my way of life   作:桜舞

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337話『大きくなったなぁ!』

「あぁ、紹介が遅れたね。アキカ・アイリス・ブリリアント叔母様。前王であるライラント・ミラビリス・ブリリアントお祖父様と、前王妃であるベアトリーチェ・ララノア・ブリリアント様の第一子で、父様の異母妹だよ。クォーターエルフでね、エルフの里の族長をなさってるんだ」

 

そう僕が言うと、アキカ叔母様は肩を竦めた。

 

「別にしたくは無いんだけど…周りが、外の世界を知ってるのはお前だけなんだから…交渉ごととか上手いだろうって…。私は別に、静かに暮らせれば良いだけだったんだけど…物資とかの問題もあってね。そこは、ハルトがたまにここへ来て…物々交換で乗り切ってるって、感じかな…」

「ハルト?」

 

知らない名前に、ユタカが首を傾げる。

僕は苦笑しつつ説明した。

 

「ハルト・クフェア・ブリリアント叔父様。アキカ叔母様の実弟でね、旅をしながら生活してるんだ。僕も小さい頃に一回会ったきりで。お元気でしたか? ハルト叔父様」

「今ちょうど、エルフの里に来てるよ。奥さんが身重でね…ここで出産させたいんだって。本当物好き…王都の病院行けばいいのに。兄様に言えば、無料で出産させてくれるはずだし」

 

お金ないからここに来たって話なのか、それ…?

 

そんなまさか、と言いたいが、アキカ叔母様もハルト叔父様も、王族というしがらみが嫌になって出て行った人達だ。

アキカ叔母様は、実母であるベアトリーチェ様の故郷に身を寄せ、ハルト叔父様もある程度成長するまではここにいたらしいと、母様から聞いている。

 

「というか、奥さんいたんですね…」

「元専属護衛の人。二代目らしいけど…ハルトより年上なんだよね。何の因果だろうね、全く…と、立ち話はこれくらいにして、行こうか…」

 

はぁ、とアキカ叔母様はため息をつきつつ、僕らをエルフの里まで誘導してくれた。

門番が立っていたが、アキカ叔母様が手を挙げると武器を下ろしてくれる。

 

エルフの里に足を踏み入れると、そこで暮らす人達が一斉にこちらを見た。

特徴的な尖った耳、色素が薄い肌、金や銀といった髪を持つ人々。

上を見上げると、木々の間に家があった。

 

あれなんて言ったっけ…。

夕陽の知識が乏しすぎて、見た事あるのに名前が出てこない。

 

「みんな、物珍しいのは分かるけど、そんなに見ないで。視線が不躾すぎる。君達だって、見られたら嫌でしょ? ほら、散った散った」

 

アキカ叔母様が少し声を張り上げ、周りのエルフに言う。

その声を聞き、僕らを見ていたエルフ達は方々に散っていった。

 

「ごめんね…客が来るのも珍しいんだけど…人族って、エルフ達にとっては…あまりいい印象が無いんだ。歴史で習ったかもしれないけど」

「分かってます。すみません、叔母様」

 

僕らがここに来る事になったのも、魔王の遺物が原因だし。

本来なら、エルフの里に僕らは入れない。

人族がエルフ族に行った虐殺が原因でもあるし、何よりエルフの里は閉鎖的だ。

 

アキカ叔母様が、ここに慣れるのにも時間がかかったと、少し前にいらっしゃった時に言っていた。

閉鎖的に加えて、他人に対して冷たいからって。

いくら自分がベアトリーチェ様の子供だからと、そこは変わらなかったって愚痴ってたっけ。

 

父様が事前に、アキカ叔母様に連絡を取ってくれていたからこそ、僕らはすんなり里に入れるのだ。

 

大きな木の上に作られた家へ、僕らは案内される。

そこが叔母様の家みたいで、しっかりした作りの階段を登った。

 

「こういう家ってなんて言ったっけ、ユエ?」

「え? こういう家って…ツリーハウスの事? アオ、見た事なかったっけ?」

 

ユエに尋ねると、少し驚いた口調で言われる。

うん、と僕は素直に頷いた。

別に変なプライドを出す気はない。

知らない事は知らないって、ちゃんと言わなければダメだと、母様から教えられているから。

 

「夕陽の知識の中にもなくてね。本当に阿呆だな、あいつ…」

「アホで悪かったな」

 

僕の後方で階段を登っていたシンクが、少し不機嫌そうに言う。

後ろを振り返れば、ムスッとした弟と目が合った。

 

「なんでお前がそうなるんだよ」

「兄ちゃんがアホだって言ったからだろ」

 

喧嘩はやめろと、シャナから注意される。

シンクの事ではなく、僕の前世の夕陽に対して言ったのだが。

 

アキカ叔母様が扉を開けて中に入る。

続いて僕らも入ると、男性の声が聞こえた。

 

「お帰り、姉さん。あれ? そこにいるの、グンジョウ? シャナもいるじゃん! うわー! 大きくなったなぁ!」

「ハルト叔父様、お久しぶりです。お元気そうで何よりです」

 

扉の先はすぐにリビングになっていたようで、そこでお茶を飲んでいたらしい叔父様が、僕らを見て感嘆の声を上げる。

久しぶりー! と言いながら、僕とシャナを抱きしめてきた。

 

「ん? グンジョウとそっくりなこの子、誰?」

「義姉様の子。あとの三人は知らない」

 

そういえばユエ達の紹介してなかったなと、僕は二人に三人の紹介とシンクの説明をする。

ふんふん聞いていたハルト叔父様だったが、物珍しげにシンクを見た。

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