魔女学園のTS生徒〜被検体の俺は美少女の皮を着せられ、魔女学園(女子校)へ編入する事に〜   作:海神アリア

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ショッピングモールで、何かが起こるようです。


第47話 二転三転、ショッピングモール

 ◆

「あ〜、もう! 男って本当にバカ!」

 

 黒いローブの魔女は、心底苛立ったように床を踏み締めた。

 

「若くて可愛い娘に、すぐ鼻の下伸ばしちゃって! そんなにあの娘のおっぱいが好きな訳!? 仕事中なのを忘れるとか、性欲塗れも大概にしなさいよ!?」

 

「分かった、悪かったって……

 だからホラ、貰った魔術道具(マジック・アイテム)を使ってくれよ……」

 

 剣士は仲間の怒りにタジタジとなり、必死に懇願する。ローブの女性は苛立ちげに舌を鳴らすと、袖の下から黒ずんだ水晶玉を取り出した。

 

 ……もしや、それが黒い炎を出すアイテムか!? 

 

「させない! 『ウォーター・ボール』!」

 

「洒落臭え! 『ファイヤー・ボール』!」

 

 敵の魔女に放った攻撃が、剣から放たれる魔法に防がれてしまった。水は瞬時に蒸発し、辺りに水蒸気が立ち込める。

 ……あの剣、本当に厄介だな! 

 つーか、剣士のクセに遠距離攻撃も出来るとかズルすぎるだろ! 反則(チート)だ、反則(チート)! 

 

「さぁ、魔物よ! 私に力を貸しなさい!」

 

 魔女が掲げた水晶玉が妖しく輝き出す。すると床には、禍々しいオーラを放つ魔法陣が浮かび上がった。……俺はこの光景に見覚えがある。渋谷で出会ったエルフの魔女、アラキーネの使った召喚魔法だ。あの時は蟲の魔物だったが、今度もまた恐ろしい魔物がお出ましになるのか!? 危険を察知した俺は、数歩分の距離を飛び退いた。が、光が収まった時に魔法陣の中に居た魔物は、全く予想外の物だった。

 

 スライムである。

 20〜30cmの大きさをした、ゼリー状の魔物が5匹ほど召喚された。

 

「え……スライム?」

 

 正直、ちょっと拍子抜けしてしまった。アラキーネが召喚した甲虫兵とかに比べれば、全然強そうではない。とはいえ、早めに討伐するに越した事はない。

 

「『ウォーター・バレット・リボルバー』!」

 

 連射した水の弾丸が、全てのスライムに一発ずつ命中する。魔物は避けようともしなかったので、当てるのは簡単だった。

 

 問題はもっと別のところにあった。

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 ゼリー状の魔物は水を取り込み、プルプルと身体を震わせるだけだった。

 

「なッ……!?」

 

 スライムはジュル……ジュル……と粘度の高い音を立てながら、ジリジリとこちらに寄って来る。

 マズい、これはマズい! 

 なんで魔法が効かないんだ!? スライムなんて、雑魚キャラの代名詞じゃないか!? 

 いや、待て、落ち着け。他の魔法はどうだ? 水を飛ばす魔法じゃなくて、『水で切りつける』魔法なら……? 

 

「切り刻め、『サファイア・ソーサー』!」

 

 水の円盤を低空飛行で飛ばし、魔物を上下二つに切り分ける。これが俺の取った次なる手段である。

 円盤は回転刃となり、確かに命中した。

 

 が、魔物の胴体は分かれて居ない。

 スライムはまたしてもブルンブルンと身体を震わせながら、まるで大きな煎餅を円周から食するが如く、水の円盤を体内に吸収していったのだ! しかも吸収した後に、身体が一回り大きくなった。

 

「さ、やっちゃいなさい!」

 

 スライム達は主人の命令通り、獲物である蒼蘭ちゃんに飛びついた。

 

「うわッ、このッ……離れなさいよ!」

 

 スライムを振り解こうとするが、幾ら身体を動かしても身体から取れそうにない。ゼリー状の魔物は次々と少女の身体を弄りはじめる。

 

