機動戦士ガンダムSEED DESTINY 未来に繋ぐ希望の翼 作:Please
謎の紫色のモビルアーマーと戦艦が現れた直後、謎のモビルアーマーが俺達に向けて攻撃を仕掛けてくる。
その攻撃にインパルスは動くことができず、紫のモビルアーマーに苦戦している。
シンを救援する為、スピリットでインパルスの前に割り込んで敵のビーム攻撃をシールドで防ぐ。
『レツ!』
「何ジっとしてるんだ!落とされるぞ!」
『レツの言う通りだ!ボーっとしていたらただの的だ!この敵は普通とは違う!』
通信を終えたレイは落ち着いた様子で紫のモビルアーマーと交戦を開始する。
紫のモビルアーマーは4連装のビームで白ザクを攻撃してくるが、白ザクはそれを回避してビーム突撃銃で応戦する。
『レイ!』
インパルスはヴァジュラ・ビームサーベルを抜いて紫のモビルアーマー に接近しようとするが敵のビーム攻撃に困難している。
援護の為に高エネルギーライフルを紫のモビルアーマーに向けて撃つが、機動力を活かした素早さで回避されてしまう。
白ザクと紫のモビルアーマーの交戦が続くと思いきや、突然紫のモビルアーマーが撤退していく。
撤退する紫のモビルアーマー警戒しながら見ていると………
「あれは…」
『ミネルバ?』
アーモリーワンからミネルバが現れ、帰還信号を出してくる。
『帰還信号?なんで!』
『命令だ』
「そうだな。戻るぞ」
俺とレイは納得のいかないシン連れてミネルバの方へ向かう。
その間、ミネルバは謎の戦艦に向けてミサイルで攻撃を行う。
謎の戦艦がバルカン砲でそのミサイルを迎撃している間に俺達はミネルバに帰還する。
無事にミネルバに帰還し、モビルスーツデッキに到着した俺はスピリットから降りて次に備えていると、突然ミネルバが揺れ始める。
「な、なんだ!?」
敵の攻撃なのか、全員がその揺れに動揺していると、しばらくして副長の艦内放送が流れてくる。
『全艦に通達する。本艦は此より更なるボギーワンの追撃戦を開始する。突然の状況から思いもかけぬ初陣となったが、これは非常に重大な任務である。アーサー 各員、日頃の訓練の成果を存分に発揮できるよう努めよ』
ボギーワン…俺達が紫のモビルアーマーと戦っている時に現れたあの戦艦の名前か。
とにかく、次の方針が決まった俺達ミネルバ一同は、ボギーワン追撃の為、行動を開始する事になった。
ボギーワンの追撃の最中、モビルスーツデッキを巡回していると……
「シン~。レツ~」
赤ザクのコックピット前にいた赤い髪の少女がこっちに向かって手を振りながら呼びかけてくる。
少女の名前はルナマリア・ホーク。
ミネルバに所属するモビルスーツのパイロットで、俺、シン、レイとは士官学校の同期である。
アーモリーワンでの戦闘に参加していた赤ザクのパイロットでもある。
俺とシンは通称としてルナと呼んでいる。
ルナに近付いて雑談をしていると、ルナからある事を聞かされる。
「オーブのアスハ!?」
ルナから聞いたある事とは、オーブ連合首長国の代表首長を勤めるカガリ・ユラ・アスハがこのミネルバに乗っているという事だ。
「確かなの?それ」
「うん、あたしもびっくりした。こんなところで大戦の英雄に会うとはね」
それを聞いたシンは顔を険しくさせる。
俺はその理由を知っている為、あえてシンに声をかけず、ルナに他の気になる事と質問する。
「ところで、あの片腕だけのザクってミネルバ配備の機体じゃないよな?乗ってた人は?」
「操縦してたのは護衛の人みたいよ。アレックスって言ってたけど」
アレックス…一体どんな人なんだろう?
