my way of life   作:桜舞

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51話『アオ、本当に人相悪い!』

「グンジョウ、この状態だとあたしの事姉上って呼ぶんだよ。これ、すっごく精神が弱ってる証拠。だからユエちゃん。うちの弟お願いね」

「うん、任せてシャナちゃん」

 

シャナが買ってきてくれた食事の数々を受け取って、ユエは頷く。

姉の足音が遠ざかったのを聞いたユエは、また鍵をかけた。

 

「今日は、ずっと一緒にいられるよ。いや、本当は私もクラスの出し物に参加しなきゃいけないんだけど。多分シャナちゃんの方からユタカに話いってるだろうから、気にしないで」

 

僕を椅子に座らせ、右隣にユエが座った。

 

何でもかんでも、シャナが手を回してくれている。

いつもはあんなにポヤっとしているのに。

本当に、僕の姉は頼りになる。

頭が上がらない。

 

「うん…ユエのとこは、何するの…?」

「男女逆転喫茶。アオの事失笑してた人達いたけど、うちのクラスの男子見たら絶句すると思うよ。アオより酷いもん。アオはちゃんと姿は女の子に見えてたけど、うちのクラスのは本当に見えないし。それなのにノリでミニスカメイドやるぞなんて、誰得なのって感じ」

 

少し文句を言うユエに、僕は肩を揺らして笑う。

確かに、それは見たくない。

うちのクラスがそんな出し物じゃなくて良かった。

 

「アオ、笑ってくれたね。ご飯食べれそう? アーンしてあげようか?」

「うん、お願い」

 

少し口を開けると、スプーンに乗った何かを口に入れられる。

この味はオムライスか。

自分の分を食べつつ、ユエは僕にご飯を食べさせてくれる。

 

しかし、途中でそれを止めさせた。

前にユエが言っていた事を思い出したからだ。

 

「介護…」

「弱ってる人に対して介護とか関係ないと思うんだけど。アオ、自分で食べれそう?」

 

うん、と頷いて僕の分の食事を受け取る。

受け取ったものが何なのか見ようとして、しかし見えづらく、目を細めてしまった。

それにユエが笑い出す。

 

「アオ、本当に人相悪い! シャナちゃんの言った通り!!」

「そんなに笑わないでよ…。眼鏡ちょうだい」

 

はい、とユエは僕の眼鏡を渡してくる。

それをかけると、視界がクリアになった。

ユエの顔も、しっかり見える。

 

「…ごめんね、ユエ」

「謝らないでよ。アオは何も悪くないじゃん。それに、明日の朝までずっと一緒にいられるんだよ? 今日は添い寝するからね。ふふっ! 夫婦になったみたい!」

 

とても嬉しそうにしている彼女に、重なる顔がある。

多分、この子がユエの前世の子なんだろう。

 

「シャナ、ユーリおじさん説得出来るのかな…」

「出来るって信じようよ…じゃないと萎える…」

 

二人して同時にため息をつき、その後笑った。

 

◆◆◆

 

城に帰ると、ツルギが今日と明日の早朝の訓練は無しになったと伝えてきた。

学園祭が終わり次第、またやるから覚悟しておけと、おばさんからの伝言らしい。

ついでに、何かあったらユーリおじさんの怒髪天を突くというので、おばさんの使い魔である咲夜さんが透明化して僕らを見張っているらしい。

 

心配性過ぎないか、とユエは少し怒っていたけど。

 

そしてツルギはユエと僕に何か紙袋を渡してきて、これは母様からだと告げた。

中身を見れば水着で、こんな寒い時期になんで水着なんだと首を傾げる。

 

「あー…お風呂も許すけど、そういう事はしちゃ駄目よ、って王妃様の計らいか…これ、アオ耐えられそう…?」

「…耐える」

 

母様の意図を理解したユエが僕に尋ねてくるが、鋼の理性で耐えてみせると誓った。

 

というので、早速水着を着てユエとお風呂に入っているわけなんだけど。

 

ユエの水着姿が魅力的すぎて、早くも理性が壊れそうなんだが。

数分前の僕、よく耐えるって言えたなオイ?!

 

ユエの水着は黒の上下で、下はスカートタイプになっているみたいだ。

お風呂で眼鏡を外しているから、それ以上の事はわからないけど。

ちなみに僕は、普通の海パンと呼ばれているものだ。

 

ユエ恥ずかしがって、無言だし。

僕もボヤけるからと言って、全く見えないわけじゃないし。

 

彼女が魅力的過ぎて、僕は背を向ける事しかできない。

僕の部屋に備え付けられてる浴室の浴槽、広くて助かった。

これが狭かったら、理性が崩壊してユエに襲いかかっている所だ。

 

「あの、アオ…この水着、変? 似合ってない?」

「変じゃないし、似合ってるし、何なら数分前の僕を殴りたい程、理性が今揺らいでるから。本当に君は何を着ても可愛いなぁ?!」

 

最後少し大声になってしまったが、ユエは少し驚いただけのようで、クスクス笑い出す。

 

「良かった。アオ、さっきからその状態だから私の水着姿似合ってないのかと」

「似合いすぎて、むしろ困ってるんだけど。お湯の温度と、君に逆上せそうで、本当困る…」

 

え、と言ったユエは、慌てて僕を浴槽から出した。

少し頭がクラクラしてきた所だったから、助かったけど。

 

とりあえず水着から着替え、眼鏡をつけて僕はベッドに横たわる。

体が火照って、むしろ熱いまであった。

 

「…ユエと寝るのか…」

 

別にやましい意味で言ったわけではなく。

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