異世界ダンジョン飯   作:一般通過炎竜

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Q,イツキ正直カブルーとキャラ被ってね?
A,あそこまで対人強くないです

誤字報告ありがとうございます。ダンダンがガンガンになってたりして流石に笑いました。


第六話『新たな仲間』

「イツキ!そっちにスケルトンが3体行った!」

「はい!」

 

「イツキ、怪我は治った?」

「はい、大丈夫です」

 

「イツキ、鞘は替えたか?」

「はい、新品ですよ」

 

「イツキ!!落ちる!落ちるって俺!!」

「落ち着いてください今引っ張ってるんで!!」

 

ライオス一行の初迷宮攻略から3ヶ月。あれから様々なことがあった。

 

ひとつは迷宮4階に続く階段に到達したこと。宝を収集しながらの探索であったため時間こそ掛かったが、かなり実になる時間だった。

 

もうひとつは…

 

「抜けるんですか、ダンダンさん」

「あぁ、迷宮4階以降は俺には荷が重い。歳だしなぁ…俺も」

 

ダンダンの離脱。ダンダンは歳を理由に抜けるといっているが、迷宮は4階からが鬼門という冒険者が多い。

 

まずひとつに水場の存在。湖のように広い水場を舟で、もしくは魔法で越えなければならない。

 

そしてもうひとつが、単純に魔物が強くなるということ。

 

水の中には魚人や人魚などが生息している。魚人は基本群れで行動し水の中を縦横無尽に動き回る。人魚に至っては歌声を聞いたらアウトだ。

 

さらにジャイアントクラーケンやシーサーペントなどの巨大種。これらは並の冒険者ならば全滅不可避の魔物だ。

 

これらのことからいつしか冒険者は迷宮完全攻略ではなく、目の前の小銭を漁るようになってしまった。

 

「寂しくなりますね」

「…そんな目で見んなよ。代わりの鍵師なら紹介してやるから」

 

高いけど。と付け足したダンダンから紹介されたのは、

 

「金は前払いのみ。あと日割りだ。それが嫌なら俺は帰るぜ」

 

名をチルチャック・ティムズ。ダンダン曰く『金払いはキツいが有能』との事。

 

ライオスは自分の貯金から少し金を出して彼を雇うことにした。

 

「よろしくお願いします。チルチャックさん」

「…おい、ここは託児所か?俺はトールマンの年齢なんぞ分からないが流石にコイツがガキだってのは分かるぞ」

 

初対面から中々キツい当たりだ。しかしチルチャックの言い分ももっともである。迷宮は命を賭ける場所、そこに子供を連れていくのはあまりに自殺行為だ。イツキは14歳な上に背が低い。ファリンの肩あたりまでしかない。

 

「イツキは強いよ。1人でスケルトンとグールの群れを倒したときは流石にびっくりした」

「ホントかよ…」

 

疑心暗鬼のまま迷宮へ。

 

「はァァァ!!」

 

2階では大コウモリの群れ。3階ではスケルトンにグールから大立ち回りを魅せたイツキ。

 

「ったく、魔法使いにああも前に出られちゃ戦士職はすることないな」

「イツキ楽しそう」

「……まぁ、腕は確かか」

 

その後、チルチャックも鍵師としての実力を発揮。言い方は悪いが、ダンダンとは比べるべくもないくらいの鍵師だった。

 

罠の探知力、戦闘の回避回数もチルチャックが入ってから飛躍的に向上した。

 

「ここまでスムーズに3階まで来れたの初めてですよ!」

「へいへい、俺は仕事をしたまでだ」

 

そして依頼や探索をこなし3階でやることが殆ど無くなったある日。チルチャックはライオスを酒場に呼び出していた。

 

チルチャックは既に何本か呑んでいるのか、顔が赤くなっている。

 

一方ライオスは『今後の仕事について話すことがある』とチルチャックから言われているため、内心ヒヤヒヤで酒場に来た。

 

「なぁライオス」

「な、なんだ?」

 

チルチャックは静かに話し出した。

 

「イツキのことだ。これから4階に降りるだろ?」

「あぁ、そうだな」

「アイツとナマリだけじゃ、前衛は厳しいと思うぜ」

「…なぜ?」

 

