IS+1(インフィニット・ストラトス・プラスワン)   作:暇人の鑑

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最近、ISに関する反応集に感化されて、原作を読み返してたらつい描きたくなってしまいました。

突発的なもんですがお付き合いください。


第1話 僕と世界の前回までのあらすじ

「インフィニット・ストラトス」…… 通称「IS」。

 

 宇宙空間での活動を想定して開発された、パワードスーツの事。

 

だが、それを見た世界が抱いたのは、「無限の成層圏」への希望ではなく、「無限の軍隊」への渇望だった。

 

 各国が競い合うようにして新兵器を作りだし、腹を探り合い。

 

 それを動かすデモンストレーション…「戦争」を求めるようになってしまった。

 

 10年の月日を経て、スポーツ競技の一種として落ち着いたとは言うが……要は、宣伝の場所が戦場から競技場へと変わっただけである。

 

 

 また……いや、平穏を装う日常の中では、こちらの方が注目されたが、なぜかこの「IS」は女にしか使えない。

 

 たとえ使えない女がいても、使える男がいないのだ。

 

 男と女で戦争すれば、女が間違いなく勝つ…‥と言えるほど、兵器として見たISの存在は大きかったのだ。

 

 それにより、世界の男女のパワーバランスが一瞬にして女に傾き、今や「男女平等」など絶滅危惧種。

「女尊男卑」……どう見てもISなんて微塵も関係なさそうな人に至るまで、この考えが一般化してるのだ。

 

 と、ここまでこの世界の有様を、この世界において大した役回りもない筈だった僕が、ざっくりと思い返していたんだけど……

 

 

 いや、その役回りは、先日世界で初めてISを動かした男である、「織斑一夏」のものだったはずなのに。

 

 

「………」

 その織斑一夏が、僕が今着ている学生服……「IS学園」の制服と同じものを着て、IS学園の教室における僕の前の席で、冷や汗を流していた。

 

 

 

 そう、つまりこの僕「輝戸 流良」(きど さすら)もまた、世界で2番目のISを動かせる男になってしまったのである。

 

 

 

 

 なぜ僕が、そんな妙なことになったかと思い返せば……数週間前のことだった。

 

 

 

 世界で初めて、ISを動かせる男が現れたことを騒ぐニュースを聞き流しながら、キーボードを叩く。

 

 肌寒い2月にしては、珍しく陽気が心地よかったので外で作業をしていたのだ。

 

 そうしているうちに、僕を呼ぶ声がしたので顔を上げると、そこには同じゼミの友達が。

 

「こんなところにいたのか……って、それもしかして、また教授から何か押し付けられた?」

「そんなとこ…ホント、生徒遣いがあらいよ」

 

 僕のパソコンに映る文字列を見て、うへえ、と言わんばかりな顔をしてくる。

 

「まあ、私たちの中で一番プログラミングできるのは流良だもんね」

「そうそう、だから俺の課題も代わりにやってくれるって話だし」

「え、何だよそれ⁉︎」

「気にしなくていいわよ。いつものコイツの冗談なんだから」

 

 他愛もない会話で、学校の外に備え付けられたテーブルテラスを囲みだした僕らの話題は、また僕のパソコンの中から生み出される。

 

 

「にしても…とうとう出てきたんだな、ISを使える男。

 

 しかも俺たちと同い年だ」

「そうそう…すごいわよねー」

「なんかこう、すぐ近くで起きたことなのに、夢物語みたく思えちゃうよ」

 

 ネットニュースで流れる、世界で初めてISを動かした男「織斑一夏」の、今後の処遇についての話だが……ISを使えない僕らからしたらよその国の出来事のようだ。

 

 だが、そんな風に対岸の火事を決め込んでいた報いとも言うべきか。

 

 

 

 談笑の声の中に、明らかに談笑のそれではない轟音が響き渡り、その音源へ僕達が近づくと。

 

 

「………これ、確かISだよな」

「ええ……たしか、打鉄?だったわよね」

 そこには、鋼鉄の鎧‥‥まさに、さっき話題にしていたISを纏った女性が、小さなクレーターの中心で、気を失っていた。

 

 

