魔女学園のTS生徒〜被検体の俺は美少女の皮を着せられ、魔女学園(女子校)へ編入する事に〜 作:海神アリア
※そのため、もしも『お叱り』を受けた場合は内容が一部修正される可能性がある点をご留意ください。
◆
中庭では、大魔女マギナと大賢者ラジエルとの、熾烈な戦いが繰り広げられていた。ラジエルが従える
淑女然としつつも子供らしさを併せ持つ、普段の彼女からは考えられない程にマギナは必死だった。何せ、相手にしているのは自身の天敵とも言えるドラゴンだ。一本一本が大剣と見紛う程に巨大で鋭利な爪、巨体に満ちる膨大な魔力を乗せた強烈なブレス攻撃、そして喰らい付かれたら最後、決して逃れる事の出来ない事が容易に想像できる屈強な猛牙、極め付けは御馳走を目の前にした獣特有の食欲と飢餓感に満ちた眼差し。気を抜けば、妖精淑女は一瞬にして竜の晩餐と化す。
更に言えば、今まさにこの館で起こっている極めて危機的な状況だ。中庭に聳え立つ水晶柱、大賢者が用意した悪趣味な生中継映像が、マギナの焦燥感を掻き立てる。上級悪魔達に苦戦する生徒達、悪魔騒動の黒幕と対峙する蒼蘭、そして悪魔の力を無理矢理引き出された聖、更には命を落としつつある癒香。万人が見れば万人が、これが深刻な状況であると判断する光景だ。
「『光の
状況を打開すべく、マギナは槍状に模った光属性の魔法を、迫り来るドラゴンに喰らわせる。顎を貫き、強引に口を閉ざし、そのまま大きくのけ反らせる。これで最も厄介なブレス攻撃を一時的に封じる事が出来た。この隙を逃す手はない。
「開け、『ワームホール』!」
白百合邸まで彼女らを運んだ空間魔法を、中庭からの脱出のため再び発動させる。が、空間の穴は一瞬だけ顕現した後、まるで灰の様にボロボロと霧散していった。
「そんな……」
「残念ながら、上映中の離席はお断りしております。だから、空間魔法を阻害するボクお手製の結界を、この中庭に張ったのさ。余興が終わるまで、キミにはギャラリーとしての役目を全うして貰わなきゃね」
ラジエルの言葉に、マギナは奥歯を噛み締める。忸怩たる想いを、物理的に噛み締めるかの様だった。
「……客席でドラゴンが暴れている劇場なんて、品格を疑われるわよ?」
大魔女が努めて平静を装うも、大賢者は表情を全く崩さない。
「この子は臨場感を演出してくれる、当劇場の優秀なスタッフさ。そして……そろそろメインイベントの時間だ。
光の槍で顎を貫かれ、苦痛と怒りに感情が支配されている筈のドラゴンは恐ろしい程素直に、主人の命令に従った。大賢者ラジエルにかかれば、ドラゴンも飼い犬同然のペットに成り果てるのだ。ラジエルはドラゴンに刺さったロンゴミニアドを抜き、治癒魔法で傷を癒した。
「トドメを刺すのはもう少し後だ。余所見をしやすい程度には手加減をしてあげるんだ。良いね?」
竜は主人の言葉に頷き、先程より大振りの動きで鉤爪を振るう。避けるのに十分な速度だが、避けなければ死ぬ、そのくらいのスピードだ。
「さて、本日のメインイベントの始まりだ! 我が愛弟子『ショコラ・ヴァレンタイン』こと『シスター
狂気のMCラジエルの言葉に、マギナは言い返す言葉が見つからなかった。
◆
(白百合邸 地下室)
親友が変わり果てた姿となり、母親の腹部を刺している。その凄惨な光景に、蒼蘭は数秒、思考がフリーズした。そして、再び脳細胞が活動を始めた時、真っ先に飛び込んで来たのは、動揺に満ちた親友の表情だった。
「私が……お母さんを……殺しちゃった……? ち、違う……私、違うの、蒼蘭ちゃん!」
涙ながらに、聖は友人に訴える。震える手のひらを母親にかざし、治癒魔法の行使を試みる。
