my way of life   作:桜舞

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154話『またハードだな…』

イフリート2の月。

今月はリーゼに加えて、ユエとユタカの誕生月でもあるのだが…。

 

「嫌、絶対嫌っ!! 誰が帰るもんですか!!」

「ユエ…」

 

先月、僕の事で自分の両親に啖呵を切ったユエは、別荘から帰った途端、全部の荷物を纏めて城に現れ、そのままここに居着いてしまった。

まぁ、訓練するのにもちょうど良いしユエの部屋はあるからと、母様達は黙認しているわけだが。

 

「自分の誕生日パーティー欠席するの?」

「私はアオにだけ祝ってもらえれば良いもん!!」

 

さっきから、この一点張りである。

一応説得はしてはいるのだが、聞き入れてもらえない。

どうしたものだろうか、と頭を悩ませる。

 

一回立花邸に帰した方がいいとは思うんだけどなぁ…。

ユエってば、もう嫁に来ている感覚なんだから…。

いや、嬉しいけども。

むしろ母様達が許してくれるなら、一緒のベッドで寝たいくらいなんだけど!!

 

「グンジョウ、苦労してんなぁ」

「ノックくらいしろよ、シンク。どうしたんだ、僕の部屋に来るなんて珍しい」

 

部屋の扉を開けながら、シンクが入ってくる。

僕の隣に座り、持ってた紙を僕に渡す。

 

「ユエとユタカの誕生日パーティー、うちでする事になったって。これ、各方面に渡されたやつの写し。そこで、俺とユタカの婚約も発表するってよ。いやぁ、城中大慌て。準備とか色々」

「よく父様達が許したな。それ僕も考えたけど、許してくれないだろうと思ってユエの説得してたっていうのに」

 

自分の婚約者だからと城の一室を貸し切るとは何事だ、ってお叱りがくると思っていたからこそ、ユエを説得して一回家に帰ろうって言っていたのだが。

 

「母様達がんな事言うわけねぇだろ。むしろ、ユタカも城に住むかってめっちゃウキウキしてたぞ、母様。流石にカヅキおばさんが、娘二人預けるのは申し訳ないって言ってたけど」

「それ何処で聞いたんだお前…」

 

え、父様の執務室。

なんてシンクが言うものだから、僕は少し目を丸くする。

もしかして僕、お役御免されるのか?

 

僕の表情に、シンクはゲラゲラ笑って僕の背中を叩いてきた。

 

「だーから、言っただろ? 俺は王位に興味ねぇって。学園卒業したら大学行きたいって、父様達に言いに行ってたんだよ。俺だって勉強するのは苦じゃねぇし、もっと色んな知識を身に付けたい。それに、知識を付ければお前が困った時にサポートもしやすいじゃん? そういう事だよ」

 

僕と、お茶を飲みながら聞いてたユエは、驚いてシンクを見つめる。

そして、ポツリと彼女は呟いた。

 

「そっか…もうそろそろ、進路決めなきゃいけないよね。私は王太子妃になるから、そっちの勉強はするけど」

「それなら僕もだよ。王の代わりに、各国に行かなきゃいけないから…リューネ以外の言語の習得、しなきゃなぁ」

 

リューネ周辺は同じ言語だから問題はないが、オーシアやベルカはまた別の言語なので、ユエやユタカ、最悪の場合カヅキおばさんに教えを乞う必要がある。

 

魔王の遺物の探索をしながらとは、またハードだな…。

やらなきゃいけないから、やるけども。

 

弱音なんて吐く事は出来ない。

ユエは高等部一年の頃から、妃教育を受けてるんだから。

僕の為に。

吐いたら彼女にとても失礼だ。

 

「僕らは良いとしても、ツルギとかシャナとか、それこそユタカどうすんの?」

「ユタカは俺と一緒に大学行くってさ。お小遣い貯めまくってるから、学費とかは問題ないって言ってたが…学費っているっけ?」

 

ううん、と僕とユエは首を横に振る。

学園都市内にあるのなら、学費は各家が出しているはずだ。

大体、平民の人でもお金の心配しないで勉強が出来るように、と国が運営しているのだから、元々学費の心配なんてしなくても良いはずだが。

 

「なんでまた、そんな事ユタカ言ったわけ?」

 

ユエがシンクに尋ねる。

自分の姉の発案にしては、とでも思ったのだろうか?

 

「自立したいんだと。高等部卒業したら、カヅキおばさんの庇護下から出たいんだってさ。あと、俺も。卒業したら一人暮らしするつもりだったんだけど、ユタカが一緒に住むって言い始めてよ」

 

シンクも色々考えてるんだな。

本来なら今頃、僕も王太子の仕事とかを集中してやっているはずなんだけど、こんな事態だから免除されている。

 

「シャナはどうするか聞いてみる?」

「別に後でも良くね? まぁ、ツルギがどうするのかは予想つくけど」

 

シンクが肩を竦めた。

その言葉に僕も予想がついて、苦笑いを浮かべる。

ユエだけが分からないようで僕ら二人を見つめていた。

 

「アオ?」

「うん? あぁ、分かんなかった? 多分ツルギ、卒業したら騎士団に入るって予想。僕やユエ達は、言ってみたら地位がある家の子供じゃないか。だから、それなりの地位の子と婚姻を結べるけど、ツルギはそうじゃない。ツルギは平民で、シャナの護衛役。周りからはそう見えているし、いくら恋人といえども、自分がシャナの評判を落とすんじゃないか、って思ってるんだろうね。だからこそ騎士団に入って地位を獲得してから、シャナと婚姻しようとか思ってるんじゃないかなー、と」

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