my way of life   作:桜舞

397 / 408
397話『番外編2-8』

色取り取り、形も違うそれに、僕は興味を惹かれて繁々と見てしまう。

そんな僕を見て、ユエが首を傾げた。

 

「何か気になるものでもあるの、アオ?」

「いや。リューネだと、お守りっていうか…そういう系売られてないじゃん? 護符とか、エンチャントがついたタグとかはあるけど」

 

ギルドとかで売られているそれらは、主にハンターと呼ばれている、ギルドからの依頼で生計を立てている人達向けに売られている物だ。

 

護符は魔法があまり得意でない人達用に、使うと魔法が発動する紙。

エンチャントが付いたタグは、主に防死…一回だけ死ぬのを防いでくれるタグや、筋力上昇、魔力上昇といった物だ。

種類も豊富で、色んな効果が付いてはいるが結構高値である。

 

ちなみに全部、おばさんの所である立花家の製品だ。

 

僕らもそれに頼れれば良いのだが、おばさん曰く。

 

「そんな物に頼って、いざ使えない場所に放り出されたらどうするつもりだ? 使えないから待てなど、相手が聞くとでも? そう考えているならお前の考えは甘いな」

 

だそうだ。

防死の結界を張って訓練してはいるが、実戦同様なので何回おばさんや母様に殺された事か。

本当にあの二人容赦ないんだよなぁ、それに加えて父様も。

あれにユーリおじさんも加わったら、絶対僕の精神ひしゃげて戻らなくなるって。

 

そんな事を考えながら、僕は一つのチャームを手に取り、光に翳して眺める。

 

「アオ?」

「ん? 何?」

 

青いガラス細工が揺れるチャームを見ていた僕の名を、ユエが呼んだ。

どうしたのかと彼女の方に目を向けると、それを買うのかと問われる。

 

「んー…赤いのと迷うんだよねぇ」

「青いのは学業成就、赤いのは恋愛成就かな。こっちの緑が健康祈願、紫が安産祈願、黄色が金運上昇のチャーム…なんだけど。赤いの買うの?」

 

ニコリと笑みながら、ユエが僕を見つめてきた。

 

勿論自分のと恋愛成就だよな、と考えているだろうけどその通りだが?

他の女なんて目に入らないってば。

 

僕の彼女は、僕の事になると嫉妬深くなって可愛い。

大好きだ、愛しているよユエ。

僕も同じ気持ちだからね。

 

「同じ物2個買おうか、ユエ。お揃い、増やしたいだろ?」

 

僕は自分の右耳を指差す。

即座に頷く彼女に、僕は笑った。

 

◆◆◆

 

夕飯の時間になり、クラス毎席に着いて食事を始める。

バイキング形式なので、僕は自分が好きそうな物を取ってきて、自分の席の机に置いた。

 

「グンジョウ、少なくね?」

「カーマイヤー、お前高等部からグンジョウと同じクラスになったから知らねぇと思うけど、これがこいつの普通なの。あんまり言ってやるなよな」

 

僕が持ってきた量を見たカーマイヤーがそう言い、すぐさまエミル君が注意してくれる。

流石、幼等部から過ごしてきた親友だ。

僕の事よく分かってくれている。

 

「マジで? 腹減らんの?」

「こいつ燃費良いんだって。少ししか食べないのにめっちゃ動けんだから。逆に俺燃費悪くてさぁ、ちょっとしか動いてないのに腹減るわけ。良いよなぁ。その体質分けてほしいよ、兄ちゃん」

 

僕の隣に座っていたシンクが、カーマイヤーの疑問に答えた。

燃費が良いのではなく、魔力量が低いからそんな食べなくても良いだけだ。

 

「交換出来るならもうしてるって、シャナも言ってたろ。僕もお前の体質が羨ましいよ」

 

僕とは違って、魔力量が多いお前がな。

言外にそう言ってやると、拗ねんなよと僕の頬をつついて来たので、手を払いのけてやる。

 

今から食事だっていうのに鬱陶しい。

 

皿を空にし、まだ食べられると思った僕は立ち上がって、料理が乗せられているテーブルに向かう。

そこで、何にしようか悩んでいるユエの姿が目に入った。

 

「ユエ」

「あ、アオ」

 

声をかけると、彼女は振り向きニコリと笑う。

可愛い。

 

「何にするか悩んでたの?」

「うん。ローストビーフも良いなぁ、とは思うんだけど、こっちのスコッチエッグも捨て難いなぁ、って」

 

どっちも肉じゃん、とは思ったが、ユエは結構スレンダーな方だから、少しくらい肉付きが良くても良い気がする。

 

「どっちも食べれば?」

「やだ。体重増える」

 

僕の提案を、彼女はすぐさま拒否した。

だから、少しくらい増えても問題ないっていうのに。

 

目の端に見慣れた金髪が見え、僕はそちらに視線をやる。

そこにいたのはやはりシャナで、姉は皿に好きな物を好きなだけ乗せていた。

僕はそちらを指差し、ユエに言う。

 

「シャナ見てみろよ。あれくらい食べても、全く太らないんだぞ? ユエだって大丈夫だよ」

「シャナちゃんは食べても太らない体質なの! 私は違うもん」

 

ムッとなって、少し口を尖らせているユエを見た僕は、口付けたい衝動に駆られた。

 

待て待て待て。

ここ人が大勢いるんだぞ、僕。

むしろそんな事をしようものなら、反省部屋行きだぞ…!

落ち着け、落ち着け僕…!!

 

「グンジョウのスケベー。おねーちゃんとチューする?」

「………ありがとう、シャナ。お前の言葉で冷静になれた」

 

僕の表情を見たからか、もしくは心を読んだのか。

シャナがユエがいる位置とは逆方向の腕に体重をかけながら、そう言う。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。