「なんで……なんで『ヒーリング』が出ないの!? 私、私は……ッ!?」
そう、精神が大きく動揺している今、そして『悪魔の力』が表面化した今、彼女は普段通りに魔法を行使する事が出来ない。
「慌てないでください、ヒジリ。貴女は何も間違っていない。貴女の存在を否定する者、貴女の悲しみを否定する者、それらは全て『悪』なのですから」
異邦の聖女は、慈愛に満ちた表情と声色で、少女の行いを肯定した。だが今の聖にとって、それは望まざる優しさだった。
「…………聖、私が全部終わらせるから、貴女は離れてて!」
蒼蘭の叫びで我に返った聖は、親友の言う通り部屋の隅に移動する。継ぎ接ぎの言葉と瞳に浮かぶ涙で、震える手で治癒魔法を使おうとした姿を見て、蒼蘭は聖が置かれた状況を察していた。故に、彼女を安心させる様に言葉を紡いだのだ。そして蒼蘭は、異邦の聖女へ敵意を向ける。
「ショコラ・ヴァレンタイン、私は貴女を許さない。私の友達を操って、誰かを殺めるなんて!」
異邦の聖女への宣戦布告、それが終わるや否や、蒼蘭は『ウォーター・バレット』をショコラ目掛けて発砲させた。
「甚だ心外ですね。私はただ、ヒジリの気持ちを尊重しただけですよ?」
そう言いながら、聖女ショコラは水の弾丸を
(素手……!? 魔法すら使わずに払ったというの!? という事は、水魔法に耐性があるか……或いは、まさか……!?)
蒼蘭の脳裏には、中庭の光景がフラッシュバックしていた。自分と炎華の魔法を全く寄せ付けないラジエルの姿を、『運命』を味方に付ける大賢者の力を。そして、聖女ショコラはラジエルの関係者、同じく力を持っていてもおかしくはない。蒼蘭は大賢者と対面した時の、圧倒的な魔力量によるプレッシャーを思い出し、身体が硬直しかけたのを自覚した。
(……しっかりしろ、
恐怖心を捩じ伏せ、強引に自分を奮い立たせ、再び聖女ショコラに相対する。
「『気持ち』ですって? 聖が、母親を傷付ける事を望んでいたと言うの!?」
怒りを言葉に込めて、水魔法の『サファイア・ソーサー』に乗せて、再びショコラへとぶつける。だが、それをも聖女ショコラは無造作に払い除けた。
「彼女はずっと、実の母親から不当な扱いを受けていました。『悪魔に成り代わられた』などと言う祖先の妄言によって、ヒジリがどれだけ辛い思いをしていたか……。それでも尚、貴女は彼女の苦しみを蔑ろにするのですか?」
聖女の言葉が、蒼蘭に重くのしかかる。確かに、聖が感じた悲しみがどれだけの代物か、それは蒼蘭には分からない。誕生日会で聖の涙を見るまでは、彼女が抱えていた過去など知りもしなかったのだから。
「ヒジリが置かれた境遇や心境、それを
「確かに……私は付き合いが浅いし、聖の事で知らない事はまだ沢山あるけどさ…………私は、聖が『優しい子』だって言うのは知ってる! それに、聖が『家族と仲良くなりたい』っていう願いを抱いている事も!」
そう、
「だから、貴女のやっている事は間違っている! 聖の前から消えろ、『悪魔騒動』の首謀者め!」
蒼の聖女は、悪魔を滅する銀のナイフを投擲した。それをショコラは、今度は払い除けずに目で見て避けた。
「ええ、ヒジリはとても優しい人です。それは、私も実感していますよ。あの喫茶で、初めて出会った時からね。なので、彼女の人柄については否定しません。
同時に、彼女が受けた苦しみや悲しみもまた、誰にも否定出来ない物……それは貴女も分かっているでしょう?」
ナイフを回避しながら、ショコラは自身の手のひらを蒼蘭に向ける。悪魔の手は、中央に眼を携えていた。開眼した異形の眼から、漆黒の雷が放たれる。
(闇属性の魔法……? でも、この攻撃速度なら!)
