心のままに従ってちょっと寝たら、今度は長い白髪のベットに佇む、さっき魔法と血を与えた人より2倍くらい黒いモヤモヤがある人がいて、
『あっこれ絶対なんとかせなあかんで』
と何処からか聞こえるロキ様の声に従いながら魔法と、渡された針で指を刺し、現在指をちゅーちゅーされてる私はロキ・ファミリア所属のセツナ・ル・フェイ レベル1 8歳です。
指先に触れるこのちゅーちゅーする女の人の舌が、なんだかさわさわしてくすぐったいセツナ・ル・フェイ レベル1 8歳です。
あっ、でもでもなんかこれ気持ちよ「おい、もう良いのではないか?」
「うひゃい!」
後ろから声をかけられ、ベットの人を見ると大分顔色が良くなって、黒いモヤモヤも大分少なくなっていた。まだ残っているのがぶち殺したくなるけど、『もう直ぐ来る』と『何か』が沸き立つのでそれに従おうと思いまする。
「私はアルフィア。そこのは妹のメーテリア。お前、私達の病が分かって・・・いや知っていたのか?」
黄金の瞳と見つめ合う
冷たくて、でもなんかめちゃくちゃ暖かみを感じるその瞳に、私は正直に答える。
「んと、黒いモヤモヤが見えて、絶対助けなきゃってなって、魔法じゃ足りなくて、血をあげあらなんとかなるってなりました!」
「ん・・・血をあげたらなんとかなるとは主神やファミリアに言われていたのか?」
「んーん、魔法の後、血が必要って『わかった』」
「魔法の効果かスキルか・・・そこまで珍しい物ではないが、持病にまで効くとなると凄まじいな。ディアンケヒトなんか見つかると目も当てられん事になるな・・・」
「ん?」
「いや、それは良い、メーテリア、調子は?」
それまで黙っていた妹さんは、後ろからガバっと私を抱き寄せる。
「はわ!」
「さいっこうのコンディションよ!早くあの嘘吐きさん来ないかしら?何回戦でもイケるわ!!」
「お前はガキの前で何を言ってるんだ・・・」
「あっ、そうね。セツナちゃん、まずはお礼ね、どうも私達姉妹を救ってくれてありがとう」
「ん・・・どういたまして!」
(はわ・・・なんというか、柑橘系の爽やかな良い匂いがすゆ・・・)
「あーん!可愛い過ぎる!尊過ぎる!ね!セツナちゃん、私の妹とに「アホンダラァ!!ウチのセツナたんにぬわぁにしとんじゃボケコラああん!?」あっ」
視界がぐるんと回ると、ちょっぴりお酒の匂いがするビート板に顔が埋まる。
あ、ロキ様だ。
「あらあら、これはどういう事なの?ヘラ?」
「あー、まぁ、私も詳しい事はまだわからん。が、アルフィア、『治った』のか?」
「ヘラ、『限りなく復調』している。かの医神達が匙を投げた私達が、『生まれて初めて調子が良い』これで十分だろう?」
「そう・・・ロキ!!」
「む、なんや?」
「好きな額か、好きな願いを言いなさい。」
「・・・マジ?」
「マジよ」
「アストレアには?」
「んー・・・機会を作ったと言えるわね。じゃあアストレアにはウチとの鍛錬を許しましょう」
ぞろぞろとこの広い部屋に主神と、黒髪の美人、アストレア様となんだか酷く落ち込んでいるリューさん。
少し考えていたのか、ロキ様が私を下ろして、顔を合わせた。
「セツナたん。ほんたチート・・・あ、違くて、セツナたんは何が欲しい?」
はわ・・・急に欲しい者を問われて頭まっしろセツナ・ル・フェイ レベル1 8歳です。
むーなんかあるかな。わかんない。んー。部屋の中に居る全員を見回す。
ロキ様、黒髪美人、アストレア様、リューさん、アルフィアさん、メーテリアさん。
・・・わからん!とくになし!へいてい!
