my way of life   作:桜舞

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324話『僕とのを入れるつもりなんだろう』

また僕がぼーっと彼女の顔を見始めたら、流石に心配になるだろう。

 

「てか、これが生前のカヅキおばさんの顔なのか…」

 

マジマジとユエを見る。

母様の言を信じるならばだけど、母様があの場で嘘つく必要性ないしな。

今躯体のはずだから、父様の嫉妬心煽ってとかはないだろうし。

 

「お前らこの後どうすんの?」

 

昼食をとり終わったシンクが尋ねてくる。

ユエとのデートは明日にするとして。

 

「途中で抜けちゃったから、シャナのお供…」

「同じく」

 

お前もかよという目を、シンクはユエに向ける。

ユタカも、少し驚いて彼女を見ていた。

 

「だって! アオめちゃくちゃ可愛かったんだもん!! アオの気持ちよく分かったよ!! あんなの、可愛すぎて抱き潰したくもなるよねぇ?!」

 

ブレスレットを外して元の姿に戻ったユエが、そう叫ぶ。

それ以上言わせたくなくて、僕は後ろから彼女の口を塞いだ。

 

「このバカップルが…」

「シンクには言われたくないと思うよ、グンちゃんは」

 

ユタカが僕の気持ちを代弁してくれる。

この中で言っても良いのは、シャナとツルギだけだと、僕は思っているのだ。

僕やシンクみたいに、相手を貪りたいという欲ではなく、ゆっくりとお互いに恋を育んでいくタイプの二人だからこそ、バカップルと罵られても仕方ないな、なんて思ってしまう。

 

「ツルギ君、頑張ってね。後で行くから」

「…殿下と同じように、あまり…君に、見られたくないんだが…わかった…見ててくれシャナ。俺、頑張るから…」

 

ツルギの手を握り、ニコリと笑うシャナへ、何かの覚悟を決めた彼が頷いた。

何の覚悟かは知らないが。

 

三人にブレスレットを渡し、僕とユエはシャナのお供をする為に、控え室から出た。

 

◆◆◆

 

外にも結構出し物が出ていて、人がごった返している。

シャナが迷子になりそうだったので、僕は姉と手を繋いでいた。

ユエは僕の腕に抱きついて、指を絡めている。

実質、両手に花の状態に陥っていた。

片方姉だけど。

 

「グンジョウ! 射的ある!」

「え? あー、本当だ。何? 何か欲しいのあるの?」

 

あんまり見て回らない方が良いと思うんだけどなぁ。

明日ツルギとデートするだろうし。

 

なんて、今の姉に水を差す事はしない。

姉弟で回っても、恋人で回っても楽しめるのがシャナだから。

 

「あのぬいぐるみ!」

 

シャナが指差した先にあったぬいぐるみを見て、僕は思わず言ってしまう。

 

「いやデカすぎ!! 何発必要だろ…あ、景品じゃない?」

 

射的担当の生徒が違うと否定してくれたので、僕は少し安堵した。

あれ落とすとしたら一体いくら金かければ良いかわからないし、何ならツルギにねだって買ってもらった方が安上がりだろう。

 

「アオ、私あのキーホルダーが良い」

「ん? うん、良いよ」

 

ユエが僕の制服の袖を引っ張り、射的の景品の中にあったやつを指差す。

あれなら落とせそうだと思ったので、僕は担当の生徒に金を渡し、銃を貰った。

 

確か上手い奴が、こうやってたよな…。

 

そいつの姿勢を思い出し、景品を狙う。

引き金を引き、銃からコルクが飛び出した。

ユエが欲しいと言ってたキーホルダーに当たり、落ちる。

 

「はい、ユエ」

「ありがとう、アオ」

 

微笑む彼女に、僕も笑いかけた。

ユエが欲しいと言っていたキーホルダーは写真が入れられるタイプのもので、多分僕とのを入れるつもりなんだろうなと察してしまう。

 

嬉しくもあり、恥ずかしくもあるが、素直にユエが愛おしいと思った。

 

「これはあたし、お邪魔虫か?」

「そう思ってないから。シャナ、お菓子でいい? まだ弾余ってるし」

 

うん、と姉が頷いたので、ユエの分もと思い、狙ったやつは全部落とす。

それを見て、ユエは驚いていた。

 

「アオ、射撃も上手かったんだ…」

「ただの見様見真似だよ。射撃上手かった奴がいてさ。言ったろ、劣化コピーだって。はい、こっちがシャナの。こっちはユエね」

 

景品を渡されたので、姉と彼女にお菓子を渡していく。

二人とも収納魔法を覚えてるから、手荷物にならないだろうし。

 

また二人と連れ立って歩く。

シャナは食欲旺盛なので、たこ焼き、焼きそば、フランクフルト、アメリカンドック、串焼きと、全出店を制覇する勢いで買って食べていった。

 

「シャナ、魔力の保有量が多いから、あれだけ食べても腹すくんだよなぁ…」

 

僕は先程買った、ローリングポテトを食べながら、前を歩くシャナを眺める。

少し人が空いてきたな、と思っていたら、体育館で劇やら何やらの出し物があるらしく、去年、一昨年は僕らもそうだったな、なんて懐かしく思ってしまった。

 

「私もうお腹いっぱいだよ…」

「珍しい。体調悪いの?」

 

自分のお腹をさすりながら、ユエがそう言う。

いつもなら、もっと食べてるよなぁ、とか思ったからだ。

 

「あんまり体重増やすとドレス入らなくなるし、身動き取りづらくなるから」

「え、またそれ? 何処が太ってるって言うんだよ、ユエ」

 

彼女の前に行き、身体強化を使わず持ち上げる。

簡単にヒョイと持ち上がり、僕は呆れた目を彼女に向けた。

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