my way of life   作:桜舞

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386話『番外編1-7』

そう提案するが、どうせただの偶然だと二人は結論づけたようで、観光は続行と言われる。

僕らを伴い、浅草寺と呼ばれる寺に辿り着いた。

通路の両側に色んな店が出店しており、シャナが目移りしていて、僕は姉と手を繋いで歩く。

 

「グンジョウ、あれなんだろ?」

「甘い匂いがしてるから、お菓子だとは思うけど…」

 

お菓子なら僕は無理なので、毒味は出来ない。

それもシャナは分かっているので、僕から離れ試食で渡されたそれを食べる。

 

「ザクザクしてて美味しい! 甘ーい!」

「あら、雷おこしね。グンジョウにはちょっと苦手な甘さだと思うわ」

 

それを何個か買い、母様は父様に押し付けた。

荷物持ちしろって事なんだろう。

一国の王に何させてんの母様、とは思うが、父様は嫌な顔を一切せず、次はどれを買うと母様に尋ねていた。

 

「そうねぇ…あ、グンジョウ。あれなら貴方食べられるんじゃない?」

 

母様が指を差した先、黄色い粉が掛かっているものが売られている。

何あれ、と母様に聞くと、きな粉という豆を乾燥させて潰した粉を掛けた団子という食べ物だと言われた。

母様が一本買い、試食をする。

 

「ほんのり甘いだけで、グンジョウでも食べれるわね」

 

人数分のきな粉団子を買い、母様は僕らに渡す。

一口食べてみると、確かにほのかに甘いだけで食べやすい。

粉は咽せるけど。

 

案の定、シャナが食べてる途中で咽せ始めたので、母様が買ってあったお茶を渡して背中を摩っていた。

 

「シャナ、大丈夫? 串とか口に刺さってない?」

「だ、大丈夫。喉に引っかかって、ビックリしちゃっただけ」

 

お茶を一気飲みして、姉は一息つく。

ユエとユタカが大人しいな、と二人を見た。

団子を食べ終え、僕らとは違う店に行ったようで、カステラみたいなものを食べている。

 

「何それ?」

 

気になった僕は、二人に尋ねた。

 

「人形焼って言うんだって」

「なんかキャラクター? の形した鋳型に生地入れて焼いてたよ。向こうには魚の形した物もあったし、下の子達のお土産には良いんじゃないかな、グンちゃん」

 

成程。

あとでシャナと一緒に案内してもらうとしよう。

土産物を多数買い、僕達は浅草寺の本殿の前に来る。

 

「なんか煙い…」

「頭にかければ頭が良くなるらしいぞ、シャナ。やっておけ」

 

大きい鉢みたいな所から、煙がモクモクと上がっており、その煙を少し吸ったシャナが眉を寄せながら言った。

その言葉に、おばさんがご利益の話をし始める。

 

「…やっといた方が良いと思うよ、シャナ。あとユタカ」

「グンちゃん?!」

「ちょっと、グンジョウ! それどういう意味?!」

 

二人から詰め寄られ、僕は天を見上げた。

言った通りのままなんだけど、どうして伝わらないのか。

 

「アオちゃん、私には言わないの?」

「だって君、テストの時結構上の方にいるじゃないか。もっと頑張れば、学年上位には食い付くんじゃないかと思うよ」

 

僕に聞いてきたユエへ、天を見上げつつそちらへ目を向ける。

へへ、とユエは嬉しそうに笑った。

 

高等部でユエと付き合った後、僕が教えたからだろうが彼女はどんどん順位を上げていき、最終的には十位以内をキープしていたのは記憶に新しい。

本当に努力家だよ、うちの奥さんは。

 

◆◆◆

 

夕飯はホテルのバイキングになり、各々好きなものを取って食べる。

シャナやユタカ、ユエがデザートを持ってきた瞬間、僕は父様の方に身を寄せた。

 

「難儀だな、グンジョウ」

「僕もそう思うけど、別に甘いの食べなくても死にはしないでしょ」

 

糖分は必要だと思うけど、糖分が入っているのは別に砂糖だけではない。

パンやお米、パスタといったものにも糖分は入っているのだし、わざわざ甘い物を食べる必要性が感じられないだけだ。

 

甘い匂いが漂ってきて、更にテンションが低くなった僕を見た母様が、手招きで僕を呼ぶ。

父様が席を立って、僕が通れるようにしてくれた。

 

「何、母様?」

「魔法をかけてあげるわ。あともう少し我慢して頂戴ね、グンジョウ」

 

母様が僕の両頬を包む。

途端、甘い匂いが消えた。

どうやら、匂いをシャットアウトしてくれたようだ。

 

「ありがと、母様…」

「みんな、もうちょっとで食べ終わるでしょうから。その後でお部屋に帰りましょうね」

 

僕の頭を撫でて、母様は微笑む。

本当に、うちの母親は優しい。

父様からの視線が刺さるけど。

 

僕の背後を見た母様が、ニコニコしながら父様に威圧したようで、すまんと声が聞こえる。

部屋に帰り、最初に女性陣が風呂へ入る事になったが、そこでまたおばさんの雷が落ちた。

ユエとユタカが、僕と一緒に入りたいなぁ、と呟いたからだったが。

 

「そうかそうか。そんなにリューネに帰りたいか」

 

うんうん頷きながら、おばさんは魔力を練り始める。

 

「いや、冗談!! 冗談だからママ!!」

「そうだよ!! ナッちゃんやおじ様いるのに、出来るわけないじゃん!!」

 

双子は焦りながら、おばさんに弁明し始めた。

本心からの言葉ではあるだろうが、それおばさんに通用すれば良いねと、僕は母様から魔力を分けてもらって収納空間から本を出し、ソファーで読む。

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