 目の前で死なれたら夢見が悪いと、早速僕らはその救助に向かい。

「何でこうなってるのわかんないけど、とにかく救助しないと!」

「そうだな……大丈夫ですかー⁉︎」

 

 

 軍用機の脱出機能みたいなものがないかと、僕はそのISに触った瞬間。

 

 

 

「………⁉︎」

「え、流良⁉︎」

「ISが、反応した…!」

 

 ISが光を放ち出し、僕もまた、その日常をガラリと変えられてしまったのだった……。

 

 

 

 

 

 あの後はもう大変だった。

 

 2番目と言うことで、織斑一夏ほどではないもののニュースで取り上げられ、連日報道陣が押し掛けてきたり。

エスカレーター式で上がれたはずの進路先をほぼ強制的にここにされたり、挙げ句の果てにはモルモットのお誘いだ。

 

 

 そんな激動の日々も、今思えば有名人にでもなったようで………と、追憶に浸っていた僕だったが、ふと殺気を感じて後ろを振り向くと。

 

 

「いっー⁉︎」

 

 パァン‼︎という炸裂音と共に、1人の女性が僕の前に現れていた。

 

 その人は黒のスーツにすらりとした長身。

 鍛えられてるのがわかるボディラインに、狼を思わせる鋭い吊り目。

 

 さながら……

 

「げえっ、関羽⁉︎」

「誰が三国志の英雄か、馬鹿者」

 

 2度もぶった⁉︎親父にもぶたれたことないのに!

 

 だが、その振る舞いは昭和の頑固親父と言って差し支えないような気がしてくる。

 

 目の前で悶絶している哀れな子羊に同情を禁じえずにいると、それまで音頭をとっていた小柄な女性が。

 

「あ、織斑先生。会議はもう終えられたんですか?」

「ああ、山田君。クラスの挨拶を押し付けてすまなかったな」

 

 さっきまで、推定一回り年上とは思えない童顔に、涙目を見せていたこの山田真耶と言う人は、どうやら本当に教師だったらしい。

「い、いえっ!副担任ですからこれくらいしないと……」

 

……何というか小動物にしか見えないが、まあ気のせいなんだろう。

 

 そんな訳で山田先生と当たり障りのないやりとりをした織斑先生は、教壇に立ち。

 

「諸君、私が織斑千冬だ。

 

 君達新人を一年で、使える操縦者に育てるのが私の仕事だ。

 

 私のいうことはよく聴き、よく理解しろ。

 

 出来ないものには出来るまで指導してやる。

 

 私の仕事は弱冠15歳を16歳までに鍛え抜くことだ。

 

 逆らってもいいが、私の言うことは聞け。良いな」

 

 と、自己紹介なんだか暴力宣言だかわからないことを言い出したが、実際さっきの2連打を見てるので、下手なことは言うまい。

 

 

 だが、沈黙を決めた僕の周りでは……黄色い声援が響いた。

 

 

「きゃあああ‼︎千冬様、本物の千冬様よ!」

「私、お姉さまに憧れてこの学園に来たんです!北九州から!」

「あの千冬様にご指導いただけるなんて、嬉しいです!」

「私、お姉さまのためなら死ねます!」

 

 まるで、スーパースターかNo.1ホストに騒ぐ観客であり、その姦しさと熱狂っぷりには、流石の鬼軍曹も鬱陶しそうである。

 

「………毎年、よくもこれだけ馬鹿者が集まるものだ。感心させられる。

 それとも何か?私のクラスにだけ馬鹿者を集中させてるのか?」

 

 だが……その文言はこの場においてはリップサービスのようなものだ。

 

 

「きゃあああああっ!お姉様、もっと叱って!罵って!」

「でも時には優しく、そしてつけあがらないように躾をして〜‼︎」

 

 ほらね。

 

 だが…この黄色い歓声が全く理解できないわけではない。

 

 この人……織斑千冬と言えばISに関わった人間なら誰もが聞くであろう名前だからだ。

 

 第一世代IS操縦者の元日本代表で、公式試合の戦歴は無敵……まさに生きる伝説みたいなものである、と教科書にあった。

 

 と、そんな名乗りをあげた織斑先生は話題を戻すようで。

 

「で?挨拶もまともに出来んのか、お前は」

 なかなかに辛辣な態度だが、一体僕の前ではどんな自己紹介をしたんだろう?

