my way of life   作:桜舞

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33話『重いとか引かれないだろうか』

イフリート2の月。

この月は妹であるリーゼの誕生月であるが、先月恋人になったユエと、その姉のユタカの誕生月でもある。

彼女達の誕生日の日付は違うが、僕は学園都市のショップで少し悩んでいた。

リーゼの誕生日プレゼントは、シャナとアンナからリサーチしてもう購入済み。

ユタカも、無難なのをあげれば大丈夫だと思う。

 

問題は、ユエだ。

 

お揃いの物あげたら、重いとか引かれないだろうか…。

 

これがユタカなら単純思考で、お揃いやったー! なんて喜んでる姿が想像出来るが、ユエはまた違う。

 

サプライズではなく、本人を連れて来れば問題はないのだが、それは情緒に欠ける。

あと、僕一人で出歩いているのは、ユエの妃教育にユタカもついていってるからだ。

 

買い物行くって話したら、一人で行ってと言ってユエと喧嘩になっていたっけ。

 

多分王家の影とか、なんかついてきてるんだろうけど、誰だか分かんないし、アドバイス聞こうにも、なぁ…。

 

僕は少し、肩を落とす。

名付けのセンスも壊滅的、恋人にあげる誕生日プレゼントを選ぶセンスもない。

 

僕の良いとこって、顔と頭の良さだけじゃないのかなー…。

 

なんて、軽く落ち込む。

 

「グ、グンジョウ君? ど、どうしたの? 落ち、落ち込んでる…?」

「ツェリ…」

 

少し落ち込んでいる所を、横から声をかけられ僕はそちらを振り向いた。

いつも通りのオレンジの髪に、オフショルダーの白い服、黒い膝丈スカートにブーツと、ツェリによく似合う服装で、肩掛けのバッグを少し握りしめ僕を心配そうに見ている。

 

ツェリも買い物に来ていたのか。

というか情けない姿見られたな…まぁ、幼馴染だから別に良いか。

 

「うん、ちょっとね…」

「は、話、き、聞こうか?」

 

それは助かるが、いつも一緒にいるエミル君はどうしたのだろうか?

 

「エミル君は?」

「お、お兄ちゃん、彼女と、デ、デート中…」

 

まぁ、夏季休暇だしな。

僕も出来ればユエとデートしたいけど、僕のために今頑張ってくれている彼女に無理は言いたくない。

後でお菓子でも差し入れして、休憩が出来るようならユエと一緒に軽く庭でも散歩しようかな。

 

「そっか。ツェリ、女の子って何を贈られたら喜ぶ?」

「え? う、うーん…その子の、趣味にも、よ、よると思うよ? 装飾品が、す、好きな子もいるし、食べ物が好き、って子も、いるし…」

 

ユエの趣味か…。

あんまり装飾品を付けるような子では無かった気がする。

というか、異性として見始めたの先月からだから、今まで上辺だけしかユエの事を見ていなかった。

だから、彼女が何を好きで何を嫌いかなんて、本当に気にした事が無かったのだ。

 

「……ねぇ、ツェリ。ユエと少しだけ仲良かったよね? 彼女、何が好きかとか言ってなかった?」

「ユ、ユエちゃん? うーん…? グンジョウ君が好きとかしか、い、言ってなかった気がする」

 

ですよね。

ユタカと同様に、ユエも僕に対してそう言っていたのは、分かっているんだよ。

だから、何を贈ろうかって悩んでるのに。

 

邪魔にならないなら、ネックレスとか…指輪は流石に重い、よなぁ…。

 

「あの、グンジョウ君…? なんでユエちゃん…?」

「んー…? 先月、ユエと恋人同士になって、婚約したから」

 

少し息を呑む声が聞こえ、意識が装飾品からツェリの方へ向く。

彼女の方を見ると口を手で押さえ、表情は驚愕に染まっている。

 

「え? ツェリ? 何か驚くような事、あった?」

 

僕も少し驚いて、彼女に尋ねた。

だがツェリは首を横に振り、ごめんなさい、と謝って僕に背を向け走り去っていく。

 

「…? 何か、おかしな事言ったかな…」

 

まぁ、それよりはユエに贈るものを考えなければ。

 

◆◆◆

 

何時間か粘ってはみたがやはりいい案が思いつかなくて、僕はトボトボと城に帰ってくる。

 

ユエに聞くのはアウトだし…やっぱりシャナか…もしくはデートしてる最中のエミル君か…。

 

そう思っていると、目の前の扉が思い切り開かれて、後数歩歩いていたらぶつかっていた所だった。

 

「無理ーっ! なんでこんな事しなきゃいけないの?! 頭おかしくない?!」

 

飛び出てきたのはユタカのようで、若干泣きが入っているようだ。

 

という事は、ユエここでレッスンしてるのか。

 

ユタカは僕を見つけると、抱きついてくる。

 

「グンちゃん! 妃教育って、なんであんな厳しいの?! 頭おかしいよ!」

「いや、僕に言われても…あとユタカ、離れて。僕には、ユエがいるんだから」

 

彼女の肩に手をかけ、引き剥がす。

嫌だ、なんて言ってはいるが、扉が開いているし、これ絶対ユエも聞いてる状態なのは、火を見るより明らかだ。

 

ユタカがまた抱きついてこないように、腕で牽制して部屋の中を覗く。

そこにはお祖母様と、本を頭に乗せて落とさないように姿勢を正して、集中しているユエの姿があった。

彼女はこちらを見ずに、真っ直ぐ前を向いている。

 

「その状態で歩く事は出来るようになったので、次はカーテシーです。落としたら何回でもしますから、そのおつもりで」

「はい、先生」

 

うわ、お祖母様厳しい。

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