「ひうんッ!?」

 

 左半身に刺激を感じ、思わず身悶えしてしまった。

 感覚で分かる。スライムが身体を弄り、蒼蘭ちゃんの乳首にむしゃぶり付いたのだ。

 否、それだけでは無い。

 魔物はあろう事か、華の女子高生の制服を溶かしているではないか! ワイシャツもブラジャーも、繊維のある物はどんどん溶けていき、蒼蘭ちゃんの地肌が露わになっている。それをスライムは、舐め回すように自分の身体を這わせているのだ。

 

「ひッ……や、やめ……あうッ!」

 

 快感と羞恥心で、体温が上昇する。ボロボロになったブラジャーは床に落ち、遂に少女の乳房を隠しているのは、水色の粘液だけとなった。

 

「フフフ、随分素敵な格好になったじゃない」

 

 女冒険者は魔物に弄ばれる無様な少女を嘲笑うと、新しい武器を取り出した。ビリビリと弱い電気を帯びた、魔法の鞭だ。

 

「今度はお姉さんがたっぷり可愛がって、あ・げ・る♡

 ……ホラ、鳴け! このメス犬がッ!」

 

 鞭が唸りを上げて、スライム越しに攻撃が叩き込まれ……

 

「ひぎゃあああッ!?」

 

 な、何だこれ……

 痛みもあるが、それ以上に『痺れる』感覚が強い。身体中に電気が……まさか、スライムの所為か!? 塩水が電気を良く流す様に、スライムは導電率が高いのか? 

 

「ホラホラ、さっきまでの強がりは何処行っちゃったのかしら?」

 

「ヒッ、アッ、痛ッ……あぁぁッ!」

 

 ビシバシと鞭が叩き込まれる度に、身体を痛みと痺れが身体を襲う。

 ヤバい、特に上半身がヤバい……ブラジャーまで溶けているせいで、直にダメージが来ている。

 

 あぁ…………クソッ…………

 このまま何もできず、嬲られ続けるのか…………? 

 

「おい、お前ばっかり楽しんでズルいぞ! 

 俺達が楽しむ分が無くなっちまうだろうが!?」

 

「……全く、本当に懲りないんだから。

 ま、それもそうね。だから……これでトドメにしてあげるわ!」

 

 今までで最も強烈な一撃を喰らわせるべく、女冒険者は残虐な笑みを浮かべて大きく腕を振り上げた。

 そしてその腕が、少女を甚振る快感を得る事は無かった。

 

「『天翔る気炎の猛禽(ブレイジング・ラプター)!!』

 

 真っ赤に燃え盛る炎の鷹が、魔女の腕に直撃したからだ。鞭も手袋も瞬時に燃え尽き、女冒険者の地肌まで瞬時に焼き焦がす。

 

「いぎゃッ!? 熱ッ!!」

 

「何ッ!? だ、誰だお前らは!?」

 

 冒険者二名は攻撃が飛んできた方向へ振り向き、剣士が代表して来客達に尋ねた。

 

「あーしらはその()の友達! そんで貴方達をやっつける『魔女』! 以上、自己紹介終わり!」

 

 テロリスト相手に怯む事なく、仁王立ちで返答したのは金髪の魔女。オシャレで陽気な、友達思いで義理堅い一面もある炎の魔女、葡萄染(えびぞめ) 炎華(ほのか)だ。

 いや、彼女だけではない。

 同じチームの(ひじり)風歌(ふうか)、そして河原で橋を支えていたアディラ嬢までもが駆けつけてくれたのだ。

 

「クソッ、ここで増援かよ!?」

 

「でもこっちにはこの水晶があるわ! 何人来ようと、可愛い魔物の玩具にしてあげるわ!」

 

 そういうと、再び水晶へ魔力を流し込み、新たに10匹ものスライムを召喚した。

 

「やれ、お前達!」

 

 粘液の魔物が主人の命令に従い、可憐な魔女達に襲いかかる。

 

「残念だが、そりゃアタシらをナメ過ぎってもんだぜ!」

 