蒼蘭もまた、聖女ショコラの攻撃を回避する。理由は分からないが、彼女には『攻撃を避けられる』という確信があった。
「それとも、ヒジリがこのまま悲しみを抱え続け、心が押し潰される事を望んでいるのですか?」
「そんな事……望む訳がないでしょう!?」
「なら、黙っていてください。貴女には、所詮彼女の……
冷ややかな物言いだが、ショコラの言葉にも一理ある。確かに、蒼蘭には聖が味わった悲しみを、全て理解する事は不可能だ。
「でも……それでも私は、聖をこのままにはしたくない!」
渾身の叫びと共に、蒼蘭はハンカチに包んだ『何か』を投擲した。
(ナイフではない……? 何かの武器か魔術道具でしょうか? ですが、何れにせよ……!)
ショコラは横に跳躍し、布に包まれた物から距離を取る。
「ナイフよりも遅い攻撃である以上、回避するのは余りに容易い事です」
「それは何よりだわ。だって、
蒼蘭は再びナイフを構え、
「『
時魔法による加速を乗せ、ハンカチに包んだ物へナイフを投げつける。すると、ガラス瓶が割れる事が地下室に響き、ハンカチの中からは治療用のポーションが零れ落ちる。そしてポーションの落下地点は、腹部から血を流し、息も絶え絶えな白百合家の当主だ。
「うっ……うぅ…………」
ハンカチに入れたポーションは計4本、包める最大数を蒼蘭は包んで投げていた。瓶の中身が上手い具合にかかってくれるか心配だったからだ。目測で約2本分のポーションが癒香の身体にかかると出血は止まり、彼女は呻き声と共に、少しずつ呼吸を取り戻した。
「まさか……私の目を盗んで、彼女を治癒させるとは……!」
聖女ショコラは、蒼蘭の行動に驚かされていた。ハンカチを用いたのは、ポーションを投げる事を悟らせない為。そして、割ったポーション瓶の欠片を飛び散らせない為だ。更に、たった今行使された蒼蘭の魔法、あれこそが『運命因子』の力であるとショコラは認識した。何故なら、この母親は本来、この地下室で命を落とす筈だったのだ。その運命を、目の前の少女は覆して見せた。
「はぁ……はぁ……。し、正直……私も賭けだったけどね。どう考えても、失敗する可能性の方が高かったもん」
「何と言う事を……あの母親を治癒すると言う事は、ヒジリが抱えていた恨み、悲しみを否定することになるのですよ!?」
「……聖は優しい子だからね。『自分がお母さんを殺した』なんて残酷な結末、聖が耐えられる訳ないでしょう!?」
蒼蘭は啖呵を切った後、『深呼吸』して身体の調子を整えた。確かに、癒香を治療できたのは奇跡に近い。上手い具合にポーションを浴びせられる保証は何処にもなかった。それでも、この部屋に入った時から、蒼蘭の魔力が徐々に活性化していた。理由は彼女にも分からない。だが、この部屋に漂う『甘い香り』のお陰で、蒼蘭の心臓はずっと鼓動を早めていた。
(でも、何の匂いなんだろう……。それに、さっきから香りが強くなっている様な……?)
