機動戦士ガンダムSEED DESTINY 未来に繋ぐ希望の翼   作:Please

1 / 9
PROLOG

C.E.71

 

オーブ連合首長国

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

如何なる時も中立を貫くこの国は今、戦火に覆われていた。

 

 

 

その理由は大西洋連邦軍が宇宙へ上がる為、オーブのマスドライバー施設を狙って進攻してきたからである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハァハァハァ…」

 

 

オーブと地球軍が戦闘を繰り広げている最中、俺は“知り合い”とその家族を探しに戦場となっている山道の中を走っていた。

 

 

 

俺の名前はレツ・ユウキ。

 

コーディネイターだが、オーブは中立国である為、整備士の両親と一緒に平穏に暮らしていたが、現在の戦闘が開始される前の避難警報を聞き、家族三人で避難目標であるオーブ軍の施設へ避難していた。

 

 

しかし、知り合いの家族の姿が見当たらない為、まだ到着していないと思った俺は両親の制止を振り切って探しに戻ったのだ。

 

 

 

 

 

しばらく山道を走っていると、向こうから俺と同じ年齢の少年とその家族がこっちに向かって走ってくる。

 

 

 

 

 

同じ年齢の少年の名前はシン・アスカ。

 

俺の友人で家も隣同士である為、幼い頃から一緒に遊び、同じ学校に通っていた。

 

 

 

母親に手を引かれながら走っている少女はマユ・アスカ。

 

シンの妹で彼女ともよく一緒に遊ぶほどに仲が良く、俺を兄のように慕ってくれている。

 

 

 

 

 

「シン!マユちゃん!」

 

 

 

 

 

俺はシンとマユちゃんの名前を呼びながら4人に駆け寄る。

 

 

「レツさん!」

 

「レツ!?お前、なんでここに?」

 

「お前やマユちゃん達の姿が見えないから探しに来たんだよ」

 

 

俺の姿を確認したマユは喜び、シンと互いの無事を喜び合っている最中、シンの父親であるおじさんが俺に話しかけてくる。

 

 

「レツくん。君が向こうから走ってきたという事は……」

 

「はい。俺の両親はもう避難してます。おじさん達も早く!」

 

「わかった。急いで向かおう」

 

 

シン達と合流を果たした俺は、彼らと一緒に軍港に向けて再び走り出す。

 

 

 

しかし………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あー!マユの携帯!」

 

 

おばさんに手を引かれて走っていたマユちゃんが躓き、鞄に入れてあった携帯電話を坂の下へ落としてしまう。

 

 

「そんなのいいから!!」

 

「いやー!」

 

 

おばさんに握られている手を振りほどいてでも携帯を取りに行こうとするマユちゃん。

 

彼女がそこまでして携帯を取りに行こうするには理由があった。

 

その理由は携帯に取り付けているストラップには俺がマユちゃんの誕生日にプレゼントしたものも含まれており、それが嬉しくて大切に持ってくれているからだ。

 

 

 

それに気付いた俺はマユちゃんの携帯を取りに坂を下ろうするが、シンが先に坂を降りてマユちゃんの携帯を拾い上げる。

 

マユちゃんの携帯が無事である事を伝えるように携帯を持っている手を振るシンを確認して安心するが………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それを打ち砕くように、ビームの流れ弾が俺とマユちゃん達の方に迫っており、今から逃げても間に合わない。

 

俺は咄嗟にマユちゃんを守るように前に立って両手を広げる。

 

 

「レツさん!!」

 

 

ビームの閃光が迫り、マユちゃんの声を聞きながら俺は静かに目を閉じる………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………しかし、いつまでも経ってもビームによる熱さや痛みは感じない為、俺とマユちゃん達は一瞬で死んだのかと思いながら目を開けると………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこには一機の翼を持つモビルスーツが俺達を守るように背を向けて浮いている。

 

 

「あれは……」

 

「レツ!マユ!父さん!母さん!」

 

 

俺達と駆け寄ってきたシンは目の前のモビルスーツを気にしながら見ていると、こっちに向かって走ってくるオーブ軍の兵士達に気付く。

 

 

『早く彼らを連れて行け。急げ!』

 

 

モビルスーツのスピーカーから発する若い少年らしき声を聞いた俺は驚愕する。

 

 

「(まさか、俺達と同じくらいの若いパイロットがあのモビルスーツを………)」

 

 

 

「早くこっちに!」

 

「急いで!」

 

 

オーブ軍の兵士達の誘導を受けながら軍港に向け、俺達は再び走り出す。

 

その間俺とシンは、俺達を危機から救ってくれた翼を持つモビルスーツが戦場に向かって飛び去っていく姿を軍港に向かう最中、その姿が見えなくなるまで目を離す事はなかった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。