだよね、わかる? > (悪いことを友達から教わった神話級生徒にして、思うところはあれどナギサの勧めで生徒会長になった賞金稼ぎの王)

 

 力こそが正義のキヴォトスにおいて、力の頂点存在である神話級生徒にして生徒会長ならば「私が法だ」で、済むのが今の自治区法。ミレニアム・サイエンススクールの卑劣なテクニック⋯⋯正規に発行した学籍証に『自治区領内でのみ有効』と記載すると、現行法ではもう何も出来ないのである⋯⋯連邦法の秩序が⋯⋯機能してねぇ!!

 

 それは早瀬ユウカの記憶改竄を現実のものとするべく、生塩ノアが考案した卑劣な術⋯⋯もとい手続だった。茶会法務室全生徒を1人で圧倒する最強法務がその気になれば、突けない法の穴なんてないぜ、残念だったなぁ連邦生徒会様よォ。

 

 気に入った生徒達に二重学籍で自校の身分を与え、これを通行証とすることで自由に出入りさせるだけでなく、所属していなければ不可能な交流⋯⋯授業を現地で受けることを可能にするという、極めて関係を深める行為が特定の学園勢で横行し始めていた。

 

「姉で7人目⋯⋯アビドスに復興の兆し!!」

 

「私は⋯⋯アビドスに、は⋯⋯いかな⋯⋯い」

 

 きっとまだ⋯⋯今なら見ることができる、皆の、元気な姿は嬉しくも、そして酷く悲しくもあった。そして何より、自分がこれからすることを思えば⋯⋯会うことなんて、できるわけがない、苦しい表情を見せないように俯くシロコ*テラー。

 

「ん!! アビドスに連れて行く!! 弱者は跪きひれ伏して!!」

 

「今、ひれ伏してるのは、貴女⋯⋯」

 

「次は負けない!!」

 

 だがアヌビスシロコ、ついに崩折れ、膝をついてしまう。

 

 悲しみも勿論あるけれど、もうヒビまみれの肋骨とか全身が痛すぎてですね。トラックと激突してもこんなヤバいダメージこないぞ⋯⋯どうなってるのこれ。

 

「!! 跪いた!! そのままひれ伏して!! アビドスに行きますと言って!!」

 

「いわ⋯⋯ない⋯⋯!!」

 

 あの⋯⋯姉判定してる子が大怪我で蹲ってますけども、キャッキャッしてるシロコさんの倫理観が先生はとても心配です。

 

 悲しみを背負い、罪の意識で押しつぶされそうになりながら、悲壮と共にこの地へとやってきたシロコ*テラーだったが、あまりの事態と知らない情報の濁流で混乱し、困惑が過ぎてもうだめだった。

 

 サバンナとノーサバンナでは、ダメージ耐性に違いがありすぎたのだ。サバンナシロコは脳こそ揺らされてダウンはとられたが、骨とか折れた様子は全く無い。シロコは茶道の呼吸こそ未習得だが、そもそもすごく頑丈なんですよね、アビドスの生徒だぞ、当然でしょ。

 

 まあダチョウは肋骨全壊しても今なら20分ぐらいで綺麗に治りますしね⋯⋯そもそも戦えなくなるわけがない。粉砕ならともかく、骨ポキやヒビ程度は深呼吸の秒でくっつきますし、たかだか肋骨一列に全部ヒビ入った程度でガタガタ言うようなやつは特殊戦じゃないね。(諸説あります)

 

 彼女はこれから、こんなのと連戦しなければならないのである。

 

「ん⋯⋯今は姉のほうが強い⋯⋯けど私、諦めないから。待ってて姉、私は強くなる、そして奪う」

 

「うば⋯⋯う!?」

 

 いや、ピンピンしてる君と違って、その姉は今明らかに満身創痍ですけどもね。

 

 全然話が理解できない、勢いも様子もおかしすぎてシロコ*テラーはずっと困惑しっぱなしだ。シリアスの住人には辛いテンションですよね、けどシロコは生き別れの姉を迎えて超アガってるから⋯⋯。

 

「進めば1つ、奪えば全部、この世の真理。お金は賞金首を狩って稼ぐ、足りない生徒は奪って増やす。ホシノ先輩もノノミも喜んでる、セリカとアヤネはまだ戸惑ってるけど、奪えば全部には賛成だから」

 

「何を、言ってるの⋯⋯!?」

 

 何も話が通じない!! ホシノ先輩!? ノノミ!? 一体どうしちゃったの!? セリカ!? アヤネ!? 何があったの!?

