my way of life   作:桜舞

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90話『僕の思考読んだね?』

「ユエ、どうやって食べるの?」

「え? 普通に、レーンに乗って回ってくるお寿司、とって食べるだけだけど…」

 

レーン?

って何?

 

僕の頭上には疑問符がたくさん出ていることだろう。

勉強不足だなぁ、と感じてしまう。

 

「うーん…聞くより見る方が早いと思うよ。苦手じゃないなら、ここにしない?」

「良いよ」

 

二人で入り、テーブル席に案内される。

僕らの横を寿司が流れていき、僕は少し感動した。

もしシャナがここにいたら、とても大はしゃぎしている事だろう。

まぁ、姉は寿司…というよりも、魚介類が苦手だから、システムにはしゃいでも、ここ自体はあまり喜ばないだろうなと苦笑した。

 

「アオ? どうかしたの?」

「ん? いや…シャナ連れてきたら、寿司が流れていく様を見て、大はしゃぎするんだろうなぁって想像したら、面白くて」

 

あぁ、とユエも納得してくれる。

 

「確かに。シャナちゃんがいたら『すごーいっ! これどうなってるの?! お寿司回転してないよね?! 飛ばないの?!』って騒ぎそう…」

「ユエ? 僕の思考読んだね?」

 

ユエの言葉に被せるように問う。

 

最近ポーカーフェイスも上手くなってきたって、父様達にも褒められてるから、表情から読み取る事は不可能なはずだ。

 

あと、シャナの声真似上手いなユエ。

目を閉じて聞いたら、どっちがシャナか当てられるの難しいと思う。

 

「…さっき、なんで疑問抱いてるんだろうって思って…少しだけ」

 

目を逸らしながらあっさり白状したけど、人の思考読まないでくれないかな…。

 

「読まれていい時と、読まれたくない時があるんだけど。ユエ? せめて許可取ってからやろうね?」

「ごめんなさい…」

 

おかしいなぁ。

同い年だけど、生まれ月に関しては僕の方が遅いのに。

妹に言い聞かせるような感じになってしまう。

いや、シャナがアレな時点で仕方ないのか。

 

「アオ、私に呆れちゃった…?」

「そんな不安そうにしないでよ。呆れるわけないだろ。こんな事で呆れてたら、僕誰とも付き合えないって」

 

彼女に微笑みかけると、ユエはホッとしたようで流れてくる寿司を見た。

 

「アオ、何食べる? 一応注文もできるっぽいけど」

「ユエに任せるよ。カヅキおばさんが握ったヤツは食べた事あるけど、他はないんだ。君が美味しかったって思う物が食べてみたい」

 

そう言うと、ユエがニヤリと笑う。

 

あれ、嫌な予感がしてきたぞ…。

 

僕の嫌な予感は的中し、ユエはタッチパネルで寿司を注文しまくった。

テーブルに乗り切るくらいだったけど、圧巻すぎて逆に引く。

 

「ユエさん…? これ食べ切れる分だけ頼んでるよね?」

「え? 当たり前じゃん。ママからそこら辺ちゃんと教えられてるし。あとね、アオ。回転寿司って、魚介類だけじゃないんだよ? 今度シャナちゃんも連れて来ようよ」

 

ユエがタッチパネルを操作して、メニューを見せてくる。

確かに魚介類以外にも、麺やデザート、寿司に関しても惣菜が乗っているものもあり、これならシャナも食べられそうだなと思った。

 

というか、シャナが魚介類苦手だって話してなかったと思うんだけど、それも読んだな。

 

まぁ、先程苦言は言ったので、これ以上は言うまい。

僕はユエが選んだ物を一貫ずつ食べてみる。

確かに美味しい。

ここにある寿司を全部食べろと言われたら、少し難しいとは思うけど。

 

僕が一貫ずつ取ったので、ユエが残りを食べてくれる。

 

「アオ、本当に少食だよね。なのに、鍛えてるし。エネルギー不足で倒れたりしないの?」

「シャナに言わせると、僕は低燃費なんだって。総魔力量が少ないとも言ってたろ? 得意属性の炎以外は、出せてもほんの少しの威力しか出ないし。外部出力するより、内燃機関に回した方が僕としては効率良くてね。だから、別に少食でも困らないってわけ。それでも、魔力がない成人男性並みには食べてるんだよ?」

 

一回、シャナに言われておばさんに尋ねてみた事があった。

僕の少食は異常なのか、と。

おばさん曰く、

 

「この世界…というよりは、魔法を使える連中だな。私も含めて、魔力を生成するための魔力回路を持っている奴らは、外部から魔力を補充しなければならん。自分の中で生成できると言っても、限りがあるからな。お前の魔力保有量は、自分で生成出来る分だけで補える量だ。飯はついでとでも思っておけ。大体、ナツキやシャナが大食いなだけだろう。魔力保有量が多ければ多いほど、食ったエネルギーは全てそれへ置換される。自分が食えないからと、気にする必要性はない」

 

との事だった。

ユエにもそう説明すると、なるほど、と納得してくれる。

別に一切食べなくていいというわけではなく、魔力生成の他に生命を維持するための食事は必要なわけで。

ちゃんと食べてるのに、それでも少食と言われるのかー、なんて苦笑を浮かべる以外どうすれば良いというのか。

 

「私、これに関してはもう何も言わない」

「そうしてくれると助かるよ」

 

頼んだ味噌汁で一息つく。

うん、ご飯には味噌汁がついていた方が、僕としては好みだ。

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