my way of life   作:桜舞

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157話『威力すごーい…』

「ううん、ほらあそこ。デバイスのショップがあるでしょ? カートリッジも一緒に売っててね。そういう所で買い漁ってる」

 

姫が買い漁るとか言わないで欲しい。

一応王族なんだから、シャナは。

 

「おばさんにつっ込まれた時がちょっと怖いかなぁ。いや、訓練で使って威力あったら、それこそこんな使い方するなって怒られそうだけど」

「むしろ、それを思いつくとかお前天才かって笑われそうだよな。結構カートリッジくれたりして」

 

ははは、と笑い合う二人を見て、僕は脳内でシュミレートしてみる。

地雷型にするか、投げて使うかにもよるが、油断を招くなら地雷型だろうか。

おばさん達には気付かれるだろうが、外装はあくまでカートリッジだ。

それが埋まっている事に違和感を覚えるだろうが、ただの魔力補給としか考えないだろう。

むしろ破壊して誘爆し、ダメージを負ってくれたら上々か。

 

魔王の居城が分かった所で、設置は出来ないから投げて使うか。

対物理の障壁を張られたらそれまでだが、むしろこれ対物に入るのか?

 

「おーい、グンジョウー?」

「シャナ、こいつ脳内シミュレート始めてるわ。話しかけても無駄」

 

口直しにシャナはアイスコーヒーを飲んでいて、シンクはいつの間に買ったのかハンバーガー片手に無駄だと手を振っていた。

僕はスッと二人を見て、一回城に帰ろうと提案する。

 

「いや、いきなりなんで?」

「訓練で試すにしても、人を殺すほどの威力なら使えないだろ。それに、カートリッジに込めた魔力分でどれくらいの威力になるのかの実験もしたい」

「さんせー。シャナ、それ俺にもちょーだい。誰でも使えるのかの実験もしねーとな。あ、グンジョウゴチ」

 

いつの間に抜き取ったのか、僕のクレジットカードをシンクは僕へと返してきた。

シャナの分は奢ると言ったが、お前の分は知らん金返せ。

 

◆◆◆

 

城に戻り訓練場に行くと、ツルギがまだ騎士団と一緒に訓練している所だった。

 

「シャナ…殿下方…どうか、したんですか?」

「いや、何もないよ。第一騎士団長、少し実験するから騎士団を少し僕らから離してくれないだろうか。危険かもしれないから、被害が出ない程度…そうだな、あっちの端へ」

 

僕が危険だと言った事に、ツルギの肩が少し跳ね上がる。

シャナを見るが、姉はツルギをガン無視で準備を進めていた。

 

「あの、グンジョウ殿下…シャナ、何か怒ってない…ですか?」

「ツルギ、少しはシャナとデートしてあげなよ。強くなるのも良いけど、あんまり置き去りだと拗ねるよシャナは」

 

ツルギから離れはしない、ただシャナは拗ねるだけだ。

恋人が頑張っているのだから、我儘など言えないと。

あの、ツルギを想って笑っていた時みたいに。

 

「…後で、デート申し込んでも…良いんですかね。俺、した事なくて。幻滅させて、しまうかも…」

「僕に聞かないでシャナに聞きなよ。あと、それくらいで幻滅なんてしないって。ツルギと一緒に出かけられるのが、シャナは嬉しいんだから」

 

グンジョウ、とシャナに呼ばれたので、僕はツルギの肩を軽く叩いて姉の所に行く。

 

「呼んだ?」

「…ごめん、ありがと」

 

僕らの会話が聞こえていたようで、シャナは小声で謝罪と感謝を述べた。

少し耳が赤くなっていたので、照れているようだ。

 

カートリッジを設置し終わり、僕らの周りに結界を張ったシャナがそれを起爆する。

凄い炸裂音と衝撃、そして閃光が来て、僕は耳と目を閉じた。

衝撃が収まり、そっと目を開けると、カートリッジを設置していた直径100メートルくらいが吹っ飛んでクレーターを作っていた。

騎士団やツルギも驚いて、動きを止めている。

 

「シャナ…これ、どれくらい魔力入れたの」

「満タン。うわぁ…一応、対物と対魔で結界張ってたけど、対魔の方はヒビ入ってないのに、対物めっちゃ入ってるー…威力すごーい…」

 

ははは、と引き攣り笑いをする姉の影からある人が飛び出してきて、シャナの頭を思い切り殴った。

僕とシンクも見知った人物。

カートリッジの製作者、カヅキおばさんだ。

 

「シャナ貴様! 何やらかしてくれてんだ、あぁ?! 一体何やったか言え!!」

「いったぁっ!! カートリッジが爆弾になるってわかって、それの実験してましたぁっ!!」

 

素直。

めっちゃ素直に吐いたな、うちの姉。

カヅキおばさん怖いもんな、わかるわかる。

 

鬼の形相になっているカヅキおばさんは、僕とシンクへ振り向いた。

いや、マジ怖い。

 

「貴様らも共犯だな? 発案者はどっちだ?」

「カートリッジの爆弾化についてならシャナ、実験しようって言ったのはグンジョウでーす」

「おま…っ?! お前だって賛成とか言ってただろうがっ!!」

 

掴み合いになった僕達の頭に拳骨が落とされる。

あまりの威力に、僕らは蹲った。

 

「良いか、私が怒ってるのは何もカートリッジを爆弾にするなって話じゃない。人的被害が出る場所でやった事について怒ってるんだ、分かるな? 後、建物に被害を及ぼすな。直す私の身になれ」

「それについては…すみません…」

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