 

「何事も暴力で解決するのが一番だって、ゲヘナの風紀委員長も言ってた」

 

 あの人そんなこと言ってたっけ!? かつての空崎ヒナは知っているし話したこともあるが、そんなこと言うような人柄では全然なかったはずである。

 

 全てに強烈な違和感⋯⋯つまり、この世界の様子がおかしいのだ。

 そうここは、かつて彼女の辿った⋯⋯過去では⋯⋯。

 

 なら、ならば。

 

 

 この砂狼シロコは、私では⋯⋯。

 

 

「姉、今度は負けない⋯⋯私が、勝つ」

 

 混乱と困惑に溺れるシロコ*テラー、だが油断するべきではなかった、受けた衝撃を思えば仕方なくもあったが。

 

 プレナパテスの赤ファーに包まれ、シロコサクサク状態だった筈のシロコ、無駄に生きの良い海老天になっていたわけでは⋯⋯ない。

 

「だから⋯⋯弱者は跪いてひれ伏して」

 

「⋯⋯!?」

 

 シロコが胸元から覗く、あるものを咥える⋯⋯手榴弾の起爆ピンだ。

 

 シロコの多用する手榴弾、さっきの戦いで使い切ったとシロコ*テラーは認識していた。かつての自分だからこそ携行弾数を知っている、だから使い切ったと、思い込んでいた。

 

 だが⋯⋯この、過去の自分ではない砂狼シロコには、もう一発が、ある。

 

 ジタバタしてたのは、簀巻きにされた状態で胸元からそれを取り出すためのフェイク。シロコが口で咥えた起爆ピンが、抜ける音が響く。同時に背筋と足の力で勢いよく跳ね上がるままに宙返り、その勢いで手榴弾がシロコ*テラーの眼前に向かって飛ぶ。

 

「あっ!?」

 

 それは親友から譲られた、トリニティの友達が作ったという⋯⋯特製の。

 

「必ず、迎えに行く⋯⋯待ってて」

 

 

 閃光弾。

 

 

 

 ・

 ・

 ・

 

 

 

 気がつけば、砂狼シロコの姿はなかった。

 

「ぅぅ⋯⋯」「⋯⋯⋯」(蹲るシロコ*テラーを抱きしめるプレナパテス)

 

 至近距離で閃光弾をモロに食らったシロコ*テラーは動けなかったし、プレナパテスも同様だった。その隙に縛られたままのシロコは跳ねるように立ち上がり、足で引っ掛けて起こした自転車に飛ぶようにまたがると、ハンドルに噛みついて操舵しながらダッシュで走り去った⋯⋯。

 

 情勢不利なら即撤退、サバンナで生き延びるために必要なセンスである。

 

 でも自転車は大事だから⋯⋯サバンナのシロコは逞しいですよね。

 

「⋯⋯ハァ⋯⋯ハァ⋯⋯ありがとう、もう⋯⋯大丈夫⋯⋯」

 

 まあ実際は全然大丈夫ではないダメージではあるが、心配させないようにそう言い、よろめきつつもなんとかプレナパテスを支えに立ち上がる。

 

 色彩パワーとテラー化を以てしても全然平気ではない。しかし⋯⋯殴られまくって痛みで呻いている間に、彼女を突き動かしていた望まぬ『衝動』が随分と鳴りを潜めていた、まあ普通に命の危機ですからね⋯⋯。

 

 砂狼シロコは推定姉に敬意と期待をもって全力で殴りかかっていた、サバンナ基準のパワーで⋯⋯である、ノーサバンナの一般通過生徒ならヘイロー割れてますよ。もう少しこう⋯⋯躊躇いというか⋯⋯ない、かぁ。

 

「⋯⋯何か、様子がおかしい⋯⋯」

 

「⋯⋯⋯」

 

「うん⋯⋯調べて、みよう⋯⋯『先生』」

 

 息を整えさせるように彼女を抱き込んだプレナパテスが、空間に窓を複数開いて、キヴォトス各地につなげて観測を始める⋯⋯転移の応用だが、これなくしては2人がキヴォトスの様子を知るすべはない。

 

 これまではあまりしていなかった、シロコ*テラーにとって辛く感じてしまう、思い出の場所が多くあるからだ⋯⋯しかし、そうも言っていられない。

 

 切り取られた空間の向こう、広がるキヴォトスの光景は⋯⋯。

 

 

 

 

 

 燃え上がる町並み!! 爆発し、砕け散るビル!! 悲鳴を上げて逃げ惑う人々!!

 

 

 

 

「「!? !? !?」」

 

 それは2人のかつて知るD.U.の町並みが火の海にされている光景だった!!

 銃弾が飛び交い、爆発と共に劫火に包まれる街の一角が砕けていく!!