でもでも、なんだろ、んー、あっ
「みんな仲良しがよい!!」
「ほおー」「あら」「ふふっ」
「・・・?」
わしゃしゃーと頭を撫でられたかと思うと、ロキ様が後ろへと振り向く。
「決まりや!ウチとヘラとアストレアでの同盟!ついでウチのファミリア連中への鍛錬!静寂から気が済むくらいのお小遣いかなんやマジックアイテムでもセツナたんに!どや?」
「異議なしね」
「あぁ、よかろう。ゼウスは良いのか?」
「あ、多分セツナたんと相性最悪やし、なんかセツナたんにしようものなら暗殺も視野。」
「「激しく同意」」
どうやら話が纏まったようなので、私はロキがこの部屋にやって来てからずっと騒ぐ胸の『更新!更新!とにかく更新!』コールに従う事にする。
「ね、ね、」
「どしたんセツナたん」
「更新おねがいです!」
「ん、ええで。ヘラ、部屋借りてええか?」
「構わないわよ」
「おおきに」
その後、ロキ様に抱っこして貰いながら二人きりの部屋へ通され、私は上着を脱いでうつ伏せになる。
「ほんまええ肌やわぁ・・・あかん、鼻血が・・・あっ」
ポタリと背中に血が落ち、熱を感じる。
暫くロキ様が更新作業をして、写しを渡してくれた。
「セツナたん・・・ランクアップきちゃああああああ!!!」
■ ■ ■
セツナ・ル・フェイ
Lv.1 ◆ランクアップ可能
力: H 115
耐久: F 244
器用: F 200
敏捷: H 125
魔力: C 560
■発展アビリティ
神秘:H
■魔法
泉精霊の加護(アヴァロン・ブレス)
・対象者と自身へ水上歩行、汚れと穢れへと耐性を授ける
・任意での解除可能、常に微弱な魔力を要する
・レベル上昇により付与効果が変化する
詠唱文
『旅立つは勇者 授けるは儀典の観測者
進め 前へ 振り返る事無く
霧雨降り注ぐは 我が故郷が泉
どうか どうか 彼の地へと至らん事を
泉の虚より現れし 我が名はル・フェイ』
理想郷の癒しを此処に(アヴァロン・ル・フェイ)
・対象者へ傷、毒、呪い、病魔、瘴気、あらゆる厄災を退け癒しを与える
・魔力が足りない場合は生命力の代替え可能
『今は遠き理想郷 黄昏より来たるは我が心
万の傷が 那由多の毒が 悪辣なら呪いが
感染せし悪意よ 世を蝕む瘴気よ
泉の癒しが全てを凌駕してみせましょう
たとえ力及ばずと言うのならば
たとえそれが運命と言うのねらば
抑止を壊し 天秤の秤を騙してみせましょう
どの様な不条理にも 同じく不条理にて返礼を
泉の虚より現れし 我が名はル・フェイ』
空きスロット4
■スキル
精霊の愛子(せいれいのいとしご)
・魔力成長に高補正
・魔法発現率超高補正
・精霊種からの好感に超高補正
幻想創造(ファンタズム・メイカー)
・魂に記憶されし道具の創造権
・レベルにより創造権の拡大
・魔力消費による射出と回収
・発展アビリティ神秘の獲得
魔力放出
・魔力消費による身体能力の向上
妖精瞳
・厄を瞳で認識可能
◆獲得可能発展アビリティ
精癒
■ ■ ■
「ついでに魔法とスキル生えたるがな・・・
どする?セツナたんの人生(ファルナ)や、ランクアップするか?」
「んー、まだ!ステイタスをちゃんと伸ばさなきゃ意味ないってリヴェリア言ってたので!」
「せやな!ほな、このマジックポーション飲み?」
「んゆ?」
「必要なんやろ?その魔法。」
「ん!」
苦いポーションを悪戦苦闘しながら飲み干し、身体の内から満たされるのを感じつつ、ロキに手を引かれてアルフィア達の部屋へと向かう。
途中、黒髪の美人はヘラと言う女神であり、このファミリアは都市最強格なんやでーとか
ちょーと情報収集しとったらすんごい事になったなぁとか
フィン達の驚く顔が目に浮かぶわぁ、ぐふふとか言っていた。
「あら、セツナ、おかえり」
部屋へと入ると、アストレア様が優しく頭を撫でてくれた。
こころがふわふわします!耳が勝手にぴこぴこします!
でも安易に耳を動かすなとリヴェリアとリューさんが言ってたので気をつけてます!むずかしいけど!
そして、ヘラ様に挨拶と、アルフィアさん達に『病気』を治せる魔法が発現した事を告げる。
凄く驚いてたけど、まずはメーテリアにって言われたので、私は魔法を唱え始めた。
『今は遠き理想郷 黄昏より来たるは我が心
万の傷が 那由多の毒が 悪辣なら呪いが
感染せし悪意よ 世を蝕む瘴気よ
泉の癒しが全てを凌駕してみせましょう
たとえ力及ばずと言うのならば
たとえそれが運命と言うのねらば
抑止を壊し 天秤の秤を騙してみせましょう
どの様な不条理にも 同じく不条理にて返礼を
泉の虚より現れし 我が名はル・フェイ』
「理想郷の癒しを此処に(アヴァロン・ル・フェイ)」
身体の中なら大量の魔力が無くなり、直感で足りないと『わかる』絶対助けるんやと追加でちょっとやばそうなのも使うと魔法が発動した。
幾何学模様の魔法陣が幾つも現れ、それらが黄金の輝きを放ちながら回転、螺旋を描きながらメーテリアさんを包み込んだ。
