IS+1(インフィニット・ストラトス・プラスワン) 作:暇人の鑑
一応この林間学校は各種装備の運用試験を目的としてはいるが……ストライクの装備は定期的に届いていた上に、面倒なので届くごとに先輩達に手伝ってもらいながら運用試験もやっていた。
更には、サブフライトシステムでさえ今朝にやった今、僕が何をしてるかと言えば。
「てえええい!」
「………!」
折角Xナンバーズが揃ったので模擬戦でも、と言うことになったのだ。
因みにISとMSの性能差を考えて、3対1での戦いである。
グゥルから飛び出し、サーベルを振りかぶったデュエルの、ビームサーベルの先端だけをすれ違いざまに切り取る。
その勢いのまま踏み台にしても大した威力にはならないので、足のバーニアだけで瞬時加速。
アイシャさんとの試合の時にもやったバク宙の動きをとり、勢いのままデュエルの背中を全力で踏み抜くのをバネに、もう一度瞬時加速を使用した。
「ぐああっ⁉︎」
デュエルを海面に叩き落とし、その勢いのまま今度はブリッツに迫る。
「やりますね……でも!」
毒づきながらもライフルを連射してくるが……シールドで防御。
スピードを緩めないまま肉薄し、盾を上に放り投げる。
「何…⁉︎」
「えええい!」
そちらに視線が写った一瞬のタイミングで、おなじみの前蹴りを食らわせた。
「うわああああ⁉︎」
「ニコラス⁉︎くそ、ならコイツを食らいな!」
吹き飛ばされたブリッツにめもくれず、グゥルを破壊しようとするが……そこにバスターがグゥルごと連結ライフルの餌食にしようとしたので、慌ててグゥルを足場にして高く飛び上がる。
そうして撃ち抜かれたグゥルから吹き出した爆炎に紛れてストライカーパックをランチャーに換装。
「クソッ、爆炎が……って、高エネルギー体反応⁉︎」
撃ちかけたガンランチャーを避ける為に、爆炎の外に出てきたところへ、アグニを撃ちかけ……バスターが乗るグゥルを貫いた。
sideアスラ
「ぐぬぬ……何なのだあの動きは!」
模擬戦を終え、今度はカガリがルージュの試し乗りをやるとのことで、俺達は観戦することになったが……アイザックはよほど悔しかったのか、流良に詰め寄っていた。
「いや、何って……普通に動かしてたんだけど…」
「任務で何度かISとやり合ったことはあるが……流石にこれほどじゃなかったぜ?」
「そうなの?」
ディアスカの少し引いたような声に驚きの声をあげる流良。
ISとMSで、できることの量が違うとは言え、同系列機である為、ハードの性能はあまり大きな差がない。
つまり、あの試合からさらに腕を上げていたということだ。
……まあ、流石に任務で当たった第二世代の量産機と、第三世代の最新鋭かつ、OSもゴリゴリにいじってあるであろう流良のストライクでは一口でISと言っても、大きく差が開けると言うものである。
「…‥でも、そうなると専用機相手はやっぱり厳しいね。
Xナンバーズ用に新しくOSを組んだほうがいいかな?」
「それなら、スペックのデータを渡すから、参考にしてみてくれ」
果たして今のストライクに俺は勝てるのか?
