my way of life   作:桜舞

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68話『もうそろそろ甘さは捨てよう?』

ユエは僕の手に自分の手を添え、微笑んだ。

 

「だからね、アオ。もしもの時は、私達を切り捨てて良いからね。誰も貴方を責める事はない。それが王太子としての貴方の判断なら」

「そんな事…っ!!」

 

出来るわけがない、そう言おうとするが、ユエは首を横に振る。

真剣な目になった彼女を見て、僕は口を噤んだ。

 

「アオ。貴方の心に私がいるのは嬉しいよ。でも、私の代わりなんていくらでもいるの。それこそ、ツェリちゃんとかね。アオ、もうそろそろ甘さは捨てよう? 酷い言い方かもしれないけど、そうでなければ、私もユタカも、貴方の為に命を散らす事になるかもしれない。私達はそれでも良いけれど、貴方は嫌でしょう? 今日は良くても明日、明後日と最悪な事が起こるかもしれない。それは、アオが望まない事でしょ?」

 

彼女の言葉に、僕は頷く。

その最悪を避ける為に、訓練し続けているというのにだ。

それでも足りないと、彼女は言う。

 

「貴方の判断に、私達は従う。だから、貴方は気にせず私達を使って欲しい。戦いの間だけは、私達を人と思わないで欲しい。ユタカも多分、そう思っているはずだから」

「でも、僕が指示を出すわけじゃない。それはシンクに任せて…」

「シンクに任せると決めたのは、アオでしょう? アオの判断に、シンクだって従うはずだもの。大丈夫なんて、安易な言葉で励ませはしないけれど。貴方一人の責任ではない、とだけは言っておくね。その指示が嫌だったら、ちゃんと言っているもの」

 

ニコ、と微笑む彼女の手を握る。

 

なら、嫌だと言えばいい。

自分と一緒に、安全な所にいて欲しいと、そう言って欲しかった。

でも、ユエは絶対そう言わない。

僕と一緒に歩むと、言ってくれた彼女は。

 

「…君を守りたいのに、守られるなんて不甲斐ないな」

 

俯く僕に、ユエは明るい声で言った。

 

「婚約者だけど、私は立花の娘だよ? それに、多分組み手したらアオより強い自信あるよ、私」

 

え、いやそれは嘘でしょ。

 

顔を上げ、疑いの眼差しを向けてみるが、ユエはニコニコ笑うだけだった。

 

「帰ったら証明してみせようか?」

「そうだね。なら、賭けをしようじゃないかユエ」

 

賭け?

と首を傾げる彼女に、僕は微笑む。

僕は彼女から手を離し、頬杖をつきながら足を組んだ。

 

「僕が勝ったら、休み時間の度に僕の教室に来て、僕の膝に乗る事。シンクがユタカにやってるやつだね」

「じゃあ私が勝ったら…お休みの度に、デートで荷物持ちしてもらうから。ふふふ、覚悟してね、アオ」

 

それはこっちのセリフだよ、と返して、朝食を食べ終えた。

 

◆◆◆

 

ガーナ山中腹までは登山道を行くみたいで、僕らは黙々と山道を登る。

 

「ちょ…待って…早い…っ!」

「…………っ」

 

シャナとシンクが最後尾で、二人は少し息が上がっていた。

シャナはわかるけど、シンクまで?

と僕は少し驚いた。

 

「…お前の…思考…分かるけど…お前みたいな…体育会系じゃ…ねぇんだよ…」

「そんなにきついなら喋らない方がいいんじゃないの?」

 

ユタカが慌ててシンクの方へ行き、水などを飲ませている。

昨日の話からいって、シンクは運動も特にしていなかったようではあった。

 

「シャナとの魔力量ってどうだったのさ」

「…おま…喋んなって…言ったくせに………はー…ありがとな、ユタカ。んで、シャナとの魔力量? 俺の方が多かったけど? あいつ、小手先の魔法でしか俺の事いじめてこなかったし」

 

シャナの方にもツルギが行き、水を飲ませているようだった。

シンクの話を聞いていた姉は、少し眉を寄せているようで話に割って入ってくる。

 

「なんでそっちのあたし、シンクいじめるような真似してたのよ。自分の半身じゃん。大切に想うのが当たり前じゃないの?」

「そう思わなかったのが、あっちのシャナなの。次期女王になるわけでもなし、魔力量だってそこそこ、頭の方は良けれどもそれだけ。自分が美人だからと、周りからチヤホヤされて付け上がったクズ。だからこそ、幽閉されてた俺を見下していじめてたんだろうさ。憂さ晴らしってやつ? 知らねぇけど」

 

肩を竦めそう言うシンクに、シャナの眉が更に寄る。

シャナからしたら、僕をいじめているのと同義なわけで、やはり理解が出来ないようだった。

 

「あっちに行けたら、あたしがぶっ飛ばしてやるのに…」

「その心意気だけ受け取っとくよ」

 

シンクが苦笑する。

自分の事で憤慨している姉を見て、嬉しいようだ。

 

「そんなにきついなら、休憩する? 別に急ぐわけでもないだろうし」

「いや、足引っ張って悪いが、急いだ方がいい。母様ほどじゃねぇが、俺も少し星読みの力がある。嫌な予感がするんだ。グンジョウ、シャナ抱えて先に行け。ユエもだ」

 

シンクの真剣な目に、僕は頷く。

シャナを抱き抱えて脚力強化をし、山道を一気に駆け抜ける。

僕の足音の他にもう一つあったから、ユエが付いてきてるのだろう。

 

中腹辺りに来たが、洞窟っぽい穴が一つ開いているのが見えた。

 

「ここかな?」

「多分。でも、雪も降ってないのに他に人いないね…」




うちの子達勝手に喋るから
後付け設定とか色々大変なんですけど…
相方の方ちゃんと書けてて羨ましい…
めっちゃとっ散らかってるのは
わかってるんですけど
行き当たりばったりで書いてるから
どうしようも出来ないのです…
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