my way of life   作:桜舞

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347話『ヤダヤダと首を横に振った』

サフィールには悪いと思ったが、存分に彼の上でユエといちゃついた後、城に帰ってくる。

厩舎の前に着き、先に降りてからユエをサフィールの上から降ろした。

アークスにサフィールを預け、さて城の中に戻ろうかと思った瞬間、後ろから衝撃がくる。

 

「……あのさぁ、シャナ。勉強ならツルギから教えてもらえって…」

 

少し後ろを振り返ると、見慣れた金髪が僕の背中に張り付いていた。

ユエも少しジト目になっているし。

彼女ととても良い雰囲気だったのに…この馬鹿姉。

 

「…ごめんグンジョウ…あの課題の量無理助けて!!」

「お前…シンクに頼れよ?! なんでいっつも僕ばっかりなんだよ?! あとツルギどうした?!」

 

だってぇ、とシャナは涙目で僕を見上げてくる。

 

「シンクはユタカちゃんと大学受験行っちゃったし、ツルギ君も春から入団するつもりだからって入団試験受けに行っちゃったし…頼れるのグンジョウしかいないんだよー!」

 

姉はそう言い、僕を揺さぶってきた。

それを見たユエの眉がだんだん吊り上がっていったが。

僕にとっては最早日常茶飯事なので、冷静にシャナへ尋ねる。

 

「今日だったっけ? 受験と試験?」

「そうなんだよー! 助けてよグンジョー!!」

 

それこなさないと、シルフ2の月の自由登校がなくなるから、姉も必死なんだろう。

びぇぇと泣き始めてしまった姉の肩を、背後からユエが掴んだ。

 

「シャナちゃん、いい加減にしようか。私まだ、シャナちゃんがアオと一緒にお風呂へ入った事、許してないからね? いくらママがあぁ言ったからって」

 

ユエからドス黒いオーラが出てて、シャナはヒッと声を上げる。

若干瞳孔も開きつつ、彼女はシャナを見つめていた。

この場合、僕が声をかけたら悪化するのは目に見えているので、静観を決め込む。

 

「や、あの、ユエちゃん、でも…」

「でも、何? それくらい自分で出来なくてどうするの? アオに一生頼るつもり? アオは次の王様になるんだよ? そんなアオの負担増やすつもりなの?」

 

めっちゃ詰め寄るじゃん、ユエ。

シャナもそんな彼女の様子に、恐怖を抱いているようだ。

 

「…ごめんなさい…一人でやります…義妹が怖いよ…」

 

姉は僕達に謝りつつ、トボトボと肩を落としながら歩き去っていった。

 

「…シャナを諦めさせるなんて…ユエ結構やるね?」

「あれくらい言わないと。というか、シャナちゃんアオに甘えすぎ。課題くらい一人で出来なくてどうするの」

 

ふんすと鼻を鳴らしつつ、ユエは自分の腰に手を当て、シャナを睨んでいる。

まぁまぁ、と彼女を宥め、僕らも城に入った。

 

自室に帰り一緒に夕飯を食べて、風呂の時間になったのだが…。

 

「いーやーだーっ!! アオと一緒に入るーっ!!」

 

僕にしがみつき、ヤダヤダと首を横に振りながら駄々をこねるユエに、少し困ってしまう。

 

「ごめん、ユエ。まさか父様から仕事振られるとは思わなくて…」

 

冬季休暇の期間中、王太子として王の仕事を覚えろと言わんばかりの量を投げられた。

しかも夕飯食べた直後に。

 

自室にある机の上には書類の山がどっさりと積もっていて、見ただけで萎える。

しかし父様はこれらの数倍の量をしているわけだから、泣き言は言っていられない。

しかも、僕に投げてきたこの書類達は、僕が采配をミスってもどうとでも修正出来るもの達だろう。

 

「終わるまでここにいるから!」

 

僕から離れたユエは、腕を組んでソファーに座り、足まで組んで不機嫌そうだ。

 

「…いつになるかわからないよ?」

「良い! 待ってる!」

 

言い始めたら聞かない彼女の事だから、寝落ちするまでいるつもりだろう。

僕は少し嘆息しながらも、ユエの頭を撫でた。

 

「じゃあ、待ってて。眠たかったら寝て良いからね」

「ん…絶対寝ない」

 

そう言った彼女だったが、数時間後にはソファーの肘掛けにもたれて、眠りについてしまっていた。

僕は上掛けをユエにかけ、また仕事に戻る。

 

午前三時あたりでやっと書類が片付け終わり、僕は大きく伸びをした。

 

「お…わっ…たぁ…っ!!」

 

本当こんな暴挙が出来るの、今の内だけだと思うんだよなぁ。

最近母様が、歳を取ると夜更かしも出来なくなって、なんてぼやいてたし。

 

それなのに、なんでナズナは衰えないわけ?!

あの人の体力どうなってんの?!

 

とも、叫んでたっけ。

父様の体力化け物だし、それについていける母様も体力馬鹿だと思うんだけど。

そんな事思ったら、会った瞬間投げられるんだよな。

 

「ん……アオ……? 終わったの……?」

 

目を擦りながら、ユエが起き上がる。

終わったよと声を掛けると、僕に向かって彼女が両手を差し出してきた。

意図が分かったので、僕はユエを抱き上げる。

 

「んふふ…アオ、好き…!」

「僕も好きだよ、ユエ。寝ぼけてるでしょ、君。お風呂は明日入ればいいから、もう寝るよ」

 

そう言うと、ユエはヤダヤダと首を横に振った。

 

「アオとお風呂入るんだもん…!」

「明日入ってあげるから、今日はもう寝よう? 疲れたよ僕…」

 

これで精神的にもヤられたら、ユエを襲う未来しか見えない。




これ書いてるの2024年の10月末なんですが
緊急入院してまして
ちょっと文章おかしくなってたりするかもです
早くお家帰りたいです
グンジョウ達が全く動いてくれない…
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