異世界ダンジョン飯   作:一般通過炎竜

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ごめん幕間四話分で良いですか?良い?ありがとう!

ごめんなさい書いてて楽しくなっちゃった……

イツキのCVは声低めの演技している悠〇碧さんでお楽しみください。


幕間(2)

 

《なんか続いたイツキ女の子シリーズ》

 

「とりあえず、薬の効果が切れるまでは女の子でいるしかないかも……ごめんね」

「謝らなくても大丈夫ですよ、マルシルさん。元はといえばおれの不注意なんですから」

 

避けようと思えば避けれた。しかし外敵のいないマルシルがいる研究室で油断しきっていたのが原因といえばそうなる。

 

「ありがとうね…」

 

そう言って、マルシルは紙袋を取り出した。

 

「なんですかこれ」

「当面の着替え。さっき計算したら薬は二日もすれば抜けて元に戻るから…それまでの」

「ありがとうございます」

 

そう言って、イツキは試しに紙袋から服を取り出した。

 

中に入っていたのはメイド服だった。しかも実際の給仕に使われるクラシックタイプではなく完璧に趣味用のミニスカートのやつが。

 

「反省してねーだろマルシルさん」

「てへ☆」

 

イツキはメイド服をマルシルが物理的に届かない棚の上に放り投げてから退室する。のをマルシルが慌てて追いかけて来る。

 

「イツキくんイツキくん!」

「なんです?」

「さっきのは半分冗談だけどその格好は流石にマズイよ!」

「え?いつも着てる服…………あぁ……こりゃマズイ」

 

イツキは普段着に良くワイシャツにスラックス(に似た黒いズボン)を着用している。ワイシャツの下はインナーなのだが、その程度では盛りに盛られたメロン峠から太陽が透けて見えていた。*1

 

「とりあえず私のローブ貸すから、服買いに行こ?」

「はい、お願いします」

 

そして、イツキはマルシルから手渡されたローブを着用する……が。

 

「キ、キッツ……」

「なんかムカつくんですけど」

 

案の定サイズが合わなかった、主に上半身のアレが。ギチギチに収まりきれていないブツが今にもローブを破壊しそうになっている。

 

「うーんでも私そんなに大きいの持ってないし…あ、そうだ!ちょっとまってて!」

 

と言い、マルシルは研究室から飛び出して行った。仕方ないのでローブを脱ぎ、身体の前だけを隠す事に。

 

少しの間待ち、再び研究室の扉が開かれる。

 

「イツキ、お待たせ」

「ファリンさん!?」

 

扉から姿を現したのはキメ顔のファリンだった。嫌な予感しかしないイツキは今すぐにでもこの場から逃げ出したかったが、あいにく今の格好で外に出れば憲兵のお世話になること間違いなしだろう。

 

「マルシルから話は聞いたよ、女の子になっちゃったって」

 

そう言い、ファリンはイツキの前で屈んでから、人差し指でイツキの豊満なソレを突く。

 

「おー……凄いね。私より大っきい」

「突くな突くな!」

 

どいつもこいつも…とイツキがボヤきながら両手で隠す。眼鏡を掛けて以来薄目を開けっぱなしだったファリンの目が見開いた。

 

「イツキ今のすっごい可愛い!」

「何しに来たんですか!!」

「あ、そうそう。私とかが着れるサイズ売ってるお店知ってるから、行こ?」

 

とりあえずこれ着て。と手渡されたのは黒色の大きめのワンピースだった。更にインナーを二着渡され徹底的に対策される。

 

「足のサイズも変わってるね。多分…マルシルと同じかちょっと小さめくらいじゃない?」

「あったよ!チャンキーヒールが!」

「でかした!」

「(テンション高いな二人共…)」

 

イツキは渡されたサンダルを履き、ファリンに両手を支えて貰いながら立ち上がる。プルプル震える足は生まれたてのケンタウロスの様だった。

 

「なん、で、例えがライオスさん好みなんだ…っ!」

「イツキ、どう?」

「というかなんでヒールなんですか!普通の靴の方が…!」

「せっかく女の子になったのに勿体ないじゃん!」

「ほんと反省してないなマルシルさん!?」

 

なんとか立ち上がり、暫くファリンとマルシルの補助付きで歩き方を学んだ。

 