部屋の中に暖かな風が満たされ、魔法の光が消え去った時
すっごい涙を流しながらメーテリアさんがありがとうっていっぱい伝えてくれて、
ちょーっとフラフラするなーってしてたら、アルフィアさんがこれを飲めってポーションくれて、
ロキ様が「最高級のデュアルポーション・・・だと!?」とか言ってたけど、飲んだポーションは甘くて凄く飲みやすかった。
暫く休んだら、『もういけるで』って『なにか』が判断して、アルフィアさんにも魔法を使うと伝えた。
何故か暫く目を閉じてから「よろしく頼む。もし治ったのなら・・・まぁこれは後で良いか」と言ってたり、ヘラ様が「ゼウスの・・・」とか言ってけど、私は再度、理想郷の癒しを此処に(アヴァロン・ル・フェイ)を唱えた。
『ちょっちやばくなるけど助けられる』と『わかって』私は躊躇さずに魔法を行使した。
アルフィアさんが魔法に包まれ、姉妹から黒いモヤが消えた事を確認すると、気がついたら全身からと口から溢れ出して血がみえーー
「セツナ!?」
くろくてしろくて稲穂の匂いに私は包まれた。
◆
血に伏すセツナをアルフィアは血になれるのを無視し、レベル6ステイタスを全快に銀糸の妖精を抱き抱え、その身体の『音』から状態を確認する。
魔力切れ、内臓に損傷、失血。
即座にエリクサーを飲ませ、振りかけ、最高級のマジックポーションも飲ませた。
室内の全員に無事である事と、身体を清潔にすると伝えアルフィアは部屋を後にする。
「ヘラ、アストレア。わかっとると思うけど、ええか?」
「かまわん。家族の恩人だ。我々は可能な限りロキ達の力となろう。」
「私も依存無いわ。何が誰が言おうとあの子は正義であり愛だわ。」
「おーきにな。」
「しかし、先程の魔法は、ただの回復魔法ではないな?」
「せーかい、あらゆる厄災を退けるらしいわ。魔力が足らんなら生命力も使うてな」
「そんな!それではまるで!」
ベットのメーテリアが声をあげるが、
「黙れ。生贄等ではない。あれはセツナたんの『献身』や。履き違えるなや。」
強い神威を放ちながらロキがメーテリアへと告げる。
「っ・・・邪推いたしました。お詫びいたします。」
すっと神威を沈ませ、ロキは優しく語りかける。
「まぁ、心配してゆーてくれたんわ、わかる。せやけど、今のオラリオでセツナたんがどれ程貴重か理解しとるな?」
室内の全員が頷く。若干エルフ一名がなにやらエルフ式の最敬礼だか祈りだか誓いだか「我が身を全て捧げる事を聖樹に誓おう」とかちょっと目がキマッている気がするが、通常であればイジリ倒したいがロキはスルーする事にした。
「なんや、ゼウスんとこの暴食いうた子供が調子悪そうにしとるらしいなぁ?」
「ちっ!声が漏れていたか、目敏い奴だな。」
「なんの計算か分からんけどな、見て分かったろうがレベル差でリスクの増減が見える。それも『ベヒーモスの邪毒』なんてもんがどれもどのもんか分かったもんやない。少なくともセツナたんがレベル3は無いと断るし、視界に入らない様する。勿論協力は?」
「はぁ・・・異存ない。しかし、血でアルフィア達の症状を抑えたと聞く。それはどうだ?」
「まぁそこらが妥協点やな。セツナたんが成長するまでは融通したる。せやけど解析は絶対にNG。飲むのはザルドのみ。必要最多限。守れるか?」
「ぬ、ゼウスとは話をしておく。当然漏れる様な馬鹿はせん。それで良いか?」
「ええで。金はめっちゃ貰うけど。」
「まぁ、まだまだ『弱小』ファミリアだものね。」
「けっ!すぐに追いつくっちゅーんや!ウチのフィン達が9だか10だかなったるねんな!!」
「相変わらず『口』だけは達者だな」
「むきー!!!」
アストレアが止めるまで、その喧嘩は終わりを見せず終いであった。
◆ 同刻 ヘラ・ファミリア 浴室
「なっ!これは!?・・・ふふ、『どっちも』なのか、お前は」
『恩人』を優しく丁寧に洗い上げ、意識の無いその小さな唇に白き静寂はそっと自身の唇を重ねる。
「決めた。誓った。セツナ、お前を『嫁』に貰う。
最強が奪いに来たとしても私が『護る』
こんなのを救ってしまったのだ。『責任』はとって貰うぞ?」
ヘラ・ファミリア所属
アルフィア 15歳
生来の持病より解き放たれた反動か、もしもこの場面と発現を前世のセツナが見たとしたら。きっと。
『ヤンデレのやべーやつですね。好物です。にっこり。』
割とお似合いなのかも知れなかった。
若干一、二名の王族と風エルフも厄介な感じにはなって居るが、
『悲劇ぶっころエルフ』は何も自覚なく、今日も明日も周りをかき乱す。
夢が叶い、未知と可能性が集うはダンジョン都市オラリオ!
これより紡がれるは、白き兎が来るまでの守護物語(シュバリエ・ミイス)
嗚呼素晴らしき!
嗚呼憧れる!
これこそが!此処こそが!彼の地こそが!
ダンジョンと神と人間織りなす
夢の世界である!
あ、普通に続きますんで