my way of life   作:桜舞

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66話『どうか、幸せになってねグンジョウ』

「いつかきっと、法を改正出来たら、お父様達も貴方に会いに来れるようになるわ。だから、それまで辛抱していてね、グンジョウ」

 

俺を抱きしめながら、ソルフィアナはそう言った。

俺の背がデカくなっても、父様達は会いには来なかったけどな。

 

ソルフィアナと、たまにソルフィアナの目を盗んで俺をイジメにシャナが来るくらいで、別段何も変わらなかった。

 

雪が降っている間だけ、ソルフィアナは俺に会いには来なかった。

その季節は森から凶暴な魔物が出てくるらしく、連日連夜ギルドと王族で対処に当たっているらしい。

確かに森の方面かと思われる所で、閃光が上がったのは見えていたから、本当なんだろう。

だから、毎日シャナが俺をイジメに来るのが鬱陶しかった。

魔法についても学んでたのはその時でな。

防御魔法を覚えて、シャナからの攻撃に耐えていたもんさ。

 

そうそう、カヅキって父様の親友もいたぜ。

その人、女じゃなくて男だったけどな。

たまに、ソルフィアナと一緒に会いに来てた。

ユエとユタカにも会ったよ。

2人とも男だし双子だったけど、年齢を一歳ずらして国に報告していたから、難を逃れていたそうだ。

うちは王族だから、そんな誤魔化しは出来なかったんだろうけど。

 

俺が16になった時、異変が起こった。

城が大きく揺れたんだ。

まぁ、揺れたところで俺元日本人だから、あぁ地震か、なんて軽く思ってた。

扉の外が騒がしくなって、ソルフィアナが慌てて入ってきた。

 

「グンジョウ!! 無事?!」

「姉様、何かあったのですか?」

 

この時にはソルフィアナを姉様と呼んで慕っていたよ。

シャナはそのまま呼びだったが。

 

本を読んでいた俺を姉様は抱きしめてきて、泣いた。

 

「シャナが謀反を…!! お父様達が、おじ様達が…っ!! …っ、グンジョウ、ここから逃げなさい。シャナの次の標的はきっと貴方。魔王の力を手にしたシャナは、きっと貴方を取り込もうとしてくる。だから逃げて…!!」

「でも、そうしたら姉様は…」

 

どうなる、と言おうとした所で、俺達の横に見たこともないゲートが現れてな。

驚いた俺を、姉様はそこへ押し込んだんだ。

シャナの魔力を感じないし、ここにいるよりは危険ではないだろう、と判断したんだろうな。

次の女王は、ソルフィアナ姉様だったから。

 

ゲートに吸い込まれる前、姉様は泣きながら笑っていたよ。

 

「どうか、幸せになってねグンジョウ」

 

そう言っていた。

次に気が付いたら、王都にあるカヅキおばさんの家だったよ。

目の前には、女の子の格好をして泣いている、髪が長くなったユタカと、難しい顔をして腕を組んで俺を見ている、女性用のスーツを着ているカヅキおじさん。

そして、髪が伸びて女性の顔つきをしている父様。

 

俺は混乱したよ。

一体俺はどこに来たのか、もしくは死んだのかってな。

 

「ユタカ、お前…」

「ごめんなさい、ママ、なっちゃん…。でも、私…どうしてもグンちゃんを諦めきれないの…っ!!」

 

泣きじゃくるユタカと、困惑気味に俺を見ている父様らしき人。

 

説明をして欲しかったが、俺はユタカを抱きしめた。

とりあえず泣き止ませようと思って。

その時、俺とユタカの間で魔力共鳴が起こった。

ユタカの今までの記憶が俺に流れ込んできたんだ。

彼女も驚いていたようで、俺を見上げている。

 

それで、俺は全てを理解した。

だから、母様達に言ったのさ。

 

「グンジョウの身代わりとして、影武者代わりに使ってもらっても構わない。ただ、ユタカの傍に居させて欲しい。それが、彼女の望みだから」

 

ってな。

母様は最近、予知夢っていうか、過去現在未来の全てが解る星読みの力を手に入れたんだろ?

それで俺の事も分かったんだろうな。

悲しそうな顔で俺を抱きしめてきたよ。

 

「ごめんね、ここにはもう1人の貴方がいるから、グンジョウとして迎えてあげる事は出来ないの。でも、貴方と家族にはなれると思う。あと、グンジョウの影武者なんて、必要ないわ。貴方もあたしの息子なんだもの。グンジョウや貴方に危険が迫ったら、あたしが貴方達を守るから。それが母親ってものでしょう?」

 

母親の愛情とかわかんなかったけど、母様のその言葉は普通に信じられた。

優しく頭も撫でられたしな。

カヅキおばさんもため息をついて、自分の娘の愚行について諦めたのか何なのか、俺の存在に対して許容してくれてるっぽかった。

 

その後は一旦ユタカと別れて、城に連れて行かれたよ。

父様に事情を話さなければならないからって。

 

父様の執務室に行って、母様が星読みで見た事を父様に話して、これからの事を相談したら、おもむろに父様椅子から立ち上がってさ。

俺の傍まで来て頭撫でてくんの。

 

「向こうの俺達がどういう意図で、お前の事を幽閉していたか分からん。お前をきっと守りたかったんだろうが、目を盗んでお前に会いに来るべきだったな。こちらでは双子が凶兆の証など、古臭い慣習などない。お前を殺すなどと言うふざけた輩がいるなら、俺が逆に殺してやる。お前は好きに生きれば良い。あと、シャルも言っていたが、グンジョウはもういる。だから、新たな名を付けよう。な、シャル? お前、もう思いついているんだろう?」

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