「懐かしいなぁ、私もマルシルから教わった時逃げ出したっけ」

「探すのにほんと苦労したんだから…」

 

元々化粧や服装に無頓智だったファリンだったが、マルシルの英才教育のお陰で人並みにはなったらしい。

 

「よ、よし……なんとか歩けるようになりました」

「よし!それじゃあ服買いに行こう!……の前に髪もセットしちゃおう!」

 

おー!とマルシルとファリンが気合いを入れる。賛同するしかないイツキは控えめにお〜…と腕を上げた。

 

後ろ髪を三つ編みにされたイツキは町へ繰り出し、二人を連れて大通りを歩く。いつもならばイツキに嫉妬の視線が一つや二つ飛んでくるところだが、今回飛んでくるのは別の視線だった。

 

「うー…すごいチラチラ見られる」

「今のイツキ控えめに言って超美人だからねー、そりゃ見るよ。私だって見るよ」

 

今のイツキは身長170cm前後、スリーサイズは上からB111W61H91というどこぞの海賊女帝*2と身長こそ違えど同等のスリーサイズを誇っていた。

 

突如現れた絶世の美女に、島の男連中は浮き足立っていた。

 

「というか、なんの霊薬で失敗したんですか?」

「お肌のツヤとお通じ改善だけど」

「薬局行け…!」

 

そしてようやく服屋へ辿り着き、そそくさと入店する。

 

目の前に広がるのは、見渡す限りのレディース服だった。イツキは見慣れていない光景に思わず怯む。

 

「はいはい、いらっしゃ……」

 

店の扉が開かれカウンターにいた店員(トールマン54歳ベテラン)のおばちゃんが、イツキを見るやいなや目を見開き、タラりと汗をかく。

 

「こりゃ……久々に気合い入れないとだねぇ……!」

「突然現れたのにキャラが濃すぎる」

「私達外で待ってるね」

 

お嬢ちゃん寄せて上げるって知らないのかい?

寄せて……上げる……?

 

というおばちゃんとイツキの会話を聞きながらファリンとマルシルは退店する。

 

「マルシル、良かったの?イツキの服選ばなくて」

「多分暴走するよ?私」

 

しばらくして店からゲッソリしたイツキが出てきた。見るからに疲労が蓄積されている。

 

「お、おおー!」

 

イツキの格好は……その……あれです。調べようと思ったんですがイマイチよく分かんなかったのでウィッチャー3でシリってキャラクターを検索してください。初期の白シャツのやつです。本当に申し訳ない。

 

「お、お待たせしました…」

「お〜〜!イツキくんだいた〜ん!私だったらそんなの体型気にして着れないよ!」

「すっごい体型強調してるね、上も下も。ちょっと意外」

「おれが選んだんじゃなくておばちゃんが選んだんですよ…!」

 

おばちゃんの圧に勝てなかったイツキはそのグラマーが過ぎる体型を隠そうと身を捩らせるが、真顔になった二人に指摘される。

 

「「隠す方がえっち」」

「詰みか?」

 

もはや気にしても仕方がないので、逆に堂々と歩き出してみる。そうすれば慣れというのは恐ろしいもので、すぐにどうでもよくなった。

 

そこで、イツキのお腹から良い音がした。時刻は丁度お昼時。三人はいつもの食堂へと足を運んだ。

 

「あらいらっしゃい二人とも…と、ご新規さん?」

 

なんかどっかで見たことあるような…?となっている店員(トールマン彼氏募集中)だったが、余計な詮索をせず手早く席へ案内する。

 

イツキは唐揚げ定食、マルシルはサンドイッチセット、ファリンはチキンカレーを頼んでから席に着く。

 

「あ、イツキ足開いちゃだめだよ」

「え、こうです?」

「こうしてみて」

 

最初はキュッと足を閉じたイツキだったが、マルシルの指摘通りに足を組み、胸の下で腕も組み、顎を引き、背筋を伸ばして座ってみせる。

 

「「おぉ〜…」」

「…なんですか」

「なんか……いいね」

「うん」

「語彙力どこ行っちゃったの?」

 

その後食事を済ませこれからどうしようかと相談し合っていると、食堂に人が入ってくる。それはカブルーだった、珍しく一人らしい。

 

「あ、カブルーさんこんにちは」

 