 後で教えてもらうとしよう。

 

「いや、千冬姉?俺は」

「織斑先生と呼べ」

 と、またも強烈な一撃を食らっていたが、その光景を見てクラス中が沸き立つ。

 

「え……?織斑くんって、あの千冬様の弟…?」

「ああっ、いいなあっ。代わってほしいなあっ…」

 

 

 いや、流石に同じ苗字だし、顔立ちは似てるから何となく想像がつきそうなものだけど……まあ、恋は盲目なのかもしれない。

 

 

 と、そんなやり取りの中でチャイムが鳴った。

 

「さあ、ショートホームルームは終わりだ。諸君らにはこれからISの基礎知識を半月で覚えてもらう。

 その後実習だが、基本動作は半月で体に染み込ませろ。

 

 いいか?良いなら返事だ。よくなくても返事だ、とにかく私の言葉には返事だ。いいな?」

 

 

 そして、ここで衝撃の事実を話そう。

 

 自己紹介、なんとクラスの10%くらいしかしてないんですよ。

 

 

 休み時間と言えば、友達とくだらないことを駄弁ったり、次の授業の支度をしたり、トイレに行って用を足したりと、基本的には自由な時間だ。

 

 自由な時間のはずなのに…………

 

「やっぱ視線がすごいよな」

「これじゃあ客寄せのパンダだよ」

 

 僕ら2人には、その他多数の女性陣が遠慮なしに降り注がれており、休む事さえできない状態だった。

 

 

「にしても、すごい音だったけど頭は大丈夫?」

「昔からよく食らってたけど、大丈夫じゃないぜ……お前も食らってみるか?」

「遠慮しとくよ」

 

 それによる親近感か、共通の敵を前にした一時休戦か。

 

 必然的に男2人で固まらざるをえなくなり、それまで大した会話もないのに、もうこの打ち解けようである。

 

 ゼミのみんなに、土産話を催促されていたが…是非ともこの針の筵の体験録を聞かせてやろうと心に決めていたところで、1人の女子がやってきた。

 

「ちょっと良いか」

 挨拶もなしにメンチを切ってきたその子は、ポニーテールで吊り目、かなり鍛え込んでるとわかる体つきで……どことなくさっきの織斑先生を思わせるが…ガチの化け物を見た後だと、お化け屋敷のお化けみたいで可愛いものである。

 

「えっと……どっち?」

 

 とりあえず、どっちに用があるかわからないので聞くと、視線を一夏の方に向ける。

 

「俺か?別に良いけど……あ、コイツは篠ノ之箒。幼なじみなんだ」

「余計なことは言わなくていい!いいからくるんだ!」

「あ、おい!引っ張るなって……」

 

 そうして篠ノ之さんは、一夏を引っ張ってどこかに行ってしまった。

 

 意味がわからないが、とりあえず抜け駆けでこの空気から脱出した感じになる。

 

 取り残された僕はどうしようかと考えて……とりあえず、最近作ったペットロボットの調整をしようと鞄を漁っていると。

 

 

「ちょっとよろしくて?」

 と、また1人の女子が僕の目の前に現れた。

 

 




はい、いかがでしょうか。

一応キャラ設定を。

輝戸 流良(きど さすら)
身長165cm 体重55kg
年齢15歳 誕生日5月18日
茶髪 
瞳 菫色
趣味 電子工作 プログラミング

オリ主。
世界で2番目にISを動かしたこと以外は普通の少年。
普段は温厚で柔和だが、偶に言葉に遠慮がなく、興味が湧くものとわかないものではっきりやる気に差が出るグータラ気質。

キャラのイメージはほぼ「キラ・ヤマト」そのまま。

友人達。
流良が通っていた中高一貫の工業カレッジの同級生達。
同じゼミに所属していて、流良がIS学園に行った後も連絡を取り合うほど仲が良い。

以上となります。
次回はオリ主の専用ISを出します。
まあ、どんな機体かは大体察しがつくかと思いますが…楽しみにしていただけると幸いです。

それでは、よろしくお願いします!
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