アロマや芳香剤の類ではない、むせ返る様な甘さだ。ケーキやチョコレートの様な食品の匂いでもない。例えて言うなら、瘴気漂う森の中に生えている、旅人を惑わす花の蜜の様な、妖しくも蠱惑的な甘露の香りだった。
その香りの正体は、フラフラとした足取りで、蒼蘭の背後に迫っていた。
「蒼蘭ちゃん…………蒼蘭ちゃん!」
「うわあっ!?」
サキュバスがシスター服の少女へ、後ろから抱きついた。サキュバスの身体からは、蒸気と化した汗がむわっと搬出しており、フェロモンを多分に含んだ甘い香りを放っていた。
◆
蒼蘭の姿を一目見た瞬間、聖は様々な感情が内混ぜになっていた。
親友が実家にいる事への驚き。
『自分を助けに来た』と言う蒼蘭への嬉しさ。
何より、密かに助けを求めた相手が本当に来てくれた事に対して、聖は『奇跡』という言葉の意味を真に理解した。
だが同時に、今の自分の姿……サキュバスの血を引く身体を見られた事への悲しさと、母親を殺めかけた様子を蒼蘭に見られた事で、拒絶されるかもしれないという恐怖があった。
(はは……何考えてるんだろ、私。
蒼蘭に対するプラスの感情、そして今の自分に対するマイナスの感情。
今、この瞬間、これら二つの相反する感情が聖の中でせめぎ合って…………
いたのなら、まだ聖自身も救われただろう。
自分を助けに来てくれた、それだけでも嬉しかったのに、
『聖は優しい子だ』
『お母さんを殺める事を、聖が望む訳がない』
自分を信じる言葉をかけて、自分の為に行動してくれた蒼蘭の姿は、誰よりも輝いて見えた。
同時に、『自分を想ってくれる存在』は、恋心を抱くサキュバスに取っては劇薬過ぎた。しかも、聖は今、ショコラによって理性のブレーキが外されている。そんな聖が取った行動。それは、唐突に蒼蘭の手を掴み、ベッドへ押し倒し、
「んむっ……」
蒼蘭の唇を奪う事だった。
「んんっ!? んむんーッ!?」
蒼蘭は理解が追いつかず、聖の口の中で叫び声を上げる。
しかし、聖の舌が自身の舌と絡み合うと、
「んっ……んんっ……!」
と、声にならない嬌声を上げて、身体をビクンッと振るわせた。サキュバスの舌が、それ自体が別の生き物であるかの様に、蒼き聖女の口を蹂躙し尽くす。頬の裏、歯と唇の間、あらゆる場所を満遍なく、文字通り舐め回す。
「ぷはぁっ……」
糸を引く唾液を垂らしながら、聖の唇が蒼蘭から離れた。
「ひ、聖……何で……」
組み伏せられた青髪の聖女は、瞳を僅かに潤ませながら、友人の行動に疑問を呈した。声が震えているのは、変わり果てた友人への恐怖ではなく、今まで味わった事のない『快感』への恐怖
「ごめんね、蒼蘭ちゃん。私、自分が抑えられなくて……でも、蒼蘭ちゃんだって、悪いんだよ?」
熱を帯びた吐息混じりに、サキュバスと化した聖が返答した。
「私……聖に何かした? 気に触る様な事とか……」
「ううん、してないよ。でも可愛い蒼蘭ちゃんが、こんな格好するのは良くないんじゃないかな?」
聖は蒼蘭の耳元で、自身の吐息を染み込ませる様に囁いた。蒼蘭の心拍数が、みるみる内に上昇する。聖は表情を赤らめる蒼蘭を、愛おしそうに眺めていた。そして、スリットの隙間に手を入れ、蒼蘭の地肌に触れる。同時に、手のひらから微弱な魔力を流し、蒼蘭の快感を刺激する。
「ひゃうんっ!」
触れられた箇所、右脚の太ももから全身に、甘美な刺激が電流の様に駆け巡った。蒼蘭は堪らず嬌声と共に、仰向けの身体をビクンッと振るわせる。
その様子を見て、聖は音を立てて唾を飲み込んだ。
『気になっている女の子が、自分が触れる事で快感に悶えている』
この事実により、聖の中にある
「ひゃあっ!?」
太ももを遥かに凌ぐ快感が、清廉であるべきシスターの身体に襲いかかる。
「どう? 私の中に眠っていたサキュバスの力、凄いでしょ?」
「何……これ……? こんな感覚、知らない……」
