my way of life   作:桜舞

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402話『番外編3-1』

ウンディーネ1の月。

リューネ王歴528年。

ユエと結婚してから1年が経った。

 

妻であるユエの誕生日から二ヶ月経った今日、やっと長かった出張から帰って来れて、僕は迎えに来た車の中でだらける。

 

流石に、結婚記念日までには帰らせてほしいと出張前、陛下に懇願し王妃殿下からも口添えがあって、記念日の前日である今日、27日に帰って来れたのだ。

 

その旨はユエにも伝えてあったのだが、帰る直前に、伝える事があるとメッセで伝えられていた。

このやり取りではダメなのかと聞いたのだが、直接会って伝えたいからと言われる。

 

え、何、直接って。

ユエに限ってないとは思うけど、まさか他に好きな人が出来たから離縁してほしいとか?

金銭的な話なら、別にメッセで良いわけで。

 

いや、まさか、そんなそんな…。

だって結婚してからまだ1年だよ?

確かに出張ばっか行って、城にはあんまり帰れないけどさ。

それについては父様に文句言ってほしい。

政務だって覚えてきてはいるけど、自分が行きたくないからって、僕に行かせてるの父様だよ?

 

いや、まぁ…舅にそれ言えるかって言われたら僕は言えないわけだけど。

 

僕は頭を抱え、蹲る。

護衛で来てくれていた親衛隊数名が、またかという顔で僕を見ている気配がした。

出張五日目辺りで、ユエに会いたいと弱音を吐きまくったからだろうが。

 

そんな僕を見かねた、リーダーをしていた一人が、運転席にいた先輩にユエの様子を尋ねてくれた。

普段とあまり変わりない様子だったと聞こえるが、妃教育を受けたユエがそう簡単に表情を崩すわけないだろ、と内心思う。

あと親衛隊から隠れて何かやるのは、シャナ以上に上手いんだからうちの奥さん。

 

そのうち城に到着し、僕は車から降りた。

 

「お帰りなさいませ、ア…グンジョウ殿下。長い出張、お疲れ様でした」

 

侍女を連れ、ユエが出迎えてくれる。

いつも通りアオと呼ぼうとしたのだが、周りの目があるからか僕を殿下と呼んできた。

いつものスタイリッシュな服装ではなく、ゆったり目の服装で、僕はおや? と首を傾げる。

 

「どうかしましたか?」

「あ、あぁ、いや。ただいま、ユエ。君も変わりないようで安心したよ」

 

彼女に歩み寄り、抱きしめた。

二ヶ月ぶりのユエの匂いに、僕は笑顔が(こぼ)れるのを感じる。

この後地獄が待っていたとしても、彼女に会えて嬉しいと僕は思うのだから。

 

ゆったり目のドレスって…相手の趣味かなぁ…。

父様みたいな奴なのか、浮気相手…。

まぁ、仕方ないか…ドラマでも、出張ばっかりの夫より、親身になってくれる身近な男って、ドロドロなのが流行っていたくらいだし。

なんだっけ、浮気は文化って言った芸能人いたような…。

 

「貴方もご無事で良かった。お疲れでしょう? もうお部屋に行きますか?」

「いや、陛下へ今回の事について報告しなければならないからね。何か、僕がいない間あったかい?」

 

ユエから離れ、彼女の肩を抱きながら歩く。

手振りで、侍女と親衛隊について来なくても良いと指示を出した。

素で話すのもだけど、離婚話になったら他の人には聞かせたくないし。

 

「………あったよ?」

 

ユエも皆がいなくなったのを気配で感じ取ったのか、廊下を少し進んでから言葉を発した。

その声が少し上擦っていて、緊張していると感じる。

僕は歩みを止め、彼女を見た。

 

「…何があったの?」

 

真剣な顔でユエを見る。

彼女は僕を見上げ、自分の下腹部に手を当てた。

 

「子供出来たよ、アオ」

「………ん?」

 

ユエから言われた言葉に、僕はフリーズする。

 

ちょっと待って、それ誰の子?

 

そう言いかけたが、僕の思考を読んだのかユエが頬を引っ叩いてきた。

 

「サイッテー!! というか、会った直後から浮気だなんだって思ってたの知ってるんだからね?! 私はアオ以外とやらないって、何度言えば良いの?! こんな癇癪持ちの女、アオ以外なんて手に負えないっていうのに!!」

「わ、分かった! 分かったから!! 悪かったよユエ!! 君が魅力的だから、寂しい思いさせてる僕より他に優しくしてくれる男がいたら、そっち行くんじゃないかって今も不安なだけだよ!!」

 

ポカポカと僕の胸を叩きながら抗議するユエへ、僕は心情を吐露する。

更に足を蹴ってきて、僕は痛くて蹲った。

 

「アオだけだもん。私が愛してるのは。それに、他の男から言い寄られて私がどんな対応してたか、アオは見てきてるはずでしょ? 本当、馬鹿で最低」

「はい、すみません…」

 

痛みが治るまで蹲り、やっと立ち上がれるくらいまでになった僕は、ユエに再度尋ねる。

 

「子供…出来たの?」

「そうだよ」

 

一体いつの?

そう問いかけると、予測だけれどと彼女は前置きし、

 

「多分、私の誕生日…アオが出張行く前…」

「……あの時かぁ…」

 

結構濃密な夜を過ごしたけど、あの時に出来たのか。

なら納得なわけだけど。

本当? と彼女に問う。

 

「なんで嘘つく必要があるの。美人局(つつもたせ)じゃないんだけど? 私、貴方の妻で幼馴染なのに? アオ、一回壁にめり込む?」

「いや、あの! 母様から聞いた症状と君が当てはまらないから!! その拳に練ってる魔力霧散させてくんない?! ごめんってば!!」

 

症状? と魔力を霧散させず、彼女は首を傾げた。

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