my way of life   作:桜舞

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390話『番外編2-1』

僕らが高等部三年生のウンディーネ3の月。

ミラ様の所に行く前に、修学旅行なるものがあった。

 

「え、こんな時期に行って大丈夫なわけ?」

 

時刻は昼時。

いつものメンバーと共に昼食を摂りつつ、修学旅行の話をする。

それを聞いたシンクが、自分が選んだメニューを食べながら僕に聞いてきた。

 

「いや、僕も行ってる場合じゃないと思って、母様に連絡取ったんだけどね…今後絶対後悔するから、行ってきなさい。魔王はまだ動かないから、ってさ」

「母様がそう言うんなら、大丈夫じゃないかな?」

 

シャナがオムライスを食べながら、僕を見る。

母様の星読みは今の所確率は高い方ではあるけど、外れる時だってたまにあるだろうに。

 

「うーん…」

 

後悔先に立たずとは言うけど、今は魔王の問題があるのだから、呑気に修学旅行へなんて行ってる暇ないと思うんだけどな。

 

「何かあれば、ママが私達をリューネへ戻すと思うよ? 引率でママも行くんだし。大丈夫だよ、アオ」

「そうそう。ママにとって、距離は有って無いようなものだから。緊急事態なら、影魔法で旅行先から戻す事も可能だし。ところで、修学旅行先どこ?」

 

ユタカはパスタ、ユエは僕と同じ定食を食べている。

そこの話、ユタカ達のクラスではまだされてなかったのか。

 

「ベルカだって。共通語の授業もしてるから、お前ら喋れるだろって立花先生言ってたけど…」

「あたしさっぱりわかんない」

「俺も」

 

シンクはともかく、シャナお前…。

 

呆れた目を僕は姉に向ける。

何だと言われたので、僕はシャナに説教した。

 

「分からないじゃないんだよ、シャナ。お前、第一王女の自覚ある? 共通語の授業なんて、学校の以外でお祖母様からも教えてもらっていたはずだろ? それで分かんないって言葉、出てこないはずなんだけど?」

「あーあー! ご飯不味くなるからやめてよ!」

 

向かいに座っていたシャナが声を少し張り上げ、僕を睨む。

僕もそれにムッとし、僕と姉の間で火花が散った。

 

「落ち着けってお前ら…」

「…確かに喋れないと…困る事がある…殿下、俺にも教えてもらえないですか? シャナが喋れなくても、俺が喋れれば…問題ないかと」

 

シンクが僕らを宥めにかかり、勉強熱心なツルギは僕に教えを乞うてきたが…。

 

「ツルギ、シャナの為にならないから。覚えるのなら自分の為だけにしておけ」

「はー?! ツルギ君の好意無碍にするって言うの?!」

 

シャナが机を叩きながら立ち上がる。

 

「そうは言ってないだろボケ!! さっきも言った通り、お前の為にならないんだって言ってんだ鳥頭!! むしろツルギの好意に付け込むな馬鹿姉!!」

 

僕も立ち上がり、シャナを怒鳴りつけた。

と、姉弟喧嘩に発展してしまい、まぁまぁ、とお互いの婚約者が宥めてくる。

 

「うっせぇ…」

「二人とも元気だねぇ」

 

シンクは、もう知らんと言った感じで食事を再開し、ユタカは僕らの様子をのほほんとしながら眺めていた。

 

◆◆◆

 

それから修学旅行の日へ向けて、僕はツルギとシャナ、シンクに狂化訓練が始まる時間前までに、共通語を教える事になった。

僕に足りない所は、ユエとユタカがフォローしてくれる。

そこは大いに助かった。

 

「というかアオ、よく共通語分かるね?」

 

僕が作ったテストを三人が解いている間、ユエが話しかけてくる。

僕は苦笑しながら、当たり前だけどと前置きをし、彼女に応えた。

 

「父様と一緒に、オーシアやベルカへ行く事もあったし、何より世界がくっついた先がおばさんの所だったから。そっちの言語は多少わかります、ってお祖母様に教えて貰ってたんだよ。父様や母様は、おばさんの所へ行った事が何回かあったみたいだから、話す事は余裕なんだろうけど。僕はそうじゃないし、父様の跡を継ぐのに共通語が分からない、なんてあっちゃいけないだろ?」

「勉強熱心だね、グンちゃん」

 

みんなの分のお茶を入れていたユタカが笑う。

それは違うと、僕は首を横へと振った。

 

「必要だから覚えただけだよ。だからシャナ、シンク。隣国の言語は絶対覚えろ」

「グンジョウが鬼だよぉ…!」

 

半泣きになってるシャナの横で、シンクとツルギは黙々と解答を書いていく。

三人から提出された物に採点をし、僕は眉を寄せた。

 

「シャナ…綴り違うって…ツルギとシンクは理解しているようだから、ユエとユタカに発音を教えてもらって」

「むーりー!!」

 

机に突っ伏し泣き言を言う姉に、僕は頭が痛くなる。

これで王族でなければ、僕はどうだって良いんだけど。

王太子の姉であり、第一王女でもあるシャナだからこそ、厳しくしなければならないのだが。

 

「通訳つければ良いじゃん!! 翻訳魔法もあるんだからさ!!」

「長時間やってると、脳がバグるっておばさん言ってたろ。通訳だって、信頼出来る人が常にいるわけじゃない。なら、自分で話せるようになった方が良いだろ。というか、夏にオーシア行ったのに翻訳魔法頼りか、ユタカに通訳して貰っただろお前」

 

僕が問い詰めると、姉は目を横へと動かした。

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