 

 記憶の片隅にあったコンビニ、ただ何度か前を通っただけのファミリーレストラン、それが今⋯⋯戦車の榴弾が飛び込んでいって爆発四散し、吹っ飛んだ!!

 

 直後にそれを発射した戦車が、上から急降下してきた、白い服の大翼の生徒にトップアタックされて爆散!! 吹っ飛ぶ砲塔!! 爆炎と共に打ち上げられて焦げながら錐揉み回転するどこかの生徒!!

 

 また別の場面では、一列に並ばされ、膝をついて命乞いを繰り返す生徒達の前にまたしても大翼の白制服の生徒が⋯⋯。

 

「「「助けて!! トリニティ大好き!!」」」

 

「そうなんだ!! うれしいなぁ!! 私もー!! オリャー!! 岩山両斬波!!」

 

「アバーーーッ!? サ ヨ ナ ラ !!」

「だれか、たすけてぇぇぇ!!」

「いやぁぁぁぁ!! 死にたくないーーー!!」

 

 頭がカチ割れる勢いでチョップを繰り出し、1人ずつ処刑していた⋯⋯。

 

「見ろよ!! お調子生徒の連中が命乞いしてるぜ!!」

 

「頭が高いじゃんね、お前らのガッコじゃ命乞いの作法とか教えてくれない感じ? じゃあレッスンしてあげる⋯⋯実地でさぁ!!」

 

「まずは土下座の作法から⋯⋯だよ!!」

 

 こうするの、とか言って踵落としをブチ込んで大地に転がす白制服の生徒⋯⋯容赦なし!! 悲鳴と鼻血を上げてのたうちまわる生徒達が絶叫と共に命乞いを繰り返している。

 

 それはトリニティの12使徒、B小隊の残虐な命乞いの作法指導であった。

 

 シロコ*テラーは、その狂った大翼の集団が何者であるかを、まだ知らない。

 

「あ゛あ゛ーーッ!? お、折れるぅぅぅ!! ア゛ーッ!!」

 

 また別の場面では⋯⋯またしても白制服の生徒によって、凄まじい圧力が加えられた生徒の腕がヘシ折れるシーンが色彩ゲート越しに生中継、目を背けたくなるような恐るべき暴虐、拷問が加えられていた。

 

 鈍い音が響く、完全に折れた、それが判る音が伝わり、思わずシロコ*テラーは息を飲む。

 

 21:名無しの12使徒

 んんー⋯⋯良い音、骨折ポイントは尺骨に限るね。

 

 22:名無しの12使徒

 サナ、片手だけにしといてやんな、箸が持てねぇよ。

 

 こんなほのぼのした会話がどこかでされていることを彼女は知る由もない。ちなみにシロコに腕の折り方を指導したのはダチョウC2のサナエで、肋骨の砕き方を教えたのはダチョウA1のツバメである。

 

 ダチョウはよけいなことしかしない!!

 

 29:名無しの12使徒

 はい次ー、次の骨ポキチャレンジャーの登場でーす。

 

「やめて!! 助けて!! 許して!!」

 

「ま、まって⋯⋯後輩は、許してやってくれ⋯⋯!!」

 

 33:名無しの12使徒

 美しい先輩後輩関係じゃないの、ちゃんと後輩庇うガッツ、大変よろしい。

 

 34:名無しの12使徒

 うん、でもまあそれはそれとして、制裁はします⋯⋯!! お暴力執行!!

 

 美しい先輩後輩の絆⋯⋯しかし騒乱火遊びしていたダークサイド生徒に対する12使徒の答えは一つ、暴力執行あるのみだ。

 

 ダチョウは公平である、汝ら罪ありなら平等に⋯⋯骨折!!

 

「ア゛ア゛ーーーッ!!」

 

 苦痛にうめきながらのたうち回る生徒達!! 縋り付いていた先輩生徒が蹴りで吹っ飛んでいく!! ざ、残虐非道!! いかに放火犯の生徒と言えども、ここまでする必要があるのか!! 