一抹の不安と、兄として接してきたものとしてのプライドに揺れながら、俺はカガリの元に向かった。
「アスラ!早速手伝ってくれ!」
「じゃじゃ馬が過ぎる……」
side流良
「なんか、初めてストライクのデータを見た時を思い出すな…」
「あらあら……なんだか楽しそうですわね」
「うわぁ!」
パソコンに読み込んでいた僕は、後ろからキュナスさんが覗き込んできたのに驚きの声を上げてしまう。
「軍関係者でもないなら、流石に見るのはまずいんじゃ……」
「ならせめて、お隣に失礼しますわね」
そうして隣に座った彼女は、ピンクのハロとトリィが戯れているのを楽しそうに眺めている。
その光景にセラピー的なものを感じつつ、僕は読み込んだデータの確認を始めた。
「まずはデュエルからだ…」
デュエル
和名 決闘
型式 MRP-X102
世代 第二世代(IS化時)
国家 オーブ首長共和国
分類 汎用機
装備
・高エネルギービームライフル×1
・ビームサーベル×2
・頭部バルカン「イーゲルシュテルン」×2
・ビームライフル内蔵型グレネードランチャー×3
・無反動砲「ゲイボルグ」×1
・耐ビームコーティングシールド×1
・水風力発電ジェネレーターx1
・循環型水風力駆動推進装置
・大容量小型コンデンサー×1
装甲
・電圧式相転移装甲(PS装甲)
備考
・増加装甲「アサルト・シュラウド」
・IS化
解説
モルゲンレーテがISの登場を受けて開発したMSにおいて、最初期に開発された機体であり、「Xナンバーズ」の基準を明確にした機体でもある。
汎用性と運動性に優れた機体であると同時に、同社の開発した武装のテストベッドとしての側面もあり、それ以降の機体の武装は本機に搭載されている武装の発展型とも言える。
元はISをもとに作られたこともあり、ISのコアを搭載することでISとしても運用可能。
いわば、オーブのMSやISの母体とも言えよう。
アサルトシュラウド
分類 増加装甲
装備 肩部レールガン「シヴァ」
肩部5連装ミサイルポッド
脚部増加バーニア
デュエル以降の機体と比べて、火力の不足を懸念されたことから生み出された増加装甲。
主に実弾兵装を追加されているが、それはPS装甲とビーム兵器に使う電力を損なわない為であり、追加装甲にPS装甲が使われていないのも同じ理由である。
また、装甲の増加に伴う機動力の低下を補う為に、脚部に追加でスラスターを設けられている。
バスター
和名 暴風
型式 MRP-X103
世代 第二世代(IS化時)
国家 オーブ首長共和国
分類 遠距離射撃機
武装
・高エネルギー収束ライフル
・ガンランチャー
・6連装ミサイルポッド×2
・対装甲拡散弾(ガンランチャーを前にしての収束ライフルとの連結時に使用可能)
・超高インパルス高射程狙撃ライフル(収束ライフルを前にしてのガンランチャーとの連結時に使用可能)
・水風力発電ジェネレーターx1
・循環型水風力駆動推進装置
・大容量小型コンデンサー×1
・火器用サブジェネレーター×1
・予備電源×2
装甲
・電圧式相転移装甲(PS装甲)
備考
・連結機構
・IS化
解説
デュエルに続くXナンバーズ2番目の機体。
運動性と汎用性を重視したデュエルに対して、こちらは火力による支援砲撃をコンセプトにして開発されている。
ガンランチャーからは徹甲弾や粘着榴弾など、さまざまな種類の弾丸を射出できる上に、ミサイルによる弾幕の展開、ライフルによるミドルレンジの射撃、連結することにより威力を増した射撃など、さまざまな射撃を行うことができるが、その反面接近戦用の武装を一つも積んでおらず、支援機として割り切っている。
また、バッテリーの消費が一番激しい機体でもある為、武器用のサブジェネレーターや、予備電源を搭載している。
ブリッツ
和名 電撃
形式 MRP-X207
世代 第二世代(IS化時)
国家 オーブ首長共和国
分類 近接格闘機
武装
・攻盾システム「トリケロス」×1
・トリケロス内蔵ビームライフル×1
・トリケロス内蔵ビームサーベル×1
・3連装超高速運動貫徹弾「ピアサーロック」×1
・ロケットアンカー「グレイプニール」×1
・水風力発電ジェネレーターx1
・循環型水風力駆動推進装置
・大容量小型コンデンサー×1
装甲
・電圧式相転移装甲(PS装甲)
備考
・ステルスシステム「ミラージュコロイド」
・IS化
解説
デュエルとバスターに続く3番目に開発された、敵陣深くへ忍び込んでの電撃侵攻を目的とした機体。
攻防一体の武装であるトリケロスや、敵の捕縛やワイヤーによる急接近などに用いることが可能なグレイプニール、貫通力に優れたピアサーロック等、他の機体にはない試験的な装備が多い。
ステルスシステム「ミラージュコロイド」