 既にギターを背負ったケースから取り出し、ギタリスト風歌は演奏準備を完了していた。

 

「アタシの魔法でブチ上がれ! 『サウンド・バースト』!」

 

 彼女がギターを思いっきり鳴らすと、前方に音の衝撃波が発生した。スライム達は攻撃をモロに食らい、身体を四散させて息絶える。

 

「セイラ、目を強く瞑りなさい!」

 

 相変わらずよく通る声で、アディラは俺に指示を飛ばした。瞼に力を入れて、俺は全力で視界を遮る。

 

「『デザート・ストーム』!」

 

 アディラの魔法が炸裂すると、身体にまとわりついたスライムが動きを鈍らせていった。これは粘液に砂を吸わせる事で、泥状にして固める作戦だろう。

 

「ありがとう、アディ……」

 

 礼を言いかけたその時、

 

「フンッ」

 

 ベリィッ!! 

 

「いってぇぇッ!?」

 

 湿布を勢いよく剥がされる様な痛みが、蒼蘭ちゃんのたわわなおっぱいを襲ったのだ! 

 

「こんな無駄に大きい物をぶら下げているから、こんな無様を晒すのよ! 少しは自重しなさい、この駄肉ウサギ!」

 

「いや、もうちょっと優しく剥がしてくれても良いじゃん! 後、自重って何!? 私にどうしろって言うの!?」

 

「自分の胸に聞きなさい!」

 

「理不尽!」

 

 どうやらスレンダー美少女な財閥令嬢の怒りに触れたらしい。そんな事を言われたって、蒼蘭ちゃんのおっぱいは変態博士の性癖による産物である。俺にはどうしようもない。

 

「とことん俺達を舐めたマネしやがって……こうなったら、まとめて焼き払うだけだ!」

 

「……ッ! 気をつけて! あの剣は火の玉を飛ばして来る!」

 

 剣士が最後の足掻きと言わんばかりに、炎の剣で攻撃態勢に入る。

 

「弱った水の魔女じゃ、俺の『ファイヤ・ボール』は防げないだろ? 全員炙って、豪華な上納品にしてやらぁ!」

 

 剣が大きく振るわれ、轟々と燃え盛る炎の玉が飛来する。

 ……確かに剣士の言う通りだ。電撃のせいで身体に力が入らない。先程他の客を守った様に、消火する事は難しい。だから……

 

「みんな、私の事は良いから逃げて……!」

 

 そうだ、避けるしかない。俺は走れない以上、他の皆だけでも逃すべきだろう。なのに、

 

「心配しないでよ、セーラ!」

 

 友人は俺を庇うかの様に、炎の前に立った。

 

「待って、炎華! そんな事をしたら貴女が火傷しちゃう! 早く逃げて!!」

 

 敵の勝ち誇った表情で分かる。当たれば大怪我は必須の一撃だ。なのに、彼女は自分の安全より俺を庇う事を優先している…………

 

 が、次に起きた事で俺の心配は霧散した。

 

「『炎のギャル魔女・炎華ちゃん』に火炎魔法で攻撃とか、ちょっとあーしの事甘く見過ぎじゃね? どーなのよ、おにーさん?」

 

 火球の直撃を喰らって尚、ギャル魔女は火傷一つ無く立っている。

 

「え、え? 何が起きたの!?」

 

 全く理屈が分からない。炎の魔法で相殺するなら分かる。炎華は強いから、剣から飛ばす炎より強い火炎魔法で対抗できる。それなら俺も理解が追いつく。

 だが、彼女は魔法を使わずに腕だけで防御して見せたのだ! 

 

「何……でだよ? お前、まともに俺の魔法を喰らった筈だろ!」

 

「ん〜? そりゃ、炎の魔女には炎耐性があるに決まってるじゃん? 『使い手と同じ系統や属性の魔法は効き目が薄い』なんて、ちゃんと授業で習う事っしょ? 

