「~~~~~~‼~~~~‼」
あれ、ここは何処だっけ
「~~~~~~‼~~~~~~‼」
目の前で怒鳴ってるのは、誰だろう
「~~~‼聞いてるのか‼」
そう言ったかと思うと、顔を殴られる
鼻が折れたのか、鼻血がぼとぼとと出てくる
何で、私、殴られてるんだッけ
「あ?何血床に落としてんだゴミ屑!」
そう言うと今度は腹を蹴られる
吹っ飛んで背中が壁に激突して、体の息が強制的に排出される感覚に襲われる
げほげほとせき込んでいると、顔を殴られる
殴られた拍子に床に倒れこむ体に馬乗りになってくると、ただひたすら殴られる
顔やお腹、頭を何度も殴られる
やっとそれが終わって、頭や口から血が流れる
と、今度は髪の毛を掴まれて持ち上げられる
ぶちぶちと何本かの髪の毛が抜けていく音がする
そのまま風呂場まで連れていかれると、壁に向かって思いっきり頭を叩きつけられる
叩きつけられて揺れる視界、そして痛む頭
そう認識したのも束の間、再び頭を掴まれて顔を持ち上げられると、いつの間にか洗面台にたまっていた水に顔を突っ込まれる
息が出来なくて苦しくて、何とか顔を持ち上げようとするけど、碌な食事もとっていない私の身体では、抵抗も虚しい
そんな私の様子を見て、笑いながら顔を持ち上げてくる
と、思っていると再び水の中に顔を突っ込まれる
それを何度も、何十回だろうか、飽きたのだろうか
それが終わってやっとまともな呼吸ができるようになって、口から水を吐き出しながら咳き込む
何度か咳き込んで空気を体に取り入れようとしていると、再び髪を掴まれる
再び髪の毛が抜ける音が聞こえながら引き摺られていると、着いたのは寝室
布団の上に投げ出されたかと思うと、再び馬乗りにされる
そして来ていたぼろ布を破かれて、傷だらけの体があらわになる
抵抗しようしたら、頭を何かで殴られる
くらくらする視界に見えたのは、私の体に何かを突き立てる姿だった
…さむい
いまは、ふゆだったっけ
あれから、たしか
あぁ、ひたすらつきたてられたあと、じゃまだからっていって、そとにいるんだっけ
…あれ、なんでいま、わたし、じめんに、よこたわって
ちが、ながれてる
このまま、いしきが、なくなるのかな
「~~~!」
なにかがきこえるとどうじに、あたまがゆれる
とじかけていたいしきがもどれば、ふたたびわたしのからだに、つきたてようとしている
けっこうな、かずがある
もう、うごけない
いやだ、やだ、やめて、いや
「ああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼」
肺の中にあったありったけの空気を、叫び声に変換する
誰かが私に体に腕を回していたのが理解できて、その腕を振り払う
「銘!?」
私の名を呼ぶ声が聞こえて、その方向に視線を向ければ、私の体に突き立ていた顔
その顔から逃れるように、近くにあったものを投げつけて、逃げる
とにかく遠くに逃げようと、這いつくばりながらも逃げる
「銘!」
そんな私を、後ろから追いかけてくる顔
捕まってたまるかと思って、立ち上がって逃げようとする
けど、足に力が入らなくて、立ち上がろうとしても転ぶ
「銘!~~~!」
そんなことを繰り返しているうちに、後ろから追ってきた顔に捕まる
振りほどいて逃げようと、暴れる
「離せぇ!離せぇ!離せぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ‼」
そう叫んで、とにかく顔から逃れようと暴れる
とにかく力を振り絞って、逃げようとする
「~~~~!~~~!?」
「~~!~~~~!銘~!」
そうして抑えている腕から逃れようとしていると、声が増える
何かを話しているその隙をついて、私のことを捕まえていた顔を振りほどいて、また逃げる
閉まっていた襖を開けて、広い空間に逃げる
とにかく顔から逃げようと、立ち上がろうとして転ぶことを繰り返す
そうして逃げ回り、顔が近づいてきたら腕を振り回して離して、逃げる
いつの間にか、追いかけてくる顔が増えている
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼」
目の前に顔が現れて、別の方向へ逃げようとする
けど、その方向からも顔が近づいてきてて