 

 まあでも放火犯だしな⋯⋯という事情は見ている側にはわからない。

 

 地獄の戦場みたいな光景に絶句の2人だった。

 

 大翼の生徒の白制服、あれはどこかで見たことがあるとシロコ*テラーは記憶をたどると、それは確かトリニティの⋯⋯生徒会、ティーパーティーの生徒が着ていた⋯⋯だが明らかに強い、皆桁違いの強さだった。

 

 なんで、トリニティが? というか何してるの⋯⋯怖⋯⋯。

 

 そんな疑問が頭を巡る、どう見ても虐殺とか拷問の光景。

 

 空を舞う大型のティルトローター機からミサイルとバルカンが連射される光景も映る⋯⋯ああ⋯⋯凄い勢いで街が、人が吹っ飛んでいく⋯⋯。

 

 グレネードなのか、ものすごい爆発で建物が爆散する光景が続き、泣き叫ぶ生徒達、逃げ惑う大人達の姿が至る所で繰り返されている。白制服は8人だが、確かトリニティの風紀委員な黒制服も多数走り回っていて、明らかにゲヘナの風紀委員とわかる面々も大勢いる。

 

 大学園の学兵が汎ゆる場所に散って、生徒・大人を問わず、容赦なく銃撃を浴びせて打ち倒していた。

 

 まるで本当に戦争である、というかシロコ*テラーが体験した、かつてのキヴォトス滅びの光景と言っても全然違和感がない。

 

 キヴォトスはまさに今⋯⋯。

 

「どうしよう、先生⋯⋯キヴォトス、もう滅びそう」

 

「⋯⋯!?」(困惑するプレナパテス)

 

「⋯⋯? あれは⋯⋯」

 

 その時、2人が見つけた場面には、1人生徒がいた。

 

 シロコ*テラーは覚えている、会ったことがあるからだ。向こう側でも最大級の強敵だった、かろうじて倒すことが出来たと言える数少ない最強クラスの生徒⋯⋯。

 

 黒い制服、着流しの上着に豊かな白銀髪⋯⋯そして大きな悪魔の両翼。

 

 焼ける街、渦巻く炎を背景に1人、大通りの中心を歩く彼女の姿は⋯⋯あの時感じた圧力など無に等しいまでの暴威を纏い、そこに存在するだけで震えが来るかのような圧力を放っていた。

 

 ここまででは、なかった筈。

 

 人柄は、悪くなかった。先生の時も、ホシノの時も⋯⋯慰め、その最後を悼んでくれた数少ない他所の生徒で⋯⋯自分がこうなってしまった悲しみを理解しつつも、打ち倒すと相対してきた、最強の生徒⋯⋯。

 

 ここまででは、なかった筈なのに。

 

 道の両端で列をなして一斉に跪き、土下座の姿勢で震えながら生徒達、大人達がその歩みを恐怖に慄いて迎えていた。恐るべき光景、まさにこのキヴォトスの王、その行進を迎えた民草の姿である。

 

 それは、ゲヘナの風紀委員長、空崎ヒナ。

 

 まさに戦慄。圧倒的最強存在⋯⋯このキヴォトス最強の個人、空崎ヒナの歩みを止めるものはいない。

 

 だが勇敢な生徒が1人、叫びながら道に躍り出て銃撃をヒナに向ける。

 

 激しい銃弾の嵐、5.56mmミニミの弾丸がヒナに殺到する。

 

 何も反応はない、ただ静かに空崎ヒナは歩み続ける⋯⋯当たる弾丸など風と同じと言わんばかりに、何も反応しなかった、目をつぶることさえしない。

 

 マシンガンの弾倉を撃ち切り、尻もちをつく生徒。恐怖に後ずさるその眼前で、空崎ヒナは立ち止まる⋯⋯そして。

 

「街を汚さないで、目が覚めたら清掃活動をしなさい、3日よ」

 

 蹴り、それを蹴りだと認識できたのは、それを繰り出し終わった後のヒナが、右足でトントンと靴を整える所作をしたからだった。

 

 音よりも速く、見るよりも速い右足が生徒を蹴り飛ばし、数百メートル向こうのビルを砕いてめり込ませていた。これ死んでいるのでは? そう感じるほどの、桁違いの運動エネルギーを与えられた生徒の姿は砕けたビルの奥底にあり、もう見ることは叶わない。

 

 あまりに圧倒的な、隔絶した暴虐を前にして⋯⋯居並ぶ人々は恐怖で震え上がっていた。地面に額を擦り付けながら、嗚咽をもらし泣き出す生徒さえいた。

 

 これが現キヴォトスの絶対的最強にして頂点たる生徒、空崎ヒナという存在だった。

 

 怖い⋯⋯そら宇宙怪獣とか言われますわ、ゴジラとかそういう概念だよこれ。

 

 こんなのと毎日お暴力で遊び倒してるゲヘナの生徒はイカれている、頭がおかしいよ。何食って過ごしてたらこんなのがいる環境で普通に暮らせるんです? フウカちゃんのお昼はまあまあ美味しいから? 時々食中毒キメるけど特にダメージないし? ゲヘナもう何もわかんねぇよ⋯⋯。

 

「⋯⋯!?」

 

 そんな恐怖存在が、一点を見つめていた。

 

