my way of life   作:桜舞

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248話『間違っているだろうか?』

「アオが食べる量、成人男性並みっていうけどさ…私それ以上に食べてるから…なんか、減らした方が良いのかなって思っちゃうんだけど…」

「うん? いや、普通だと思うけどな。シャナもそれくらい食べるし。さっきからどうしたの、ユエ。今日やたらと体重気にするじゃん」

 

ユエはパスタを食べながら、少しため息をついた。

僕は定食Bセットというものがあったので、それを食べている。

内容は焼き魚とご飯と味噌汁、それにお漬物といった和という感じの物で、更に大根おろしもついていた。

結構僕好みでテンションが上がったのだが、逆にユエはパスタのみで、若干心配になる。

 

「…今日、来る前に体重計乗ったら増えてた…」

「何キロくらい?」

 

2キロというので、誤差の範囲内だと思うけどな、なんて思った。

 

「訓練してるから、筋力増えただけじゃない? むしろ脂肪ついてるなんて、思えないし。ダイエットしようなんて考えるなよ、ユエ。多分おばさんから止められるよ」

「うー…女の子の2キロって、結構大きいんだよアオ?」

 

ムッとされてしまうが、僕はチラリと彼女の胸を見る。

そして尋ねた。

 

「ユエ、こんなとこで聞く質問ではないとは思うんだけどさ……胸のサイズ上がっただろ?」

 

最後の方は小声で尋ねると、彼女は顔を真っ赤に染め自分の胸を抱きしめながら、僕から背を向ける。

 

「なっ、なっ…?!」

 

驚いて僕を見つめるユエだったが、何故それを知っていると表情が物語っていた。

 

「その分だと思うよ。だから、無理に体重落とそうとするんじゃないぞ。なんで分かるかって…まぁ、抱きしめたりした時の質量とか…後はメイド達が、ユエのドレスのサイズ更新しないとって言ってたの聞いた」

「…アオさ…人のスリーサイズ見ただけで分かったりする?」

 

それは分からない。

シンクならもしかしたら、ワンチャン出来なくもないかもしれないけど。

ユタカがいる以上、そんな事はしないだろうなとは思う。

 

「分かるわけないだろ。分かるのはユエのサイズだけ」

「…それはそれで、恥ずかしいんだけど…」

 

もそもそと、ご飯を食べ始めるユエに苦笑する。

好きな人の事はなんでも知りたいと、そう思うのは間違っているだろうか?

 

ガヤガヤと、入り口付近が騒がしくなる。

そちらに目を向けると、新入生が先生達に連れられて見学に来たようだった。

 

「初々しいなぁ…」

「ここ、高等部用の学食だしね。中等部のは、もう少し狭かった気がする」

 

確かに。

むしろあの頃はもう少し食欲旺盛だった気がした。

給食と言うものがあったけれどそれでも足りなくて、学食行ってパンとかおにぎりとか買って食べてたっけな。

シャナと一緒に。

ユエと同い年だから、話が合って楽しい。

 

「あの時のアオ、何かしら食べてたよね」

「まぁ…ユエじゃないけど、あれでよく太らなかったなとは思うよ」

 

ユエより先にご飯を食べ終わってしまったので、僕は足を組んで彼女と話をしながら苦笑する。

 

「シャナちゃんが何かしてたんじゃないの?」

「いや、むしろクロノス達かな。中等部までは護衛役として一緒に住んでたから」

 

それを聞いたユエが、次に言いそうな事が頭を過った。

彼女は口を開き、次いで

 

「筆」

 

その単語を発しただけで僕はユエの口を塞ぐ。

 

「ユエさん、ここ学食なんですけど。あとね、女の子がそれを口に出したらもうアウトなんだよ。言いたくないけど、僕童貞なんだよ。お分かり?」

 

こくこく、とユエが頷いたので彼女の口から手を退けた。

 

「どこでそういうの覚えてくるの、君…」

「ママが所有してる本」

 

有害図書に指定しろ、それ!!

 

思わずテーブルを叩きたくなったが、我慢して突っ伏すだけにする。

こういう状態の僕を見慣れて来たのか、ユエは何も言わず食事をしていた。

 

「あれ、グンジョウ殿下じゃない?」

「隣にいるの、婚約者の人かな?」

「うわ、美人…」

「グンジョウ殿下、格好良いー…」

「ワンチャン告ったら、愛人としてお付き合いしてくれねぇかなぁ、あの美人さん」

 

下級生のそんな声が聞こえる。

大半は僕の事だったけど、一部ユエについて言っている声があり、僕は起き上がってそちらを見た。

 

キャー、と女子生徒から黄色い声が上がり、先生達から注意されている。

 

「アオ、怒らないで」

 

食事を終えたのか、ユエが苦笑しながら僕に注意してきた。

下級生から彼女の方へ顔を向け、少しため息をつく。

 

「怒ってないだろ。ただ…君に告白してくる馬鹿がいそうだなって思っただけさ」

「アオも増えそうだよね? ヤダなぁ…私のアオなのに」

 

それを言うなら、君だって僕のものなんだけど。

先生方がいる手前、彼女にキスをする事も出来ず、ユエの手を取って手の甲に口付けた。

 

「アオ…」

「男子生徒に呼ばれたら、すぐ僕に連絡して? 君が僕より強いのは理解しているけれど、それでも相手は君より体格のいい奴らばかりだ。君に危険が及ぶのを未然に防ぎたい」

 

そう言うと、ユエの目が泳ぐ。

ん? と思ったのも束の間、僕は聞かされていなかった事を知らされた。

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