「サキュバスはね、微弱な魔力を流す事で、誰かを気持ち良くする事が出来るんだよ? 他にも、こういう事も出来ちゃうの」
聖の声に反応する様に、聖に生えた悪魔の尻尾が、シュルシュルと音を立てながら、まるで蛇の様に這い寄って来る。そして、サキュバスの尻尾はチューリップの蕾の様に口を開けて、蒼蘭の舌に吸い付いた。
「んんぅッ!?」
その尻尾はまるで自立した生き物の様に、チュパチュパと音を立てながら蒼蘭の舌から唾液と魔力を吸収している。舌の自由を奪われ、上手く声が出せず、挙句に舌先には味わった事のない甘露の味と快感が広がり、蒼蘭の口は甘く痺れていた。
官能を刺激され、蒼蘭の体温は上昇していく。露出した彼女の肌には、じんわりと汗が滲んでいた。そして、理性が効かない
サキュバスは、青髪の聖女の首筋を舌でなぞる。その後、スリットから露出した乳房の側面を、美味しそうに、愛おしそうに舌で堪能した。
「ひゃうぅっ! りゃ、りゃめへぇ……!」
蒼蘭は、快感で呂律が回らない口で、懇願する様に声を上げる。すると、漸く彼女の舌からサキュバスの尻尾が離れた。
「私ね……蒼蘭ちゃんのお部屋でマッサージした時も、温泉で蒼蘭ちゃんの背中や髪を洗った時も、無意識にサキュバスの力を使ってたみたい……」
快感のあまり、蒼蘭は自然と涙で視界がぼやけた。そして、蒼蘭の頬に、二つの滴が滴り落ちた。
「私、やっぱり
水滴の正体は、聖の瞳から溢れた涙と、サキュバスの口から滴る涎だった。
「蒼蘭ちゃん……お願い、私を止めて……このままだと、私が私でなくなっちゃう……」
今まで、人の力とは思えない程に、ガッシリと身体を押さえ付けられていた。故に、魔法で抵抗する事など出来なかった。だが、蒼蘭の両手を押さえる力が緩んでいた。
「蒼蘭ちゃんのナイフで……私の、
聖は直感的に理解していた。蒼蘭のナイフに、悪魔を倒す力がある事を。それを使えば、暴走しつつある自分を止められるかもしれない。
「でも、そんな事したら、聖が……ひゃあっ!?」
聖の手が、自分の乳房を鷲掴みにしている。微弱な魔力を流しながら、Jカップサイズの肌色果実を揉みしだいている。
(普通に揉まれるより、断然気持ち良い……。ダメだ、このままだと、本当におかしくなっちゃう……!)
蒼蘭は意を決して、懐に忍ばせていたナイフを引き抜いた。命まで取る必要はない。これで彼女の身体を少し刺す事で、悪魔の力を抑える事が…………
(いや、待て……どのくらいの力で刺せば良いんだ……?)
蒼蘭は今まで、このナイフを『悪魔を討伐する』為に使っていた。だが、命を奪わずに力を封じる事が出来る保証はない。仮に出来たとして、先端を軽く刺すだけで良いのか、ほんの少し傷をつけるだけで良いのか、それとも……本格的な傷をつける必要があるのか、蒼蘭には分からなかった。
それに、何よりも……
「出来ないよ……大切な、友達を……ナイフで、傷つけるなんて……」
蒼蘭は握っていたナイフを落とし、両手の力を抜いた。自分を思い遣る蒼蘭の言動に、再び聖の瞳が真紅に光り、蒼蘭を抱きしめた。そして、再びの口付けを交わす。
「んっ……んむっ…………」
「ん……んうっ……」
聖は最早、サキュバスが持つ『食欲』に抗えなかった。想いを抱く人間の魔力は、サキュバスの味覚にはとても芳醇で甘美に感じるのだ。故に聖にとっては、蒼蘭の魔力は余りにも美味だった。
自分の舌を相手の舌に、存分に絡みつかせる様に這わせたディープキス、相手の魔力を全て吸い尽くすサキュバスの舌技によって、蒼蘭の身体は糸が切れた操り人形の様に力を失い、聖の身体にもたれかかった。
蒼蘭ちゃん、絶体絶命のピンチです!
果たして、蒼蘭と聖、そして聖救出隊の命運や如何に……!?
次回は、早ければ明日、遅くとも来週には投稿予定です。それまでは、ここ最近の色々な意味で攻めたストーリーにつきまして、ご意見や感想などを気軽にお聞かせください。もしよろしければ、お気に入りの登録や、ここ好きなども気軽にお願いします。