機体表面に特殊な粒子を付着させることで、姿を消すことができるようになるシステム。
隠密行動や破壊工作などに用いられるが、電力の消費が膨大となる為、PS装甲との併用は不可能。また、その消費量がネックとなりブリッツのビーム兵器は他の4機と比べると火力が低いと言う課題も発生している。
イージス
和名 盾
型式 MRP-X303
世代 第3世代
国家 オーブ首長共和国
分類 万能型強襲機
武装
・高エネルギービームライフルx1
・耐ビームコーティングシールド×1
・頭部バルカン「イーゲルシュテルン」×2
・本体接続型ビームサーベル×4
・腹部高インパルス砲「スキュラ」×1
・頭部センサーユニット
・水風力発電ジェネレーターx1
・循環型水風力駆動推進装置
・大容量小型コンデンサー×1
装甲
・電圧式相転移装甲(PS装甲)
備考
・非IS化
・腰部ウイングバインダーx2
解説
あらゆる距離において高い戦闘能力の維持と言うコンセプトのもとに生み出された機体であり、名前に反してXナンバーズ5機の中では一番攻撃的で「攻撃は最大の防御」と言わんばかりのものとなっている。
遠距離では大火力の「スキュラ」、中距離ではビームライフル、近距離では手足4本に接続されたビームサーベルと、対空防御や牽制に使用可能なバルカン「イーゲルシュテルン」など、豊富な攻撃手段を取り揃えており、シールドにすら先端による刺突が可能と言う徹底ぶりを見せている。
また、頭部には大型のトサカのようなセンサーが付いており、これによりリアルタイムの戦況確認と僚機への指示が可能となるほか、戦術網の構築まで行える指揮官機と呼ぶべき機体となっている。
しかし、バッテリーを消費するビーム兵器が殆どという仕様上、バスター以上に電力管理が難しく、また武器が多すぎるが故に扱い切れるパイロットがアスラだけという、欠陥を抱えてしまう。
これによってオールインワンから武装や装備の変更による戦局への対応と言う風にモルゲンレーテの機体開発方向がシフトされ、災害救助用のパワードスーツとして開発されていたストライクを、Xナンバーズへと組み入れる際に換装機構を取り入れるきっかけとなった。
ウイングバインダー
イージスの両腰に取り付けられている稼働補助ユニットであり、本機を第3世代たらしめるイメージインターフェースである。
姿勢制御や高速機動に用いる万能性を持つ。また、どちらにも補助バッテリーを搭載されていることで、イージスの稼働時間の確保に貢献している。
ストライクルージュ
和名 攻撃・紅
型式 MRP-S01
世代 第3世代
所属 オーブ首長共和国
分類 換装型汎用機
武装
・頭部バルカン「イーゲルシュテルン」×2
・高エネルギービームライフル×1
・展開式対装甲ナイフ「アーマーシュナイダー」×2
・耐ビームコーティングシールド×1
・水風力発電ジェネレーター
・循環型水風力駆動推進装置
・大容量バッテリーパック「パワーエクステンダー」
・学習型戦闘補助AI
装甲
・電圧式相転移装甲(PS装甲)
備考
・ストライカーパックシステム
カガリ・ミラ・アシタの専用機であり、モルゲンレーテ初の完全なIS。
代表首長の娘の専用機ということもあり、試作機を表す「X」ではなく、特別な役割を持つ機体に与えられる「S」を冠している。
基本的な武装や機能、ストライカーパックシステムなどはストライクと全く同じだが、最新型の大容量のバッテリーパック「パワーエクステンダー」の搭載により稼働時間の延長と、電力をよりPS装甲の強度に回すことができるようになっており、紅と淡紅色のカラーリングとなったのもそれが理由である。
また、パイロットのカガリが戦闘経験が皆無な為、戦闘補助AIを搭載し、ある程度の操縦の簡略化を図っている。
データを読み終わった僕は、深夜テンションみたいな状態で作業方針を決めていく。
「今のOSがどんなのかが知りたいな……あと、例えいじったとしてもどれくらい動かせるかがわからないし、一回ストライクのOSで動かしてもらった方がいいかもしれない……」
やはり僕は、戦いよりも技術畑にいた方が心が躍るようだと実感しつつ、通りかかったニコラスに早速頼もうとした時。
『輝戸、ただ今よりIS学園教師陣は特殊任務行動に移る。
訓練は中止だ。アスラ・ザラン以下4名と共に花月荘最奥部にある宴会場『風花の間』に大至急集合しろ」
織斑先生からの緊急通信が届き、その場にいた全員が顔を見合わせた。
いかがでしたか?
イージスは本来可変機ですが、あんな複雑なものを人体でできるわけがないので、今作では非可変の万能型機体とさせていただいております。
次回からはいよいよ銀の福音との戦いに突入していきますので、お楽しみに!