「イツキはな、優しいやつだ。それはまだ知り合って数日の俺にも分かる。だけどそれは『弱さ』に繋がることもある。これからは亜人種も増えてくる。アイツは人の形したやつ斬れるか?」

 

「大体ガキだろ?年齢は関係ないってのは今は違うぜ?そういうんじゃない。実力はあっても経験不足って話しだ」

 

「ナマリは基本殿でファリンの傍にいるだろ?もう1人くらい前衛の…そうだな、女は面倒くさいから男を探せ。迷宮4階に挑む酔狂なやつをな」

 

「前衛か…」

 

ライオスも一応前衛なのだがリーダーという役割を担っている分、指示を出したり状況把握のためイツキの一歩後ろにいる事が多い。

 

数日後。イツキはライオスが帰ってくるのが遅いのを変に思い、酒場などを回っていた。何軒も回りやっとライオスを見つけることが出来た。

 

「ライオスさん?もう遅い時間ですよ、ファリンさんが心配します。…そちらの方は?」

「ああ、イツキ!こっちは…えーっと、ごめん名前なんだっけ?」

「え?あぁ…とっ…しー…ろー…」

「えっシィロー!?いや、シュローか!よろしく!!」

 

何やらライオスのテンションが高い。こういう時は大体ろくでもないことが起きているので、イツキはライオスをシュローから引き剥がす。

 

「ほら、シュローさんお疲れみたいですから、帰りますよ」

「そうなのか?シュロー!また明日!」

「あぁ…うん………えっ、明日?」

 

その後、シュローと再会する。どこから聞いたのかライオスはシュローが泊まっている宿にファリンとイツキを連れて2人を紹介。一緒にご飯を食べようとのことで食堂へ。

 

舞い上がってるライオス。そんな兄を見て笑顔のファリン。終始困惑していたシュロー。帰り際、そんなシュローにイツキがフォローを入れる。

 

「はは…すみませんシュローさん。あんなにテンション高いライオスさん見るの久々で…止めるに止められませんでした」

「あぁ…いや、君が気にすることじゃないよ。実際、楽しいは楽しかったから…」

「そう言ってもらえると助かります」

 

では。とイツキはシュローに頭を下げてからライオス達と合流する。

 

「あの子は苦労しそうだな…」

 

その後、本当に苦労するのはライオスがパーティ全員をシュローの宿まで連れていき紹介し、流れでライオス一行に入ることになったシュロー本人である事が分かったのは、ライオス達との食事会が終わった翌日に判明したのであった。

 

「よし、今回の目標は迷宮4階の探索だ」

「うん。頑張る」

「程々にな」

「アンタもな」

 

この先大丈夫だろうか。とシュローは心配する。しかしそれは魔物との対峙ではなく、人間関係についてだが。

 

「…ん?イツキ、どうした?」

「え?あぁいえ、なんでも…なくないです。シュローさんって…日本生まれですか?」

 

イツキはシュローの鎧をまじまじと見ていた。それは大鎧もしくは当世具足と呼ばれる日本式甲冑にそっくりだったからだ。

 

「いや?俺は東の群島からだ。日本というのは聞いたことは無い」

「…そう、ですか…いえ、大丈夫です。気にしないでください」

 

気にするなと言われると余計気になる。だが迷宮攻略が始まったので、シュローはあとで考えることにした。

 

迷宮2階。ルートは確定しているためその通りに進む一行。道中魔物に出くわしたが、せいぜい大コウモリ程度だったため苦戦はする訳無かった。

 

迷宮3階。城の中を通り動く鎧と相対したが、ライオスの盾攻撃とイツキの斬撃で事足りる程度の数しかいなかった。

 

問題はグールやスケルトン、そしてゴーレムだが、グールとスケルトンはライオスとナマリが斃し、ゴーレムはイツキが炎で壁を作り進行ルートを確保し突破。

 

結果として悠々と迷宮4階の階段までたどり着けた。

 

「よし…問題はここからだ。ファリン、イツキ。魔法を頼む」

「うん」「分かりました」

 