 ……ははーん、さてはおにーさん、子供の頃授業サボってたな?」

 

 彼らにとっては衝撃の事実だったのか、冒険者二名は固まったまま動かない。まぁ、気持ちは分かる。俺だって知らなかった事だ。

 同時に、俺の攻撃がスライムに効かなかったのも納得だ。身体が『液体』で出来ているスライムには、同じ『液体』である水魔法は効き目がほぼ無いと言う訳だ。

 

 そして炎華の話によると、その『魔法耐性』のルールは、魔女が扱う魔法の属性や魔物の体質による影響らしい。つまり、

 

「『炎の剣』は剣が炎属性なだけ! 使い手が『炎魔法』が得意じゃ無いなら、炎魔法は普通に効く!」

 

「はい、セーラ大正解! つーわけで、くらえ! 『緋色に燃る炎の水車(ムーラン・ルージュ)』!!」

 

 炎の魔女が放つ固有魔法が、脅威の火力と回転力を併せて敵に突っ込んだ。

 

「な、なんだその魔法は!?」

 

「ちょ、ちょっと! さっさと剣で防ぎなさいよ!?」

 

 最後の抵抗すら出来ず、ショッピングモールに騒ぎを齎した悪人は、炎の車輪に吹っ飛ばされた。

 彼らは火傷を負い、痙攣しているが息はある。ちゃんと治療をすれば回復するだろう。

 

 ◆

「いやー、終わった終わった! これでサンライズモールの火事は防げたっしょ?」

 

「多分……その筈。ここの冒険者は倒した訳だし」

 

「そっかそっか! じゃ、火事を予知したセーラのお手柄って訳だね!」

 

 その場でへたり込んでいる蒼蘭ちゃんの頭を、炎華は優しく撫でてくれた。

 

「蒼蘭ちゃん、怪我は私が今治すから!」

 

 聖が回復魔法で怪我を治し、溶けた服を修繕魔法で修復してくれた。電撃の痛みも、河原で受けた鞭の傷もみるみるうちに治っていった。溶けた下着も残っていた生地から再生されていき、腕で胸部を隠す必要がなくなった。

 

「ありがとう、聖。

 ……何か、その……本当にいつもありがとうね。私、貴女に迷惑かけてばっかりで……」

 

「ううん、これが治癒役の仕事だもん。全然迷惑だなんて思ってないよ」

 

 彼女は俺の目を真っ直ぐに見つめた後、徐に抱きしめた。

 

「えっ、あのっ、聖!?」

 

「良かった……蒼蘭ちゃんが無事で……私、ナヴァラトナさんから蒼蘭ちゃんが一人で行ったって聞いて、凄く心配だったんだよ? 蒼蘭ちゃんは強いけど、ほっとけない所あるから、無理しちゃう事もあるってこの前知ったから、何かあったら、私……」

 

 彼女の声色と抱きしめる手の感覚で伝わって来る。聖は、本気で俺の事を心配してくれたのだろう。いや、聖だけでは無い。冒険者相手に啖呵を切った炎華にも、同じくらい心配をかけたかもしれない。

 

「ごめん、上手く言葉が纏まらなくて。でも、一人で無茶したり、抱え込まなくて良いんだよ? 蒼蘭ちゃんは、もっと周りを頼っても。勿論、私に出来ることがあれば、力になるからさ!」

 

 …………………………

 

 完全に失敗した。俺はただ自分を肯定したいが為に、単なる自己満足の為に、一人で先走って、それでピンチに陥ったのだ。事件の発生場所が分かった時点で、先ず他のチームに相談するべきだったのだ。『急がないと間に合わない』なんてのは、俺の単なる思い込みだ。実際、聖達は間に合ったのだから。俺は、一人で何かを成せる程立派な人間では無い。だから、誰かを頼るべきだったのだ。

 

「……ごめん、聖。ごめん、炎華……。

 私、焦ってた。早く自信を付けたくて、早く何かを成し遂げたくて……。心配かけて、ごめん。それと、ありがとう。二人だけじゃなくて、風歌とアディラも、助けてくれてありがとう」

 

