my way of life   作:桜舞

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302話『お前が余計な事言うからだろ?!』

彼女からなんか恨み買ったかな、僕?

いや、ユエをリューネに連れて行った時点で恨まれてはいるか。

 

「ユエ、本気出して良いよな?」

「え、アオ…?」

 

僕はユエを抱きしめつつ、ソーニャ嬢に言った。

 

「死にたい奴だけかかってこい、とお伝えして下さい」

「アオ?!」

 

ソーニャ嬢は頷き、失礼しますと言って踵を返して帰って行く。

その姿が見えなくなった後、ユエは僕の服を握り、驚愕した表情をしながら揺さぶってきた。

 

「アオ、なんであんな事…?!」

「いや、ムカついたから。実力見せれば、ユエの事諦めるだろうし。僕も認めて貰えるだろ。あとどんな奴らだろうが、負けるわけにはいかない。僕が弱くてユエを守れないと判断されて、君に求婚されたら腹立たし過ぎる」

 

ガチャ、と隣の扉が開き、ユタカがそこから顔を出す。

彼女の方を一瞥し、苦笑した。

 

「今まで何してたか聞いて良い?」

「いや、ごめんグンちゃん。あのソーニャって子、私苦手なんだよね。ユエとは仲良いんだけど、こう、私とはソリが合わないというか…」

 

まぁ、誰しも苦手な人物はいるものだ。

僕はユーリおじさんが特に。

なら、出て来なかったのも頷ける話だ。

 

「明日10時だったっけ。もうご飯食べて寝ようか、ユエ。ユタカ、気に病まなくて良い…んだけど、その前に。ユエに求婚してた奴ら教えてくれない?」

「アオ、帰ろっ?!」

 

ユエが僕の服の袖を引っ張って、部屋に連れ込まれた。

情報収集したかったのだが。

 

夕ご飯を取っていなかったので、シャナが大量に作った料理を温めて、二人で分けて食べる。

お風呂も済ませ、またユエと二人で眠った。

 

◆◆◆

 

次の日の午前10時。

ユエに案内された運動公園内には、昨日のソーニャ嬢とユエに求婚してきたという男性二十数名が僕らを待っていた。

 

とりあえず観客としてメンバー全員で来てはいる。

あと親衛隊の皆には、模擬戦みたいなものだから手を出さないよう、言い含めてはあった。

じゃなかったら国際問題になりかねないし。

 

「おはようございます、アオちゃん様」

「おはようございますソーニャ嬢…あの。そのアオちゃん様やめてもらえません? ちょっと気が抜けると言いますか…」

 

僕がそう言うと、ソーニャ嬢は失礼しましたと笑いながら謝罪してくる。

 

「ユエが、アオちゃんアオちゃん煩かったものですから」

「そこまで連呼してないでしょ?!」

 

僕の背後にいたユエがソーニャ嬢に文句を言った。

彼女の姿を認めた瞬間、男性達がさざめき出し、僕はそちらに殺気を放つ。

 

僕の殺気に当てられたのか、数名がパタパタと倒れた。

 

「あら、どうしたのかしら」

 

不思議そうに、倒れた男性達を見ながらソーニャ嬢は首を傾げる。

 

「大方、アオの威嚇に怖気付いて気絶したんでしょ。軟弱者すぎる。んー…まぁ、私もアオからやられたら泣く自信しかないけど」

「なんで君にしなくちゃいけないの。殺気当てるわけないだろ」

 

むしろ早くこんな面倒事片付けて、ユエとデートしたいっていうのに。

 

「ソーニャ嬢。ここ、防死の結界を張る事が出来ますか?」

「はい。ここは良く、アクエリアスの修練場になっておりますので」

 

アクエリアスっていうと、オーシアの学園の名前だったか。

もう少し時間があるのならそっちも尋ねてみたかったが、無念。

 

ユタカはシンクの後ろに隠れて、絶対ソーニャ嬢を見ようとしない。

何があったのか。

そして、一部はうちの姉に目を奪われているようだが…この戯け者どもが。

ユエが手に入らないからと、彼女より美人の姉に目を向けるとは何事か。

ツルギって恋人がいるから無駄だぞ、お前ら。

 

「アオ?」

「読むなっての! 美人は三日で飽きるって言うだろ?!」

 

その後に、ブスは三日で慣れるって言うぞ、とシンクが余計な事を言ったので、僕は腕の裾から投げナイフを出して弟に投げた。

 

「あっぶね?! 弟殺す気か?!」

 

咄嗟に避けたシンクが文句を言ってくる。

だが僕は、それに怒鳴り返した。

 

「お前が余計な事言うからだろ?! あぁ、ユエ?! 君がブスって言いたいんじゃなくてね?! あぁ、もう!! 弁明してる暇がない!! ソーニャ嬢、始めてください!! シャナ、眼鏡預かれ!! 速攻で終わらせる!!」

 

僕は魔武器を呼び出し、眼鏡をシャナに投げつけ姿勢を低くしつつ全身強化をする。

ブォン、と結界が張られる音がし、僕は地面を蹴った。

僕のスピードについて来れない奴らが一人、また一人と倒れていく。

魔法が練られる気配がして、僕はそちらを見ず袖からナイフを取り出し投げた。

顔面に当たったようで、そいつは音もなく崩れ落ちる。

 

僕の背後から狙ってきた奴には回し蹴りをかまし、体勢を崩した所を狙ってきた奴には、炎の魔法を詠唱なしで喰らわせ、焼き尽くしてやった。

 

「な、なんだこいつ…?! おいソーニャ!! こんな強いなんて聞いてないぞ?!」

 

僕にやられる合間で、男性はソーニャ嬢に文句を言う。

だが彼女は呆れたような声を出し、それに対して答えた。

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