イツキは普段通り笑顔で挨拶する。したところで、しまった、となる。今の自分の見た目をすっかり忘れてしまっていた。

 

「――――。」

 

カブルーは脳内フォルダを全力で捲りまくって今まで出会った人物フォルダの中の女性を検索し、一つの結論に辿り着いた。

 

「(誰だ……?今の親しい感じの挨拶、誰かに俺の事を聞いて話しかけてきた感じじゃない。え、忘れた?俺が?人を?しかもこんな特徴的な人を?)」

 

一人でかなりショックを受けているカブルーに、イツキは慌てて訂正する。

 

「カ、カブルーさん!おれです、イツキです!」

「…………????」

 

カブルーの目の前にいるのは贔屓目に見ても絶世の美女であり、親友であるイツキとは似ても似つかな……

 

「いや、目元とか割とそれっぽい…?本当にイツキなのか?」

「はい。実は色々あって…」

 

着席したカブルーにイツキは事の経緯を説明した。カブルーは心底安心しきったように胸を撫で下ろす。

 

「よかった…俺とした事が一度出会った人を忘れたものかと…」

「え、一回会った人の事覚えてるんですか?」

「え?そりゃもちろん」

 

当たり前だろ?と言わんばかりに首を傾げるカブルーに、三人は何も言えなくなった。

 

「…あ、ねぇねぇカブルー。男の人から見て今のイツキってどう?」

「どうって…」

 

マルシルの質問に、カブルーは口元に手を添えて考える仕草を取る。ジーッと見つめてくるカブルーに、イツキはなんだか緊張する。

 

「そう…ですね、とりあえずかなりの美人です。俺なら積極的に声を掛けますね」

「あ、やっぱりカブルーもそういうとこあるんだ?」

「その、そういうとこ、が男性が女性に一方的に好意を抱いて声を掛けるとかの事だと思うんですけど、俺の場合彼女の人間関係の方に興味あります」

「というと?」

 

そうですね…とカブルーは一回考えてから発言する。

 

「まずこんな冒険者向け大衆食堂にこんな美女がいたら、いの一番に思うのは手練の冒険者のツレだと思いますね。言い方は悪いですが、女性は実力に問わず美しければ美しい程上級パーティに入れる傾向があるので」

「あー…確かにそういうとこあるかも。その場合迷宮攻略じゃなくて迷宮に挑む冒険者へ挑んでる人が多いよね」

「はい。迷宮攻略を一種の婚活に用いる人もいるので…」

 

カブルーは心の中で、自分の容姿を利用した上級パーティへの売り込みという意見にそっと蓋をした。

 

「もしくは何かしらの後暗い理由があって迷宮へ挑まざるを得ない人。まぁこれは正直大多数の冒険者に当てはまる事なのであまり参考にはなりませんが…ここまで美女だったら、迷宮に挑まずとも就ける職種はそれこそ山のようにある筈ですので」

「へぇー…流石人間観察のプロですね」

「それほどでもあるよ」

 

キラン☆とカブルーの目元が光った様な気がする。そこに、ファリンが更に質問する。

 

「あ、じゃあ人間観察抜きにしてさ、カブルー的に今のイツキはどう?」

「どう、とは?」

「お近付きになりたいか、なりたくないかってところかな」

「……そうですね」

 

カブルーは少し考え、それを否定する。

 

「正直、ここまで美女だとトラブルが多そうですし…俺は遠慮しますかね」

「……へぇー」

 

なぜかカチンと来たイツキ。先程まで散々絶世の美女だのなんだの持て囃され、霊薬の効果もあって思考が女性に近付いていたイツキのプライドに傷が付いた。

 

「こんなに近付かれても、ですか?」

 

イツキはカブルーの隣まで自分の椅子を持っていき、机の上に右腕を置いたあとその上に巨大なブツをその右腕の上に置き、左腕は机に肘を置きながら手のひらに顎を置く。

 

必然的にただでさえデカイ胸がかなり強調される姿勢。マルシルとファリンは思わずお〜と声を漏らす。しかし、カブルーに効果は薄かった。

 

「ははは。そこまで行くと美人局を疑うかな」

「むぅ…」

 

面白くないイツキはカブルーの顎をクイッと持ち上げ、渾身のキメ顔を作る。かつて自分の恩師に、こういう女には気を付けろと言われた特徴通りの態度をとってみせた。

 