 こちらを。

 

 まるでゲート越しに観測しているシロコ*テラー達を認識しているかのように、空崎ヒナが、こっちを見ている。

 

 あちらから観測はできない筈である、しかし見られている、確実に。

 

 即座にゲートを遮断し、接続を切る。しかし言い知れぬ悪寒がシロコ*テラーの背筋を走った。空崎ヒナは、明らかに、こちらの存在を認識していた⋯⋯。

 

 でなければ、目が合うものか。

 

 戦わなくてもわかる、向こうの彼女とはまるで違う、纏う威圧感、空気。全てが桁違いの怪物であることを感じさせた。いくらなんでも強さの桁が違いすぎる。『恐怖』の体現者、死の神アヌビスに近づいたシロコ*テラーをもってしても、怖気という感覚が全身を撫でていた。

 

 違う、違うのだ⋯⋯ここは、私の過去じゃない。近い世界ですらない。

 

「⋯⋯ここは、どこなの」

 

 痛む身体を抱きながら、シロコ*テラーは困惑の渦に沈む。

 

 プレナパテスは、喋ることが出来ないが、シロコ*テラーにもわかる、声なき声が漏れる。

 

 ゛皆が元気なのは良いんだけど⋯⋯世界1つズレるだけでこれなんだ⋯⋯えらいところにきてしまった⋯⋯。゛

 

 

 





・二重学籍
連邦法の定めるところ、二重学籍は違法である。というのも学籍が複数あると生徒数の水増しとか色々ヤバいことが横行してしまうので、人口の把握とか実態とかわけわからんことになってしまうし、そしたら国政上色々と⋯⋯。

違法です!! だめなんです!! 「外」でいう国籍なんですよ!!

うへー、硬いこと言わないでさ⋯⋯うちは生徒が少ないんだよ。

だめです!! 二重学籍はよくないことなんです!!

そうですか? 自治区法の範囲で定めて、領地内でのみの権利として設定すればかまいませんよね? あくまでこれは領土内、自治区の範囲内でのみ身分を保証するものです、連邦にご迷惑はおかけしないと思いますが?

う、生塩⋯⋯ノア!! やめてください!! 法律の隅をつつくのは!!

自治区は連邦法が適用される部分少ないよね? だって自治区法があるんだし、生徒会長が良いって言ったら良いんじゃないの? だってこれ、外に出たら無効だもんね。こっちにも申告あるわけじゃないし。正式な学籍って言ってるのは当の自治区だけだもんね。

内海さん!? 

ふーん、そうなんだ⋯⋯じゃあいいよね? 私が良いって言えばそれでいいんだよね? だって生徒会長はそういうこと、全部決められるんだもんね。ヒナちゃんも「自身の領地では貴女が法よ」って言ってたし。

そうですね、それに連邦には学籍ロンダリングを防ぐため、二重学籍者への罰則を与える権限はありますが、実際には自治区法における指導義務が前提です。我々に違反者を捕まえて処罰する実行義務はありませんよ、不利益があればそちらで裁いてください。

おー、それって不利益ないから私が許すなら良いってこと?

二重学籍者による不利益は自治区が負うものです、我々は正式な学籍名簿が連邦にあればそれでよろしい、自治区が勝手に与えた学籍を報告されても混乱の元です。こちらのデータベース上二重になっていなければ好きにしてください。

黒澤さーん!!


・閃光弾
守月スズミのアレ、エデン事件で奇跡の閃光をキメたことで全国レベルの知名度を得た、トリニティの光輝の結晶。

在庫一掃のマダム打ち上げ記念日で残存なしとなったが、新たに新配合で登場、眩しさが3%アップしてリニューアルである、当時まだヤバくてとか言ってたけど、よりヤバくてになっている。

当初は自家生産だったが、今では特車整備部の斯波がスズミの配合表を元に量産してくるのでトリニティの特定売店に行けば外部生も買える。通常の閃光弾よりもかなり割高だが、記念品に買っていく他校生も多い。

実際に使うこともあるが、基本的にステイタスアイテムの枠であり、アクセサリとして身につけたり、カバンに吊るしたりするのが流行した。そのせいか贈り物として喜ばれる。

ゲヘナのお姫様がやたらと欲しがったため、万魔殿議長自ら一緒に買いに行ったことがあるらしい。トリニティの中心部にゲヘナの総領主がくるとか史上初のことなんですけど、何か重大な会合とか⋯⋯ないんですか? 本当に? 閃光弾買ったら、ティーパーティー・テラスに寄ってお菓子食べて帰った? ナギサ様が2人に自家製プリンを振る舞って? それだけ? 

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