腰が抜けて後ずさると、壁に背が当たる感覚がして
とにかく顔に食われるのが嫌で、腕で顔をかばうように座る
「来るな…!来るな!近づくなぁ…!」
恐怖で声が震えながらも、そう叫ぶ
ただ、そう言っても、顔がそんなことを聞いてくれるわけがないとわかっている
そう思いながら震えていると、顔が近くに来た気配を感じる
何をされるのかが怖くて、震えていると
…何か、暖かい
それに何か、頭を撫でられている感覚がする
「銘」
名前を呼ばれて、びくりと震える
…けど、あの顔の声ではない気がする
「大丈夫…大丈夫…」
耳元で、囁くように聞こえる声
この声は
「…り、リサ?」
「そうだよ、銘…大丈夫?」
そう言って顔を覗き込んでくるリサ
その後ろでは、こちらを心配そうに見てくる顔が
あの顔じゃなくて、レイの顔
…あぁ、そうだった
確か昨日、各バンドが結集したイベントがあって
終わって、帰る時に、今日はリサとレイが来るって聞いて
打ち上げはどうしたのかと聞いたら、もう夏休みに入ってるから、来週にってことになったって聞いたんだっけ
じゃあ、あの時、増えた気配は何処にと、視線を左右へ向けるも、見えるのは私の家の内装とリサ、それとレイだけ
あれは…気のせいだったのか
「…げほげほっ!」
そう思うと同時に、のどが痛くて咳が出る
あんな大きな声で叫んでたからか、喉が乾ききっている
「レイ、水お願いしてもいい?私は銘を連れて行くから」
「分かりました」
そんな私の様子を見たリサは、蘭に水を持ってくるように頼んだかと思うと、私に声をかけてくる
「銘、動ける?」
声を出すのもつらいから、頷くことで返す
そんな私の頭を撫でて、私の手を引いて立ち上がらせた
…リサの顔が、あの顔に見えたかと思うと、またリサの顔に戻る
「落ち着いた?」
「うん…ごめん…」
「大丈夫」
ソファに座って、レイが入れてくれた白湯を飲んでいる私
隣に座っているリサとレイの顔も、あの顔には見えない
「…リサ、レイ…ごめん…」
いくら過去のことを思い出してパニックになってたとはいえ、リサやレイに迷惑をかけていい理由にはならない
ましてや、暴れるなんて、迷惑にさらに迷惑をかけるなんて、とんでもないことをしてしまった
「銘が謝ることじゃないよ」
そう言うと頭を撫でてくるレイ
そうは言っても、迷惑だったことには違いない
それに、リサとレイの顔を、あの顔だと、間違ってしまったのだから
私は、救いようがない、クズだ
そんな私を、心配そうに見つめて、頭を撫でてくる手は、暖かい
「それ飲んだら、もう一回寝ようか」
「…でも、また暴れるかも…」
そう言うと私の頬に手を当てるレイ
「大丈夫、また落ち着かせてあげるから、だから銘は、迷惑だなんて思わなくていいんだよ…むしろ私はそう言う銘は勿論もっとめいわk」
「はーいレイ、そこまで、それ以上はダーメ…とにかく、銘は、もっと私たちに頼ってくれていいんだよ」
「…うん」
リサの言葉を、真に受けたわけじゃない
でも、本当に真に受けていいのなら
頼っても、いいのかな
「…リサ、程々にしないとレイが…」
「だいじょーぶ、ちょっとしたお仕置きだから♪」
「り、リサさん、ぎ、ギブ…」
部屋の中で、布が擦り切れる音と水音、それに荒い息遣いが静かに響く
「…銘」
そう言う私の目の前では、呼吸を整える銘の姿
目が蕩けていて、息も荒い
その姿に興奮を覚えるけど、ぐっとこらえる
無理矢理というのは、銘を愛するときには、必要ない
「…銘」
「はぁ…はぁ…リサ…」
「脱がしても、いい?」
そう言って銘の背中から、下の方へ動かして、服とズボンの境目で手を止める
だけどまだ手は入れない、入れるのは銘が『いいよ』と言ってくれるまで
「…いいよ…リサに…好きにされたい…」
キスをしただけではないだろう理由で顔を赤くしながら、そう言う銘
そんな銘の様子が可愛いのと、銘が『いいよ』と言ってくれた
もう何度も、こういう事をしてるのに、銘の『いいよ』と言ってくれた幸福感が、薄らぐことはない
これまでも、これからも薄らぐことはないんだろう
そう思いながら、銘の唇に自分の唇を重ねると、銘の上着の中に手を入れて、銘の下着の繋ぎ目に手をかけた
次回は夏休み中に貸し切った旅館に皆で行くって話にするか悩む
どうしたらいいかな
感想宜しく