「でも、アスランかも」
「「え?」」
アスラン。
その名前を聞いた俺とシンは驚愕する。
「代表がそう呼んだのよ、咄嗟に。その人のことをアスランって」
ルナの話を聞きながら、彼が操縦していたザクの戦闘を思い出す。
「アスラン・ザラ。今はオーブに居るらしいって噂でしょ?」
「アスラン・ザラ…」
「オーブに…」
アスラン・ザラ。
元クルーゼ隊所属で、あのストライクを互角の戦闘を繰り広げたエリートパイロット。
行方不明だと聞いていたが、まさかオーブに…。
「…あっ。シン。レツ。あれ」
ルナが何かに気付き、彼女が向ける視線の先を見てみると、ギルバート・デュランダル議長、レイの二人がアスハ代表と護衛のアレックスさんを連れてモビルスーツデッキに入ってくる。
ギルバート・デュランダル
元プラント最高評議会議長パトリック・ザラが亡くなった後に新たに就任した人物で、パトリック・ザラとは違ってナチュラルへの偏見や差別意識等は一切持たず、地球側との融和策を採り、戦争の痛手で混迷するプラントをまとめ上げる等、就任早々より辣腕を振るっている為、市民からの信頼も高い。
「ZGMF-1000。ザクはもう既に御存知でしょう。現在のザフト軍の主力の機体です。そしてこのミネルバ最大の特徴とも言える、この発進システムを使うインパルス。工廠で御覧になったそうですが」
「…はい」
ミネルバに配属されているモビルスーツの説明をしているデュランダル議長に対し、黙ってモビルスーツを見ているアスハ代表に代わってアレックスが返事をする。
「技術者に言わせると、これは全く新しい効率のいいモビルスーツシステムなんだそうですよ。私にはあまり専門的なことは解りませんがね」
説明を終えたデュランダル議長に、さっきまで黙っていたアスハ代表が口を開く。
「だが!ではこのたびの事はどうお考えになる!あのたった3機の新型モビルスーツのために、貴国が被ったあの被害のことは!」
「代表…」
問い詰めるようにデュランダル議長に話しかけるアスハ代表を止めるようにアレックスさんが声をかけるが、止まる様子がない。
そんなアスハ代表の話をデュランダル議長は落ち着いた表情で聞いている。
「…だから、力など持つべきではないのだと?」
「そもそも何故必要なのだ!そんなものが今更!」
更に議長を問い詰めるアスハ代表。
そんな様子を見ていると、俺とルナの近くにいたシンの姿が見当たらないことに気付く。
周辺を見渡してみると、俺達とは少し離れた場所でアスハ代表達に背を向けて顔を伏せている。
「我々は誓ったはずだ!もう悲劇は繰り返さない!互いに手を取って歩む道を選ぶと!」
モビルスーツデッキに響き渡るアスハ代表の声。
アスハ代表の言う事も一理はあると思うが、力を持たないと守れないものもあるし、救えないものもある。
平和を思う気持ちはわかるが、だからといって力を否定するアスハ代表の発言には納得がいかない。
力を否定するという事は、軍に所属している俺達の存在を否定されているように思うからだ。
「それは…しかし姫…」
尚も問い詰めるアスハ代表に議長が声をかけようとした時……
「さすが綺麗事はアスハの御家芸だな!」
モビルスーツデッキに別の声が響き渡り、その声がした方を見てみると。
「シン!?」
発言したのはヴィーノの近くにいたシンで、さっきのアスハ代表の発言が我慢できなかったんだろう。
そのシンは、アスハ代表に振り向いて怒りの視線を彼女に向ける。
そんな最中………
『敵艦捕捉、距離8000、コンディションレッド発令。パイロットは搭乗機にて待機せよ』
ボギーワンを見つけたのか、艦内放送がモビルスーツデッキに響き渡る。
「最終チェック急げ!始まるぞ!」
さっきのやり取りは気になるが、とりあえず次の指示に備える事にした。
『ルナマリア・ホーク、ザクウォーリア発進スタンバイ。全システムオンライン。発進シークエンスを開始します。
インパルス、スピリット発進スタンバイ。モジュールはブラストをセット。シルエットハンガー3号を開放します。プラットホームのセットを完了。中央カタパルトオンライン。気密シャッターを閉鎖します。コアスプレイダー全システムオンライン。発進シークエンスを開始します。ハッチ開放。射出システムのエンゲージを確認』
発進準備を行い、モビルスーツがカタパルトへと移動していく。
『ルナマリア・ホーク、ザク、出るわよ!』
先に赤ザクが発進し、次はインパルス、そしてスピリットの番が回ってくる。
『続いてスピリット、発進どうぞ』
『レツ・ユウキ、コアスプレイダー、行きます!』
コアスプレンダー2号機を発進させ、スピリットに合体させ、ブラストシルエットを換装させる。
その後は、先に出撃した赤ザク、インパルス、そしてスピリットの後に出撃したゲイツ2機と一緒にボギーワンの反応がある場所へ急行するのであった。