 友人達に謝意と感謝を伝えると、聖は穏やかな顔で微笑み、炎華はニカッと笑って蒼蘭ちゃんの頭をわしゃわしゃと撫でた。

 

「よーし、そんじゃ戻るか! 帰るまでがアルバイトだからな! 生徒会メンバーとして、アタシが皆んなを送り届けるさ。

 ……まぁ勿論、寄り道してから帰るけどな! 無事に仕事が終わったんだから、パーッと打ち上げと行こうぜ!」

 

 風歌が皆に打ち上げの音頭を取り始めた。アディラは「やれやれ」と言いたげな表情で肩をすくめている。だが、折角のお誘いだ。参加するのも悪くないかもしれない。

 

 ()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 ……そう、マギナさんからの依頼はこれで終わりのはずだ。だが、俺の心には達成感よりも強固な『違和感』がこびり付いていた。

 

(…………俺は、何かを『見落として』いるんじゃないか?)

 

 会議室で予知の事を思い出す直前の、『何か引っかかる』様な感覚。脳の一部分が、或いは第六感的な何かが、俺に危険信号を発している。

 

(……冷静に、振り返ってみよう。『違和感』の正体は何だ?)

 

 異世界からの冒険者は、俺の事を何と言った? 

 確か、『お嬢様学校の生徒』だと言っていた。

 

 何故だ? 

 

 ザリック三兄弟は、エアガンの事を本物の銃だと思い込んでいた。当然だ。異世界から来たばかりで、地球の玩具の事なんて分かるはずがない。

 

 ……なら彼らは何処で、俺を『お嬢様学校の生徒』だと認識した? それが出来るのは、制服でその学校が判断できる人間じゃないのか? 

 

 他にも、違和感はある。

 鎧の男は、自身のハンマーを『異世界の力』と言っていた。

 

 これも変じゃないか? 

 

 そりゃ、俺たちから見れば、冒険者達は『異世界の人間』である。が、冒険者側が自分達の事を『異世界人』と呼ぶのは不自然である。

 

 最後にコレは憶測が強めだが……スライムを召喚した魔女だ。

 彼女は『貰った魔術道具(マジック・アイテム)』でスライムを召喚していた。

 

 誰に貰った? 

 

 いや、そもそも何故、彼女は自分の魔法を使わなかった? 魔物を召喚する水晶、電気の鞭、全部道具頼りじゃないか? 魔法が発達している異世界人だぞ? 自分の魔法くらい身につけている物じゃないのか? 

 

 ほんの少しの違和感も、重なれば大きな疑念となる。そしてその疑念は、不吉への予感となり、心臓の鼓動を加速させる。

 

 例えば、さっき戦ったのは異世界人ではなく、冒険者のフリをした者だったら? そして、それを『本物の冒険者』が命令したのだとしたら? 魔法を認識できるが扱えない、予知魔法に目覚める前の俺みたいな『知覚者』が、異世界由来のアイテムを貰って、囮として暴れていたのだとしたら? 

 

「蒼蘭……ちゃん? どうしたの、息が荒いよ? 体調が悪いの?」

 

 聖が心配そうな顔を向ける。

 ……俺の、俺の考え過ぎや思い違いなら良い。だが、もし、万が一、この予感が当たっていたら……? 

 

 聖をはじめとした、みんなに被害が及ぶ。それは、それだけは避けなくてはいけない! 

 

 直感に突き動かされるまま、魔力活性化も不十分な状態で、俺は未来予知の魔法を使った。

 

「みんな、伏せて! 私達は囲まれている! まだ戦いは終わりじゃない!!」

 

 叫び終わったほんの数秒後、最悪の予知は現実となった。空間から突如として、八つの水晶が出現した。炎、水、風、土の水晶が、各々二つずつ。

 

 それらは少女達を囲む様に旋回し、瞬く間にその輝きを増大させ、

 

 

 

 油断しきっていた魔女達目掛けて、蓄積された魔力を放出したのであった。




果たして、蒼蘭ちゃん達の運命や如何に…?

学内バイト編は、後数話で終わりの予定です!今しばらくお付き合い頂ければ幸いです。
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