my way of life   作:桜舞

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121話『リューネのレオーネ』

ノーム3の月。

 

この間母様に一太刀入れられた後から、一対多ではなく、多対多での戦闘訓練に変わった。

今日の深夜の狂化訓練で、僕は自分の顔が引き攣るのを感じてしまう。

 

「なんで、父様が…?」

「なんだグンジョウ、俺が相手では不満か?」

 

準備運動をしている父様の横で、母様はニコニコ笑っていた。

どうやら今回は三人が相手らしく、僕はシンクを見る。

 

「父様に対処出来る?」

「すんのはお前だろ、グンジョウ。俺が対処すんのは…」

 

シンクはチラリと母様を見るが、すぐにギョッとなった。

僕もシンクから母様の方に視線を動かし、同じようにギョッとする。

 

いつの間にか母様の服が、いつものゆったりしたドレスから、親衛隊の服に変わっていたからだ。

腰には刀を履いていて、髪もポニーテールになっている。

 

「え、嘘…」

「今日の後衛は私だ。さて、始めようじゃないか」

 

カヅキおばさんがぱんぱんと手を鳴らし、僕達に開始を告げた。

僕らはいつものフォーメーションを組む。

 

「ナズナ。貴方との共闘、何年振りかしらね?」

「結婚式の時以来じゃないか? お前のその服も、久々に見たな。お前は何を着ても美しい。まぁ、息子達に俺達の実力を見せてやるとしようじゃないか」

 

お互いを見ず、両親は拳を合わせた後消えた。

マズいと思った僕は、気配を察して回避行動をとる。

 

「ふむ、流石は俺達の子だ。反射速度は良いな、グンジョウ」

 

僕がいた場所に、父様が切先を振り下ろしながら僕を褒めた。

ユエがすかさず父様に銃弾を撃ち込むが、それすらも持っていた刀で全て叩き落とす。

 

「うっそ……陛下、転生者じゃないよねアオ?!」

「リューネのレオーネって、異名持ってるんだよ父様は!!」

 

僕は父様と斬り結ぶ。

 

二本の剣で父様と斬り結んでいるのに、それを父様は全て一本の刀で、受けたり、斬り払ったりしている。

しかも全て片手で。

 

母様はとそちらに少し視線を向けると、ユタカとツルギの攻撃をいなしながら、シンクとシャナの所へ向かっていた。

 

「ユエ、二人のサポートに回れ!!」

「それを許すと思うか?」

 

父様が左手で刀を扱いながら、右手でユエに向けて魔法を放つ。

父様の属性は、雷と重力。

光と同等のスピードを誇る雷魔法は、止めようにも止められないし、重力は身動きが取れなくなる。

 

三重重力(トリプル・グラヴィティ)

 

父様が重力魔法を使った。

少しは情けをかけてくれているようだが、ユエが重力で押し潰され、戦闘不能になってしまう。

 

シンクとシャナの所に母様が到達し、二人と戦闘に入っている。

ユタカとツルギは、カヅキおばさんの影魔法で翻弄されているようだ。

 

「さて、どうするグンジョウ? 政務で腕が衰えている俺に、負けるのか?」

「何処が衰えてるって言うんだよ?!」

 

たまに母様と模擬戦してるの、知ってるんだからな?!

 

「そう言えるだけの余力はあるんだな。シャル、潰していいか?」

「好きにすればいいわよ。死なない程度にしてね。治すの大変なんだから」

 

善処しよう、そう言って父様は刀を鞘にしまい、身を低くする。

まさかと思った瞬間、僕は父様にもう斬られていた。

血が腹から流れ落ち、口からも血を吐き、その場に崩れ落ちる。

 

1時間もしない内に、戦闘訓練が終了した。

 

◆◆◆

 

傷を治してもらった僕が起き上がって見たものは、母様に説教されている父様の姿だった。

 

「死なない程度にしなさいって、あたし言ったわよね? 特にグンジョウの傷が一番深かったんだけど? 貴方、加減というものを忘れたのかしら?」

「すまなかった…。峰打ちにしておけば良かったと思っている…」

 

正座して項垂れている父様を見つつ、カヅキおばさんが呆れた口調で母様を嗜める。

 

「お前、人の事言えねぇだろうが。グンジョウの肩の骨、盛大に折ったのはどこのどいつだ」

「そんな昔の事忘れたわよ」

 

あれ、昔に数えられるんだ…。

結構痛かったんだけどな…。

 

「流石に、父様と母様のコンビネーションには、勝てねぇわ…」

 

僕の傍に来たシンクが、二人を見ながらそう言う。

 

「で、あの後どうなったの?」

 

弟に、僕が倒れた後の話を聞いてみた。

 

「お前が倒れた後? 母様の攻撃プラス、父様が参戦して即ダウンだよ。ユタカとツルギも、おばさんの影魔法にとっ捕まって、終わり。こん中で一番慈悲あんの、おばさんだと思うわ俺」

 

うちの両親、戦闘に関して無慈悲だった事が、今日の戦闘訓練でよくわかった。

これ、今後も続けるつもりなのだろうか。

 

「流石に身がもたない…」

「陛下も忙しいから、そう頻繁に来ないと思うんだけど…むしろ、パパの方が陛下よりヤバいと思う。次元斬使えるはずだし…」

 

父様の魔法で骨が折れて動けなくなっていたユエが、やっと回復したようで、彼女も僕の傍に来てそう言った。

 

確かに、ユーリおじさんが来たら僕ら瞬殺だろうなぁ…。

 

「…今度は裕里も呼ぶか」

「やめてください、カヅキおばさん。いや、本気(マジ)で」

 

僕らの話を聞いていたカヅキおばさんがポツリと呟き、シンクが拝み倒してやめてもらうよう懇願する。

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