my way of life   作:桜舞

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310話『言い分父様そっくり』

「グンジョウ、証拠ならもう一個見つけたよ。いやぁ、あの親子本当馬鹿!! これ父様とカヅキおばさんに見せたら、大激怒間違いなし!」

「え、何見つけたのさ…」

 

シャナは収納空間から一枚の紙を取り出し、僕に投げ渡してくる。

その中身を見た瞬間、僕は思わずソファーを殴りつけた。

その衝撃で近くに座っていたツルギの肩が跳ね上がり、僕は彼にごめんと謝る。

 

紙の中身は、ユエをどう手篭めにするか、その手段や方法を思案したものだった。

ユエを手篭めにし、飼い犬にした後、内側から王家を崩壊させるという計画書付き。

 

「………あのさ。誰か倒れる覚悟で僕に魔力渡す奴いない?」

 

多分僕の今の顔は般若になっている事だろう。

シンクが、気持ちはわかるけど、と僕の肩に手を置いてきた。

 

「お前を行かせるぐらいなら、シャナに行ってもらって報告してもらった方がいいわ。な、シャナ」

 

弟の言葉に、シャナは頷く。

 

「うん。魔力切れなんて起こさないから安心して、グンジョウ。お姉ちゃん制作のカートリッジは、こんな大量にあるからね。普通の使い方するだけなら、それこそオーシアにまで飛んでいけるくらいだから。すぐ行って戻ってくるね」

 

シャナは収納空間から大量のカートリッジを取り出し、展開した魔法陣の上に置いて行った。

そして転移術を起動し、姉は転移していく。

僕は深いため息をついて、ソファーに腰を下ろした。

 

「これ…また21貴族の一家、取り潰しになるのか…?」

 

頭が痛くなり俯いていると、慰めるかのようにシンクが頭を撫でてくる。

 

「まぁ、見ようによっちゃ謀叛だもんなこれ。だけど今回はあいつらが処刑になるだけで、すぐ分家の誰かが当主になるだろ。父様は国民全員の顔と名前が一致しているし、どういう性格の奴かまで把握してるはずだ。えーっと、今当主がいないのはテレジア、ベルナール、フリーデリーケ、んで、ローレンツか。今年、っつーか、父様の代で荒れに荒れてんなぁ…」

 

それには僕も同意する。

初代魔王復活に、魔王の遺物探し、果ては謀叛やらお家取り潰しやらと、父様は僕以上に頭が痛くなっている事だろう。

母様の事もあるというのに。

 

僕が同じ状況になったら、パンクして目の前の状況しか見えなくなる事請け合いである。

 

「グンちゃん、ごめん。ユエ起きたんだけど、ちょっとパニック起こしてるっぽい。宥めてあげてくれる?」

「あぁ、うん。こっちこそごめんね、ユタカ。知らせてくれてありがとう」

 

寝室の扉を開けて、ユタカが顔を出しながら僕にそう言ってきた。

僕はソファーから立ち上がり、ユタカと代わるように部屋の中へ入る。

 

「アオ…アオ…っ!!」

 

僕の姿を認めたユエが、僕に手を伸ばしてきた。

その手を取り、彼女を抱きしめる。

 

「ごめんね、傍を離れて。シンク達が帰ってきたから、事情を説明してたんだ。謀叛の証拠を見つけたから、今シャナが城へ報告しに行ってる」

 

ユエの指に自分のを絡め、額にキスを落とす。

泣いている彼女の顔にキスをしまくっていると、ユエが僕の名前を呼んだ。

 

「アオ…私、何もされてない…? 寝ている間、アオ以外、誰も来なかった…?」

「されてないよ。ユタカも一緒に帰ってきてたから、僕がみんなに説明する間、傍にいてもらったんだ。君はまっさらのままだよ、愛しいユエ。あの…君が寝ている間、僕が手を出してたら、嫌、だよな?」

 

そう尋ねると、ユエは少しムッとなる。

 

「アオならいい。むしろして。襲って」

「例えばの話だからな? 手は出してないからな? 寝てる君なんて無反応すぎて、多分萎える。と、少し元気出たかい?」

 

彼女はムッとした表情のまま、僕の胸に顔を埋めた。

服を握りしめ、少し拗ねたようだった。

 

「アオのヘタレ…」

「ヘタレじゃなくて慎重って言ってくんないかな…アレ持ってきてないし…前も言ったけど、初夜でグスグズに甘やかして啼かせるから、覚悟しとけよお前」

 

上等、と返されてしまい、僕は少し困る。

そんな反応されるとは思わなかったから。

 

うちのお姫様、強気な所があるからなぁ。

まぁ、元気出たなら良かった良かった。

 

ユエを伴いリビングに行くと、シャナが戻ってきていた。

姉は僕を見ると、ブイっ、と手をピースにしてニヤッと笑う。

 

「明日、ローレンツ卿とザックに、城へ出頭するよう命令出すってさ。あとその頭の中の記憶も転写するから、グンジョウも城に戻って来いって、カヅキおばさん言ってたよ」

「証拠撮ってない事、おばさんに説明してくれたんだ。ありがと、シャナ」

 

そこも姉達に説明している最中に言っていたので、おばさんに伝えてくれてて助かった。

 

「ユエちゃん、あーいう輩は絶対処罰してやるから安心してね。何なら証拠でっち上げてでも…」

「流石にそれはダメだと思うぞ、シャナ。てか、言い分父様そっくり。流石娘」

 

握り拳を作り力説する姉に、ソファーの背もたれから少し身を乗り出していたシンクが、呆れたような目をシャナに向ける。

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