「ここまでされても?」

「う……」

 

流石のカブルーも少したじろぎ、後ろでマルシルとファリンが外人四コマみたいなポーズを取ったところで再び食堂の扉が開かれた。

 

「カブルー…?宿の人に居場所を聞いたよ、来ちゃっ…………た?」

 

イツキとカブルーは現れた人物を見て、一瞬にして青ざめ、固まった。

 

現れたのは、殺戮の権化(ミルシリル)

 

「女狐ェ……!!」

 

今のミルシリルには、イツキがカブルーに言い寄る虫にしか見えなかった。

 

ミルシリルは瞬時に魔法操作でぬいぐるみに剣や槍を持たせイツキに襲いかからせ、自身も虚空から呼び出した直剣でイツキに強襲する。

 

イツキは過去ミルシリルに訓練という名の拷問を受けて以来ミルシリルの事がかなり苦手であり、そもそも戦うという選択肢が出ないイツキはこの場から離脱した。

 

窓から食堂から脱出し、履きなれていない筈のヒールで全力疾走で逃げ続ける。

 

しかし大魔王(ミルシリル)からは逃げられない!

 

壁を突き破って(・・・・・・・)出てきたミルシリルはイツキが逃げる先にぬいぐるみを展開。イツキは攻撃をなんとか躱しつつどうにかミルシリルに説得を試みる。

 

「ミルシリルさん落ち着いて!おれです!イツキです!!」

「イツキ……?」

 

ミルシリルはぬいぐるみに視覚共有し、イツキを見る。走る度にブルンブルン揺れるそれを見た。

 

「イツキがそんな童貞が考えた自分にだけ都合の良い爆乳クーデレヒロインみたいな訳がないだろうが女ァ!!!」

「畜生やっぱりダメか!!」

 

普段のミルシリルならば目元などの特徴から察せたかもしれない。しかし今のミルシリルは激昂状態。いつ臨界してもおかしくはなかった。

 

イツキは身体強化魔法で得意の足の速さを上げ、裏路地などを駆使して追跡を逃れようとする。それはメリニに慣れていないミルシリルには効果があり、イツキは息が切れるまで走り続けなんとか撒くことに成功した。

 

「はぁー…はぁー…い、生きてる…」

 

イツキはその場に膝を突いて呼吸を整えようとする。そこに一人の男性が現れた。その男性は和服に身を包んでおり、しゃがんでイツキへ手を差し伸べる。

 

「だ、大丈夫か?かなり切羽詰まっている様なので声を掛けたが…」

 

それは珍しく他人に関わろうとするシュローだった。イツキはシュローの顔を見て先程の恐怖を紛らわそうと、シュローに思い切り飛びかかって抱き着いた。

 

「シュローさぁん!!」

「もがーっ!?」

 

突然の質量攻撃に耐えきれず、シュローは地面に倒れ込む。それでも目の前の女性(イツキ)が怪我をしないように体勢を即座に整える辺り、流石作中随一の実力派であり紳士と言えるだろう。

 

しかしそれでも自分の顔面を覆い尽くす快楽の苦痛に耐えきれず呼吸もままならなくなり、シュローは意識を手放した。

 

「(我が人生に一片の悔いなし…)」*3

「あ、あれ?シュローさん!シュローさぁーん!?」

 

イツキが気付いた時には既に手遅れだった。そして、イツキの背後で何かが落ちる音がした。イツキは嫌な予感をしつつ、そ〜っと後ろに振り向く。

 

「坊ちゃん……?」

 

そこには、買い物袋を落として呆然としているマイヅルがいた。しかしさすが頭首直属の隠密。即座に式神とクナイを構えイツキに襲いかかる。その表情に、感情は無かった。

 

第2ラウンド、ファイッ!!

 

 

「もう二度と女になんかなるかーっ!!!」

 

 

イツキの絶叫は、メリニの空に溶けていった。

 

*1
察しろ

*2
言わずもがなONEPIECEのハンコック

*3
ここのシュローは巨乳派。原作は分からぬ





お、俺が悪いってのか……?
俺……俺は悪くねぇぞ
だってコメントが言ったんだ……
そうだ、コメントがやれって!
ここまで楽しくなるって思わなかったんだ!
コメントが教えてくれたんだろっ!
俺は悪くねぇっ!俺は悪くねぇっ!




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