掛ける魔法は『水上歩行』という魔法。その名の通り水の上を歩くことが出来るようになる魔法だ。迷宮4階は基本これを付けて探索する。

 

ファリンとイツキは全員に水上歩行を掛ける。イツキは多少手こずったものの、魔法を付与することに成功した。

 

「迷宮4階は、主に魚人や人魚が生息している。下も警戒を怠るな。…行こう」

 

ライオス一行は階段を降りていく。そして見えてきたのは、地下水路の様な場所。しかし広さが尋常ではない上に、水の透明度が低く下にどれほど魔物がいるのか分からない。

 

「ここを通るんですね…」

 

イツキはそーっと水に足を置く。水上歩行を迷宮外の川などで試してはいるものの、水の上を歩く行為は不慣れなものだ。

 

「チルチャック、人魚はどうだ?」

「今んとこそれらしき声は聞こえないな」

「チルチャック。これ握ってな」

「おう」

 

ナマリが差し出したのは縄。それをチルチャックの腹に括りつけてそれをナマリが持つ。こんなことをするのは人魚の被害を無くすためである。

 

人魚はその歌声でそれを聞いた者を魅了し、水中に誘い込み食い殺す。なので一番耳の良いハーフフットであるチルチャックが歌声を探知。様子がおかしい事に気付いたナマリが周りに報告。人魚を遠くから撃退するという手筈だ。

 

「とりあえず、あっちに見えてる入り口まで行こう」

 

ライオスを先頭に一行は水の上を歩いていく。しばらく歩き進め、湖の後半に差し掛かったところで、チルチャックが音を検知した。

 

「なんか後ろから来てる!」

 

全員戦闘態勢に入る。水の中から現れたのは魚の群れ。

 

「トビウオ!?」

「違う、刃魚だ!全員固まれ!」

 

刃魚。トビウオの様に水面を跳ね自身の刃ヒレで切りつける魔物。

 

「ファリン!チルチャック!私の近くにいな!」

「う、うん」「もういる」

 

ナマリは回復役のファリンと鍵師のチルチャックを援護。

その周りにライオス、イツキ、シュローの3人で囲う様に配置。刃魚を対処する。

 

「よっ!」

 

ライオスは盾で刃魚の攻撃を防ぎつつ撃退。

 

「はっ!」

 

イツキは剣に炎属性を付与し、剣の炎を盾の形にして防御。突っ込んできた刃魚はそのまま焼き魚になった。半生だが。

 

そしてシュローは

 

「ふんっ!」

 

居合抜刀。瞬く間に刃魚達は刀によって卸されていく。

 

「(なんて速さ…剣筋が見えない!)」

 

イツキは防御の片手間シュローを観察していた。そしてひとつ思ったことがある。

 

「(刀と炎…めちゃくちゃ合うな!)」

 

残火の太刀に火産霊神に炎の呼吸。刀と炎は親和性が高い。イツキはシュローにあとで刀を持たせてもらおうと思った。

 

「よし、刃魚が止んだ!走れ!」

 

ライオスの指示に全員動く。水から地面へと上がり、入り口までたどり着いた。

 

「チルチャック」「分かってるよ」

 

チルチャックは入り口周りに罠が無いか確認。扉を開け中を見る。

 

「水場だ、多分休憩室だな」

「よし、入ろう」

 

全員休憩室に入る。一息付き、イツキはシュローに話しかける。

 

「シュローさんさっきの太刀捌き凄いですね!」

「え?そ、そうか?」

「うん、剣筋が見えなかった。相当強いんだな」

 

「…アイツシュローの実力把握してなかったのかよ、てか何者だよ」

「兄さんの…友達?」

「なんで疑問形なんだよ」

 

「ひとまず休憩だな。ここまでノンストップだったし…」

 

全員荷物を降ろす。4階の探索は先程の様な水上での戦闘が殆どだ。休息は大事である。

 

「さっきイツキが刃魚焼いたから、なんか焼き魚が食べたくなってきた…」

「分かる。良い匂いだった」

「干し魚くらいしかないですよ」

 

「とっとと食って、とっとと寝よう」





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