my way of life   作:桜舞

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148話『あたしの実力、見せてやろうじゃないの!』

「いい子ちゃんのお前が、そんな事言うなんてな。何? どんな心境の変化?」

「さてね。昨日あった事、ユタカから聞けばいいじゃないか。で、シンク。攻略はどのくらいまで進んでるんだ」

 

シンクが目の前にマップを表示させる。

弟は指をなぞらせ、人差し指である地点を差した。

 

「ここが、俺らが毎度転移してくる場所。一昨日から昨日にかけて探索したのはこの範囲。お前らが行った場所は、今日行く予定…なんだけどよ。お前、運悪過ぎじゃね? そこ以外探索してみたけど、何も危険なんてなかったぞ」

「…危険がなかったなら、それはそれで良かったよ。バーゲストがまた出現する可能性はあると思うか?」

 

マップからシンクの方を見る。

難しい顔をしながら目だけをこちらに向け、わかんねぇと弟は言った。

 

「むしろ、なんであの場所にバーゲストがいたのか、そっちの方が疑問だね俺は。バーゲストって、不吉を知らせる猟犬だって話だろ? それに、縄張りに入らなければ基本襲ってこないはずだ。妖精って奴は、森から生まれたり墓場から生まれたりする。なんだって、あんな海中にある遺跡なんかに…」

「…地殻変動で、元々地上にあったものが海中に沈んだとか。それなら辻褄が合う気がする。もしかしたら、あそこトリスタン家の墓所なんじゃないか? ニーナにちゃんと聞いた事なかったけど」

 

そう言うと、やめろ、とシンクから止められる。

 

「お前、女性陣の前でそれ言うなよ? 特にシャナ。あれホラー苦手なの、お前知ってるよな?」

「知ってるよ。それこそ文字通り、生まれた時からの付き合いなんだから。大体、シャナがホラー見たいからって言って、物を借りてきたはいいけど途中で見れなくなって、その顛末語らせられるの、僕なんだぞ? おかげで、ホラー耐性がついたよ…」

 

はぁ、とため息を吐くと、後ろから衝撃が来て僕は少し前のめりになった。

後ろを振り返ると、黒髪にポニーテールといった髪型で、誰が抱きついてきたのか分かった僕は苦笑する。

 

「おはよう、ユエ。でも驚くから、声かけてからにしてくれる?」

「おはようアオ! 調子どう? 大丈夫?」

 

僕を見上げ微笑む彼女に、笑いかけた。

ついでに、頭も撫でておく。

 

「うん、もう元気だよ。まぁ、これから元気がなくなるのは、シンクだとは思うけどね」

「シャナと分担して転移してるから、もうあんなヘマはしねぇよ。さて、飯食ってから遺跡探索行きますか」

 

僕の肩を軽く叩き、シンクは歩き出す。

それに頷いて、僕はユエの肩を抱き、同じく歩き出した。

 

◆◆◆

 

「さて、ここまで来たわけなんだけど…シンク」

「…なんで復活してんですかね、あいつ」

 

僕とユエが最初にきた方向。

闘技場がある場所に、僕らパーティは来たわけなのだが。

闘技場の真ん中、黒い毛並みと鋭い牙、赤い目とツノを持つバーゲストが、待ち構えていた。

バーゲストは唸り声を上げながら、その鼻で壁を背に隠れている僕らを見つけているようだった。

 

「あれ一匹だけじゃなかったの?」

「何処かに…発生装置が、あるのかも…?」

 

ユタカとツルギも、バーゲストを影から見つつ疑問を覚えているようだ。

 

「シャナちゃん…どうにか出来ない?」

「別に出来るけど。シンク、リンク繋いで。一気に終わらせる」

 

シャナが手を差し出し、その手をシンクが握る。

僕は姉に尋ねた。

 

「バーゲストを発生させる装置、または発生源を見つける事は可能?」

「無茶言わないでよ。だけど、そうだね…お姉ちゃんの本気を見せてあげよう。ふ、ふ、ふ…ここの攻略終わったら、グンジョウには学園都市の特大パフェ奢ってもらうんだから。いい?」

 

姉のその言葉に、僕は頷く。

それで良いのであれば安いものだ。

 

「シンク、フルバースト!! 魔力回路ガンガン回すから耐えてよね!!」

「ちょ…無茶苦茶だよ姉ちゃん!! グンジョウてめぇ、後で覚えてろよ?!」

 

シャナが髪留めを外す。

風が無いはずなのに姉の髪が打ち靡き、足元に巨大魔法陣が出現する。

 

「リブロ、アンロック!! あたしの実力、見せてやろうじゃないの! Exploration(探索), analysis(解析), irradiation(照射)! 神罰(ディヴァイン・パニッシュメント)神雷(インディグネイション)、おまけに、来いヴォルト!!」

「シャナ待て! それはやり過ぎだ!! シンク、調節しろ!!」

 

普通なら魔法を使う時、音など鳴らないはずなのに、シャナの高出力魔法にキュインキュインと機械音が聞こえ始めた。

魔力風も吹き荒れ、僕らは立っていられなくなり身を屈める。

僕は慌てて、リンクを繋いでる弟へ命じた。

 

「分かっててやらせたのはてめぇだろ、グンジョウ?! ちっ…!!」

 

盛大に舌打ちされたが、流石に僕もここまで張り切るシャナは予想外だった。

そんなに特大パフェ食べたいのか、姉君。

 

「シャナ、俺が調整するから構わずやれ!! ただ、ヴォルトだけは呼ぶな!! あれは誰も制御できねぇだろ!!」

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